もしエルシィが勾留ビンを使えなかったら   作:天星

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 色々とやってたら結構時間がかかってしまった……
 執筆順序が結局どうなったのかはご自分の目で確かめてみて下さい(笑)

 あと、章タイトルみてビビった方がいらっしゃるかもしれませんが、筆者のミスとかではないのでご安心下さい。僕自身も割とビビってます。




『思慮』の女神は邂逅を果たす
プロローグ


 うちの学校では、この時期は『フェスティバルロード』とか呼ばれているらしい。

 今週末に体育祭ことスポーツフェスティバル。

 それが終わってから一週間後にはプロフェッサーフェスティバル……中間テスト。

 更に次の週にはマイジマフェスティバル、『舞校祭』と呼ばれる文化祭。

 そんな感じのお祭り騒ぎが毎週繰り広げられる期間だ。

 なにもここまで集めなくても良かったんじゃなかろうか? ここの校長は何を考えているのやら。

 まあ僕には関係ないか。体育祭は突如インフルエンザと風疹と結核に感染して出れなくなる予定だし、テストはただのパズルだし、舞校祭は隅っこの方でゲームし放題だしな。

 今年の場合は女神について探るとかいう面倒な課題があるが……まぁ、気が向いたらでいいや。

 

 そんな感じで、体育祭について色々決める為に国語の時間を潰してHRを行っている。担任で国語教師の二階堂が授業時間を私物化したようだ。

 

「諸君、ベストメンバーで挑むように。そして1位を取るように。

 説明するまでも無いと思うが、体育祭は紅組・白組などという大雑把なチーム分けではなく各クラス毎のポイントを競うものだ。

 すなわち、この結果がクラスの評価と直結するのだ!」

 

 演説としてはなかなかだな。僕個人としてはクラスの評価なんざどうでもいいが、頑張る気になる生徒は多数居るだろう。

 

「そう、そしてクラスの評価は私の評価、私の査定に直結する。

 私の給料の為に勝て!!」

 

 おいおい……そういう意味かよ。

 下手に隠し事をしないのはある意味好感が持てるが……

 

 

「ん~、そういう事なら……」

 

 二階堂の発言を受けて前の方で司会進行をやってる女子(名前は忘れたが何かモブっぽい名前だった気がする)が黒板に名前を書いていく。

 100m走 高原歩美

 400m走 高原歩美

 1500m走 高原歩美

 二人三脚 高原 歩美

 

  ……以下略

 

 

 なるほど。司会のモブはどうやら本気で勝ちに行く気のようだ。

 僕としても競技に参加しなくて済むのはありがたい。

 ……が、そんな完璧な選択肢に文句を付ける愚か者が居た。

 

 

「待て待て!! コロす気かぁ!!!」

 

 

 ……選ばれたご本人である。

 そらそうだわな。そもそも個人競技以外の競技も結構あるし。

 棒倒しとかは『参加はできるけど非常に不利』で済むかもしれんが、二人三脚なんかは普通にルール違反だ。

 

 

「じゃあ、私が400m出るよ」

「おぉ京! よく言った!!」

「はいはーい! 私、バケツリレーやります!!」

「エリーも確定ね~。じゃあ次の希望者~!」

「よっし、じゃあオレは棒倒しやるぜ!!」

「立候補するまでもなく男子は全員参加だよ」

「何故だ! 何故この学園には玉転がしが無いのだ!!! オレはあの競技に魂を捧げたというのに!!」

「綱引きも無ぇぞ!! チクショウッ!!!」

 

 

 賑やかだな。鬱陶しい。

 それに比べてゲームは素晴らしいな。こんな喧騒とは無縁で居られ……

 

ガスッ

 

「ごふぁっ!!」

 

 突然頭に強い衝撃を受けた。何事かと思って後ろを振り向くとそこには目だけは笑ってないにこやかな顔のドS(二階堂)が居た。

 

「1人で関係なさそうな顔をして何をしている、桂木桂馬くん?

 言っておくが、体育祭は全員参加だ。団体競技以外の競技にどれか一つは参加するように。

 サボる奴はプロフェッサーフェスティバルが血祭りに変わるぞ?」

 

 ブラッディーフェスティバル……いや、ブラッディーカーニバルとかの方が良い翻訳かもな。

 まぁ、一応名前くらいは登録しておくか。どうせ両腕両足が複雑骨折して休む予定だからあんまり得点に関わらない競技……

 

「じゃ、僕は二人三脚で」

「はーい。オタメガは二人三脚ね。あと登録してないのは……えっと……」

 

 おや? まだ未登録な奴が居たのか。結構出遅れたと思ってたんだが。

 そう言えば、黒板もロクに見ずに配点の少ない競技である二人三脚を選んだが、僕の相方は誰だ?

 前の方を見て確認すると……まだ埋まってないようだ。

 更に黒板に視線を巡らせると、知ってる名前がまだ出てきてない事に気付いた。

 かのんの名が出てないのは当然だから良いとして、例えばちひろとかは……

 

「ちひろ! せっかくだからリレー出てみない?」

「えっ私が? あんまり自信無いんだけどなぁ」

「リレーは足の速さだけじゃなくてバトンパスの技術とかもあるからね~。経験者なら上手くやれるんじゃない?」

「私が陸上やってたのなんて何年前の話よ……まいっか。やってみるよ」

 

 ……ちひろも確定と。

 なお、リレーは決して個人競技ではないが、選抜メンバーによる競技なので二階堂が課したノルマはきちんと達成できるらしい。

 で、あともう一つ気になる名前があった。

 そっと後ろを振り向いてみると……彼女と目が合った。

 

「あさみん、まだ決まってないね。どーする?」

「……二人三脚で、お願いします」

「はいはーい。これで大体埋まったかな?」

 

 ……何らかの方法で病院送りになる予定だったというのに、どうも予定通りに進めるわけにはいかなくなったようだ。

 女神の第一候補者。そっちからコンタクトを取ってくるのであれば、受けて立とうじゃないか。







 原作の絵から確認できた競技は以下の通り(一部推測)

      100m走   クラス対抗(??)
大縄跳び  400m走   バケツリレー
棒倒し   1500m走   ヤスデ走
障害走   二人三脚   借り物仮装

 左上は全く不明、右上は『クラス対』までは読み取れます。
 右下の上は『ヤスデ』という文字が。何かと思ってググってみたらムカデの仲間みたいな虫の事みたいです。って事はムカデ走っぽいですね。
 右下は『借り物』という字が書いてあるのは確定なので『借り物競争』なのかと思いましたが……よく見ると『借り物仮装』って書いてあるような……着ぐるみで走る競技か何かでしょうか?
 他にも、実際にやってる競技の描写で『応援合戦』と『混合400mリレー』が確認できました。右上がクラス対抗リレーで、左上が応援合戦なら矛盾無く成立する? 応援合戦が全員強制参加とかならメンバーを選ぶ必要はなくなるので黒板に書く必要もなくなりますけどね。

 なお、これらの競技をどうやって30人に振り分けているのかは謎。勿論、棒倒しや大縄跳びにぶち込めば簡単ですが、それで良いなら桂馬がサッサと立候補しているはず。休んでも誰からも文句言われないので。


 ところで、ちひろの足の速さってどのくらいなんでしょうかね? 前にも後書きで触れたようにちひろは陸上経験者だったりしますけど。
 原作では桂馬と一緒に二人三脚をやってたわけですが…‥桂馬レベルまで鈍ってしまったのかもしれませんね。
 あるいは、桂馬に合わせられるレベルの技巧派……は流石に無いか。

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