呉鎮守府より   作:流星彗

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駆逐棲姫

 

 偵察機が敵艦隊から距離を置きつつ、進軍してくる戦力の確認を行っている。駆逐棲姫が率いる水雷戦隊より後方には、敵の水上打撃部隊らしき戦力が固められていた。旗艦らしきものには戦艦棲姫がおり、その周囲にはル級やタ級のフラグシップに、ヲ級やツ級が配備されている。だがその中で一人、見かけない存在がいた。

 漆黒のフード付きマントを纏った白い少女だ。左腕は黒く変色したような異形のものとなっており、赤い瞳を光らせ、額から伸びる一対の角が、ただの深海棲艦ではないことを表している。鬼級や姫級に見られる角があることから、あの白い少女は新たなる鬼級か姫級と推定されるのだが、フード付きマントを纏っているのが気になる点だった。

 

「マントを纏った深海棲艦?」

「はい、それが戦艦棲姫率いる水上打撃部隊に存在しています」

「……フードが付いたマント? おい、それってまさか……、間宮! ミッドウェー海戦の報告書出せるか?」

「は、はい。少々お待ちを」

 

 香月の命令を受けて間宮がキーボードを操作し、ミッドウェー海戦の出来事が纏められたフォルダにたどり着くと、「フード、マントを纏った奴、どっかにいたはずだ」と香月の言葉に従い、その単語で検索を掛けると、すぐにそれはヒットした。

 大湊の宮下が提出した報告書にそれはいた。ウラナスカ島に現れ、自身を深海提督の一人、北方提督の三笠と名乗った存在。彼女もまたフード付きのマントを纏っており、戦場で深海棲艦を指揮し、なおかつ艤装を展開して戦闘もこなした実力者として、その存在感を示してきたのだ。

 ではあの白い少女は何なのか。北方提督と名乗った存在に似たマントを纏うあの白い少女も、深海提督の一人なのだとすれば、このパラオ泊地に深海提督自らが乗り込んできたということになる。

 一体どのような存在なのかと、かの白い少女を観測、計測しようとしたが、どこからか飛来してきた白猫艦載機が、偵察機を撃墜させたことで、観測が途切れてしまった。その様子は、もう一つの偵察機が捉えていた。

 水上打撃部隊より更に後方に配置された、空母機動部隊である。パラオ泊地へと直接攻撃を仕掛けてきた白猫艦載機は、ここから発艦したものだろう。空母棲姫やヲ級改、装甲空母姫と、これまで確認されてきた空母型が揃っているだけでなく、その旗艦として新たな存在が確認できる。

 白い長髪に黒い縦セタにスカート、そしてブーツといった容姿をした女性が、空母棲姫よりも更に強化されたと思われる魔物型の艤装に騎乗している。恐らく空母棲姫を更に強化した存在ではないかと匂わせるには十分な雰囲気を纏っていた。

 あれは何だと、計測したその結果、確かにかの女性は空母系の存在であることが分かった。その能力もまた空母棲姫のものよりも高い反応を示しており、棲姫という呼称では収まらないものになっている。

 

「棲姫よりも高い能力だぁ!? なんだそれ、冗談も程々にしろってんだよ……そんな奴らが、来ているってのかよ……!?」

 

 そもそもこのパラオ泊地の戦力だけで、その新型空母を抜きにしても、戦艦棲姫に深海提督、空母棲姫にヲ級改まで投入されている時点で戦力過多のように感じられる。それだけ敵方の本気が伺えるものだが、攻められている方からすればたまったものではない。

 

「とりあえずその新型空母擁する機動部隊は一番後方、そして水上打撃部隊に敵の頭らしき存在がいる、そういうことでいいんだな?」

「そうです。いったん生き残った偵察機を下げ、後方の動きに目を光らせておきます。また、艦載機がパラオ目指して飛んでおりますので、防空させておきます」

「頼む」

 

