ドラゴンクエストビルダーズ メタルギアファンの復興日記   作:seven river

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Episode206 王都大決戦の幕開け(後編)

かげのきしを倒した俺たちのところに、40体近くのブラバニクイーンたちが迫ってくる。

かげのきしよりも数は少ないが、強力な魔物なので気をつけて戦わないといけないな。

しかし、戦い慣れている魔物でもあるので、そこまで苦戦することなく倒せるはずだ。

 

「数は多いけど、今まで通り戦って倒そう」

 

俺たちも奴らに近づいていき、それぞれの武器で斬りかかっていく。

俺のところには、10体くらいのブラバニクイーンが近づいてきていた。

以前8体の奴らに囲まれてゆきのへが危険な状況になっていたことがあったが、ほしふるうでわで動きが速まっている今の俺なら、何とか対応することが出来る。

突進の後の隙に近づき、思い切り両腕の武器を叩きつけていった。

 

「一撃では倒せないけど、かなりのダメージは与えられたな」

 

ブラバニクイーンは生命力もあり、かげのきしのように一撃では倒すことは出来なかった。

しかし、大きなダメージを与えられたのは確実であり、怯んで動きを止めている。

別のブラバニクイーンの突進も避けながら、動きを止めた奴への攻撃を続けていった。

すると、10回攻撃するまでもなく、ブラバニクイーンは力尽きて倒れていく。

 

「結構簡単に倒せたな…残りの奴らも確実に仕留めていこう」

 

これなら、あまり体力を消耗することなくブラバニクイーンを倒し切れそうだ。

俺は同じように攻撃を続けていき、怯んだところでとどめを刺していく。

みんなも奴らの突進を何とか回避し続けて、その後の隙に攻撃して生命力を削りとっていった。

ルミーラもメーダクインを無事に倒し終えて、弓をブラバニクイーンに向けて構える。

 

「メーダクインは倒したけど、まだまだ敵は多いね…みんなを援護に行かないと」

 

俺やみんなと戦っている奴らに背後から矢を放ち、確実に撃ち抜いていく。

矢には麻痺毒が塗られているようで、何度も矢を受けたブラバニクイーンは痺れて動けなくなっていた。

麻痺した奴らを、俺たちは連続攻撃を叩き込んで倒していく。

 

「援護ありがとう、ルミーラ。ブラバニクイーンも数が減って来ているから、このまま倒し切るぞ!」

 

「他の敵も迫って来てるから、わたしも出来る限りのことをするね」

 

麻痺の矢のおかげで、ブラバニクイーンとの戦いはさらに有利になりそうだな。

多くのブラバニクイーンに囲まれており、回避に苦労していたみんなも安定して戦えるようになっていた。

最初は40体ほどもいた奴らだが、残りは10体くらいまで減ってくる。

 

「みんなも順調に戦えてるし、もう少しだな…」

 

俺は残った奴らを倒そうと、攻撃の手を強めていった。

ルミーラも麻痺の矢で、まだ動けるブラバニクイーンを次々に痺れさせていく。

みんなもそれぞれの武器を振り回して、奴らに渾身の連撃を与えていった。

 

だが、ブラバニクイーンたちにとどめを刺そうとしているところに、いくつもの光線が飛んでくる。

俺たちはすぐに気づいてジャンプしてかわしたが、奴らへの攻撃の手が止まってしまった。

 

「くそっ…ブラバニクイーンを倒しきる前なのに、コスモアイも来たか…」

 

コスモアイたちが俺たちに近づいて来て、光線の射程距離内に入ってしまったようだな。

かなり素早くブラバニクイーンを倒していたのに、それでも間に合わなかったか…。

さっきのメーダクインは数が減っている状態だったのでルミーラ一人で倒せたが、30体以上もいるコスモアイを一人で相手するのはかなり厳しいだろう。

 

「…ブラバニクイーンはみんなに任せて、俺とルミーラでコスモアイを倒そう」

 

しかし、残ったブラバニクイーンはゆきのへたちだけでも十分倒せるだろうから、俺もアサルトライフルを使ってのコスモアイとの戦いに集中出来そうだ。

俺はゆきのへたちに指示を出して、アサルトライフルに持ち替えていく。

 

「俺とルミーラがコスモアイたちを倒す。みんなはブラバニクイーンを引き付けていてくれ!」

 

