やはり俺がボーダーなのはおかしいのか?   作:ライとも

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はい!今回はガハラさんじゃなかった…ガハマさん回です!
ちょっとだけ興味本位でだけど、ガハマ作クッキー食べてみたいと思うのは俺だけでしょうか?

とりあえず4話です!

どうぞ!


第4話 「クッキーとチャーハンはもう嫌だ…」

「なんだ、君は調理実習に恨みでもあるのか?」

 

調理実習サボったから代わりに家庭科の補習レポートを提出したらいきなりこんな事言われた。なんか前も似たことがあったような気が…

 

「先生って現国の教師のはずじゃ…」

 

「生活指導の担当もしているのだよ。鶴見先生に丸投げされた」

 

職員室の端っこの方を見たら鶴見先生が観葉植物に水やりしていた。水やりより仕事優先しろよ…そんなに植物好きなの?もう植物と結婚しろよ…あ、もう普通に結婚してるんだっけ?……平塚先生ぇ…婚活頑張れ!

 

「おい。何か失礼な事考えてないか?」

 

やばいちょー睨まれてる…ちょっと怖い…まぁ二宮さん程じゃないがな!あの人はマジで鬼だわ。鬼のお兄さんだわ…

 

「考えてないっすよ。もうなんもないなら帰っていいっすか?」

 

「ダメに決まってるだろう…それにしてもそんなに班を組むのが辛かったのか?それとも班に入れてもらえなかったのか?」

 

何でそんなに心配そうなんですか…しかも結構マジじゃないですか…

 

「いやいや先生、これは調理実習なんだからより実戦に近い方がいいじゃないですか!だから、1人でするのが正しいんですよ!班で調理実習なんて、おかしすぎる!」

 

「比企谷、お前の方がおかしいぞ」

 

「先生!俺の小町がおかしいというんですか!もしそうなら、もはやこの世界がおかしい!」

 

「訳の分からんことを言って誤魔化すな」

 

ありゃ?バレちったぜ!てへぺろ☆おぇ…俺気持ち悪…

平塚先生はレポート用紙を叩きながら、

 

「おいしいカレーの作り方、ここまではいい。問題はここからだ。なんで玉ねぎを切りながら皮肉を混ぜるんだ。 普通に牛肉混ぜろ」

 

「なんでそんなうまいこと言うんですか…なんか聞いてるこっちが恥ずかしいっすよ…」

 

「私だってこんなもの読みたくない。言わずともわかるだろうが再提出だ」

 

「うっす」

 

はぁ…やっと終わった。さーて今日は非番だし早く帰ろっと

 

「今日は奉仕部にいけよ?」

 

「え?」

 

「え?じゃないだろ。今日はバイトもないのだろう?」

 

え?まさか、ボーダーだってバレたのか?あんのクソ校長め…

 

「誰から聞きましたか…?」

 

「校長先生だよ。バイトの内容までは教えてくれなかったがな」

 

ナイス校長!あんた神だよ神!あんたの家は絶対守ってやるぜ

 

「分かりましたよ…行けばいいんですよね…」

 

「そうだ」

 

はぁ…あの息苦しい部屋に行かなきゃならんのか…不幸だ…

 

部室では雪ノ下が、本を読んでいた。軽く挨拶だけを交わし、雪ノ下からやや距離を取った場所に椅子を持ってきて腰をかける。そして鞄からボーダー用の携帯を出してB級ランク戦の結果を見始めた。お?那須隊頑張ってるじゃん。

すると、弱々しいノックの音が鳴った。

 

「どうぞ」

 

雪ノ下は本に栞を挟み込み、扉に向かって声をかけた。

 

「し、失礼しまーす」

 

少し緊張しているのだろうか、声が少し上ずっていた。その気持ちわかるぞ。俺も初めてボーダーに行った時そんな感じだったからな。

そんなことは置いといて、その来訪者は肩までの茶髪に緩くウェーブを当てて、歩くたびにそれが揺れる。また、別の場所も揺れている。どこがとは言わないがな。

俺と目が合うと、ひっと小さな悲鳴を上げた。

……俺は幽霊じゃねぇよ…

 

「な、なんでヒッキーがいるの!?」

 

「一応ここの部員らしいし」

 

いや、ヒッキーて誰だよ。そしてこいつ誰だ?

