ドラゴンクエストビルダーズ メタルギアファンの復興日記 作:seven river
魔物の城で発明メモらしき紙を手に入れた後、俺たちはキメラのつばさを使って町に戻ってきた。
キメラのつばさがなければ、今ごろ俺たちは大量の魔物から必死の逃走をしていただろう。キメラのつばさって、改めてすごい道具だと思った。
それはともかく、ベイパーとギエラはマイラの町に戻ってこれて一安心していた。
「かなりの魔物がいたが、なんとか帰ってこれたな」
「アタシも、どうなるかと思ったわ、トロルやあくまのきしに囲まれるし」
俺も、さすがにトロルが出てくるとは思わなかった。ようがんまじんが、トロルのように強力な魔物を手下にしているとは思わないからな。
「俺も、この発明メモを手に入れられてよかったぜ」
「ええ、これでガロンの言ってた通り、強力な武器を作れば、今度こそアネゴを救出できるはずよ」
これでマシンメーカーとやらを作れるだろう。だが、まだアネゴの救出作戦はまだ始まったばかりだ。
今度は魔物たちも俺たちを警戒しているだろうし、もう潜入は不可能なはずだ。全力で戦って、アネゴのいる牢屋に向かうしかない。
「ああ、今度も手伝ってくれよ」
突入の時は、今まで以上に協力して戦うことが大切になる。ゆきのへにも来てもらわないといけないかもな。できればガロンにも協力してほしいが、どうせ来ないだろう。
「もちろん行くぞ、雄也。ワシは温泉に入るから、ガロンにも発明メモを見せてきたらどうだ?」
「アタシも温泉に入ってくるわね。戦いで疲れたし」
二人は今度も協力してしてくれるようだな。そのために体を休めるため、温泉に入るのか。
俺はその間に、ガロンに発明メモを見せに行った。ガロンは臆病者だが、一応荒くれのメンバーだから、教えないわけにもいかない。
俺は作業部屋に入り、中にいたガロンに話しかけた。
「ガロン、戻ってきたぞ」
「もしかしてその紙、発明メモを手に入れてきたのか!?」
ガロンは、俺が手に持っている発明メモの紙を見つけて聞いてきた。
「ああ、結構強力な魔物がたくさんいたけど、なんとか取ってきた」
「うおおおおーー!よくやったな、雄也!ついに強力な兵器を作れるぞ!」
何もせずに町で待っていたガロンにほめられても、何とも思わないのだが、まあ、これでアネゴを救出出来るとなれば、嬉しくなるのも分かるけど。
それに、強力な兵器があれば、町の防衛にも役立つことになるだろう。
ここは魔物の襲撃が激しいので、そういったものがあると本当に助かる。
発明メモのことを言うと、ガロンはそれを見せるように言ってきた。
「その発明メモを、ちょっとオレに見せてみてくれ···!」
俺もまだ手に入れて帰ってきたばかりで、何が書いてあるかはほとんど見ていない。
内容が気になるが、先にガロンに見てもらうか。
「分かった。なんて書いてあるか教えてくれ」
俺はガロンに、持っていた発明メモを渡した。ガロンは読み始めたが、途中で首をかしげるようなことをした。
「何だこのメモ?確かに、発明についての情報が書いてあるみたいなんだが、オレには難しすぎでよく分からん」
「ん?そんなに難しいことでも書いてあったのか?」
ガロンは脳も筋肉で出来ていそうだけど、そこまでバカな訳ではないだろう。そんなに難しいものだったら、俺でも読めないぞ。
「オマエでも分からないと思うぜ。本当に、何がなんだか分からねえんだ」
俺はガロンから発明メモを受け取り、一応読んでみる。すると、兵器の構造や部分の作り方などが複雑に書かれていて、俺でも全く分からない部分が多い。
一瞬でもガロンは頭が悪いんじゃないかと疑った俺のほうがバカなのかもしれない。
「本当だ。俺にも全く分からない。あんたのこと、頭悪いと思ってごめんな」
「そんな風に思ってたのか!?別にオレは頭は良くないけど、失礼だぞ」
「本当にごめんな」
俺はガロンに謝った後、もう一度発明メモに目を通す。説明などは複雑に書かれているが、絵も書いてあり、マシンメーカーの見た目も分かりそうだ。
「とにかく!これでマシンメーカーって奴が作れる訳だよな!」
「ああ、作りたい物の見た目が分かれば、後はビルダーの力でなんとかなる」
マシンメーカーの作り方はまだ分からないが、今手に入れられる素材で作れるといいな。
ガロンとの話が終わったら、早速作り方を調べるか。
「マシンメーカーがあれば、アネゴのいる牢屋を壊す強力な武器が作れるはずだぜ!」
強力な兵器と言うのは、まだどのような物かは分からないが、それを作って、アネゴを救出しに行くか。
だが、俺にはマシンメーカーを作りに行く前に、一つガロンに聞いておきたいことがあった。アネゴが捕まっている牢屋の前で出会った男の幽霊は一体誰だったんだ?
