ドラゴンクエストビルダーズ メタルギアファンの復興日記   作:seven river

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Episode222 復讐の果てに辿り着きし滅世の異形

アレフ・ガルデスも、伝説を超える武器の力があれば必ず倒すことが出来るだろう。

俺は再び距離を詰めて、奴に両腕の武器を叩きつけに行った。

アレフも俺に再接近される前に、身体中に力を溜めて攻撃しようとして来る。

 

「そこまでして戦いを諦めないと言うのなら、オレの炎で灰にしてくれる…!」

 

奴は生気のない顔の口から闇の炎を吐き出し、俺を焼き尽くそうとしていた。

アレフは元人間なので今までは炎を吐けなかったが、この姿だと使えるようになるみたいだな。

エンダルゴの炎ほどではないが攻撃範囲が広く、俺は横に大きく飛んでかわしながら少しづつ奴に近づいていくしかなくなる。

接近する前にもダメージを与えられるように、俺はアサルトライフルに持ち替えて奴に向かって連射していった。

 

「こいつもそう簡単には近づけさせてくれないか…まずはアサルトライフルを使って、少しでも弱らせよう」

 

銃で体力を削っていけば攻撃も弱まり、近づきやすくなるかもしれないな。

今までの戦いで、動きながら敵を狙い撃ちするのにも大分慣れて来ている…俺は奴の弱点だと思われる黒い核を、何度も正確に撃ち抜いていった。

1発では僅かなダメージしか与えられないだろうが、まだ弾丸はたくさん残っているので、奴の体力を大きく削ることが出来るはずだ。

アレフ・ガルデスの闇の炎にかすってしまいそうになることもあったが、俺は素早く大きなジャンプを繰り返し、火傷を負わずに攻撃し続けることが出来ていた。

 

「オレの炎をかわしながら、鋼の塊を飛ばして攻撃して来るか…なかなかの人間だが、それでもオレには勝てない!」

 

銃での攻撃を続けるとアレフ・ガルデスもそう言い、炎の勢いを強めて来る。

だが、それだけではなく、俺が狙っていた奴の核が、紫色に光り始めていた。

炎だけならまだ避け続けることは出来るが、それ以上に強力な攻撃が来るかもしれないな。

俺は奴の核にも警戒しながら、アサルトライフルでの攻撃を続けていく。

時間が経つにつれて、アレフ・ガルデスの核の光はだんだん強くなっていった。

 

「だんだん黒い光が強くなって来ているな…何をして来るんだ?」

 

俺がどれだけ核に向かってはがねの弾丸を当てても、黒い光は弱まることはない。

核に魔力が溜まり切り、光が最も強くなると、奴は闇の炎を吐くのを止めてきた。

 

「お前の命懸けの戦いも、全ては無駄に終わる…消え去れ!」

 

そして、アレフ・ガルデスは核から黒い光線を放ち、俺を消し飛ばそうとして来た。

光線はかなりの太さで速度も非常に速かったが、今の俺なら簡単にかわすことが出来るはずだった。

しかし、光線は城の床にぶつかった後炸裂し、ドルマドン並の大爆発を起こす。

俺は一度ジャンプして光線をかわし、爆発を起こしそうなのにも気づいてもう一度大きく飛んだ。

だが、爆発の中心部からは逃れることは出来ていたが、爆風には巻き込まれてしまい、俺は地面に叩きつけられてしまった。

 

「くっ…光線だけじゃなくて、大きな爆発も起こして来るのか…!」

 

アレフの時とは異なる動きが多く、対処しにくくなっているな。

それでも負ける訳にはいかないと俺はすぐに立ち上がり、アレフ・ガルデスの次の攻撃に備えていく。

すると、奴は攻撃の反動で動けなくなっていたので、俺はその隙を見逃さず接近していった。

奴も至近距離に近づかれる前に体勢を立て直し、また闇の炎を吐き始める。

 

「オレの闇を受けてまだ立ち上がれるか…だが、お前の力にも限界があるはずだ!」

 

