ドラゴンクエストビルダーズ メタルギアファンの復興日記   作:seven river

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Episode178 清めの光薬

ノリンたちが亡くなった次の日も、俺はリムルダールの探索を続けていた。

すると、南国草原の岩山の近くでも鍵のかかった建物も見つけることができ、そこにはドムドーラのピラミッドにもあった、オリハルコンでできた靴が入っていた。

これを使えば、足に傷を負う可能性は下がるだろう。

俺はその靴を装備して、探索を続けていった。

 

そして、リムルダールに戻って来てから10日目の日、ノリンたちが亡くなってから3日後、俺はまた病室のみんなの様子を見に行く。

すると、3日前までは元気だった6人も、もう息をするのがやっとの状態になっていた。

 

「このままだと、みんな死んでしまうな…」

 

4人が死ぬのを見て、生きる気力をなくしたのも原因だろう。

早く薬を飲ませなければ、ゲンローワたちも助からないな。

だが、やはり俺が薬を開発することは出来ないので、見守っていることしか出来なかった。

 

「エルが薬を完成させるまで、持ってくれるといいんだけど…」

 

エルが一刻も早く薬を完成させることを、今は祈るしかない。

ビルダーの力は強力だが、それでも全てを救うことなど出来ないと、俺は強く感じていた。

 

だが、そんなことを考えている俺のところに、エルが入ってくる。

 

「雄也様!ついに、ついに出来ました!」

 

あんな悲劇があった後だが、エルは明るい顔になっていた。

もしかして、邪毒の病の薬を思いつくことが出来たのだろうか。

 

「もしかして、邪毒の病の薬を思いついたのか?」

 

「はい!3日間徹夜で考えて、ようやく思いつくことができました」

 

俺が聞くと、エルは大声でうなずく。

3日間も徹夜なんてロロンドですらしていなかったし、相当大変だっただろう。

だがこれでついに、コレスタたちを回復させることが出来るな。

作り方と素材を聞いたら、さっそく作りに行って、みんなに飲ませよう。

 

「それなら、さっそく作り方を教えてくれ。みんなの衰弱も激しいし、早く飲ませないと」

 

「分かりました。雄也様が薬を作っている間、私がみなさまの様子を見ていますね」

 

エルはさっそく、邪毒の病の薬の作り方を説明していく。

彼女が考えたのは邪毒を祓うための光り輝く薬、清めの光薬という物らしい。

新たに出現した魔物の物を含めて、かなりの種類の素材を使うことになりそうだった。

俺はエルの話を聞いている間に、ビルダーの力で必要な素材を調べていく。

 

清めの光薬…ねばつく黄金液1個、強マヒ針1個、液体銀1個、金1個、くすりの葉1個、ピンクの花びら1個 いにしえの調合台

 

ねばつく黄金液と強マヒ針というのは、それぞれドロルリッチとキャタビウスが落とした素材のことだろう。

この前の防衛戦でたくさん手に入れたので、わざわざ集めなくても良さそうだ。

銀とくすりの葉も、たくさん大倉庫に入っている。

これなら、金とピンクの花びらを集めれば、清めの光薬を作ることが出来そうだな。

ピンクの花びらはどくけしそうにも使ったし、解毒作用があるのだろう。

 

「素材集めには行かないといけないけど、大して時間はかからないと思う。今すぐ集めに行ってくるぜ」

 

「ありがとうございます、雄也様。ですが…」

 

だが、薬を作りに行こうとすると、エルは暗い口調で何かを伝えようとする。

清めの光薬について、何か心配なことがあるのだろうか。

 

「どうしたんだ?」

 

「私はやはりゲンローワ様ほど薬作りに慣れてはいないので、この薬でも邪毒の病を治せる確信はないのです…。もしかしたら、効果がないかもしれません」

 

効果がないかもしれない…でも、これ以外にゲンローワたちを助ける方法はない。

清めの光薬を飲ませた後、みんなが助かることを祈り続けるしかないだろう。

 

「それでも、作らない訳にはいかない。このままだと、みんなが助かる可能性はゼロだからな」

 

「では、みなさまの薬が完成したら、私に知らせてください」

 

「ああ、分かった」

 

俺はエルにそう言った後、病室を出てリムルダールの町の外へ向かっていった。

ピンクの花びらは町の近く、金は緑のとびらの先で手に入れられるはずだ。

まずは町の近くで、ピンクの花びらを集めよう。

俺はドロルリッチから隠れながら、町の東へと歩いていった。

 

