デリート・オア・ライフ   作:サカズキ

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かなり間を開けてかいたので、ぐだぐだのぐだぐだです。

正直いうと、うpしたくないんですが

やらないと先進めません。
それと今回の後書きはちょっと趣向を変えてます。


スピリット・クライ

士道は額に汗を一滴伝わせながら、これ以上ないくらいに緊張していた。

選択を間違えれば、士道はここで自分を見失ってしまうのだから。

 

(どうする。どうすれば……)

 

「まて士道!早まるな!それは間違っている」

 

僕は士道の行動を阻止しようと叫び、それを聞いて士道はなんとか止まった。

 

「じゃあ俺はどおすればいいんだよ!」

 

「慌てるな、まだ終わってはいない。慎重に考えろ」

 

「くそっどおすれば、どおすれば」

 

士道はそこで一旦止めて、息を吸って不満を叫んだ。

 

「どうすれば正解にたどり着くんだ!」

 

士道は持っていたコントローラを握りしめながら、頭を押さえた。

僕達を嘲笑うかのように、目の前のディスプレイに映る二次元少女は満面の笑みだ。

そう、僕達の敵は『ギャルゲー』だ!。なんでも、フラクシナスのメンバーが総監修した、精霊をデレさせるために、リアルにあるシチュエーションを想定したらしいが。

 

「士道、あんたそれくらいも分からないの?駄目ね、駄目すぎて吊るしてやりたくなるわ」

 

「それくらいなら良いが、俺が間違えたらあれが全校生徒の目に………」

 

「大丈夫だ士道!間違えなければいいんだ」

 

「一也………そうだな、そうだよな」

 

「そうだ!その勢いで選択しろ」

 

「よし、これだ!」

 

選択肢を選んで、テキストを進めるうちに主人公がどんどんホモに目覚めていき、そして親友的キャラとのエンドを迎えた。

 

「はい。じゃあ、あれよろしくね」

 

そう琴里が言うと、スクリーンに映ったらフラクシナスのクルーがなにやら張り紙をしだして、それを見た士道が膝を折り、絶望に打ちひしがれていた。

 

「あぁドンマイ?」

 

「なんで疑問系なんだよ」

 

「ゲームなんだし良いじゃない。これが精霊を相手だったらあんた死んでたわよ」

 

「そ、それはそうだけど……」

 

「よし!じゃあ次は僕が」

 

「いいわよ。もとよりそのつもりだし」

 

「ちょっと待て!一也はペナルティないだろ?!」

 

「大丈夫よ。あんたよりよっぽどヤバイのあるから」

 

「一也、そうなのか?」

 

「あぁ………士道は社会的に、僕は物理的に殺されかねない。は、はは」

 

「お、おいそれってどういう……」

 

「はい、さっさと巻きでやる!時間がないんだから」

 

 

 

その二時間後………

 

 

 

 

「ふっ、ノーミス&イベントCGフルコンプ!!」

 

「なん…………だと?」

 

「流石………と言うのかしら?」

 

「νガンダムは伊達じゃない!」

 

「なんだよそれ!」

 

「いや。アムロさんの名言だけど、何か?」

 

「いやいや。て言うかどっちもだよ!なんで、ノーミスなんだ………違うソフトで」

 

「この程度、あえて言おう!カスであると!」

 

「今度はギレン?!」

 

「まぁ、これくらいならな…………この程度で死んでられるか」

 

「俺のなかでどんどん一也のキャラが壊れてく」

 

二人して暗い態度になっていたら、琴里がパンと手を叩いて声を上げる。

 

「はいはい、駄目なのは士道だけにして。それよりも次は実践といきましょう」

 

「実践?何するんだよ?」

 

士道がそう言うと、今まで琴里の横で黙っていた令音が話をかわった。

 

「うむ。これから二人に実際の、つまりリアルの女子に今やったことを踏まえて、デレさせてほしい」

 

「…………………は?」

 

士道はそんな声と共にまたもや、ポカンと口を開けたまま放心した。

 

「やるのは良いが、失敗したら?」

 

「当然ペナルティよ!二人ともね」

 

「は、はい?!まだやるのかよ!」

 

そんなことを言う士道に、琴里はいつものような言葉を掛ける。

かく言う僕自身もゲームならともかく、実践となると本気でわからない。

女子なんて身近なのは美九くらいで、他の女子なんかとは話なんてしたこと………あるけど、あるけどそのあとは皆まで言えない。

 

「じゃあ同時にやるわよ。あたしが士道を、令音が一也をオペレートするわ」

 

「わ、わかった」

 

「了解(下手なことして、ペナルティ食らうわけにはいかない)」

 

 

さて現在一也は二年生の教室がある階にいる。

令音の指示で、(何かの)データから年上が落としやすいらしい。

そのため二年生からと言うことなんだけど。

 

「僕は二年生に知り合いなんていないぞ」

 

小さな声で、耳に着けたインカムに搭載されているマイクに話しかける。

 

『問題ない。こちらで資料は揃えている』

 

(なんの資料なんだ?)

