デリート・オア・ライフ   作:サカズキ

21 / 23
久しぶりです

私ことサカズキです

何ヶ月ぶりでしょうか?
かなり、空いてましたな…………

まぁ、メモしていたのをPCに移すのに手間取り、前半はすでに即興といってもいいもの。


長い前置きは苦手なので、本編どうぞ


バレット・ソロー

色とりどりの魚たちを、ガラスの向こうに見ながら水族館のなかを進む十香と一也。

それを見つめる人影がひとつ。その正体は。

がみ

「おい止めようぜ、とび……折紙?」

 

「だめ。これは精霊の実態を知るためのに必要なこと」

 

五河士道(いつかしどう)鳶一折紙(とびいちおりがみ)。一也のクラスメイトである二人がここにいるのは、もちろんデート……ではなく。

 

数分前のこと

 

今回のダブルデートを、フラクシナス艦内で見てるはずの士道は、三人がどうなるのか、どうしても我慢ならずに飛び出してきたのだが、どういうわけか、その水族館に折紙もいたのだ。

 幸いなことに、後ろをついてくる二人に、十香も一也も気がついていない様子。折紙はある程度の距離を開けて、二人についていく。士道も仕方ない様子で折紙の後に続く。もともとは士道がはじめたことなのだが。

 しばらくすると一也は、十香に何か言ってからその場を離れる。それを見て士道はもう一人のデートの相手。時崎狂三(ときさきくるみ)のもとに向かったのだろうと思った。

 

 

 

案の定一也は狂三のもとにいた。

約束に時間より少し早いくらいに着いたが、すでに狂三は待ち合わせ場所にいた。

 

「悪い。またせたか?」

 

「いいえ。(わたくし)もさっき着いたばかりですわ」

 

彼女は、夏場の暑いのに相変わらず黒を基調にしたゴシック・ロリータを着てきた。見ていだけで、暑くなりそうだが、着ている本人は涼しい顔をしている。

 

「それじゃ行こうか?」

 

「えぇ」

 

『まって一也。選択肢が出たわ。これは』

 

1ショッピングモールでお買い物

 

2映画館で恋愛映画を見る

 

3ランジェリーショップで彼女に下着を買ってあげる

 

『総員選択!!…………まさかの、結果ね。一也、三番よ』

 

(まさかの下着選びかよ……まぁ下着くらいなら)

 

三番を選んでいるが、実質大型ショッピングモールにいけばすべての項目が満たせることに一也は気がついた。

 

「よし、狂三まずは買い物しておくか。特に身に着けるものとか」

 

「いいですわね。行きましょうか」

 

二人はそのまま足をを動かした。

 そのまま待ち合わせ場所近くのショッピングモールに行く。そのままランジェリーショップへ向かうが、さすがに近づくにつれて、一也はさすがに恥ずかしくなってきた。

 

(いまさらだが、男が女の子をそう言う店に誘うにはどうなんだ?)

 

いつも自分を引っ張りまわすのは美九で、それに連れられ無理やり下着を選んだこともある。

だが今回は、自分が誘い、あまつさえ下着を選ぶというのはいかがなものかと。思っていても、着いてしまったので仕方ない。

 

「ここは……」

 

「まぁなんだ。いやでなければの話だが……」

 

「あら、構いませんわ。むしろ、いいんですの?男性には、少々肩身の狭い思いをするかもしれませんわ」

 

「連れてきたのは俺だ。その代わり、さっさと買って、次にいくぞ」

 

中に入り、狂三は下着を選び出す。一也はそれを三歩後ろで眺めていた。

 

(正直、女が喜ぶ下着なんて知らん。美九はなぜか、基本俺が選んだのを買ってるし)

 

「一也さんはどちらが、よろしいと思いまして?」

 

そんなことを言う狂三の手には、二つの下着。ひとつは赤のレースの下着。もうひとつは、淡いブルーのシンプルなデザインのもの。

 

『ちょっと待ちなさい。総員、選択…………一也、後ろの下着を差し出しなさい』

 

言われるがまま、一也は自分の後ろにあった下着を手に取り差し出す。それを見て、一也は軽く引いた。

シースルー・スケルトン・すけすけ。何でもいい。手に取った下着はそんな感じの危ういデザインだった。

 

「一也さん」

 

「い、いやこれは……」

 

引っ込めようとした手からそれを奪い、狂三は試着室に向かった。

 

「覗かないでくださいね?」

 

カーテンが閉まり、狂三はその向こうに姿を消した。

 

(何だ、このやっちまった感は!?)

