ドラゴンクエストビルダーズ メタルギアファンの復興日記 作:seven river
また、今回の作者のネーミングセンスは今まで以上に悪いです。
マイラの9回目の防衛戦の後も、アメルダは新兵器の開発を進めていた。
ラライを殺した罪を償わなければいけないという思いが強まったのか、今まで以上に開発に力を入れている。
ラライの真の最強兵器の完成も、着実に近づいて来ていた。
そして、ラライのキラーマシンを破壊した3日後、マイラに戻って来てから10日目の朝、俺はアメルダに工房に呼び出された。
数日間研究に集中していたので、アメルダはかなり疲れていそうだった。
しかし、疲れを顔に出さず、嬉しそうな口調で話し始める。
「ついにやったよ、雄也!ラライの研究記録に書かれてた、新しいマシンメーカーとげきとつマシンの作り方を思いついたんだ」
もしかしてと思ったが、やはり新兵器を思いつくことが出来たのか。
トロルギガンテとの決戦の前に、新兵器を用意することが出来そうで良かったぜ。
いつ戦いになってもおかしくない…アメルダから作り方を聞いたら、すぐに素材を集めに行って来よう。
「戦いまで間に合ったな…今から作りに行ってくるから、両方について教えてくれ」
「マシンメーカーの方はひねりのない名前だけど、超マシンメーカーって言うらしくてね、これは新兵器を作れるだけじゃなく、作業台と炉の機能も持っているみたいなんだ」
超マシンメーカーか…作業台や炉の機能があるなら、新兵器を作った後にも役立つことになりそうだな。
今までマイラの設備では作れなかった物も、作れるようになるかもしれない。
トロルギガンテを倒した後のマイラの発展のためにも、俺は超マシンメーカーに必要な素材を尋ねた。
「結構便利な物なんだな…どうやって作るんだ?」
アメルダは、超マシンメーカーの作り方を俺に詳しく教え始める。
それはラライも思いつかなかったもので、研究記録をもとにアメルダが独自で考えたようだった。
やはりアメルダは、発明家としても確実に成長して来ているな。
俺はそう思いながら、超マシンメーカーの作り方を聞いていった。
「どうだい、素材は足りてそうかい?」
アメルダの説明の後、俺はビルダーの力で超マシンメーカーに必要な素材を調べていく。
超マシンメーカー…マシンメーカー1個、鉄のインゴット10個、銅のインゴット5個、木材5個、マグマ電池5個 鉄の作業台
かなりの数の素材が必要だが、どれも在庫がある物ばかりだな。
工房のマシンメーカーを回収したら、さっそく作りに行ってこよう。
超マシンメーカーの後は、新たなげきとつマシンの作り方についても聞いていく。
「ああ。結構な数は必要だけど、今すぐに作れそうだぜ。げきとつマシンの方に関しては、どんな物なんだ?」
「究極にまで力を高めたげきとつマシンってことで、極げきとつマシンって言うみたいだね。今ある超げきとつマシンを、新しいマシンパーツを使って強化するんだ。そのマシンパーツには、これを使うつもりだよ」
究極にまで力を高めたと言うのなら、トロルギガンテ相手でも相当なダメージを与えられそうだな。
ラダトームに戻った後の戦いにも、大いに役立つことだろう。
アメルダはそう言った後、4つのハンター回路を取り出す。
「アメルダ、このハンター回路は?」
そのハンター回路は、メタルハンターなどが落とす物とは少し形状が違っていた。
「アイツのキラーマシンが落とした物さ…これを新兵器に役立てれば、アイツも少しは喜ぶんじゃないかと思ってね」
ラライは、自分が作ったキラーマシンのことも大切な存在だと思っていたはずだ。
そのキラーマシン自体は自分たちの手で破壊することになってしまったが、部品を新兵器に活用することが、ラライへのせめてもの償いなのかもしれない。
ラライの想いがこめられたハンター回路で作られた兵器を使い、俺たちは魔物と戦っていく…それをラライ本人にもう見せられないのは、残念なことだがな。
「俺もそうだと思うぜ…このハンター回路以外にも必要な物があると思うから、教えてくれ」
