ドラゴンクエストビルダーズ メタルギアファンの復興日記   作:seven river

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マイラの荒くれたちは筋肉を大事に思っているので、また筋肉の話を書いて見ました。

今作に出てくるダンベルと原作に出てきたダンベルは、必要な素材の数が異なっています。


Episode184 新・筋肉増強作戦

赤黒いミスリルを採掘した翌日、マイラに戻って来て2日目の日、俺は洞窟の隠れ場所の中で目を覚ます。

ベッドも何もないので寝心地は悪いが、昨日の疲れを癒すことは出来ていた。

ここには光が届かないので分からないが、今は何時頃だろうか。

荒くれたちはもう起きているようで、俺はマシンメーカーの前に座っているアメルダに、新しい武器を思いつくことが出来たか聞きに行く。

 

「おはよう…アメルダ、新しい武器は思いついたか?」

 

「朝早くから考え続けてるけど、まだだね…もう少し待っていておくれ」

 

単に赤黒いミスリルを加工することだけでなく、武器をどんな形状にしたら最も強力になるかも考えているのだろう。

まだ時間はかかりそうだが、今日中にマイラを奪還しに行けたらいいな。

アメルダが武器の作り方を考え出したら、すぐにビルダーの力を使って作ろう。

 

「分かった。作り方を思いついたら、すぐに教えてくれ」

 

俺はアメルダにそう言うと、さっき寝ていた場所へと戻っていく。

新しい武器を作るまでの間、何をしていればいいだろうか。

そう思っていると、隠れ場所の入り口側にいたガロンが近づいてきて、話しかけてきた。

 

「なあ、雄也。一つ頼みたいことがあるんだが、聞いてくれるか?」

 

「もちろんいいけど、どうしたんだ?」

 

ガロンからの頼みを聞くのも、久しぶりだな。

マイラの町を奪い返すために、何か思いついたことがあるのだろうか。

アメルダが武器を思いつくまではすることがないし、ガロンの頼みを聞くことにする。

 

「オレたちの力不足のせいでトロルどもに負けて、アジトを奪われちまったという話はしただろ…けど、道具なしでは、これ以上の筋肉はつけられねえと思ってる。そこで、オマエにはトレーニング道具を作って欲しいんだ」

 

「また筋肉の話か…本当にガロンたちは筋肉をつけるのが好きだな。ただ、今ここでトレーニング道具を作っても、マイラの奪還戦には間に合わないと思うぞ」

 

筋肉か…そう言えばガロンたちは出会った時から筋肉のことをよく話していて、伝説のビルダーを伝説のボディビルダーと聞き間違えていたこともあったな。

ガロンたちの筋肉は以前会った時よりも成長しており、確かにこれ以上筋肉を鍛えるなら道具を使った方がいいかもしれない。

だが、遅くても明日にはマイラを奪還しに向かうので、それまでにはあまりトレーニングできないだろう。

それに、どうしてここまで筋肉にこだわるのだろうか。

 

「本当はアネゴやオマエみたいに、新しい武器の発明もしたいんだが、頭を使うのは苦手でな…オレたちに出来ることは、筋肉をつけることだけだ。アジトを取り戻しにいくまでには時間はないけど、アジトを取り戻してからも戦いは続くと思うからな…それに備えたいんだ」

 

「確かに1度の戦いで終わるとも思えないな…どんな道具を作って欲しいんだ?」

 

攻撃力を上げるという点では、筋肉をつけるのも立派な作戦なのかもしれない。

マイラには多くの強力な魔物が生息しているし、町を取り戻した後も何度も襲撃して来るだろうな。

どのくらい勝ち目が上がるかは分からないが、荒くれたちのためにトレーニング道具を作ってみよう。

俺はガロンに、作って欲しいトレーニング道具について聞き出す。

 

「ベイパーとギエラとも一緒に考えた、新しいバーベルとダンベルだ…詳しく教えるぜ」

 

ダンベルとバーベルか…地球でもよく聞いた道具だな。

ダンベルは今までも使っていたようだが、今回のは前のとは比べ物にならないほど重いもののようだ。

俺には持ち上げることはまず無理だが、それくらいの物でなければガロンたちにとってはトレーニングにならないのだろう。

バーベルとダンベルを作るにはそれぞれ鉄のインゴットとひもを使うと、ガロンは話した。

ガロンから話を聞いた後、俺はダンベルとバーベルに必要な素材の数をビルダーの力で調べる。

 

ダンベル…鉄のインゴット5個、ひも1本 炉と金床

 

バーベル…鉄のインゴット8個、ひも2本 炉と金床

 

集めに行かなければいけないなと思ったが、ガロンは鉄のインゴットはもう持っていると言った。

 