正直俺の記憶にはない。でも、向こうは知っているようだ。だがもう覚えたぞ。その2つの揺れる何かが目に焼きついたとかじゃないよ?ホントだよ?

 

「まぁ、とにかく座って」

 

さりげない優しさ、まじ俺紳士。べ、別にやましさを誤魔化すためとかそんなんじゃないんだからね!どんなツンデレだよ気持ち悪い…

 

「あ、ありがと…」

 

そう言って彼女は雪ノ下の正面に座り視線を合わせた。

 

「由比ヶ浜結衣さん、ね」

 

「あ、あたしのこと知ってるんだ」

 

へー由比ヶ浜って言うのか〜初めて知ったわ。うん。由比ヶ浜ね、覚えたぞ!

 

「それにしてもお前よく知ってるなぁ…全校生徒覚えてるのか?」

 

「そんなことはないわ。だってあなたの事なんて知らなかったもの」

 

「さいですか…」

 

「そんなに落ち込む必要は無いわ。あなたの存在のなさに気付いてあげられる事の出来なかった私の落ち度のせいなのだから」

 

「それ、慰めてるの?むしろ俺が悪いみたいに聞こえるからね?」

 

「慰めてなんかいないわ。ただの皮肉よ」

 

あ、皮肉かぁ!玉ねぎと一緒に炒めなきゃ!え?そこは牛肉だろって?間違えちゃった、てへぺろ☆

 

「なんか楽しそうな部活だね。それにヒッキーすごく喋ってるし」

 

楽しそうな部活だと?んなあほな。目ぇ腐ってんじゃないの?眼科行ってこい眼科。ぐはっ!ブーメランが帰ってきた…

 

「そういえば、由比ヶ浜さんもF組だったわね」

 

「え?マジすか」

 

「まさか、知らなかったの?」

 

雪ノ下の言葉に由比ヶ浜がぴくりと反応する。

 

「し、知ってるよ?たぶん…」

 

「それもう知らないことと同じじゃん!」

 

「今知ったから問題ない」

 

「…っ。そうだね!」

 

ただのアホの子だった。ちょろい。ちょろ過ぎるぞ。

少し落ち着いたのかやっと本題に入りそうな雰囲気だ。

 

「平塚先生から聞いたんだけど、ここって生徒のお願いを叶えてくれるとこなんだよね?」

 

「そうなのか?」

 

雪ノ下は俺の質問を無視し、由比ヶ浜にこう答えた。

 

「少し違うわ。あくまでこの部は手助けをするだけ。願いが叶うかどうかは本人次第だわ」

 

なるほどな。その方法は確かにその人のためにはなるな。俺のためにはならんがな!

 

「どう違うの?」

 

さすがアホの子、聞くと思った。

 

「簡単に言えばその人の自立を促す、という感じかしら」

 

「な、なるほど」

 

「まぁとりあえず話を聞きましょうか」

 

「あのね、クッキーを…」

 

なんで俺の方を見るんだ?俺はクッキーじゃねぇよ。かと言ってヒッキーでもないけど

 

「比企谷くん」

 

顎で廊下にいけと催促された。

 

「ちょっと飲み物買ってくるわ」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

そんなこんなで今は家庭科室にいる。そして俺の目の前には木炭もとい、クッキー?がある。

 

「これ、ほんとにクッキーなのか?」

 

「えぇ…材料はクッキーだわ。味と見た目は知らないけど…」

 

「えぇ…これ味見すんの?しなくてもわかるんだけど…」

 

これは不味いということが勘でわかった。

それから何度も作り直したが、やはり不味いものは不味い。

 

「うぅ…やっぱり才能ないのかなぁ…」

 

「解決方法は努力あるのみよ。それに、才能がないっていう認識を止めなさい。それに、成功できない人間は成功者の努力を想像することが出来ないから成功しないのよ」

 

わぉ…きついお言葉ですな。由比ヶ浜が言葉をつまらせてるじゃん。それを誤魔化すためかへらっと笑顔を作った

 

