ドラゴンクエストビルダーズ メタルギアファンの復興日記   作:seven river

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Episode160 城塞都市の決戦

悠久の竜は莫大な体力を利用し、普通のドラゴンでは不可能なレベルの連続攻撃を行うことが出来る。

一度奴に狙われれば、攻撃を避けきるのは至難の技だろう。

だが、悠久の竜に近づけば、誰かはその苛烈な連続攻撃を受け続けることになる。

 

「俺があいつの攻撃を引き付ける。みんなは横から攻撃して何とか怯ませてくれ!」

 

誰かが避け続けなければいけない連続攻撃を、自分が引き付けると俺はみんなに言った。

俺も避け続ける自信はないが、今回はエレカとゴーレムもいるので、奴を怯ませられる可能性も高いはずだ。

俺の指示を聞いて、ロッシとケッパーを先頭にみんなは悠久の竜の側面へとまわっていく。

 

「分かりました。飛天斬りも使って、何とかして動きを止めますね」

 

「なるべく急ぐけど、気をつけろよ」

 

みんなが移動したのを見て、俺は悠久の竜の顔へと近づいていった。

 

すぐ近くまで来ると、奴は俺を食いちぎり、闇の炎で焼き尽くそうと牙で噛み付いて来る。

悠久の竜は普通のドラゴンよりも体が大きいので、ジャンプでなければ避けることは出来ない。

俺はジャンプして噛みつきを避けて、奴の前足に近づいていった。

 

「次は爪での攻撃だな…」

 

おうじゃのけんとビルダーハンマーを振り上げ、悠久の竜の足に叩きつけていく。

すると、案の定奴は爪を振り上げて、俺を引き裂こうとして来た。

俺はまたジャンプして回避するが、悠久の竜は再び噛みつき攻撃を使う。

それでも連続攻撃は止まらず、噛みつきを避けた俺のところに闇の炎を吐き出して来た。

 

「くっ、やっぱり避け続けるのは難しいな…」

 

俺も回避を続けるが、悠久の竜は攻撃は終わる気配がない。

俺が攻撃を避け続けるのを見て、みんなは必死に奴を斬りつけていた。

 

ロッシは後ろ左足、ケッパーは後ろ右足、エレカは尻尾、ロロンドは腹をそれぞれはがねのつるぎで攻撃している。

悠久の竜の鱗は普通のドラゴンよりも硬いが、かなりの傷を与えることが出来ていた。

 

「雄也が傷を負う前に、絶対に止めてやるぞ!」

 

ゴーレムも巨大な両腕を振り上げて、悠久の竜の背中を砕こうと拳を叩きつける。

一撃でドラゴンを怯ませたゴーレムの攻撃は、奴にも大きなダメージだろう。

 

「この地を荒らす闇の竜、決して許さんぞ」

 

だが、みんなやゴーレムがどれだけ攻撃しても、悠久の竜はなかなか怯まない。

この前の奴は飛天斬りで怯ませることが出来たので、ケッパーは飛天斬りも使っていった。

 

「飛天斬り!」

 

しかし、それでも悠久の竜は動きを止めず、連続攻撃を放っていく。

この悠久の竜は、この前の奴よりもさらに体力が高いのかもしれないな。

 

闇の炎を回避した後の俺に、悠久の竜は飛びかかり攻撃を使って来た。

あんな巨体を回避するのは難しいが、食らったら潰されてしまう。

大きくジャンプして何とか避けると、悠久の竜は俺を正確に狙って5連続で火球を吐き出して来た。

 

「今度は闇の炎だな…まだ怯まないのか…!」

 

5回も連続でジャンプするのはさすがに疲れるので、俺も動きが遅くなってしまう。

そして、5連続の火球も避けた後の6発目の火球で、俺は足に火傷を負ってしまった。

闇の炎で焼かれたので、普通の炎を受けた時よりも激しい痛みが走る。

 

「くそっ、さすがに避けきれないな…」

 