 

『そこの教室だ』

 

「あ、ああ」

 

すぐそこの教室から数人の話し声が聞こえてくる。女子生徒のようだ。

 

「ほんとに先輩でやるんですか?」

 

『司令がそう言っているんだ。やるしかないだろう?』

 

「はぁ~」

 

『気の抜けた声だな。シャキッとしろ』

 

この人にだけは言われたくないと思うが、それでも死ぬくらいの目に会うならいっそのことやってやる、と毒を食らわば皿までの勢いで教室の扉を開いた。すると中にいた女子生徒が一斉にこちらを見た。

 

「お?」

「ん~」

「なに?」

 

中にいた人達を見て一也は首をかしげた。

 

「あれ?……どっかで」

 

そう思ったとき、昔と言うよりも前に生きていたときに会ったことがある。

たしかあの時は天宮祭(簡単に言うと学園祭)で女装した士道に話し掛けてた三人組と記憶している。

 

「ちょっと令音さん?この三人相手に攻略を?」

 

『それでもいいが、ん?ちょっと待て。ふむ………ああ分かった。琴里からだが、君にはその内の一人をデレさればいい』

 

「わ、わかりました」

 

(とは言え、向こうは初対面なわけだし)

 

そう思っていると、彼女たちから声を掛けてきた。

 

「どうしたの?」

「誰か探してるの?」

「それとも迷子?」

 

最初に喋ったのが 山吹 亜衣、次に葉桜 麻 衣ときて藤袴 美衣という順番で、慎重もこの順で段々になっている。

 

「え、ああ~その。山吹さん、ちょっと」

 

「え?私?」

 

そう言われると亜衣は自分を指さし首をかしげた。

前回の生を受けたとき、天宮祭で関わったとはいえ、なぜに彼女を選んだのか。

そうは思いつつも、すでに座っていた彼女は立ち上がりこちら来ていた。

 

「令音さん、ここからどうするんですか?」

 

『こちらからはあまり指示しない。君が自分で考えろ。危なくなったら助ける』

 

(全任放棄?!しかも、被害は僕だけに来るよな!)

 

そうは思っても声には出さずに、心のなかで叫ぶだけで終わらせる。

山吹さんが僕のそばまで来たので、先導して人のいない場所に案内する。

たとえ人が少ない放課後でも誰かに聞かれて、万が一にも彼女の耳に入れば僕の命は。

 

「で、なにかな?君一年だよね。どうして私の事を?」

 

さてどうしたものだ。先の通りに、一也と亜衣は初対面であるわけで。

変な答え方だと当たり前だが、怪しまれる。

そこでもっともそれらしい答えは。

 

「あなたの事を見てました。ずっと」

 

「へ?あ!もしかして告白とか?あははっそんなんじゃないか?」

 

「確かに告白とかじゃないですけど………あなたの事、素敵だなあって思ってはいました」

 

「え?あ、ああ。ありがと」

 

「その、よかったら、友達からでもどうですか?」

 

「あ~まぁそれくらいなら……」

 

「ありがとうございます!それじゃ、僕はこれで」

 

出来る限りの笑顔でそう言って、僕はその場を離れる。

山吹さんが小さく声を漏らしたが気づかずに、僕は顔を赤くして早足になる。

しばらくして人がいない階段の踊り場で、令音さんに連絡する。

 

「こんなのでどうですか?」

 

『ふむ。アフターが色々と大変だろうが、まあ及第点だろ』

 

「わお!すげー上から目線」

 

『とりあえずこれで…………!』

 

「どうし………」

 

ウゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーー

 

その時突如として空間震を報せる警報が鳴った。

 

『ッ!とにかく、こちらに来い。琴里から話がある』

 

「わ、わかった」

 

 

〈フラクシナス〉艦内で一也だけではなく、士道も呼び出されていた。

前はこの状況で士道が出たが、手っ取り早いのは一也が彼女……十香に接触して一也の力を使うことだが、そんな無理矢理はここの連中はしたいだろう。一也もそんなことはごめんだ。

 

「さぁさっさと行きなさい!」

 

そんな感じでフラクシナスを追い出されて半壊した、学校に押し込まれた。

教室を巡っている時にインカムから声が聞こえた。

 

