正直いうと、うpしたくないんですが
やらないと先進めません。
それと今回の後書きはちょっと趣向を変えてます。
◇
士道は額に汗を一滴伝わせながら、これ以上ないくらいに緊張していた。
選択を間違えれば、士道はここで自分を見失ってしまうのだから。
(どうする。どうすれば……)
「まて士道!早まるな!それは間違っている」
僕は士道の行動を阻止しようと叫び、それを聞いて士道はなんとか止まった。
「じゃあ俺はどおすればいいんだよ!」
「慌てるな、まだ終わってはいない。慎重に考えろ」
「くそっどおすれば、どおすれば」
士道はそこで一旦止めて、息を吸って不満を叫んだ。
「どうすれば正解にたどり着くんだ!」
士道は持っていたコントローラを握りしめながら、頭を押さえた。
僕達を嘲笑うかのように、目の前のディスプレイに映る二次元少女は満面の笑みだ。
そう、僕達の敵は『ギャルゲー』だ!。なんでも、フラクシナスのメンバーが総監修した、精霊をデレさせるために、リアルにあるシチュエーションを想定したらしいが。
「士道、あんたそれくらいも分からないの?駄目ね、駄目すぎて吊るしてやりたくなるわ」
「それくらいなら良いが、俺が間違えたらあれが全校生徒の目に………」
「大丈夫だ士道!間違えなければいいんだ」
「一也………そうだな、そうだよな」
「そうだ!その勢いで選択しろ」
「よし、これだ!」
選択肢を選んで、テキストを進めるうちに主人公がどんどんホモに目覚めていき、そして親友的キャラとのエンドを迎えた。
「はい。じゃあ、あれよろしくね」
そう琴里が言うと、スクリーンに映ったらフラクシナスのクルーがなにやら張り紙をしだして、それを見た士道が膝を折り、絶望に打ちひしがれていた。
「あぁドンマイ?」
「なんで疑問系なんだよ」
「ゲームなんだし良いじゃない。これが精霊を相手だったらあんた死んでたわよ」
「そ、それはそうだけど……」
「よし!じゃあ次は僕が」
「いいわよ。もとよりそのつもりだし」
「ちょっと待て!一也はペナルティないだろ?!」
「大丈夫よ。あんたよりよっぽどヤバイのあるから」
「一也、そうなのか?」
「あぁ………士道は社会的に、僕は物理的に殺されかねない。は、はは」
「お、おいそれってどういう……」
「はい、さっさと巻きでやる!時間がないんだから」
その二時間後………
「ふっ、ノーミス&イベントCGフルコンプ!!」
「なん…………だと?」
「流石………と言うのかしら?」
「νガンダムは伊達じゃない!」
「なんだよそれ!」
「いや。アムロさんの名言だけど、何か?」
「いやいや。て言うかどっちもだよ!なんで、ノーミスなんだ………違うソフトで」
「この程度、あえて言おう!カスであると!」
「今度はギレン?!」
「まぁ、これくらいならな…………この程度で死んでられるか」
「俺のなかでどんどん一也のキャラが壊れてく」
二人して暗い態度になっていたら、琴里がパンと手を叩いて声を上げる。
「はいはい、駄目なのは士道だけにして。それよりも次は実践といきましょう」
「実践?何するんだよ?」
士道がそう言うと、今まで琴里の横で黙っていた令音が話をかわった。
「うむ。これから二人に実際の、つまりリアルの女子に今やったことを踏まえて、デレさせてほしい」
「…………………は?」
士道はそんな声と共にまたもや、ポカンと口を開けたまま放心した。
「やるのは良いが、失敗したら?」
「当然ペナルティよ!二人ともね」
「は、はい?!まだやるのかよ!」
そんなことを言う士道に、琴里はいつものような言葉を掛ける。
かく言う僕自身もゲームならともかく、実践となると本気でわからない。
女子なんて身近なのは美九くらいで、他の女子なんかとは話なんてしたこと………あるけど、あるけどそのあとは皆まで言えない。
「じゃあ同時にやるわよ。あたしが士道を、令音が一也をオペレートするわ」
「わ、わかった」
「了解(下手なことして、ペナルティ食らうわけにはいかない)」
◇
さて現在一也は二年生の教室がある階にいる。
令音の指示で、(何かの)データから年上が落としやすいらしい。
そのため二年生からと言うことなんだけど。
「僕は二年生に知り合いなんていないぞ」
小さな声で、耳に着けたインカムに搭載されているマイクに話しかける。
『問題ない。こちらで資料は揃えている』
(なんの資料なんだ?)