俺は動きを止めてしまい、それを見た悠久の竜は力を溜め始めた。

恐らくこの前も使って来た、放射状の闇の炎を使って来るのだろう。

あんな炎をまともに受ければ、灰になってしまいそうだ。

俺は痛みをこらえて立ち上がり、火傷を負った足でジャンプしようとした。

悠久の竜が溜め始めたのを見て、ケッパーは再び腕に力を溜めて、大きく飛び上がる。

 

「もう一度、飛天斬り!」

 

ケッパーの放った飛天斬りで奴の足は大きく裂けて、深いダメージを負った。

だが、それでも力を溜めるのを止めることは出来ず、悠久の竜は俺に向かって放射状の炎を吐く。

メルキドの町にまで被害が出そうな広範囲の炎であったが、メルキドウォールはまだ壊れることはなく、町の中は無事であった。

俺は身体中の力を込めて大きくジャンプするが、直撃こそ避けられたものの背中にもダメージを負う。

弱ってきた俺を仕留めようと、悠久の竜は爪を振り上げて斬り裂こうとして来た。

 

「これ以上は本当にまずいな…」

 

俺は立ち上がるが、これ以上回避を続けるのは難しそうだ。

 

どうすればいいんだと思っていると、ロロンドが悠久の竜の腹を離れて、奴の目の前に立つ。

 

「雄也よ、ここからは我輩が引き付ける。お主が竜の腹を攻撃してくれ」

 

俺がもう限界になっているのを見て、ロロンドは代わりに悠久の竜を引き付けようとしているようだ。

だが、悠久の竜の連続攻撃では、ロロンドもすぐに追い詰められてしまう可能性が高い。

なるべくロロンドを危険な目に合わせたくない…しかし、俺がこれ以上奴を引き付けるのは不可能だろう。

 

「…分かった。何としても、あいつを怯ませてやる」

 

ロロンドが追い詰められる前に悠久の竜を怯ませようと、俺は奴の腹へと近づいていった。

ケッパーたちは後ろ足や尻尾に大きなダメージを与えており、悠久の竜を怯ませることも出来ないことはないはずだ。

悠久の竜の腹にはロロンドの攻撃でつけられた傷がいくつかあり、俺はその傷におうじゃのけんを突き刺し、体内を力いっぱいえぐっていく。

ビルダーハンマーでも強力な打撃を与えていくと、ついに悠久の竜は大きな悲鳴を上げた。

 

「これで怯んだか…!?」

 

しかし、悲鳴を上げたものの奴はほとんど動きを止めず、ロロンドへの攻撃を続ける。

俺にも使って来た火球や噛みつき、牙を駆使して、悠久の竜はロロンドを追い詰めていった。

ロロンドの体力もだんだん減っていき、動きが遅くなっていく。

 

「くそっ、このままだとロロンドも…。今度はオレが行くぜ!」

 

ロロンドが弱ってきたのを見て、今度はロッシが悠久の竜の前に立とうとする。

だが、ここまで怯ませられないのであれば、ロッシもやられてしまうのではないかと思ってしまう。

 

すると、ゴーレムも同じことを考えていたようで、ロッシよりも先に悠久の竜の前に立ちふさがった。

 

「このままではみんな力尽きる。このメルキドの地を守るために、守護者たる我がこいつを止める!」

 

ゴーレムは硬い岩で出来ているので、人間である俺たちよりも長く攻撃に耐えられるであろう。

しかし、ゴーレムは今までの攻撃で弱っているので、これ以上攻撃を受ければ本当に死んでしまうかもしれない。

ロッシも同じ事を考えて、ゴーレムに言う。

 

「オレは大丈夫だから、お前は横からの攻撃を続けてくれ。これ以上攻撃を受けたら、本当に死んでしまうぞ!」

 

「何度も言うが、我はメルキドの守護者。何があっても、この地を守る!」

 

だが、やはり先ほどと同様にゴーレムは言うことを聞かず、悠久の竜の攻撃を受け止める。

巨体故に無理に引き止めることも出来ず、俺たちはゴーレムを援護することしか出来なかった。

ゴーレムは悠久の竜に噛みつかれ、体がだんだん砕かれていく。

俺たち5人はゴーレムが攻撃を耐え抜くのを願って、悠久の竜の体へ攻撃していった。

 

「どれだけ生命力があったとしても、そろそろ弱ってきたはずだな…」

 

