デリート・オア・ライフ   作:サカズキ

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久々の四千文字突破!!

もっと増やそうかと思いますが

そうするとペースより、やる気が落ちます

一話が毎回五千文字越えてる人、尊敬します。


デリート・オア・クライ

「条件があります」

 

その言葉を突き付けられて、はや一ヶ月が経ちました。平和な毎日が続いていますが、変わったことが あり、先の通りあの『条件』が発端で、今携帯のディスプレイに映ったこのメールの文面が物語る。

 

差出人:誘宵美九

件名:ライブ

本文 こんにちは~

今日もライブ疲れました~

今回は地方なので来れなかったですよね?

残念です。でもまた東京でもやりますから

その時は来てくださいね?約束ですよ

 

あれからメールのやり取りをするようになったのだ。

何と条件とはメル友になることだった。

 

「え?……条件とは?」

 

「今回の事を不問にするようにマネージャーに言っておきますぅ。その代わりお願いを聞いてください」

 

「お願い?……うん、まぁ無理なお願いじゃなければ」

 

「本当ですか?やった」

 

「あぁ………」

 

キラキラと眼を輝かせる彼女を前に、どんなお願いが飛び出るのかかなり不安だ。

精霊になったときの彼女は、結構無茶なお願いをする事が多かった。

 

(安請け合いしなきゃよかったかな)

 

顎に指をあてて可愛らしい仕草で考える彼女を見て、少しずつ不安になってくるが、約束した手前、 引っ込む事もできず腹をくくるが、次に飛び出した言葉は以外なものだった。

 

「あ!それじゃあ、私とメル友になってください」

 

「…………………はい?」

 

「ですからメル友です。メール友達。意味わかりますぅ?」

 

「うんわかるよそこまでバカじゃない。ちょこちょこ酷いこと言うね美九は」

 

「そうですよねぇ。あ、そう言えば、名前聞いてませんでした。何て言うんですかぁ?って普通は自分か らですね。改めまして誘宵月乃こと誘宵美九ですぅ」

 

「それじゃあ僕も、九十九一也です。よろしく」

 

「九十九……一也………う~~ん」

 

なにかまた考え始めたが、大丈夫だろうか。 変なことにならなければ良いのだが。

 

「そうですねぇ。あ!アドレスの名前はかぁくんにしましょう」

 

「え?なにそのカラスみたいな名前?てかそれで悩んでたのかよ?!」

 

「失敬ですねぇ。これからお友達になる方の大切な愛称ですよ。ちゃんと考えないと。いやなら他のを考えますけどぉ」

 

「いいですよかぁくんで」

 

「ふふ……あ!かぁくんも私の名前変えといてくださいね?」

 

そう言うと彼女は手元の可愛らしいバッグから、携帯を二つ取り出して、可愛らしい方の携帯を操作し始めた。

 

「?あぁこれですか?こっちのは仕事用で、これはプライベート用です」

 

え?今操作しているのがプライベート用? そっちの携帯でいいのか疑問だが、聞く前に彼女が先に答えてくれた。

 

「仕事用は嫌なんですぅ。貴方とは仕事の事とは、関係ない存在でいてほしいですから」

 

「そう言うもんか?」

 

「そう言うものです。はい、赤外線準備できましたぁ。こっちを先に送りますねぇ」

 

そんな感じで、メールのやり取りを始めたのだが、アドレスにプロフィールを載せていて、自分より年下だと分かった彼女に笑われたのは秘密だ。

 

それで現在は学校の放課後、美九の地方でのライブが終わったという報告メールが届いたが、さてどう返すべきか。

 

(まずはお疲れ様だな)

 

そうやってメールを打っていると、井崎が隣から声を描けてきた。

 

「お前最近メールばっかりだな?は?!まさか彼女が」

 

「違うから。メル友だよ最近知り合った」

 

「そうだよな~月乃ちゃん一筋のお前が彼女なんて」

 

「いや一筋って僕は」

 

「そうだろ?あんなことがあったのにファンやめなかったのって。まぁ結局デマだったけどな」

 