 先ほど撃墜させられた偵察機を攻撃した艦載機の群れが、敵水上打撃部隊を追い越してパラオ泊地を目指していく。赤城たちもまた補給を終え、対抗するべく艦載機を発艦。両軍の艦載機が交戦するのは、両軍の水雷戦隊が交戦している上空となってしまった。

 

 

「沈メ、旗艦! 道ヲ開ケロ……!」

「お断りです! 何としてでも止めてみせます!」

 

 時折右手で左手に持つ主砲を支えながら、駆逐棲姫は阿武隈を狙って砲撃を繰り返す。阿武隈もまた蛇行しつつ、被弾を避けて反撃するように主砲を撃つ。駆逐棲姫もまた、器用に腕と上半身でバランスを取りつつ、海上でターンしながら前進、後退しながら阿武隈の砲撃から避けていた。

 両軍の水雷戦隊の旗艦がお互いを意識している間に、随伴している他のメンバーが他のメンバーを抑えている。パラオ一水戦の五十鈴が敵のツ級を狙うように指示すると、それに従って谷風たちが砲撃を仕掛けた。

 ツ級は上空にいる赤城たちの艦載機を狙って対空射撃をしていたが、狙われたことに気づいて回避行動を取る。守るように駆逐ハ級などが前に出てくるが、よく見るとその駆逐艦たちはただの駆逐型ではなく、足が生えている後期型だった。

 本土防衛戦で確認された新型駆逐タイプだったそれらは、新型と呼称するのではなく駆逐後期型と呼称されることとなった。足が生えることで機動力が増したのか、今までよりも速い動きで海上を往き、砲撃と雷撃を仕掛けてくるが、五十鈴たちはそれに翻弄されることなく何とか撃沈できている。

 ツ級の位置を確認するべく視線を動かした五十鈴は、離れたところで駆逐棲姫を追う阿武隈が、一瞬五十鈴を見てハンドサインを出したことに気づく。更に敵水雷戦隊が側面から抜けないように、二水戦と三水戦がそちらで戦っているが、そちらも順調に抑え込めてはいる。

 だが駆逐後期型がその機動力を活かして動き回り、更に後方から水上打撃部隊による遠距離砲撃や、戦力の追加が近づいてきているのが見える。ここで止めることに成功したとしても、水上打撃部隊に追いつかれたら戦力差によって状況はひっくり返るだろう。

 

「叢雲、浜風、私についてきて。浦風と谷風は向こうから。阿武隈を支援するわよ」

「了解じゃ」

「武蔵さん、砲撃は?」

「射程はもう少し前進すれば収められるだろう。だが、阿武隈も駆逐棲姫も動きが速い。中てられるかという点と、お前たちすら巻き込みかねない懸念がある。狙うとすれば、後方からの援軍に狙えるかといったところだ」

「わかったわ。なら、敵の動きを止められれば中てられる?」

「やれというならば、やってみせよう。ここでやらねば武蔵の名が廃るというものだろう」

「頼もしいわ。では、よろしく頼むわね。……よし、じゃあ行くわよ叢雲、浜風」

 

 後方にいる武蔵との通信を終えて、五十鈴は二人を連れて回り込んでいく。浦風と谷風も対面に回り込み、それぞれが駆逐棲姫と阿武隈を挟むように動くのだが、当の二人は高速機動で海上を動く。

 砲撃の合間に雷撃もこなす阿武隈だが、駆逐棲姫は阿武隈を見据えたまま後退し、広がった魚雷の間を抜けるようにして前進してやり過ごす。お返しとばかりに雷撃を仕掛けるが、阿武隈もそれを、何とかやり過ごしていく。

 絶対に自分を抜かせるわけにはいかないと、一定の距離から離れられないのが難儀しているが、今のところ致命的なダメージを受けていない。だがそれは駆逐棲姫も同様だ。決定打を与えられず、お互いが健在のまま時間だけが過ぎていく。

 

「シツコイナ、オ前。イイ加減ニ諦メタラドウダ?」

「それができたら苦労はしませんよ。しませんがね!」

 