悠久の竜の竜は怯みこそしないものの、攻撃を続けていくと何度か悲鳴をあげた。

倒すのにはまだ時間がかかりそうだが、弱っているのは確実だろう。

生命力が減ってきた悠久の竜は俺たちを一気に倒そうと、身体中に力を溜め始める。

さっきの放射状の炎の時とは違う溜め方であり、恐らくはこの前の悠久の竜も使ってきた回転攻撃だろう。

 

「回転攻撃が来るぞ、みんな避けろ!」

 

俺が指示を出したことで、ロロンドたちは何とか避けきることが出来た。

だが、動きが遅いゴーレムは避けきれず、再び大きなダメージを受ける。

ゴーレムの傷は石の心臓の近くにまで到達しており、倒れこんでしまった。

ゴーレムが弱ったのを見て、悠久の竜は爪を叩きつけていく。

 

「そろそろ倒さないと、ゴーレムが…」

 

俺たちは回転攻撃が終わったのを見て、すぐに悠久の竜へと近づいていった。

奴の絶大な生命力を削りきるため、俺は傷んだ腕に力をこめて飛び上がり、垂直に両腕の武器を叩きつける。

 

「飛天斬り!」

 

俺に続いて、ケッパーも飛天斬りを放っていく。

飛天斬りが使えないロロンドたちも、素早く、そして力強く剣を振って、悠久の竜を斬り刻んでいった。

そして、俺が2度目の飛天斬りを放った時、悠久の竜はついに大きく怯み、動きを止める。

 

「おお!ついに動きが止まったな。今のうちに、決着をつけてやるぞ」

 

動きが止まったのを見て、ロロンドはそう言いながら奴を倒そうと攻撃を続けていった。

俺やケッパーも飛天斬りを放ち続け、ロッシやエレカもはがねのつるぎを振り続ける。

みんな体力の限界が近づいているが、ここでとどめをさせなければさらに戦況は厳しくなってしまう。

ゴーレムも体勢を立て直して、悠久の竜を頭を何度も拳で殴り続けていた。

 

だが、悠久の竜にとどめをさす前に、俺たちやゴーレムのところに、12体のスターキメラと後方の悠久の竜も近づいて来る。

スターキメラはゴーレムに向けて火炎を放ち、後方の悠久の竜は俺たちに近づいて爪で引き裂こうとして来た。

 

「もう少しで倒せそうなのに、あいつらも来てしまったか…」

 

ゴーレムはスターキメラの火炎ではほとんどダメージを受けていないので大丈夫だろうが、2体の悠久の竜に挟まれるのは非常に危険だ。

2体の悠久の竜に囲まれそうになっているのを見て、ゴーレムは俺たちにある指示を出した。

 

「お前ら、この竜から離れるんだ!」

 

何をするのかは分からないが、俺たちは倒れている悠久の竜から離れる。

俺たちが悠久の竜から離れると、ゴーレムは体を丸めて、全身に力を溜め始める。

溜まった力はすさまじく、ゴーレムのまわりにオーラが溢れ出そうなほどだった。

力が最大にまで溜まると、ゴーレムは力を解放して腕を広げて回転し、まわりにある全てのものを薙ぎ払っていく。

 

「…そう言えば、ゴーレムにも回転攻撃があったな」

 

かつてのゴーレムも使って来た、強力な回転攻撃だ。

かつてのゴーレムは強いオーラを纏って回転し、メルキドの町を粉砕しようとしていた。

ゴーレムの回転攻撃は非常に強力であり、ゴーレムのすぐ近くにいた6体のスターキメラは瞬く間に叩き落とされ、青い光に変わっていく。

2体の悠久の竜にも大きなダメージを与えることが出来、俺たちと戦っていた奴はもう瀕死の状態になっていた。

後方の悠久の竜はゴーレムを止めようと牙で噛みつき、ついにゴーレムは石の心臓がむき出しになった状態になってしまう。

だが、それでもゴーレムは怯まず、回転攻撃を続けていった。

回転攻撃の最後にゴーレムは起き上がろうとしていた前方の悠久の竜の顔面を思い切り叩き潰し、再び怯ませる。

 

