私ことサカズキです
何ヶ月ぶりでしょうか?
かなり、空いてましたな…………
まぁ、メモしていたのをPCに移すのに手間取り、前半はすでに即興といってもいいもの。
長い前置きは苦手なので、本編どうぞ
◇
色とりどりの魚たちを、ガラスの向こうに見ながら水族館のなかを進む十香と一也。
それを見つめる人影がひとつ。その正体は。
がみ
「おい止めようぜ、とび……折紙?」
「だめ。これは精霊の実態を知るためのに必要なこと」
数分前のこと
今回のダブルデートを、フラクシナス艦内で見てるはずの士道は、三人がどうなるのか、どうしても我慢ならずに飛び出してきたのだが、どういうわけか、その水族館に折紙もいたのだ。
幸いなことに、後ろをついてくる二人に、十香も一也も気がついていない様子。折紙はある程度の距離を開けて、二人についていく。士道も仕方ない様子で折紙の後に続く。もともとは士道がはじめたことなのだが。
しばらくすると一也は、十香に何か言ってからその場を離れる。それを見て士道はもう一人のデートの相手。
◇
案の定一也は狂三のもとにいた。
約束に時間より少し早いくらいに着いたが、すでに狂三は待ち合わせ場所にいた。
「悪い。またせたか?」
「いいえ。
彼女は、夏場の暑いのに相変わらず黒を基調にしたゴシック・ロリータを着てきた。見ていだけで、暑くなりそうだが、着ている本人は涼しい顔をしている。
「それじゃ行こうか?」
「えぇ」
『まって一也。選択肢が出たわ。これは』
1ショッピングモールでお買い物
2映画館で恋愛映画を見る
3ランジェリーショップで彼女に下着を買ってあげる
『総員選択!!…………まさかの、結果ね。一也、三番よ』
(まさかの下着選びかよ……まぁ下着くらいなら)
三番を選んでいるが、実質大型ショッピングモールにいけばすべての項目が満たせることに一也は気がついた。
「よし、狂三まずは買い物しておくか。特に身に着けるものとか」
「いいですわね。行きましょうか」
二人はそのまま足をを動かした。
そのまま待ち合わせ場所近くのショッピングモールに行く。そのままランジェリーショップへ向かうが、さすがに近づくにつれて、一也はさすがに恥ずかしくなってきた。
(いまさらだが、男が女の子をそう言う店に誘うにはどうなんだ?)
いつも自分を引っ張りまわすのは美九で、それに連れられ無理やり下着を選んだこともある。
だが今回は、自分が誘い、あまつさえ下着を選ぶというのはいかがなものかと。思っていても、着いてしまったので仕方ない。
「ここは……」
「まぁなんだ。いやでなければの話だが……」
「あら、構いませんわ。むしろ、いいんですの?男性には、少々肩身の狭い思いをするかもしれませんわ」
「連れてきたのは俺だ。その代わり、さっさと買って、次にいくぞ」
中に入り、狂三は下着を選び出す。一也はそれを三歩後ろで眺めていた。
(正直、女が喜ぶ下着なんて知らん。美九はなぜか、基本俺が選んだのを買ってるし)
「一也さんはどちらが、よろしいと思いまして?」
そんなことを言う狂三の手には、二つの下着。ひとつは赤のレースの下着。もうひとつは、淡いブルーのシンプルなデザインのもの。
『ちょっと待ちなさい。総員、選択…………一也、後ろの下着を差し出しなさい』
言われるがまま、一也は自分の後ろにあった下着を手に取り差し出す。それを見て、一也は軽く引いた。
シースルー・スケルトン・すけすけ。何でもいい。手に取った下着はそんな感じの危ういデザインだった。
「一也さん」
「い、いやこれは……」
引っ込めようとした手からそれを奪い、狂三は試着室に向かった。
「覗かないでくださいね?」
カーテンが閉まり、狂三はその向こうに姿を消した。
(何だ、このやっちまった感は!?)
