デリート・オア・ライフ   作:サカズキ

23 / 23
久方ぶりです

1年まえから、仕事で寮入ってまして私有パソコン持ち込み禁止のせいで、ストックなし。
しかも、仕事場が敷地内でする仕事のせいでなかなか家帰れず。帰ってもゲームばっかりで、書かなかったです。
ようやく、慣れてきたところなので、投稿しました。
短い上にすっ飛ばして、書き方も変わってるかも?
これからも不定期ですが書いていきます。


ターニングポイント

 ただそこの見覚えのある情景を眺める。

 

 血に濡れた大切な人

 

 憤怒に叫ぶ大切だった人

 

 倒れ伏す守りたかった人々

 

 業火に焼かれる街だった物

 

 その中央に唯々立ち尽くす憂の表情の自分を……

 

 あるのは後悔と懺悔。そして罪のみ

 変えることの出来ない現状に帰りたい日常の中で彼の者は立ち尽くす。

 

(嗚呼。ならばいっその事に虚無とすれば……)

 

「やめろ……現状を変える事は出来ても、記憶は消せない…………」

 

(今の最悪の回避をするならば、それしか……)

 

「無かった事にしたって意味など……無いというのに」

 

(間違えたのだよ、選択を……その責任は」

 

「そうしたのは……」

 

「「俺だ」」

 

 二人の重なる言葉と共に、過去あるいは心象の世界から俺の意識はその世界から弾き出される。

 

「目が覚めたようだな」

 

「え?えぇまぁ。夢見は最悪でしたが」

 

 話しかけられた方を見て、誰かを認識すると共に俺は言った。そこには書類に何かを記入している令音解析官の姿があった。そしてここは、フラクシナスの医務室だろう。

 

「君は何があったのか覚えているかい?

 

 俺は首を横に振ると彼女は、事の経緯を話してくれた狂三との対峙。それ最中に俺が倒れた筈なのに、立ち上がりその姿は別人となっていた事。そいつは残虐公(ベルト)と名乗り、狂三を逃しはしたが圧倒的な強さを見せ、狂三が逃げたあとにはその姿は黒き霧に包まれ、霧が晴れた中から出てきたのが俺で、そのままぶっ倒れたらしい。

 

「君……いや残虐公(ベルト)と名乗った者の力を計測していたが、その力は精霊を文字通り消滅させるもの。わかりやすく言うと、精霊が世界に居るための数値を100とするなら、彼の者の力はマイナス100。つまりは0。存在の消滅させるものだ。そんな化け物と言ってもいい奴が君の中にはいるのだよ?」

 

(やっぱりそうなのか。奴が。)

 

 何度か意識の中で見た事のあるやつ。令音さんに見せてもらった、先刻の戦いの映像を確認して思った。そんなやつが自分の中にいるのかと思うと、不安や恐怖心に駆られる。

 

「大丈夫か?胸が痛むのか?」

 

 無意識に手を胸に当て、着ている衣服を握りしめていたのを見て令音さんが心配そうに見てくる。なんでも無いと返すと彼女も忙しい身である、何かあったら呼んでくれと言われて部屋を出る。

 

 

「痛みがあるのは、まだ俺が人である証拠だ。」

 

 自分がいつか化け物になるかもしれないと言う状況ではあるが、この痛みがある内は大丈夫だろうと、そう言い聞かせて俺はまた横になり目を閉じる。

 

 

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

(さて、どうして出てきた?という顔だな

 九十九一也?)

 

 また夢のあるいは意識の中で、俺は残虐公(ベルト)と対面する。

 

「当たり前だ。お前の力は敵味方関係なく精霊を殺す。一歩間違えれば十香や他の精霊も……」

 

(自惚れるな戯けが。貴様の力の一端も、元をたどれば我の力であり、その力は精霊を消す。殺すのではなく、その存在を、価値を、意味を消すのだよ。貴様の知識でわかりやすく言えば我は体に入った細菌を殺す白血球の役割なのだ。)

 

「それじゃ、精霊はいらない存在だというのか!お前は一体何の権限があってそんな事を!」

 

 (いきどお)りを覚え、そのまま口にするが、それを意にも返さずに残虐公は口を開く。

 

( 否。我だけの意思では無い。世界と言う名の(ことわり)我等(・・)を生み、生かし、存在の意味を与え、力を与え、使命を与えているのだ。貴様こその意味の一片を(にな)うと言うのに、人間の様に振舞う姿は、もはや道化。怒りを通り越し滑稽(こっけい)過ぎるわ。)

 

「なっ⁉︎俺がお前と、同じ?」

 

(その事すら忘れたのか?いや、しかし仕方のなき事か……奴がその記憶を消した上。お前は切り離された感情の一つでしか無いのだから。だが、奴はなぜ此奴(こやつ)を放置する?放置では無く文字通り消してしまえば良かっただろうに。理からはそれを許されていたのだから。)

 

 残虐公の後半の言葉は独り言の様に言っていた。

 

(まぁ良かろう。今しばらく貴様の好きにしろ。結局は変わることのなき運命を辿るのだろうが。)

 

 言い終えると、残虐公は闇の中に姿を消し、俺は一人暗闇に放り出される。そのままいつもの様に意識が表面へと浮き上がる感覚。

 その時、視界の端に誰かいた。

 

「…….誰だ?」

 

 残虐公では無い何者か。ハッキリとしないの(もや)かかった姿で見覚えのない筈なのに、どこか懐かしい感じがした。

 その者は、ゆっくりと口を開けて話した。

 

(死ぬな。お前も残虐公も死ねば、俺が出るしか無い。そうなればまた同じことの繰り返しだ。俺はもうこの世界を……や………す……こと………た……な……)

 

 そいつの最後の言葉を聞き取れず、俺は意識の世界から目覚める。いつもと変わらぬ日常を、過ごす為に。




特別に書くことなし。
えぇまぁ、みなさん忘れてるでしょうね。
こんな話し。
これ最後に更新したの2年半前!!

だいぶ昔や。
あの頃はまだ学生だったなぁ。今や社会人ですわw
時の流れは残酷だ。
まだ生きてるので、ちょこちょこ頑張ります。はい。
誤字・脱字は報告ください。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。