しかし、キラーマシンのハンター回路だけでは、極げきとつマシンは作れないだろう。
俺はアメルダに、他の必要な素材についても聞いていく。
説明を一通り聞くと、こちらについてもビルダーの力で調べていった。
新マシンパーツ…特製ハンター回路4個、エネルギー物質10個、ブラッドインゴット3個、マグマ電池5個 超マシンメーカー
極げきとつマシン…超げきとつマシン1個、新マシンパーツ1個、ブラッドインゴット10個、マグマ電池10個 超マシンメーカー
ブラッドインゴットで作られた5本の角で突撃されれば、変異体と言えども絶大なダメージを受けることになりそうだ。
必要な素材もやはり多いが、それでも絶対に作らなけれいけないだろう。
ブラッドミスリルやマグマ電池はもうたくさん持っているので、後はエネルギー物質を作れば良さそうだ。
「やっぱり必要な素材は多いけど、これから集めに行ってくるぜ。極げきとつマシンが完成したら、すぐに教える」
「頼んだよ、雄也。ラライのハンター回路は渡しておくね」
俺はアメルダにそう言って、アメルダは俺にラライのキラーマシンが落としたハンター回路を渡してくれる。
これが出来れば、いよいよトロルギガンテとの決戦だな。
俺はエネルギー物質の素材を集めるために、まずは青色の旅のとびらに入っていった。
青色の旅のとびらを抜けると、俺は何度も来たことのある溶岩地帯へと移動する。
エネルギー物質を作るにはハンター回路とフレイムドロップ、ブリザードロップが必要だったはずだな。
このうちハンター回路は、デュランダルとの戦いでもう手に入れている。
「フレイムを倒して、フレイムドロップを集めて来ないとな」
溶岩地帯では、フレイムのフレイムドロップを手に入れて来よう。
俺はブラウニーたちから隠れながら、フレイムが生息している場所まで向かっていく。
この辺りには岩が多く隠れるのが容易で、ほしふるうでわの力もあったので、進むのにあまり時間はかからなかった。
10分もかからずに、俺はフレイムが生息している場所にたどり着く。
「弾丸はもうないから、剣とハンマーで仕留めるしかないか…」
本当は弾丸を使った方が楽だが、この前の戦いで使い切ってしまったので、近接武器で倒すしかない。
だが、フレイムは一撃で倒せるほど生命力が低いので、あまり問題はないだろう。
やみよのつるぎとブラッディハンマーは魔法の力を持っているので、攻撃が効かないということもない。
俺はフレイムの背後から近づき、やみよのつるぎを突き刺す。
すると、フレイムは抵抗する間も無く、光を放って消えていった。
「やっぱり一撃で倒せたな…他のフレイムも仕留めていこう」
フレイムは倒れると、フレイムドロップを落とす。
フレイムドロップをポーチにしまうと、俺は他のフレイムも見つけ次第、やみよのつるぎを使って倒していった。
一撃で倒せるので、すぐに集めることが出来るだろう。
エネルギー物質を10個作るのに必要なフレイムドロップは3個だが、今後も必要になることはありそうなので、俺は10体以上のフレイムを倒していった。
「これくらい集めれば十分だな…今度はブリザードロップを集めに行こう」
たくさんのフレイムドロップが集まると、俺はまたマイラの町に戻っていく。
これでブリザードロップも集めたらエネルギー物質を作り、極げきとつマシンを作ることが出来るな。
またブラウニーに気をつけながら、マイラの町へと歩いていった。
マイラの町に一度戻ると、俺は今度はブリザードを倒しに、緑色の旅のとびらに入る。
赤色の旅のとびらの先の氷の湖の方がブリザードの生息数は多いが、あそこまで歩くのはかなり時間がかかるからな。
雪原を歩いて、ブリザードの背後から迫っていき、またやみよのつるぎで突き刺す。
「ブリザードも同じように倒せたな…このまま集めていこう」
ブリザードも一撃で倒すことが出来るので、すぐにたくさん集めることが出来そうだ。
雪原は寒いので早く帰りたいとも思いながら、ブリザードを何度も剣で突き刺していき、ブリザードロップを集めていった。