炎での攻撃を始めると同時に、再び核にも魔力を溜め始めていた。

一度は受けた攻撃なので対処はしやすくなるが、何度も大きなジャンプをしていては体力が尽きてしまうな。

俺は今度こそ接近戦に持ち込もうと、アサルトライフルを撃ち続けながら距離を詰めていった。

 

「またさっきの光線を撃って来るつもりなのか…それまでに近づいて、剣とハンマーで攻撃していこう」

 

少しも弱った様子は見せないが、はがねの弾丸を何度も核に受けて結構なダメージは受けているだろう。

必ず倒すことが出来ると信じて、俺は黒い核を貫いていく。

アレフ・ガルデスとの距離もかなり縮まって来て、このままなら接近戦に持ち込めると俺は考えていた。

しかし、俺が両腕の武器で攻撃する前に、奴は2度目の光線を放ってくる。

 

「どこまでもしつこい人間だな…!」

 

「くっ…間に合わないか…!」

 

ここで再び爆風を受けてしまったら、立ち上がれなくなってしまうかもしれない。

必ず回避して反動で動けない間に近づこうと思い、俺は足に力を込めて回避の構えをとる。

そして、まずは素早く放たれる光線をかわし、すぐにもう一度思い切り大きく飛んで、闇の力の爆発を避けていった。

すると、腕輪の力もあって今度は爆風に巻き込まれることなく、反撃に向かうことが出来た。

 

「強力な攻撃だけど、今度はかわし切ることが出来たか…今のうちに反撃しよう」

 

ポーチからふめつのつるぎとビルダーズハンマーを取り出して持ち替え、一気にアレフ・ガルデスとの距離を詰めていく。

奴もすぐに体勢を立て直すだろうから、その前に俺は連続で両腕の武器を叩きつけていった。

奴の防御力はさっきよりも上がっているようだが、それでも伝説を超える武器なら容易に大ダメージを与えることが出来た。

先ほどの銃弾で傷ついた核には、ふめつのつるぎを深く突き刺しても攻撃していった。

そうしていると、アレフ・ガルデスも体勢を立て直して近接攻撃を行って来る。

 

「炎と光線をかわしきってここまで近づいて来たか…それなら、オレの腕でお前を叩き斬ってやる!」

 

腕から生えた、ロトの紋章のような形をした翼は巨大な剣のようになっており、それを使って俺を斬り殺そうとしていた。

奴は翼を持っていても流石に飛ぶことは出来ないようだが、それでも十分脅威になるな。

さっきと違って両腕で攻撃しているので、俺はさらに避けにくくなってしまう。

 

「この翼は相当強そうだし、何としても避けきらないとな…」

 

だが、アレフ・ガルデスの翼からはアレフの時のロトのつるぎよりも強い闇の力が感じられ、それだけ威力も高そうだった。

人間の力では受け止められるはずもないので、かわし続けて攻撃しないといけないな。

今までの戦いやさっきの爆風で俺の体力も少なくなって来ているが、可能な限りの動きをして奴の攻撃をしのぎ、剣とハンマーで反撃していく。

伝説を超える武器での攻撃を受け続けて、アレフ・ガルデスの身体は傷だらけになっていた。

 

「簡単には滅びを受け入れずに、ここまで戦い続けて来るか…!だが、オレも人間を殺し尽くすことを諦めはしない!」

 

「結構攻撃は出来ているけど、まだ弱って来ないか…」

 

ここまでのダメージを与えることが出来ているので、俺の勝利も確実に近づいているはずだ。

だが、闇の力が暴走して生まれた存在であるアレフ・ガルデスの動きはそう簡単には止まらない。

独り歩きしている憎しみと復讐心のままに、両腕の翼で俺を斬り刻み続けようとしていた。

戦いの疲れで俺の回避力も落ちてきて、腕や腹を何ヶ所か斬られてしまうことも出てくる。

 

「くそっ…結構厳しい状況になって来たな…」

 

まだ軽傷で済んでいるが、俺の体力が尽きればアレフ・ガルデスは俺を殺し、世界中の人々を全て滅ぼし尽くしに行くだろう。

それだけは避けたいと思い、俺は身体中に走る痛みを我慢して回避を続け、武器を振り回し続けていく。

なかなか諦めない俺の姿を見て、アレフ・ガルデスは両腕に力を溜め始めていった。

 