そう。誘宵月乃のスキャンダルはデマだった事が分かり、世間もそう認識していて、今や彼女はデマカセにも負けない、強いアイドルとして人気を取り戻しつつある。

 

「にしてもよくやるよな~ライブのステージで叫ぶって。恥ずかしくないのかよ。なぁ?」

 

「あ、あぁそうだな」(ごめん井崎。それ僕だ……)

 

けれど、あの日のライブからファンの反応が変わり始めて、彼女のブログが大炎上。 その動きを面白がったゴシップ記事なんかが、ことの真相をとらえて、彼女は幸いにもアイドルとして これからも活動できるようになった。

 

もちろん彼女自身が各方面に、あれは嘘であると必死に訴えかけ続けた結果が、実を結んだことなのに、最近その事でお礼のメールが送られてきた。かぁくんのおかげです。ありがとうって。

 

(見た瞬間むず痒くなったな)

 

僕はなにもしてないが、お礼を言われて嫌な気分にはならない。 それに彼女自身、前よりも歌うことを楽しんでいるようなのでよしとする。

 

「さて。そろそろ帰るか」

 

鞄を手にして未だに語っている井崎を放置して、教室を出る。 ふと校門を出ようとしたところで、誰かがこちらを見ている気がしたので辺りを見回すが、誰もいない。

 

「?誰もいない、気のせいか……」

 

「きひひ……見つけましたわ。さぁどうやっていただきましょうか?」

 

その背後のより高い場所。学校の屋上に人影があることを俺は気づかなかった。

 

 

 

さらにそれから二ヶ月が経った七月の、夏真っ盛りの休日。なぜだか俺は美九の家に招待されて、今は彼女の部屋にいる。

 

「どうしてこうなった?」

 

「ふふ……あ、冷房効きすぎではありません?リモコンはテーブルの上にあるので 自分で調節してくださいね?それじゃ私はお茶をいれてきますねぇ」

 

彼女が出ていくと、可愛い小物に囲まれ、いかにも女の子の部屋と言う場所で男一人。 事の発端は、一週間前にもらったメールにある。 その日のメールもいつも通りの他愛ない内容だったが、途中で彼女が。 『来週オフなんですぅ!丁度日曜日ですし、久しぶりに会いませんかぁ?』などと来たので、俺は『アイドルがオフとは言え、男と歩いていたらネタにされるぞ。せっかく人気も戻ってきたのに』と断ると 彼女はしばらくして『大丈夫ですぅ。一緒に送った地図の場所に来てください。待ってます』と本当に 地図が添付されて、冗談だろ?と返しても返事がなく、ここ一週間もほとんどメールしていない。しかも彼女に返信しても返ってこない。 これでは埒が明かないので、その日に会ってすぐ帰るつもりが着いたら誘宵姓の家で、仕方なく呼び鈴を押すと、美九が出てきて、腕を捕まれあれよあれよと言う間にこの場に座っている状況。

 

(どうするんだよ僕?!)

 

このままではマズイので、彼女が戻って来たらすぐに帰ろう。 ここで戻る前に帰る事をしないあたり、やはり僕は甘いのだろう。

 

扉が開き、ティーポットとカップ、それにケーキをトレイに乗せて持って来た。

 

「ごめんなさぁい。少し遅くなりました」

 

「あ、あのさ美九、俺……」

 

「このケーキ前に出た番組で、とぉても美味しかったから、かぁくんと一緒に食べたくてぇ」

 

「いやあのさ美九?俺帰え……」

 

「この紅茶も香りがよくて、ケーキによく合うんですぅ」

 

「美九!!」

 

少し大きな声を出したせいでビクッと美九の体が震えて、トレイからカップを下ろそうとしていた手が止まった。

 

「な、なんですかぁもう。急に大きな声を出して、ビックリしました」

 

「いや悪い。けど俺、帰るから…」

 

「………何でですか?せっかくケーキも紅茶も用意したのに」

 