ブリザードロップもたくさん集まると、俺はいよいよ極げきとつマシンを作りに行く。
「ブリザードロップもこれくらいで十分だな…帰ったら、極げきとつマシンを作ろう」
トロルギガンテとの決戦の前に新兵器が作れるか不安だったが、どうやら間に合ったようだな。
ラライの無念を晴らすためにも、何としても極げきとつマシンを完成させよう。
俺はそう思いながら雪原を歩いていき、またマイラの町に戻っていった。
マイラの町に戻って来ると、俺はさっそく工房に入っていく。
げきとつマシンを強化するためにも、まずは超マシンメーカーだな。
俺はハンマーでマシンメーカーを回収し、必要な素材と一緒に鉄の作業台のところに持っていく。
「超マシンメーカー…話では聞いていたけど、どんな作業台なんだろうな」
かなり大がかりな作業台のようだが、実際に見てみるのが楽しみだな。
俺はビルダーの魔法を発動させて、マシンメーカーと素材を合成させていく。
すると、万能作業台にも匹敵するような大型の作業台へと、姿を変えていった。
大がかりな物を作るのには時間がかかるが、10分ほどで無事に超マシンメーカーが完成する。
「これが超マシンメーカーか…これで、マイラの町がさらに発展していくといいな」
マシンメーカーにはなかった機能も備わっており、これなら新兵器を作ることも出来そうだな。
作業台と炉の機能も持っているらしいし、これを使えばマイラの町がさらに発展していくこと間違いなしだろう。
まずは極げきとつマシンを作ろうと、俺は出来上がった超マシンメーカーを工房の中に置こうとする。
「結構大きい作業台だけど、何とかこの中に置けそうだ」
大きな作業台だが、工房は広くスペースをとっていたので、かろうじて置くことが出来た。
超マシンメーカーを置くと、俺はまずはさっき手に入れたフレイムドロップとブリザードロップも使って、エネルギー物質を作っていく。
エネルギー物質はブラッドインゴットにも使うのでたくさん必要だと思い、作れる分だけ作っておいた。
「大量のエネルギー物質が出来たな…これくらいあれば、今は大丈夫そうだぜ」
40個のエネルギー物質を作ることができ、俺は今度はそれを使ってブラッドインゴットを作っていく。
この前入手したブラッドミスリルを取り出し、15個のブラッドインゴットへと加工していった。
これだけあれば、極げきとつマシンを完成させられる。
ブラッドインゴットも用意すると、俺は新マシンパーツを作っていった。
「ブラッドインゴットも作れたし、後はげきとつマシンを強化するだけだな」
アメルダから受け取ったラライのハンター回路を取り出して、エネルギー物質やブラッドインゴット、マグマ電池と一緒にビルダーの力で加工していく。
ブラッドインゴットを使っているからか、前のマシンパーツより赤黒い色をしていた。
新マシンパーツが出来ると、俺はいよいよ極げきとつマシンを作っていく。
「これが新しいマシンパーツか…これを使って、どのくらいの速度が出せるんだろうな」
ラライのハンター回路を使ったんだ…超げきとつマシンを、さらに上回る速度で激突することが出来るようになるだろう。
ポーチからさらにブラッドインゴットとマグマ電池を取り出し、新マシンパーツとも合わせて超げきとつマシンを強化していく。
ビルダーの魔法がかかるに連れて、車体は黒色に変わっていき、先端についている2本の角が鋭い5本の角へと変わっていった。
これも加工に時間がかかったが、ビルダーの力を使い続けることで、極げきとつマシンが完成する。
「いよいよ完成したな…これが極げきとつマシンか」
思っていた通り、とても強そうな見た目をしているな。
これなら並大抵の魔物は一撃で倒せるだろうし、強力な魔物と戦う時にも相当な威力を発揮するだろう。
ラライとアメルダのおかげで、俺はここまで強力な兵器を完成させることが出来た…二人には、本当に感謝してもし切れないな。
俺はさっそくアメルダに、極げきとつマシンの完成を知らせようとする。
だが、俺はその前に、超マシンメーカーでもう一つ作っておきたい物があった。