「ガロン、ひとつ聞きたいことがある。俺は、ビルダーの力の影響で幽霊と話せるんだが、アネゴの牢屋の前で、変なことを言う幽霊に会ったんだ」
「幽霊と話せる?そんなこと出来るわけねえだろ。幻覚じゃないのか?」
やっぱり、そう簡単には信じてくれないか。でも、俺はロロニアやタルバのような幽霊と何回か話をしている。
「本当の話だ。俺がここに来る前の場所でも、幽霊と話したことがある」
「もしそれが本当だとして、そいつは
何を言ったんだ?」
ガロンはまだ半信半疑のようだが、俺に幽霊が話したことについて聞いてきた。
「何故かは分からないけど、その幽霊の男は、アネゴが人殺しだと言っていたんだ。本当だとは思わないけどな」
「アネゴが人殺しだと!?その男が、そんなことを言っていたのか?そんなの、嘘に決まってるだろ!」
俺が男の話したことを言うと、急にガロンは慌て出した。本当に嘘なのか、隠そうとしているのか、それは分からなかった。
俺からしたら、嘘であることを願いたいが。
「その幽霊の話に構ってるひまはねえんだ!さっさと、アネゴを助ける準備にかかろうぜ」
今は確かに、アネゴが人殺しかなんて関係ないな。あの男は、人殺しを助ける必要はないなんて言ってたけど、よっぽど勝手な理由で殺したのでもなければ、人殺しでも助けるべきだと俺は思う。
「雄也、オマエはまずマシンメーカーを作ってきてくれ。それが出来たら、アネゴのいる牢屋をぶっ壊す兵器を一緒に考えようや!」
「ああ、じゃあマシンメーカーを作ってくる」
俺はそこでガロンと別れ、マシンメーカーを作りに作業部屋に入った。
マシンメーカーは恐らく、発明メモの中にあった作業台の形をした物のことだろう。そして、その作業台の上に兵器を作るための器具が置かれている。
俺はその作業台を頭の中に思い浮かべ、マシンメーカーの作り方を調べる。
マシンメーカー···鉄のインゴット8個、マグマ岩3個、ガラス1個 鉄の作業台
やっぱりこれがマシンメーカーで合っていたのか。材料は、二つ持っていない物があるな。
鉄のインゴットは在庫が大量にあるが、マグマ岩とガラスは持っていない。
マグマ岩と言うのは、火山地帯のマグマの近くにある赤黒いブロックのことだろう。たくさんあるけど、熱いし採取は危険そうだな。ガラスは自然には落ちていないだろうし、作らないといけなさそうだ。
俺は今度は、ガラスの作り方を調べた。
ガラス···砂5個、石炭1個 炉と金床
砂と石炭なら、俺はかなりたくさん持っている。それと、炉と金床の上位版である神鉄炉と金床でも作れるはずだ。
「ガラスは今すぐ作っておくか」
俺は、マグマ岩を取りに行く前に先にガラスを作っておくことにした。神鉄炉の中に砂と石炭を入れ、それに魔法をかける。
すると、炉の中からガラスの塊が10個も同時に出来ていた。
「ガラスって一度に10個も出来るのか。一個で充分なんだけどな」
マシンメーカーを作るにはガラスは1個あれば大丈夫だ。これだと、ガラスが9個も余るな。
まあ、ガラスは他にも使う機会があるかもしれないか。
「ガラスが出来たし、次はマグマ岩を取りに行かないとな」
俺はガラスを作業部屋の収納箱に入れた後、ウォーハンマーを持って青い旅のとびらに向かう。