ブラバニクイーンと多数のコスモアイと同時に戦うのはさすがに難しい。

 

「あの光線がある限り、ワシらも戦い辛えからな。そっちは任せたぜ、雄也!」

 

ゆきのへたちは俺の指示を聞くと、俺とルミーラを狙っていた奴らにもそれぞれの武器を叩きつけ、引き付けていった。

俺とルミーラもみんなの前に出てアサルトライフルと弓を使い、コスモアイたちの目玉を撃ち抜いていく。

俺はアサルトライフルの扱いに少しは慣れて、目玉に命中させられる確率が上がっていた。

 

「結構目玉に当たってるな…弾もまだまだ残ってるし、このまま数を減らして行けそうだぜ」

 

弱点である目玉を7発ほど撃たれると、コスモアイは力尽きて地面に落ちて消えていく。

コスモアイの光線は威力が高く、溜め時間も短いが、速度はメーダクインと変わらないので、俺とルミーラはかわし続けることが出来ていた。

コスモアイたちの後方にはキラークラブがいるが、俺たちのところに到達するにはまだ時間がかかりそうだ。

この前弾もたくさん作っていたので、このまま奴らを落としていくことが出来そうだな。

 

「何体で来ても、わたしたちの城には近づけさせない!」

 

ルミーラも、今までと同じ正確な射撃でコスモアイを貫いていった。

ブラバニクイーンと違って麻痺はしにくかったが、何度も矢を受けることで生命力を失って倒れていく。

ゆきのへもブラバニクイーンたちを追い詰めて、次々にとどめをさしていた。

 

「みんなもうまく戦っているな…早くこっちも倒して、後衛の魔物との戦いに備えよう」

 

無数の魔物との総力戦となった今回の戦いだが、まだそこまで苦戦していないな。

ブラバニクイーンもコスモアイも、このまま倒しきることが出来るだろう。

俺はそう思いながらも、油断はせずに戦いを続け、奴らの数を減らしていく。

コスモアイの数が残りわずかになった頃には、ゆきのへたち4人がブラバニクイーンを倒し終えて、俺たちのところに近づいてきた。

 

「こっちは終わったぜ、雄也。そっちももう少しみてえだな」

 

「ああ、もう少し待っていてくれ」

 

光線での攻撃を得意とするコスモアイに接近するのは大変なので、ゆきのへたちは奴らの討伐は俺とルミーラに任せて、接近してくるキラークラブに武器を構える。

しかし、変異したことで呪文も使えるようになったバルダスは、それを使ってコスモアイを攻撃していた。

 

「ボクもコスモアイを落として、雄也たちを助けるんだ!」

 

大きな闇の爆発を受けて、何体かのコスモアイは怯んで地に落ちる。

落ちた奴らに向かってバルダスはさらに闇の呪文を使って、体力を削りきっていった。

闇の爆発に巻き込まれなかったコスモアイも、俺とルミーラが撃ち落としていく。

 

「助かったぜ、バルダス。ルミーラ、残った奴らも撃ち落とすぞ!」

 

バルダスも闇の呪文の詠唱を続けて、キラークラブが来る前に、俺たちはコスモアイを全滅させることが出来ていた。

戦いは長いが、体力にもまだ余裕があるし、はがねのライフル弾もまだ残っている。

しかし、それでもなるべく弾は温存しようと思い、再びふめつのつるぎとビルダーズハンマーを持ってキラークラブたちに近づいていった。

 

キラークラブたちは、それぞれのハサミを振り上げながら俺たちのところに近づいてくる。

しかし、ラダトーム地方では凍った湖にしか生息していないからなのか、20体ほどしか襲撃して来ていなかった。

奴らの甲殻は硬いが、今の武器なら簡単に斬り裂き、叩き潰すことが出来るだろう。

 

「コスモアイが終わったし、次はキラークラブだな…でも、数も少ないしそこまで苦戦しなさそうだぜ」

 

警戒を怠ってはならないのは変わらないが、苦戦せずに倒すことが出来そうだ。

キラークラブたちの後ろにはブラックチャックもいるが、奴らもそんなに強い魔物ではない。

どちらも、みんなと共に戦って一気に倒してしまおう。

まず俺のところには、3体のキラークラブがやって来た。

 