 

 

 

 

しばらくして、狂三の声が聞こえてくる。

 

「どうでしょうか、一也さん?」

 

(どうといわれても……その姿は、かなり妖しい)

 

白い肌に、黒の下着がかなり映える。しかも透けてるせいか、かなりエロティクに見える。

 

「あぁ、え、まぁ。に、似合ってる?」

 

「なぜ、疑問系ですの」

 

「いやなに。俺主観に見ているので、そういっただけだ」

 

「あら。そう言うことですの」

 

納得したように言うと、彼女はそのままカーテンを閉めてまた服を着て出てくる。一也はそのまま他の品も見ていくのかと思ったが、狂三は例の下着を持ったままレジで会計を済ませた。店を出て狂三の手にある紙袋を見ながら、一也は聞いた。

 

「なぁ、もう少し見なくてよかったのか?」

 

女の子は大抵が、買い物に時間をかけるものだというのが一也の考えだ。しかし、狂三はそれを否定するように言う。

 

「意中の男性に、似合っているといわれれば、その品以外に買うものがありまして?」

 

そういえばと、一也も思い出す。美九も、一也が似合っていると本当に言えば、迷わずにそれを買っていた。女の子は、そう言うところもあるのだと、考えを改める一也だった。

その後も何かと理由をつけては、十香と狂三とのデートを行ったりきたりだったが、何事もなく終わるように思えたダブルデート。しかし、数十分後に事体は一変する。

 

今は狂三と一也は、昼食をとるために、落ち着いた雰囲気の公園へと足を運んでいた。一応、誘ったのは自分なのだから、食事くらいはと一也は弁当を持ってきていた。ちなみに、作ったのは念には念をで、フラクシナスにあった厨房を使わせてもらった。

 

「狂三はあまり食べないだろうが、一応作ってきたし、一口でもいいから食べてほしい」

 

そういって、弁当を公園のベンチに広げる。

 

「そうですわね。いただきますわ」

 

彼女は優雅な仕草で、箸を動きで使い弁当の中身を一品たべる。

 

「…………あら」

 

食べ終えると、彼女は少し驚いたような顔をする。

 

「美味しいですわ」

 

「ほ、ほんとか?」

 

一也の言葉にうなずき、さらに箸を進める。

 

「この煮物。味が染みてますし。なにより、濃すぎず薄すぎずと、ちょうどいいですわ」

 

意外にも好感触のようだ。一也も一口食べてみる。もちろん味見はきちんとしているが。

 

「うん。旨い」

 

誰だろうと、誰が相手だろうと、料理して食べてもらい、美味しいと言ってもらえれば嬉しくなる。

 

 

 

「ご馳走様ですわ」

 

「はい。お粗末さまでした」

 

弁当をしまい、ボッーとしている。十香のところに戻るには、まだ時間がある。目線だけであたりを見回すと、クレープの屋台が見えた。

 

(十香じゃないが、甘いものは誰でも好きだよな?)