 両手の主砲を時間差で撃ち放ち、駆逐棲姫へと接近するが、それだけでは捉えられない。だがそこに五十鈴たちからの援護射撃が入る。くるりくるりと連続ターンをして回避するが、鬱陶し気な表情を隠しもせず、舌打ちして下半身の艤装が一斉に五十鈴たちへと雷撃を放った。

 そこを見逃さず、阿武隈は一気に距離を詰めて側面から飛び込み、狙いすました一撃を放つ。それは駆逐棲姫の体を射抜き、大きく呻いてよろめいた。目の前へと着水したところでもう一発、拳を腹に打ち込んだ後に連続射撃を放ち、容赦のない追撃を放った後、とどめとばかりに雷撃を放つ。

 その連続攻撃にたまらず駆逐棲姫が、くの字に折れたが、それで攻撃が終わるわけではなかった。離れた阿武隈を巻き込まないようにと狙っていた五十鈴と浦風たちが一斉に魚雷を放ち、更には武蔵たち水上打撃部隊も射程内に収めたことで援護射撃が放たれる。

 一人の駆逐棲姫相手にこれだけの攻撃。容赦のないものだが、こうでもしなければ今のパラオ泊地の戦力ではどうにもならないというのが現実だ。

 

「痛イ……ジャナイカッ……! 舐メルナァ……!」

 

 彼女の怒りを表すかのように目から放たれる青い燐光がより一際輝き、その場でターンしながら副砲や機銃を放ち、迫りくる魚雷を処理し、そのまま下がって遠距離から来る武蔵たちの砲撃をも避ける。

 立ち上る水柱でその姿が隠される中、上空で争っていた艦載機の一部が、駆逐棲姫が体勢を立て直す時間を稼ぐかのように阿武隈たちへと攻撃を仕掛けてきた。守るように赤城たちの艦載機も動くが、敵の攻勢は止まらない。

 落ち着いてくる水柱の向こうから、重巡リ級などが迫り、阿武隈たちへと攻撃を仕掛けてくる。水上打撃部隊の前線が到達してきたのだ。その後ろから、怒りに震える駆逐棲姫の姿も見え、阿武隈たちは歯噛みする。

 だが五十鈴をはじめ、三水戦のメンバーが阿武隈を守るようにリ級らの前に躍り出た。

「行って、阿武隈! あなたに託すわ!」と五十鈴が促し、三水戦旗艦である鬼怒も「鬼怒たちが時間を稼ぐから、よろしく頼んだよ!」と阿武隈の背中を押す。

 そうだ、負けるわけにはいかない。

 一水戦旗艦として、パラオ泊地を守るためにここで奮い立たずして何とする。

 勝てる確率なんて考えている暇はない。押し留められている深海棲艦らから回り込み、駆逐棲姫の前へと再び相対する。その向こうからは少しずつ接近してくる新たなる深海棲艦の影が見える。それらと合流される前に、何としてでも駆逐棲姫を落とす。

 

(強撃、そして青の力。今のあたしにそれができる?)

 

 強撃は習得している。先ほどの飛び込みからの砲撃が強撃だ。それは確かに駆逐棲姫の体に対し、高いダメージを叩き出しただろう。これに加えて最近開発されたという青の力が加われば、より駆逐棲姫に対して、今の自分でも落とせるほどの攻撃ができるだろう。

 でも、これまでの訓練で阿武隈はその力に目覚めてはいない。この土壇場で力を発揮できるかどうか、それに頼るよりは、強撃で落としきる方が安定感はあるだろう。

 

(妖精たち、あたしに力を……!)