「しつこい男だが、人間ごときがオレに勝てるはずないと言っただろ…!お前を倒してやった後、八つ裂きにしてやる!」

 

それはアレフが回転斬りを放つ時と同じ力の溜め方であり、アレフ・ガルデスになっても回転攻撃を使って来るみたいだな。

アレフの回転斬りでも非常に範囲が広いので、奴の攻撃はさらに高威力かつ広範囲だろう。

俺は何とかしてかわそうと繰り返し後ろに跳んで、攻撃範囲から逃れようとする。

 

「暴走しても回転斬りは使って来るのか…かわして、その後の隙にさらにダメージを与えよう」

 

回転斬りをかわすことが出来れば、その後の隙に再接近してさらなるダメージを与えることが出来るだろう。

間違いなく体力は削れて来ているので、そこでさらなる攻撃を叩き込めば弱って来て、攻撃速度も落ちてくるかもしれない。

だが、俺がアレフ・ガルデスから十分な距離を取る前に奴は力を溜め切り、この空間中を斬り裂くような回転斬りを放って来た。

 

「かわそうとしても無駄だ…!」

 

「くっ…回避が間に合わないか…!」

 

アレフ・ガルデスは回転斬りの溜め時間もここまで短くなっているとはな。

直撃したら真っ二つになるのでそれだけは避けようと、両腕の武器で衝撃を受け止めていった。

凄まじいほどの激痛が起こるが、俺は手足に力を集中させて踏ん張り、闇の刃を弾き返していく。

かろうじて生き残ることは出来たが、俺がまともに反撃出来ない間に、アレフ・ガルデスは再び攻撃体勢に入っていた。

 

「とてつもない威力だったけど、何とか防ぎきれたか…!」

 

「オレの回転斬りまで防ぎきるとは、本当に大したものだ…!だが、お前の力ももう限界なはず。お前を灰にして、この世界ごと人間どもを滅ぼしてやる!」

 

俺と距離を取った奴は、また闇の炎を使って俺を焼き尽くそうとして来る。

やはり核への魔力の集中も同時に行っているようで、光線も使って攻撃して来るつもりのようだ。

炎はまだかわすことが出来るが、ここで光線を放たれれば爆発をかわしきれるか不安だな。

近接戦も厳しいので俺は無理には近づこうとせず、奴の頭や核を狙ってアサルトライフルを連射していった。

はがねの弾丸はさっきからかなり使っているが、もう少しなら撃ち続けることが出来る。

 

「また炎か…まだ弾も残っているし、アサルトライフルで体力を削ろう」

 

先ほどまでの剣とハンマーでの攻撃のおかげで、アレフ・ガルデスの炎も少しは弱まって来ていた。

しかし、それでも決して油断することは出来ず、俺は力の限界が迫る身体を動かして闇の炎をかわしていく。

そして、少しでも大きなダメージを与えられるよう、奴の頭や核を狙っていった。

痛む腕だがまだアサルトライフルをしっかりと握ることはでき、多くの弾が正確に当たっていく。

出来れば光線の発射を止めたかったが、奴の動きはやはりそう簡単には止まらず、3度目の光線が放たれて来た。

 

「避け続けたところで、もうお前に勝ち目はない!」

 

「弾は当たってるけど、どうしても動きは止められないか…」

 

俺は一度大きく跳んで光線をかわし、その後一瞬の間も開けずにもう一度ジャンプし、闇の力の爆発もかわそうとする。

腕輪のおかげで動きの素早さはまだ保たれており、光線自体は避けきることが出来た。

だが、ジャンプ力が落ちたことで爆発をかわしきることは出来ず、俺は再び地面に叩きつけられてしまう。

体力の限界が近づいている俺が倒れ込んだのを見て、アレフは再び黒い核に力を溜め始めた。

 

「人間としては相当な力を持っているが、それでもオレを倒すことは出来ない…消し炭にしてやる!」

 

光線を放つ時よりもはるかに多くの闇の力が集中しており、絶大な威力の攻撃が放たれそうであった。




次回とエピローグで、今作は完結になります。
後日談ももしかしたら書くかもしれません。

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