『いい一也?あんたは無理せずに彼女をデレさればいいの。サポートはしっかりするから』

 

「りょ、了解」

 

琴里の声の通りに教室へと向かい、扉に手を掛ける。

 

『死ぬわけにはいかないわ。慎重にね』

 

「わかっている」

 

手をそのまま右に引いて扉を開けると、そこには彼女がいた。

椅子に片足を立てるように座って、夕日に照らされるその顔には哀愁がある。

 

「…………?」

 

「よ、よう」

 

その瞬間に横の扉が廊下にぶっ飛んで、そのまま窓を突き破って下に落ちた。

 

「きさま………誰だ」

 

『ちょっと待って。全員選択肢を五秒以内に提示!』

 

「………………」

 

しばらくして結果が出たのか、インカムから指示が出た。

 

『名前を聞くときは、まず自分から名乗れ。よ』

 

(それは流石にトゲがあるんじゃ)

 

そう思った一也は少し言葉を変えて言った。

 

「そういう時は、自分が名乗るのが礼儀だ」

 

「ぬ?殺そうとする相手に、礼儀などあるか」

 

「いやいや、礼儀は大切だぞ。それは相手と繋がるということだからな」

 

「何をバカな………殺す気がないなら何故ここにいる?」

 

彼女が疑問を一也に投げ掛ける度に、フラクシナスが選択肢を選んでいく。

 

『君と愛し合うため、とでもいっておきなさい』

 

(白々しいぃぃぃぃぃぃぃ!)

 

とそんな聞く人間によっては危ない台詞はソフトに変えて伝える。

 

「えーと?君と仲良くなりたいから…………かな?」

 

「仲良く………だと?そんなこと………」

 

「あり得ないと?死ぬしかないと?誰が決めたそんなことを!お前が生きるか死ぬかは、お前が決める他にないだろ!他人にそんなこと委ねるな」

 

「な、なんだその言い方は!バーカ、バーカ」

 

「それは単なる悪口だろ!この間見たいに話せよ」

 

「この間?そう言えばお前」

 

「そうだよ、あったよ前も!」

 

「おお!そうだったな!」

 

「あぁ。それに今日も会いに来たんだから。殺すとかは無くな」

 

「そう………なのか?本当に?」

 

「本当だ」

 

「本当の本当か?」

 

「本当の本当だ」

 

「本当の本当の本当か?」

 

「だぁぁーくどい!なんと言おうと本当だ!」

 

「そ、そうか。そうか」

 

「納得したら襲うなよ?僕は君と………そう言えば名前無いんだっけ?」

 

「……?あぁ私に名は無い」

 

「そこでだ、呼びにくいし名前つけていいか?」

 

「むぅ、ん~~~。いいだろう付けてみろ。ただし、私の気に入るのだぞ?」

 

「分かってる。と言うかもう考えてる」

 

そう聞くと彼女は、興味深そうに身を乗り出してきた。

こんな状況をどこかで体験した様な気がするが、そんなことよりも彼女に名前を告げなければ。

 

「え、えっと。十香だ。と、お、か」

 

「とおか………ふむ。どう書くのだ?」

 

そういう彼女の名前を、黒板にチョークで書いてやる。

そうすると彼女も同じ様に、指で黒板をなぞる。

指でなぞった場所が削れているが、そこには下手だが十香と書いてある。

 

「十香………ふふ十香か」

 

「始めて笑ったな。そっちの方が可愛い」

 

「わ、私がか、か、可愛いだと!冗談にしてもたちが悪いぞ!」

 

「なんだよ。ホントのことなのに」

 

「なぁ!?」

 

そんなことを言うと、彼女は顔を真っ赤にして下を向いてしまった。




あいまいみいの駄弁る放課後~

まい「なんで亜衣が呼ばれたんだろ?」

みい「さぁ、もしかしたら告白とか?」

まい「あはは、まっさかー!」

みい「でも」ガラ

まい・みい「あ!おかえり」

あい「う、うん。ただいま」

まい「で、何だったの?」

みい「もしかして、告白?」

まい「だから無いって」

あい「あの、それがまさかの………」エ?!×2

あい「私もそんなこと無いって思って。そしたらお友達からでも」

まい「それってからかわれたんじゃ」

あい「いや、あの子の目。本気だった」

みい「亜衣はどうするの?受けるの?」

あい「い、いや。そんなつもりは。それだから向こうもお友達からって」

まい・みい「ふーん」ニヤニヤ

あい「な?!何そのニヤニヤは!」

まい・みい「なーんでもなーい」

あい「うぅぅ~」

そのあと、空間震の警報が鳴って避難するときもからかわれた亜衣だった。

以上あいまいみいの駄弁る放課後~

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