「で、でも、みんな最近こういうのしないって言うし…」

 

「…その周囲に合わせようとするのやめてくれるかしら。ひどく不愉快だわ。」

 

うわぁ…さすがの俺もドン引きだわ…由比ヶ浜は、気圧されて黙ってるし。

 

「か…」

 

帰るとでも言うのだろうか。とてもか細い声が漏れた。

 

「かっこいい…」

 

「「は?」」

 

おっと、思わず雪ノ下と顔を見合わせちまったぜ。

 

「建前とか言わないんだね…。あたし、人に合わせてばっかだから、本音を言えるってなんかいいな…」

 

「ごめん。次はちゃんとやるから」

 

由比ヶ浜は逃げなかった。逃げずに自分を変えようとした。おかげで雪ノ下が困ってるぜw

 

「まぁ、お手本を見せてやれよ」

 

「そうね。由比ヶ浜さんちゃんと見ててね」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

だいぶまともにはなってきた。普通に食べるぶんに問題は無い。だが、2人は納得いかないらしい。

 

「どうしたらいいのかしら…」

 

「何でだろうね…言われた通りにしてるのに…」

 

クッキーに手を伸ばし口に入れた。

 

「うーん…やっぱり雪ノ下のと違う…」

 

由比ヶ浜は落ち込み、雪ノ下は頭を抱えている。

 

「…なんでお前らうまいクッキー作ろうとしてんだ?」

 

「はぁ?」

 

由比ヶ浜さん?人の言ったことをそんな馬鹿な声で返さないでね?気が狂うから

 

「別にうまいクッキーなんて作らなくてもいいじゃねぇか。せっかくの手作りクッキーなんだから、手作りの部分をアピールすればいいじゃねぇか」

 

「そうなの?」

 

「そうだよ。手作りクッキーなんて渡されたら味なんて二の次だ。手作りだって事で男心は揺れるんだよ」

 

「ヒッキーも揺れるの?」

 

「あー…どうだろうな、揺れるかもしれん」

 

「ふ、ふぅん」

 

由比ヶ浜は気のない返事をして、ドアに手をかけて帰ろうとする。

 

「自分のやり方で頑張ってみるよ!今日はありがとね、雪ノ下さん!」

 

エプロンをしたまま帰っていった。

 

「ほんとに良かったのかしら」

 

「いいんじゃねぇの?本人がそれでいいと思うんなら」

 

そうして俺達も家庭科室を出た。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜次の日〜〜〜〜〜〜〜〜

今日も本やらランク戦の事などを見ていた。すると、こんこんとドアが叩かれ人が入ってきた。

 

「やっはろー!」

 

なんてアホそうな挨拶なんだ…さすがアホの子。

 

「どうしたのかしら?」

 

由比ヶ浜は鞄の中をごそごそ探し始めた。

 

「あった!はい、これゆきのんに!」

 

由比ヶ浜が1人で作ったであろうダークマターもといクッキーが可愛くラッピングされたものを雪ノ下に渡した。

 

「あまり、食欲がないからいらないわ。」

 

「いやー料理って楽しいね!今度、お弁当作ってみるからその時は一緒に食べようね!ゆきのん!」

 

「私は1人でたべるからいいわ。それにしても、ゆきのんって言うのやめてくれるかしら」

 

「ゆきのん、いつもどこで食べてるの?」

 

「ここだけど…由比ヶ浜さん、人の話聞いてる?」

 

「じゃあ一緒に食べようね!ゆきのん!」

 

うわぁ…一方的にマシンガンのように喋ってるぜ…んじゃ帰ろ帰ろ

廊下に出てから少し経つと、

 

「ヒッキー!」

 

「おっと…」

 

さきほど見た可愛くラッピングされた焦げクッキーを投げ渡された。

 

「それお礼だから、あげる!」

 

一応貰っておこう。後で支部に行って食べるか。

 

 

この後加古さんに、チャーハンを食べさせられ、その後クッキーを食べた。八幡は、3日ほど学校を休んだらしい。




やっと書き終わった…3日ぐらいかかりましたよマジで。

では、次は5話で会いましょー

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