町を出てから10分くらい経って、俺はピンクの花が生えている場所の近くにやってくる。

花を攻撃して切り取れば、花びらを入手することが出来たはずだ。

そこで俺はおうじゃのけんを振り下ろし、ピンクの花を刈り取った。

 

「これで一つは手に入ったな。周りのピンクの花も回収していこう」

 

手に入ったピンクの花びらをポーチにしまうと、周りに生えているピンクの花も同じように攻撃していく。

結構な数が生えていたので、6人分集めることが出来た。

ピンクの花びらが集まると、今度は金を集めに行こうと一旦町に戻る。

 

「これでピンクの花びらは十分だな、次は金を集めに行こう」

 

ピンクの花びらの用途は少ないので、たくさん集めなくてもいいだろう。

俺はまた魔物たちから隠れながら、リムルダールの町へと進んでいった。

町に戻って来ると、俺は緑の旅のとびらに入って金のある山岳地帯に向かっていく。

 

緑の旅のとびらに入ると、俺の目の前は一瞬真っ白になり、草木の生えていない山岳地帯に移動した。

辺りにはたくさんの墓標があり、しりょうのきしがうろついている。

何度来ても不気味な場所だが、俺は奴らから隠れながら、金の鉱脈を探していった。

 

「金は数が少ないから、探すのに時間がかかるな…」

 

金は銀より数が少ないので、鉱脈を見つけるのには少し時間がかかるだろう。

しかし、俺は崖を土ブロックも使って歩いていき、金を探していく。

すると、旅のとびらを抜けてから15分くらいのところで、俺はたくさんの金が埋まっている鉱脈を見つけることが出来た。

 

「何とか金の鉱脈が見つかったか…採掘したら、薬を作りに行こう」

 

俺は回転斬りも使って、おうじゃのけんで金の鉱脈を砕いていった。

ビルダーハンマーで鉱脈を殴ると、鉱脈そのものを回収してしまうらしいからな。

6つの金が集まると、俺はポーチにしまった旅のとびらに向かっていく。

 

「これで金も集まったか…ゲンローワたちが治るといいな…」

 

俺はしりょうのきしたちから隠れながら、崖を登って山岳地帯を歩いていく。

リムルダールの町に戻って来ると、俺はさっそく清めの光薬を作りに、調合室へと向かっていった。

 

調合台の前に立つと、俺はいにしえの調合台の前に立ち、必要な素材を6つずつポーチから取り出していく。

そして、ビルダーの力を使って清めの光薬を作っていった。

魔法の力をかけられて、6種類の素材が集まって、光り輝く液体へと変わっていく。

清めの光薬が一つ出来ると、俺は残りの5人分のも作っていった。

 

「これで清めの光薬ができたな…みんなの分も作っておこう」

 

強力な薬だからなのか作るのに時間がかかったが、無事に6本の清めの光薬が完成する。

この薬なら邪毒の病も治せそうだが、実際に飲ませるまでは分からないな。

俺は清めの光薬で邪毒の病が治せることを祈って、エルの待っている病室に向かっていった。

 

「エル、清めの光薬を作って来たぞ!」

 

「本当ですか、雄也様!?これでようやく、苦しんでいる患者様を救えるかもしれませんね」

 

俺の声を聞くと、エルはそう言って病室の中から出てきた。

やはり確実に治せる確信はないのか、そんなに嬉しそうな顔はしていない。

ゲンローワたちが死んだらエルも悲しむだろうし、何としても治ってほしいな。

俺は病室の外に来たエルに、清めの光薬を見せた。

 

「ああ、これが清めの光薬だ。さっそく飲ませに行こう」

 

「はい。薬を飲ませたら、一晩休ませてみましょう」

 

確かに薬を飲ませても、すぐには効果は現れない。

明日になったら、また様子を見に来よう。

 

俺はエルと共に、ゲンローワたちに清めの光薬を飲ませていく。

すると、さっきまで火のような高熱と呼吸困難で苦しんでいた6人の容態が、少しは落ち着いたようだった。

6人の容態が落ち着き、エルは少しは安心した顔になる。

 

「みなさまの状態も、少しは落ち着いたようですね。これで、完治するといいのですが…」

 

「ああ。明日の朝、また見に来よう」

 

光り輝く見た目の通り、清めの光薬はかなりの効果があったようだ。

だが、容態が急変する可能性もあるので、まだ油断は出来ないだろう。

ゲンローワたちの病に抗う力を信じて、明日まで待つことにする。

俺は病室から出た後、希望のはたの台座のところで、今日これから何をするか考えていた。


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