 

 冷や汗をかきながらも、装備に宿る妖精に静かに祈る。深呼吸を一つし、身を屈めて駆逐棲姫へと突撃する。駆逐棲姫もまたこれまでのやり取りから阿武隈の脅威度は察しているようで、何としてでも倒すべく前に出てきた。

 

「私ノ道ヲ阻ム、目障リナ奴……! イイ加減ニ落チロ!」

「お断りです! あなたこそ、諦めたらどうなんです? これ以上の進軍はあたしたちが許しません!」

 

 砲撃をしつつ、距離を詰める阿武隈に駆逐棲姫もまた躱しながら距離を詰める。両者の距離がどんどん縮まり、それぞれの砲撃が回避できそうにない距離まで縮まったとき、二人は同時に砲を突き出して撃ち放つ。

 それらはお互いに被弾し、一瞬の怯みをもたらした。だが阿武隈は歯噛みして堪え、雷撃も放つ。それは駆逐棲姫も同様だ。魚雷を躱しながら阿武隈めがけて雷撃する。放たれたそれらはすぐに相手へと到達せんとする距離。それらを、阿武隈はバック転しながら何とか回避し、駆逐棲姫もまた艤装についているユニットがぐるりと海を向いて空気を吐き出し、体を浮き上がらせて直撃を避ける。

 

「ふんんーーァッ!」

 

 着水と同時に意気込むような声を吐き出し、また阿武隈は距離を詰め、今度は回り蹴りで駆逐棲姫の顔を捉えようとする。だが駆逐棲姫は顔を逸らし、距離を取りながらその右手に力を込める。離れながらも、左手の砲でその場に留め、牽制するように砲撃をしながら、笑みを浮かべた。

 

「馬鹿メ、功ヲ焦ッタナ……!」

 

 深い蒼の力が収束し、その手に一本の魚雷が形成される。その行動に、阿武隈は息を呑んだ。ミッドウェー海戦でも見られた深海棲艦の力の行使の一つ。色は違えども、紛れもなくそれは深海棲艦の赤の力。

 着水したところを狙われ、砲に撃たれながら、阿武隈はそれを見ているしかできない。顔、体、足と弾が貫き、出血する中、形成された必殺の一撃が放たれる。

 

「サア、落チロ!」

 

 勢いをつけて投擲される魚雷。迫りくるそれに阿武隈は目を閉じることなく、ぎりっと唇を噛みながら撃たれた痛みを堪え、反射的に動いた。全ての動きがスローモーションに見えるような感覚。それはある種のゾーン突入か、あるいは死ぬ前に見える走馬灯のようなものか。どちらにせよ、それによって阿武隈は反射的に動きながら、何とか切り抜けるための道を模索した。

 投擲によって今までよりも速い速度で迫ってくる魚雷。赤の力によってきっと威力も押し上げられているだろう。躱したところで無傷ではすまないはずだ。それを許容し、どのように次に繋げる?

 

(やるしか、ないかなぁ……。でも、やらなきゃ終わる! それだけはダメ。あたしがここで落ちたら、他のみんなが危ないんだから!)

 

 魚雷は頬の傍で紙一重で通り過ぎ、背後へと着水、爆発する。摩擦と力の余波によって阿武隈の頬が焼けるが、それを気にする間もなく、爆発によって背後から勢いよく押し出される。

 それに阿武隈は逆らわず、足から下半身にかけて爆風によって焼かれる感覚を味わいながら、駆逐棲姫へと強制的に飛び込む形になる。撃たれたことで体中に痛みが走っているはずなのに、放たれた渾身の攻撃回避せしめたことと、その動きによって駆逐棲姫が困惑する間もなく、今まで見せたことがないような形相をした阿武隈が迫ってくる。

 その目からは覚悟を決めた者の戦意とともに、オレンジ色の燐光が薄く光っていた。それが駆逐棲姫が見えた光景。

 

「んん、ん゛ん゛ん゛ん゛――――ッ!!」

 

 爆風によって飛ばされる勢いを殺さないまま、阿武隈が駆逐棲姫へと気合の入った頭突きをかます。鈍く響き渡る衝撃音に、一瞬誰もが唖然とし、駆逐棲姫もまた頭から伝わる衝撃に意識を飛ばす。

 

「艦首直撃って、阿武隈……あんたそれ、一種のトラウマじゃないの……?」

 