「すげえな…今のうちに、この竜にとどめをさすぞ!」

 

「ああ、行くぜ!」

 

ロッシはゴーレムの動きに驚きながら、前方の悠久の竜を攻撃していく。

俺たちもそれに加わり、飛天斬りも使って奴にとどめをさしていった。

ゴーレムの活躍のおかげで、ついに前方の悠久の竜は大きな青い光になり、力を失い消えていった。

 

これで残ったのは、6体のスターキメラと後方の悠久の竜だけだ。

7体の魔物たちは、回転攻撃の反動で動けなくなっているゴーレムに攻撃を続けている。

 

「これで1体は倒れた。残りの奴も倒すぞ!」

 

「私はスターキメラを倒しましょう。皆さんはあの竜を!」

 

エレカが6体のスターキメラを止めに行き、俺たちは悠久の竜を止めに行く。

スターキメラは峡谷地帯の魔物であり、峡谷地帯に住んでいたエレカなら戦い慣れていることだろう。

悠久の竜もゴーレムの回転攻撃による拳を10発ほど受けて、かなり大きなダメージを負っているはずだ。

俺とケッパーはゴーレムへ攻撃している悠久の竜の翼を目掛けて飛び上がり、武器を叩き下ろす。

 

「あんたもここで倒す、飛天斬り!」

 

二人の飛天斬りを受けても、悠久の竜はまだ動きを止めなかった。

俺たちはまた飛天斬りを連続で放ち、ロロンドとロッシも身体中の力を振り絞って攻撃を続けていく。

みんなの強力な攻撃を受けて、こちらの悠久の竜も少しは弱って来たことだろう。

だが、奴はついに攻撃の反動で動きが止まっていたゴーレムの足を爪で斬り裂き、倒れ込ませてしまった。

ゴーレムが転倒したのを見て、悠久の竜は再び身体中に力を溜め始める。

 

「くそっ、また回転攻撃か…みんな、悠久の竜から離れるんだ!」

 

溜め方ですぐに回転攻撃だと分かり、俺はみんなに指示を出した。

しかし、俺たちはすぐに反応して大きなジャンプをして回避したが、ゴーレムはまた攻撃を受けてしまう。

ゴーレムは倒れてもいつもすぐに起き上がろうとしていたが、今はもう起き上がれなくなっていた。

悠久の竜は回転攻撃の後、俺を倒すために俺に顔を向けて回転を止めて来る。

 

「こいつも連続攻撃を使って、俺を倒すつもりなのか…」

 

奴も膨大な体力を生かして、連続攻撃で俺を倒すつもりなのだろう。

ゴーレムは自分の命に変えてまでこの町を守ろうとしていたが、もう体が動かない。

今も何とかして起き上がろうとはしているようだが、俺たちとしては絶対にゴーレムを死なせたくはない。

俺たちが交代で悠久の竜を引き付けて、全員が力尽きる前に倒すしかないだろう。

 

「これ以上ゴーレムに無理はさせられない!みんなで交代でこいつを引き付けて、なんとしてでも倒すぞ。まずは俺が引き付ける!」

 

みんなもそれ以外の方法は思いつかないようで、悠久の竜が俺を狙っている間に奴の横にまわっていく。

悠久の竜は直線上に火炎を吐き、飛びかかって、牙で噛み付くという連続攻撃を仕掛けて来た。

俺は残った体力でそれらの攻撃を何とかかわしていき、みんなが攻撃するチャンスを作る。

ケッパーの飛天斬りやロロンドとロッシの素早い攻撃で、悠久の竜にさらなるダメージを与えていた。

3連続で攻撃をして来た後は、悠久の竜は火球を吐き続けてくる。

 

「みんな攻撃してるけど…やっぱりなかなか怯まないな…」

 

俺はやはりだんだん動きが遅くなっていき、4発目の火球をくらいそうになってしまった。

すると、そんな俺の様子を見たケッパーが、俺の代わりに悠久の竜の前に出てくる。

 

「次は僕が引き付ける番さ。雄也は横にまわって!」

 