 

一也は狂三には見えないようにして財布の中身を確認し、ベンチから立ち上がる。

 

「ちょっと待ってろ、狂三」

 

「え?あ、一也さん?」

 

狂三一人を残すのは、いろいろな意味で不安だが、フラクシナスの監視もある。問題ないだろうとおもい、一也はクレープを買って、狂三に食べてもらうことにした。

狂三のいたところに戻ったのは、ほんの五分後だが、そこに彼女の姿はなかった。

 

「…………あいつどこに?」

 

辺りを見回すが、近くにはいないようだ。

 

『一也!!そこから西に20メートル付近に、精霊反応。<ナイトメア>よ』

 

耳につけた、通信機から琴里の声が聞こえる。

 

「ッ!?狂三」

 

その声が聞こえたころには、すでに足が動いていた。

フラクシナスの案内に従い、道を駆け抜けある路地に着く。

 

「……!?」

 

一瞬で漂う異様な臭いの正体に、和也は気づいた。

 

(血の…………臭い)

 

さらには、黒い何かがそこにある。いや、一也の脳はそれを理解している。してなお、受け入れるのを、拒否している。

 

(これじゃ、まるで……)

 

そのとき、頭が割れるような感覚。頭の中に映像が、映りこむような感じがした。そこはあたりが火の海で、たぶん横たわる自分。そして、誰だかわからないが、少女が涙を流して、手を振り上げそして。

 

「はっ!!」

 

そこで映像が途切れた。そして相変わらず、目の前は真っ赤な液体がぶちまけられてる。

だが、それ(・・)を見ても、一也はよくある吐き気や、嫌悪感はなかった。

 

「慣れているとでも言うのか?」

 

それならば恐ろしい事実だが、今はそんなことより、狂三のことが大事だ。

 

「狂三いるだろ?」

 

「あら、もう来てしまいましたの?火照りを沈めたら、すぐにでも一也さんの所に、戻るつもりでしたのに」

 

彼女は霊装を纏い、その足元には、なぜか男が上半身裸で、腹の部分には的のように二重円が描かれている。

 

「いや、お前にとってはその男は、的と変わらないのか」

 

「い、いや……やめ……ろ。たすえけ」

 

「あらあら。自分は他を撃っておいて、自分はその覚悟がないなんて。とんだ自己中心的ですわね。いえ、それもこれで終わりですわ」

 

彼女は何のためらいもなく、引き金を引いた。弾丸は男に描かれた円の真ん中を貫いた。一瞬だけ男の体は、ビクンとはね、それきりはただの肉塊となった。

 

 

「クスス。100点ですわ」

 

「ふざけるな!!狂三」

 

『ちょっと、何してるの!?逃げなさい』

 

琴里の声が聞こえているが、一也は聞くことをしない。

一也は今日のデートが楽しかった分、狂三の行動をいつも以上に許せなかった。だからといって、何かできるわけでもなく、その場で虚勢を張ることぐらいしかできない。

 

「いいですわ。一也さんの、その目。ゾクゾクしますわ」

 

彼女のその声とともに、路地の壁や地面から白い手が現れ、一也を捕らえる。

 

「クッ!」

 

「このまま、でも十分ですし、このままいただきましょうか」

 

そのとき、自分の感覚というものがなくなった感じがした。比喩ではなく、本当に。自分ではない何かになる感覚。

 

「!?なんですの、この感じは」

 

一也の体をもつ何か(・・)はその手を狂三にかざし。

 

『散れ、痴れ者が。(われ)に触れるな』

 

一也の声に似た何かはそう言うと、何か放つ。

 

「な、これは!?今日はここまでのようですわね」

 

何か(・・)に感づいた狂三はその場をすぐに離れた。その後薄気味悪い路地に一人になった一也も、かざした手をぶらりと垂れさせて、その場に倒れこんだ。

一也はフラクシナスに回収されて、精密検査を受けたが異常なし。だが、一也の力を観測したフラクシナスは、一也を今までのように接するか、審議せざるを得なくなった。




いや~今回は、なんか難しい。
狂三のキャラってこんなんだっけ?見たいな感じです

でも一番は、八舞姉妹が書きにくい。原作者の橘氏も言ってますし。ちなみに、橘氏は、折紙が書いてて楽しいらしい。

そんなことより、そろそろ『狂三キラー』も大詰め。次はそろそろ本気で一也を戦わせようかと。

そんな感じで行きます。それでは、また、次回

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。