『そこの教室だ』
「あ、ああ」
すぐそこの教室から数人の話し声が聞こえてくる。女子生徒のようだ。
「ほんとに先輩でやるんですか?」
『司令がそう言っているんだ。やるしかないだろう?』
「はぁ~」
『気の抜けた声だな。シャキッとしろ』
この人にだけは言われたくないと思うが、それでも死ぬくらいの目に会うならいっそのことやってやる、と毒を食らわば皿までの勢いで教室の扉を開いた。すると中にいた女子生徒が一斉にこちらを見た。
「お?」
「ん~」
「なに?」
中にいた人達を見て一也は首をかしげた。
「あれ?……どっかで」
そう思ったとき、昔と言うよりも前に生きていたときに会ったことがある。
たしかあの時は天宮祭(簡単に言うと学園祭)で女装した士道に話し掛けてた三人組と記憶している。
「ちょっと令音さん?この三人相手に攻略を?」
『それでもいいが、ん?ちょっと待て。ふむ………ああ分かった。琴里からだが、君にはその内の一人をデレさればいい』
「わ、わかりました」
(とは言え、向こうは初対面なわけだし)
そう思っていると、彼女たちから声を掛けてきた。
「どうしたの?」
「誰か探してるの?」
「それとも迷子?」
最初に喋ったのが 山吹 亜衣、次に葉桜 麻 衣ときて藤袴 美衣という順番で、慎重もこの順で段々になっている。
「え、ああ~その。山吹さん、ちょっと」
「え?私?」
そう言われると亜衣は自分を指さし首をかしげた。
前回の生を受けたとき、天宮祭で関わったとはいえ、なぜに彼女を選んだのか。
そうは思いつつも、すでに座っていた彼女は立ち上がりこちら来ていた。
「令音さん、ここからどうするんですか?」
『こちらからはあまり指示しない。君が自分で考えろ。危なくなったら助ける』
(全任放棄?!しかも、被害は僕だけに来るよな!)
そうは思っても声には出さずに、心のなかで叫ぶだけで終わらせる。
山吹さんが僕のそばまで来たので、先導して人のいない場所に案内する。
たとえ人が少ない放課後でも誰かに聞かれて、万が一にも彼女の耳に入れば僕の命は。
「で、なにかな?君一年だよね。どうして私の事を?」
さてどうしたものだ。先の通りに、一也と亜衣は初対面であるわけで。
変な答え方だと当たり前だが、怪しまれる。
そこでもっともそれらしい答えは。
「あなたの事を見てました。ずっと」
「へ?あ!もしかして告白とか?あははっそんなんじゃないか?」
「確かに告白とかじゃないですけど………あなたの事、素敵だなあって思ってはいました」
「え?あ、ああ。ありがと」
「その、よかったら、友達からでもどうですか?」
「あ~まぁそれくらいなら……」
「ありがとうございます!それじゃ、僕はこれで」
出来る限りの笑顔でそう言って、僕はその場を離れる。
山吹さんが小さく声を漏らしたが気づかずに、僕は顔を赤くして早足になる。
しばらくして人がいない階段の踊り場で、令音さんに連絡する。
「こんなのでどうですか?」
『ふむ。アフターが色々と大変だろうが、まあ及第点だろ』
「わお!すげー上から目線」
『とりあえずこれで…………!』
「どうし………」
ウゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーー
その時突如として空間震を報せる警報が鳴った。
『ッ!とにかく、こちらに来い。琴里から話がある』
「わ、わかった」
◇
〈フラクシナス〉艦内で一也だけではなく、士道も呼び出されていた。
前はこの状況で士道が出たが、手っ取り早いのは一也が彼女……十香に接触して一也の力を使うことだが、そんな無理矢理はここの連中はしたいだろう。一也もそんなことはごめんだ。
「さぁさっさと行きなさい!」
そんな感じでフラクシナスを追い出されて半壊した、学校に押し込まれた。
教室を巡っている時にインカムから声が聞こえた。
『いい一也?あんたは無理せずに彼女をデレさればいいの。サポートはしっかりするから』
「りょ、了解」
琴里の声の通りに教室へと向かい、扉に手を掛ける。
『死ぬわけにはいかないわ。慎重にね』
「わかっている」
手をそのまま右に引いて扉を開けると、そこには彼女がいた。
椅子に片足を立てるように座って、夕日に照らされるその顔には哀愁がある。
「…………?」
「よ、よう」
その瞬間に横の扉が廊下にぶっ飛んで、そのまま窓を突き破って下に落ちた。
「きさま………誰だ」
『ちょっと待って。全員選択肢を五秒以内に提示!』
「………………」
しばらくして結果が出たのか、インカムから指示が出た。
『名前を聞くときは、まず自分から名乗れ。よ』
(それは流石にトゲがあるんじゃ)
そう思った一也は少し言葉を変えて言った。
「そういう時は、自分が名乗るのが礼儀だ」
「ぬ?殺そうとする相手に、礼儀などあるか」
「いやいや、礼儀は大切だぞ。それは相手と繋がるということだからな」
「何をバカな………殺す気がないなら何故ここにいる?」
彼女が疑問を一也に投げ掛ける度に、フラクシナスが選択肢を選んでいく。
『君と愛し合うため、とでもいっておきなさい』
(白々しいぃぃぃぃぃぃぃ!)