「それは悪いと思うけど。……美九だって、地図の場所が自分の家だって言わなかったじゃないか?」

 

「騙したのはごめんない。でも、そうでもしないと会ってくれないと思って………」

 

「だってそれは……」

 

「言ったじゃないですかぁ。かぁくんとは仕事の事は抜きでいたいって。なのに」

 

彼女はそう言うと泣き崩れてしまった。 女の子を泣かせるなんて男の風上にもおけないやつだと、以前井崎が言っていたが、確かに女の子を泣かせるのは良くない。良くないんだけど。

 

(変に会って噂が立つといけないし。けど……う~ん)

 

やはり泣かせるのはいけないと思い、俺は決断する。何かあれば非常に不本意だけど、あの力を使うしかない。 少なくともあいつらに会えば嫌でも使うのだから。

 

「よし!分かった。今からお茶しよう」

 

「ぐすっ……本当ですかぁ?」

 

「あぁ、本当だ」

 

「わぁ~ありがとうごさいますぅ!」

 

泣いていたのが嘘のように、顔を輝かせた彼女はそのまま俺に抱きついて来て、俺は受けとめきれずに、後ろに倒れ込むがベッドがあったので大丈夫だった。

 

「~~~~♪」

 

「み、美九?あのさ」

 

「な~ん~で~す~か~」

 

なぜだか緩みきった、声を発し俺の胸に頬をすり付けてくる。 それだけではなく、彼女の豊かな胸部がすり付けると言うか、押し付けられていて、しかもここはベッドで、僕だって男で、精神は思春期真っ只中の高校生であるからして。 『あ、結構柔らかい……』何て考えてしまっている。

 

(は?!そうじゃなくて)

 

「美九、お茶が冷める早く飲もう」

 

「うぅぅ~そうですね……もったいないですが」

 

「?最後なんて言ったんだ?」

 

「え?なんでもないですよ~」

 

よく聞こえなかったが、重要なことなら話してくれるだろうし、無理に聞く必要もないと思い、それ以上は追及しなかった。

 

「ご馳走さま。ケーキ美味しかったよ」

 

「そうですか?ならよかったです」

 

ケーキ食べ終えたあとも、世間話をしたり、美九の芸能界での愚痴を聞いたり、すぐに帰るつもりが、いつの間にか夕方になっていた。 美九は明日仕事もあるし、僕もまだ学校があるからそろそろ帰ることにした。

 

「それじゃ美九。頑張って、ライブこっちであるなら行くし、もうじき夏休みだからイベントにも参加しやすくなるし」

 

「は、はい……あ、あの」

 

「ん?」

 

「またこうやって会ってくれますか?」

 

「互いに休みが重なったらな」

 

「はい!」

 

そう言って、俺は美九の家をあとにした。 その帰り道に、俺はまた視線を感じている。 遠くからのような、近いような、気味の悪い感覚だ。早く帰ろうと早足にしたその時。 目の前に黒いゴスロリを着た少女がいる。別にそれだけなら、僕は人の服装をとやかくは言わないが、 彼女の左目にはまるで時計の文字盤のようなものがあり、それが一刻一刻正確に動いている。

 

「きひひひ、よーやく美味しくいただけますわね。ねぇ九十九一也……きひひ」

 

特徴的なこの笑いかた、ゴスロリ、あの文字盤 。

間違いないこの少女は人間ではなく、『精霊』。 そして俺はこの子を知っている。

 

「………時崎…………狂三」




四千文字突破!

っでしつこいですねごめんなさい。

自分で書いて何ですが、来ました俺の嫁こと狂三様ぁぁぁ!

アニメでも原作通りなら狂三様が大量発生すると言うこと

はぁはぁはぁ落ち着け俺!覚醒にはまだ早い!これからさ

で、いった通り私の嫁は狂三様何ですが………なんで美九が最初にデレた?

て言うかちゃんと読者にデレてることが伝わるか………

でもまぁ嫌いな人相手に胸押し付けたりしないよな?……だよな?

次回から狂三様が大暴れ(仮)です。それではまた次回

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