昔マシンメーカーを作った時は、ハンドガンやサブマシンガンといった銃しか作れず、俺は今までサブマシンガンを使って戦って来ている。
だが、超マシンメーカーなら、さらに強力な銃器を作れるかもしれないな。
「超マシンメーカーが出来たことだし、新しい銃も作っておくか」
サブマシンガンではダメージが少ない魔物も多いので、強力な銃を作った方がこれからの戦いは有利になるだろう。
そう思い、俺はアサルトライフルとスナイパーライフルの作り方をビルダーの力で調べていった。
アサルトライフル…鉄のインゴット3個、ばね4個 超マシンメーカー
スナイパーライフル…鉄のインゴット4個、ばね3個 超マシンメーカー
鉄のインゴットはたくさん持っているし、すぐに用意出来そうだ。
これからはスナイパーライフルで遠くの魔物を狙撃し、近づいて来た魔物にはアサルトライフルで対処しよう。
さすがに地球で使われている物に比べれば威力も射程距離も大きく劣るだろうが、それでも強力な武器になるはずだ。
「すぐに作れそうだし、今のうちに作っておこう」
これらの銃を作ったら、アメルダのところに向かおう。
俺はまず鉄のインゴットをばねに加工していき、他の鉄のインゴットを使って銃身を作っていった。
二つの銃が完成すると、ライフル用の弾も用意していく。
「銃を作っておいたら、弾も用意しないとな」
またブラッドミスリルとエネルギー物質を合わせて、ブラッドインゴットに加工していく。
それにさらにビルダーの力を与え、赤黒いライフル弾を作っていった。
ライフル弾はインゴット1個につき5つしか作れなかったので、俺はたくさんのブラッドインゴットを用意していく。
これでトロルギガンテやエンダルゴにどのくらいのダメージを与えられるかは分からないが、大量のライフル弾が出来ると、俺はアメルダのところに向かった。
「これくらい弾を作れば大丈夫そうだな…アメルダに、極げきとつマシンのことを伝えて来よう」
アメルダは俺がマイラに戻って来た頃には、工房の外に出ていた。
俺は工房の外に出ると、大声を出してアメルダを呼ぶ。
「アメルダ!超マシンメーカーと極げきとつマシンを作って来たぞ」
「本当かい、雄也?すぐに見に行くよ!」
開発の疲れもあり、町の中で休んでいたアメルダだったが、俺の声を聞いてすぐに駆けつけて来る。
ラライの真の最強兵器が形になるのが、待ち遠しかったのだろう。
俺はアメルダの前に、完成した極げきとつマシンを取り出した。
「これがアメルダの言ってた、極げきとつマシンだ。これなら、どんな魔物にも負けることはないと思うぜ」
「おお!本当によくやったね、雄也!確かにアタシが考えた通りの兵器だよ。…ありがとう、アタシの考えを形にしてくれて」
アメルダは極げきとつマシンを見ると、喜びの声を上げて感謝の言葉を言う。
ラライの考えていた兵器は、これで全て形にすることが出来たな。
実際に作ったのは俺でも、作り方を考えてくれたのはアメルダなので、俺も彼女に深く感謝する。
「こっちこそ、新しい兵器を考えてくれてありがとう。アメルダの力がなかったら、これは作れなかったからな」
「これで罪を償えたなんては思ってないけど…アイツ、喜んでるといいね…」
極げきとつマシンを見て、アメルダはラライのことも思い出していた。
もし幽霊としてでもこの地に残っていたら、間違いなく喜んでいただろう…完成したこの新兵器と、成長したアメルダの姿をラライにも見せてあげたかったな。
だが、ラライの姿はもうどこにもなくとも、俺たちは彼の意志を継いで強大な魔物に立ち向かっていく。
「そうだな…。ラライのためにも、これを使ってトロルギガンテを倒そう」
「もちろんだよ。アイツの分まで、この町の未来を守り抜かないとね」
どれだけ後悔しても、もうラライや助けられなかった人々が戻って来ることはない。
俺やアメルダはどんなに苦しい目にあっても、罪を償い続けなければいけない。
そのためにも、俺たちの厳しい戦いはこれからも続いていく。
そう思いながら、俺はアメルダに極げきとつマシンを見せた後、部屋に戻っていった。