「攻撃速度もあんまり早くないし、回避しながら反撃していくか」

 

キラークラブは攻撃力は高いが、攻撃速度はあまり早くはない。

ハサミを避けて奴らの横にまわると、次の攻撃までの隙に俺は両腕の武器を思い切り甲殻に叩きつける。

すると、おうじゃのけんやビルダーハンマーでもそれなりのダメージを与えていたので、今の武器を使うと一撃で甲殻を砕くことが出来ていた。

怯みはまだしないが、確実に大きな傷をつけられたな。

 

「もう甲殻が砕けたのか…やっぱりすごい武器だな。このまま体力を削っていこう」

 

奴らも怒ってハサミを振り回して来るが、俺はジャンプも使って回避して、残りの2体の甲殻も打ち砕いていく。

甲殻が砕けたキラークラブたちに、俺はさらなる攻撃を加えていった。

ゆきのへたちは武器は俺より弱いものを使っているが、肉体の力は彼らの方が上なので、奴らの体力を削っていくことが出来ていた。

 

「ブラックチャックも近づいて来ているし、なるべく早く倒さないとな」

 

今の装備なら、キラークラブと大量のブラックチャックを同時に相手することも出来るだろう。

しかし、なるべく安全な戦いにしたいので、先にキラークラブを倒し終えよう。

甲殻を破られて防御力が下がったところに強力な攻撃を何度も与えると、奴らは力を失い動けなくなっていた。

 

「動きが止まったし、ここで一気に薙ぎ払おう」

 

ここで回転斬りを使えば、キラークラブを3体同時に倒すことが出来そうだ。

俺はそう思って、再び両腕に全身の力を溜め始める。

そして、力が溜まりきると、俺はその力を解放して辺りを薙ぎ払っていった。

 

「回転斬り!」

 

ふめつのつるぎからまばゆい紅色の光の刃が生まれ、キラークラブたちの体を引き裂いていく。

そのすさまじいダメージに加えて、ビルダーズハンマーでの打撃も受けて、奴らは倒れていった。

みんなも、キラークラブたちを弱らせ、もう少しで倒せそうな状態になっていた。

 

「これでキラークラブは倒れたな…ブラックチャックも、この調子で倒していこう」

 

休む間もなく、俺たちのところには大量のブラックチャックたちがやって来ていた。

45体ほどのブラックチャックのうちの多くは、キラークラブを倒し、魔物にとって最大の脅威のビルダーである俺のところ、そして、人間に寝返り、変異体となった、かつてサンデルジュの地に共に向かった同胞であるバルダスのところに向かっていた。

 

「ビルダーめ…よくもここまでオレたちを…!お前も仲間たちも、オレたちの棍棒で叩き潰してやる!」

 

「ここまで頑張ってきたところ残念だが、人間どもの負けはもう決まっている!」

 

俺のところにやって来た奴らは、トゲつきの棍棒を振り下ろして潰して来ようとして来る。

ブラックチャックの攻撃は、決して弱いものではない。

しかし、今まで戦ってきた魔物に比べるとやはり攻撃力が低いので、俺は両腕の武器で棍棒を叩き落とし、体勢を崩させていった。

 

「戦い慣れた魔物だし、攻撃力も他の魔物に比べたら弱いな…このまま全員押し切ろう」

 

リムルダールで手に入れた指輪もあり、俺の攻撃力はさらに上がっている。

あまり腕に痛みを感じることなく、奴らの体勢を連続で崩させていった。

多くのブラックチャックの体勢が崩れると、俺は奴らの頭に向かって両腕の武器を振り下ろしていく。

 

「かげのきしよりは耐えるけど、すぐに倒せるな」

 

一撃で倒すことは出来なかったが、瀕死の状態にまで追い込むことは出来ていた。

弱ったブラックチャックたちにさらなる攻撃を加えて、とどめを刺していく。

俺と戦っている奴らは、少しずつ数を減らしていっていた。

ラスタンたちも、キラークラブと同時での戦いでありながら何体ものブラックチャックを倒していた。

 

「ラスタンたちもうまく戦ってるみたいだし、さっさと倒しきろう」

 

俺はまだ起き上がって攻撃して来るブラックチャックも怯ませて、動きを止めていった。

まだ多くの魔物が俺たちとラダトーム城を狙っているが、このまま倒し切れるといいな。


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