とそんな聞く人間によっては危ない台詞はソフトに変えて伝える。
「えーと?君と仲良くなりたいから…………かな?」
「仲良く………だと?そんなこと………」
「あり得ないと?死ぬしかないと?誰が決めたそんなことを!お前が生きるか死ぬかは、お前が決める他にないだろ!他人にそんなこと委ねるな」
「な、なんだその言い方は!バーカ、バーカ」
「それは単なる悪口だろ!この間見たいに話せよ」
「この間?そう言えばお前」
「そうだよ、あったよ前も!」
「おお!そうだったな!」
「あぁ。それに今日も会いに来たんだから。殺すとかは無くな」
「そう………なのか?本当に?」
「本当だ」
「本当の本当か?」
「本当の本当だ」
「本当の本当の本当か?」
「だぁぁーくどい!なんと言おうと本当だ!」
「そ、そうか。そうか」
「納得したら襲うなよ?僕は君と………そう言えば名前無いんだっけ?」
「……?あぁ私に名は無い」
「そこでだ、呼びにくいし名前つけていいか?」
「むぅ、ん~~~。いいだろう付けてみろ。ただし、私の気に入るのだぞ?」
「分かってる。と言うかもう考えてる」
そう聞くと彼女は、興味深そうに身を乗り出してきた。
こんな状況をどこかで体験した様な気がするが、そんなことよりも彼女に名前を告げなければ。
「え、えっと。十香だ。と、お、か」
「とおか………ふむ。どう書くのだ?」
そういう彼女の名前を、黒板にチョークで書いてやる。
そうすると彼女も同じ様に、指で黒板をなぞる。
指でなぞった場所が削れているが、そこには下手だが十香と書いてある。
「十香………ふふ十香か」
「始めて笑ったな。そっちの方が可愛い」
「わ、私がか、か、可愛いだと!冗談にしてもたちが悪いぞ!」
「なんだよ。ホントのことなのに」
「なぁ!?」
そんなことを言うと、彼女は顔を真っ赤にして下を向いてしまった。
あいまいみいの駄弁る放課後~
まい「なんで亜衣が呼ばれたんだろ?」
みい「さぁ、もしかしたら告白とか?」
まい「あはは、まっさかー!」
みい「でも」ガラ
まい・みい「あ!おかえり」
あい「う、うん。ただいま」
まい「で、何だったの?」
みい「もしかして、告白?」
まい「だから無いって」
あい「あの、それがまさかの………」エ?!×2
あい「私もそんなこと無いって思って。そしたらお友達からでも」
まい「それってからかわれたんじゃ」
あい「いや、あの子の目。本気だった」
みい「亜衣はどうするの?受けるの?」
あい「い、いや。そんなつもりは。それだから向こうもお友達からって」
まい・みい「ふーん」ニヤニヤ
あい「な?!何そのニヤニヤは!」
まい・みい「なーんでもなーい」
あい「うぅぅ~」
そのあと、空間震の警報が鳴って避難するときもからかわれた亜衣だった。
以上あいまいみいの駄弁る放課後~