◇
しばらくして、狂三の声が聞こえてくる。
「どうでしょうか、一也さん?」
(どうといわれても……その姿は、かなり妖しい)
白い肌に、黒の下着がかなり映える。しかも透けてるせいか、かなりエロティクに見える。
「あぁ、え、まぁ。に、似合ってる?」
「なぜ、疑問系ですの」
「いやなに。俺主観に見ているので、そういっただけだ」
「あら。そう言うことですの」
納得したように言うと、彼女はそのままカーテンを閉めてまた服を着て出てくる。一也はそのまま他の品も見ていくのかと思ったが、狂三は例の下着を持ったままレジで会計を済ませた。店を出て狂三の手にある紙袋を見ながら、一也は聞いた。
「なぁ、もう少し見なくてよかったのか?」
女の子は大抵が、買い物に時間をかけるものだというのが一也の考えだ。しかし、狂三はそれを否定するように言う。
「意中の男性に、似合っているといわれれば、その品以外に買うものがありまして?」
そういえばと、一也も思い出す。美九も、一也が似合っていると本当に言えば、迷わずにそれを買っていた。女の子は、そう言うところもあるのだと、考えを改める一也だった。
その後も何かと理由をつけては、十香と狂三とのデートを行ったりきたりだったが、何事もなく終わるように思えたダブルデート。しかし、数十分後に事体は一変する。
◇
今は狂三と一也は、昼食をとるために、落ち着いた雰囲気の公園へと足を運んでいた。一応、誘ったのは自分なのだから、食事くらいはと一也は弁当を持ってきていた。ちなみに、作ったのは念には念をで、フラクシナスにあった厨房を使わせてもらった。
「狂三はあまり食べないだろうが、一応作ってきたし、一口でもいいから食べてほしい」
そういって、弁当を公園のベンチに広げる。
「そうですわね。いただきますわ」
彼女は優雅な仕草で、箸を動きで使い弁当の中身を一品たべる。
「…………あら」
食べ終えると、彼女は少し驚いたような顔をする。
「美味しいですわ」
「ほ、ほんとか?」
一也の言葉にうなずき、さらに箸を進める。
「この煮物。味が染みてますし。なにより、濃すぎず薄すぎずと、ちょうどいいですわ」
意外にも好感触のようだ。一也も一口食べてみる。もちろん味見はきちんとしているが。
「うん。旨い」
誰だろうと、誰が相手だろうと、料理して食べてもらい、美味しいと言ってもらえれば嬉しくなる。
◇
「ご馳走様ですわ」
「はい。お粗末さまでした」
弁当をしまい、ボッーとしている。十香のところに戻るには、まだ時間がある。目線だけであたりを見回すと、クレープの屋台が見えた。
(十香じゃないが、甘いものは誰でも好きだよな?)
一也は狂三には見えないようにして財布の中身を確認し、ベンチから立ち上がる。
「ちょっと待ってろ、狂三」
「え?あ、一也さん?」
狂三一人を残すのは、いろいろな意味で不安だが、フラクシナスの監視もある。問題ないだろうとおもい、一也はクレープを買って、狂三に食べてもらうことにした。
狂三のいたところに戻ったのは、ほんの五分後だが、そこに彼女の姿はなかった。
「…………あいつどこに?」
辺りを見回すが、近くにはいないようだ。
『一也!!そこから西に20メートル付近に、精霊反応。<ナイトメア>よ』
耳につけた、通信機から琴里の声が聞こえる。
「ッ!?狂三」
その声が聞こえたころには、すでに足が動いていた。
フラクシナスの案内に従い、道を駆け抜けある路地に着く。
「……!?」
一瞬で漂う異様な臭いの正体に、和也は気づいた。
(血の…………臭い)
さらには、黒い何かがそこにある。いや、一也の脳はそれを理解している。してなお、受け入れるのを、拒否している。
(これじゃ、まるで……)
そのとき、頭が割れるような感覚。頭の中に映像が、映りこむような感じがした。そこはあたりが火の海で、たぶん横たわる自分。そして、誰だかわからないが、少女が涙を流して、手を振り上げそして。
「はっ!!」
そこで映像が途切れた。そして相変わらず、目の前は真っ赤な液体がぶちまけられてる。
だが、
「慣れているとでも言うのか?」
それならば恐ろしい事実だが、今はそんなことより、狂三のことが大事だ。
「狂三いるだろ?」
「あら、もう来てしまいましたの?火照りを沈めたら、すぐにでも一也さんの所に、戻るつもりでしたのに」
彼女は霊装を纏い、その足元には、なぜか男が上半身裸で、腹の部分には的のように二重円が描かれている。
「いや、お前にとってはその男は、的と変わらないのか」
「い、いや……やめ……ろ。たすえけ」
「あらあら。自分は他を撃っておいて、自分はその覚悟がないなんて。とんだ自己中心的ですわね。いえ、それもこれで終わりですわ」
彼女は何のためらいもなく、引き金を引いた。弾丸は男に描かれた円の真ん中を貫いた。一瞬だけ男の体は、ビクンとはね、それきりはただの肉塊となった。
「クスス。100点ですわ」
「ふざけるな!!狂三」
『ちょっと、何してるの!?逃げなさい』
琴里の声が聞こえているが、一也は聞くことをしない。
一也は今日のデートが楽しかった分、狂三の行動をいつも以上に許せなかった。だからといって、何かできるわけでもなく、その場で虚勢を張ることぐらいしかできない。
「いいですわ。一也さんの、その目。ゾクゾクしますわ」
彼女のその声とともに、路地の壁や地面から白い手が現れ、一也を捕らえる。
「クッ!」
「このまま、でも十分ですし、このままいただきましょうか」
そのとき、自分の感覚というものがなくなった感じがした。比喩ではなく、本当に。自分ではない何かになる感覚。
「!?なんですの、この感じは」
一也の体をもつ
『散れ、痴れ者が。
一也の声に似た何かはそう言うと、何か放つ。
「な、これは!?今日はここまでのようですわね」
一也はフラクシナスに回収されて、精密検査を受けたが異常なし。だが、一也の力を観測したフラクシナスは、一也を今までのように接するか、審議せざるを得なくなった。
いや~今回は、なんか難しい。
狂三のキャラってこんなんだっけ?見たいな感じです
でも一番は、八舞姉妹が書きにくい。原作者の橘氏も言ってますし。ちなみに、橘氏は、折紙が書いてて楽しいらしい。
そんなことより、そろそろ『狂三キラー』も大詰め。次はそろそろ本気で一也を戦わせようかと。
そんな感じで行きます。それでは、また、次回