ケッパーは衛兵なので戦いは得意だが、悠久の竜の攻撃ではそう長くは持ちこたえられないだろう。

俺は疲れきった体を何とか動かして、悠久の竜の横に移動していった。

エレカもスターキメラを倒し終えて、奴に剣を振りかざしていく。

 

「スターキメラは倒して来ました。私も皆さんに協力しますね」

 

俺はもうおうじゃのけんとビルダーハンマーを持つのもしんどいほどだが、攻撃を止める訳にはいかない。

出来る限りの攻撃を叩き込んで、悠久の竜を怯ませようとしていった。

だが、ケッパーも体力の限界が訪れて、悠久の竜の攻撃をくらいそうになってしまう。

 

「今度はオレが出る。今度こそ、こいつの攻撃を止めてくれ!」

 

ケッパーの代わりに、今度はロッシが悠久の竜の攻撃を引き付けにいった。

奴の横へと戻って来たケッパーは俺と同じように、武器を持つのも辛そうな表情をしていた。

だが、それでも悠久の竜に高いダメージを与えようと、飛天斬りを放っていた。

 

「今度こそ止める、飛天斬り!」

 

俺もケッパーを見て、残った力を全て振り絞り、両腕と足に力を溜めていく。

そして、力が最大にまで溜まったところで飛び上がり、思い切り武器を叩きつけていった。

 

「俺もだ、飛天斬り!」

 

俺とケッパーの飛天斬りに合わせて、ロロンドとエレカも強力な攻撃を叩き込む。

 

すると、ロッシを攻撃していた悠久の竜はついに怯んで叫び声を上げ、動かなくなった。

奴が動かなくなったのを見て、俺たちは全員で攻撃を叩き込む。

 

「やっと怯んだな…今のうちにとどめをさそう!」

 

こいつを倒せば、メルキドの2度目の復興を達成する事が出来る。

だが、ここで倒せなければ俺たちは全滅してしまうだろう。

みんなが攻撃を続けていると、倒れていたゴーレムも起き上がってきて、悠久の竜を叩き潰そうとした。

 

「メルキドの地は、我が守って見せる!」

 

俺やケッパーも再び飛天斬りを放ち、奴の残った体力を削りとっていく。

そして、メルキドの町の人々の総力を叩き込まれ、最後の悠久の竜は光を放って消えていった。

 

悠久の竜を倒し終えた頃には、この前の防衛戦の時と同じようにみんな動けなくなっていた。

だが、これでメルキドの2度目の復興を達成出来るという嬉しさは確かに感じられ、ロロンドは喜びの声を上げた。

 

「ついにやったな!我輩たちは、あの闇のドラゴンを倒したのだ!」

 

「ああ。チェリコは悠久の竜は3体いるって言ってたから、これで全部倒したんだ」

 

ひかりのたまはもうないので、これからもずっと魔物との戦いは続いていくだろうが、メルキドのまわりの強大な魔物はひとまずいなくなった。

メルキドのみんなの力で、これからも町を大きく発展させられればいいな。

ロッシは、メルキドの2度目の復興を祝って宴を開こうと、俺たちに提案する。

 

「そうだ、メルキドに光が戻った時は宴を開いたんだし、今日も宴を開かねえか?」

 

「確かに良さそうだな。今日の夜は、メルキドの2度目の復興を祝おう」

 

俺は宴を開くことに賛成し、みんなも異論はないようだった。

俺たちは疲れた足を引きずりながら、メルキドの町の中に入っていく。

ゴーレムやメルキドウォールがなければ、今回の戦いは決して勝つことが出来なかっただろう。

ルビスが死んでも、まだアレフガルドは終わっていないなと、俺は発展したメルキドの町を見て思った。

 

その日の夜、俺たちはメルキドの2度目の復興を祝って小さな宴を開いた。新たに加わった仲間であるエレカやゴーレムも、もうすっかり町の仲間に馴染んでいる。

ここにいるのは、仲のいい人たちばかりだ。かつてロロンドとロッシが対立し合っていたことなど、もう見る影もなかった。

宴はいつも通り夜遅くまで続き、俺たちが眠りについたのは日が過ぎてからだった。




次回、6章のメルキド編の最終回です。

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