「鉄のインゴットはもう持ってるからな…今から渡すぜ」

 

ガロンたちはときどきこの隠れ場所から出て食料集めや採掘に行っていると昨日言っていたが、小舟で火山地帯の鉄の鉱脈にも行ってきたみたいだな。

炉と金床も作り直し、それでインゴットに加工したのだろう。

これなら後はひもの材料となるつたを集めて来れば、ダンベルとバーベルが作れるな。

 

「ありがとう、ガロン。これからつたを集めに行って来るから、戻って来たらダンベルとバーベルを作るぜ」

 

「頼んだぜ、雄也」

 

俺は13個の鉄のインゴットを受け取ると、ガロンにそう言って隠れ場所を出ていく。

この洞窟がある荒野の南端の岩山にはつたが生えていないので、町の近くにある山までいかないといけないな。

戻ってくる頃にはアメルダが武器を思いついているかもしれないと思いながら、俺は北に向かって歩いていった。

 

ほしふるうでわの力を使って素早く歩き、30分くらいで俺はバリケードがあった場所を越えて、マイラの町の近くにまでやって来る。

つたを集めるついでに、町を占領している魔物の様子も見るために、俺はこっそり町の方を眺めてみた。

 

「昨日来た時よりも、魔物の数が増えているな…」

 

すると、デュランダルやフレイムとブリザードが合体した魔物の数が、昨日より少し増えていたのだ。

占領された町に建てられた城の中で、フレイムとブリザードの合成や、機械の魔物の強化が行われ続けているのだろう。

これ以上増えてしまう前に、奴らを倒さないといけないな。

 

「早く倒しに行きたいけど、とりあえず今は、つたを集めて来るか」

 

だがここで1人で戦いに行っても、ほとんど勝ち目はないだろう。

俺は町を占領している魔物に見つからないようにしながら、つたがかかっている山に歩いていった。

 

またしばらく歩いて、つたのある山にやって来ると、俺はビルダーアックスを使ってつたを切っていく。

フレイムとブリザードが合体した魔物には魔法の力を持った攻撃しか効かないだろうが、それ以外の魔物にはビルダーアックスも有効だろう。

せっかくヘイザンが考えてくれた武器なんだし、戦いに役立てないとな。

ビルダーアックスを見てそんなことを思いながら、俺はつたを回収していった。

 

「ここら辺には結構つたがあるし、たくさん集めておくか」

 

つた3つで10本もひもが作れるが、ひもは使い道が結構多い。

またつたを集めに行かなくても済むように、俺はたくさんのつたを集めていった。

20本くらいつたが集まると、俺はまた魔物たちから隠れながら、みんなの隠れ場所である洞窟に戻っていく。

 

また30分以上歩いて洞窟に帰って来ると、俺の姿を見たガロンがすぐに話しかけて来た。

 

「おお、戻って来たな、雄也!つたは集まったのか?」

 

「ああ。今からダンベルとバーベルを作って来るから、完成したら呼ぶぞ」

 

ガロンの後ろに立っているベイパーとギエラも嬉しそうな顔をしており、新たなトレーニング道具が出来るのが楽しみなのだろう。

アメルダは今もマシンメーカーの前で考え込んでおり、新しい魔法の武器を作ることはまだ出来なさそうだ。

さっそくダンベルとバーベルを作ろうと、俺は荒くれたちが作った炉と金床の前に立つ。

 

「町にあった奴とは少し形が違うけど、ビルダーの力は使えるな」

 

俺が昔作った炉と金床とは少し形が違うが、問題なくビルダーの力を発動させることが出来た。

魔法を受けて鉄のインゴットとひもが合わさり、バーベルとダンベルの形になっていく。

ダンベルは2つセットになっており、一度に両腕を鍛えられるようになっている。

しばらくして二つのトレーニング道具が出来上がると、俺はガロンたちを呼んだ。

 

「ガロンたち、ダンベルとバーベルが出来たぞ!」

 

そんなに広い空間でもないので、ガロンたちはすぐに俺のところにまでやって来る。

完成したダンベルとバーベルを見て、荒くれたちは腕に力を入れて持ち上げようとしていた。

 

「おお!ありがとうな、雄也。結構な重さだ…これでさらに筋肉が鍛えられるぜ!」

 

「わしの力でも、持ち上げるのは大変だな。これを使って、アジトをもう奪われぬようにせねば」

 

「どんな魔物が来ても、負けない筋肉を手に入れられそうね!」

 

マイラの町を奪い返した後は、また奪われないようにしないとな。

ガロンたちの筋肉がどこまで成長していくのか、俺も楽しみになってきた。

俺はまたしばらく休憩しようと思い、隠れ場所の奥へと向かっていった。


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