 思わず五十鈴も突っ込んでしまうが、すぐさま目の前のリ級フラグシップへと攻撃を仕掛け、撃破する。阿武隈もそのまま駆逐棲姫へと馬乗りとなり、その胸に主砲を合わせ、力を込める。妖精の力で威力を底上げしたそれは、強力な砲撃となって駆逐棲姫の胸を撃ち抜いた。

 一発、二発と撃ち込んだことで、セーラー服は焼け焦げ、その胸も露出して穴が開く。強力な頭突きによって意識を落としたまま、駆逐棲姫はとどめの二連射によってその身を海の底へと沈めていった。

 だが阿武隈もまた、蓄積したダメージと下半身から焼けたことで、力が抜けたように膝をついてしまう。額もまた割れており、血を流してその童顔を赤く濡らしていた。そんな阿武隈を狙わない理由がない。

 深海側の水上打撃部隊の援軍が次々と阿武隈を狙いを定め始めた。「阿武隈さん!」と浦風と谷風が救出に駆け付けようとするが、それよりも早く砲撃が阿武隈に直撃しそうだった。

 しかし、救いの手はある。

 武蔵率いる水上打撃部隊による砲撃がすでに行われていた。飛来してくる砲弾の群れが、阿武隈を狙う深海棲艦へと襲い掛かったのだ。それによって攻撃の手が止まり、救出する時間を得られる。

 すかさず浦風と谷風が阿武隈を抱え上げ、後方へと下がっていく。その際に武蔵とすれ違い、「よく戦った阿武隈。後は私たちに任せるがいい」と労いの言葉をかける。

 

「……任せます、武蔵さん」

「ああ、任された」

 

 一水戦のメンバーがパラオ泊地へと下がっていき、入れ替わるように水上打撃部隊が二水戦、三水戦とともに迎え撃つ形となる。加えて主力部隊と空母機動部隊も前進しており、彼女たちの援護も期待できる距離にある。

 だがそれは敵も同様だ。戦艦棲姫率いる水上打撃部隊と同時に、新型空母擁する機動部隊もまた前進している。上空で行われていた空戦も、それぞれの犠牲をもたらしながら互いに撤退するが、敵の攻撃の手は止まっていない。

 彼方の空からまた、新たな艦載機が迫ってきている。純粋に、空母の数がパラオ艦隊のそれより上回っているのだ。一度、二度は止められたが、果たして三度目以降はどうなるか。様々な危惧があるが、臨機応変に対応していくしかない。

 

「まだやれるか、お前たち?」

「何とかね。鬼怒たちが気張らなきゃだめな場面っしょ」

「ここが頑張りどころってね。行きましょう、武蔵さん」

 

 武蔵の言葉に、三水戦旗艦鬼怒と、二水戦旗艦由良が応える。所属している艦娘たちも主砲を構え、じっと迫ってくる深海棲艦を見据えた。その中には優雅に微笑む戦艦棲姫と、その前で佇み、マントをなびかせる白い少女もいる。

 白い少女が立ちはだかる武蔵の姿を確認した時、軽く首を傾げて「武蔵……でしたか?」と呟き、後ろに控える戦艦棲姫を見やる。

 

「艦娘の武蔵と、武蔵モデルとの戦いとなりますか。良いことです。その方が気合も入るでしょう、扶桑?」

「ソウデスネ。カノ名ヲ借リテイル身トシテハ、無様ナコトハデキマセン」

「では参りましょうか、皆さん。春雨は落ちましたが、敵もまた戦力が減っています。あれらを撃破すれば、パラオ陥落は目前です。迅速に事を成し遂げ、私たちの勝利を華々しく飾りましょう。この吹雪についてきてください!」

 

 南方提督の深海吹雪の言葉に、深海棲艦たちが一斉に吼える。その咆哮に飲み込まれないように、艦娘たちもまた鬨の声を上げ、戦いは次の段階へと進むこととなった。

 


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