マグマ岩は結構固そうなので、ウォーハンマー辺りがないと壊せないだろう。
俺は旅のとびらを抜けると、魔物の城と反対側にある火山地帯に向かった。その火山地帯は、マグマから離れた場所にもマグマ岩があり、安全に採掘できる。
「あっちなら、簡単にマグマ岩が取れそうだな」
俺はその火山地帯に向かって歩いていく。途中には、白い岩で出来た岩山があったが、もう俺は崖登りには慣れているので、簡単に火山地帯にたどり着いた。
火山地帯に着くと、出来るだけマグマから離れ、海の近くにあるマグマ岩に向かってウォーハンマーを降り下ろす。
すると、固いマグマ岩も砕けてブロック化し、俺はそれを拾った。とても熱くてやけどしそうだったので、すぐにポーチの中にしまう。
魔法のポーチになら、何を入れても安全だからな。俺は同じように残り二つ、マグマ岩を集め、町に戻っていく。
「魔物の城に行ったり、マグマ岩を集めたり大変な日だったな」
距離が近いので、キメラのつばさを使わず徒歩で旅のとびらにたどり着いたが、空を見上げるともう太陽が沈みかけていた。
「もう今日も終わりか。アネゴ救出は明日になりそうだな」
今日はマシンメーカーを作って、兵器のことを考えたら夜になるだろう。アネゴを早く助けたいが、突入は明日になるな。
旅のとびらをくぐり、町に戻ってくると、俺はマシンメーカーを作るため、再び作業部屋に入った。材料は揃っているので、今すぐ作れるだろう。
「マシンメーカーを作ったら、銃も作れるか試してみるか」
マシンメーカーなら、恐らく銃が作れるようになるだろう。弾切れになる可能性があるが、魔物の城への突入もしやすくなるはずだ。
そのためにも、まずは俺は鉄のインゴット、マグマ岩、ガラスに魔法をかけ、マシンメーカーを作り出す。
「これがマシンメーカーか、あの絵に書いてあるのと同じだな」
マシンメーカーは、作業台の部分が深緑色で、その上に何種類かの器具が置かれていた。使い方は分からないけど、ビルダーの魔法ならどうにかなるはずだ。
マシンメーカーが完成すると、次は俺は銃の作り方を調べた。マシンガンやスナイパーライフルなどの強力な銃は作れるか分からないが、ハンドガンやサブマシンガンなどの、メタルギアでなセカンダリウェポンと呼ばれる小型の銃なら作れるかもしれない。
俺は試しに、ハンドガンとサブマシンガンの作り方を調べた。
ハンドガン···鉄のインゴット1個、ばね1個 マシンメーカー
サブマシンガン···鉄のインゴット2個、ばね2個 マシンメーカー
「やっぱり銃も作れるんだな」
鉄のインゴットで銃身を作り、ばねで弾を撃ち出すのだろう。俺は、銃を作るためにばねの作り方を調べる。
ばね···鉄のインゴット1個 マシンメーカー
これも鉄のインゴットか···マイラでは鉄を使う機会が多いな。なくならないように注意しないと。
ばねの作り方を調べた後、俺は強力な銃器の作り方も調べたが、マシンメーカーでは無理なようだ。これでアネゴの牢屋を壊す兵器が作れるか不安になってくるが、ガロンが言ってたし、大丈夫だろう。
「とりあえず、ガロンに教えてくるか」
銃が作れることは分かったので、俺はまず、ガロンにマシンメーカーが出来たことを報告しに行くことにした。ガロンは外にいるので、俺はマシンメーカーを作業部屋の隅に設置し、出ていった。