ドラゴンクエストビルダーズ メタルギアファンの復興日記   作:seven river

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Episode145 闇を纏う者(後編)

俺たちのところに近づいて来ると、コスモアイは光線で、だいまどうはメラミの呪文で攻撃して来る。

コスモアイたちはしにがみのきしたちに囲まれているバルダスたちにも攻撃しようとしていたが、サブマシンガンで撃つと、俺に集中して攻撃を浴びせて来た。

 

「あの武器は厄介だ…!先にビルダーを殺せ!」

 

「ビルダーを焼き殺せば、エンダルゴ様もお喜びになるぞ!」

 

俺は8体のコスモアイと、6体のだいまどうに狙われてしまうことになる。

しかし、光線を溜めるのにもメラミを唱えるのにも時間がかかるので、動きを見極めて回避するのはそんなに難しくなかった。

俺は攻撃を避けながら、サブマシンガンで奴らの体を撃ち抜いていく。

 

「こいつらも、メーダクインと同じように倒せそうだな」

 

コスモアイはこの前サンデルジュに襲ってきた奴らと同じで、10発ほど目を撃ち抜かれると、力尽きて消えていった。

コスモアイたちが倒されていくと、だいまどうたちは広範囲を攻撃出来るベギラマの呪文で、俺を焼き尽くそうとして来る。

 

「まだ生きているか…だが、何をしようと、ここで貴様は焼け死ぬのだ!」

 

「ベギラマ!」

 

6体のだいまどうにベギラマを撃たれたら、ジャンプでも回避しきれるか分からないな。

何とか避けるために、俺は城のほうに走って後退して、ベギラマの射程範囲の外に出ようとした。

走りながらも、俺はサブマシンガンで奴らを撃っていく。

はがねの弾丸で次々に目を撃ち抜かれていき、コスモアイは残りわずかになっていった。

 

「ベギラマも避けられたし、コスモアイももう少しで全滅だ」

 

城に走っていくと、コスモアイたちも俺を攻撃するために追い掛けてくる。

奴らを城に近づけてしまうことになるが、まだかなりの距離があるので、城を破壊されることはないだろう。

監視塔のおかげで城を守りやすくなったと、実感出来るな。

ベギラマを走って避けながら、俺はコスモアイやだいまどうたちを倒していった。

 

「まだ避け続けるか…!いい加減にするんだな!」

 

だいまどうは追い詰められても、ベギラマの詠唱を続けていく。

俺はしばらく走り続けて疲れて来ていたが、回避が出来なくなるほどではなかった。

サブマシンガンで倒し続け、コスモアイは全滅し、だいまどうは残り1体になる。

 

「攻撃は激しかったけど、残り1体だな…これでみんなを救援に行ける」

 

最後の1体が呪文を唱え始めると、俺はおうじゃのけんを構えて、そいつのところに向かっていった。

そして、ベギラマが発動する前におうじゃのけんを突き刺し、とどめを刺す。

だいまどうは杖で剣を防ごうともしていたが、奴らはそんなに腕力のある魔物ではないので、押し切ることが出来た。

俺と戦っていただいまどうが全滅したのを見ると、みんなのところへ向かっていく。

 

ルミーラは苦戦はしていないものの、まだ他のコスモアイやだいまどうと戦っており、倒すのにはもう少し時間がかかりそうだった。

ゆきのへはバルダスを、ロロンドはチョビを援護するために、しにがみのきしたちと戦っている。

 

「ラスタンとオーレンがまだ危険な状態だな…」

 

ラスタンとオーレンはまだ苦戦している状態なので、俺はこの二人を援護しないといけないな。

だが、二人を同時に助けるのは難しいので、俺はまずラスタンを助けに行こうとする。

ラスタンはかげのきしたちを倒すことは出来ていたが、ブラバニクイーンやしにがみのきしの攻撃で大きなダメージを負っていた。

体力をかなり消耗しており、動きも遅くなっている。

 

「まだ敵はたくさんいるな…一体どうすれば…」

 

「残念だったな、大事な城を壊されることになって。お前も姫も、この世界から消してやる!」

 

動きが鈍ったラスタンを目掛けて、しにがみのきしの1体が思い切り斧を振り下ろそうとする。

奴は俺には気づいていないようなので、足音を立てないようにして、後ろに回り込んだ。

そして、斧を振り下ろす直前に、背中におうじゃのけんを突き刺す。

突然背後から鋭い剣を突き刺され、しにがみのきしは声を上げて怯み、攻撃の手を止めた。

それを逃さず、俺は奴の頭に向かって、おうじゃのけんを叩きつけた。

しにがみのきしが突然倒され、まわりにいた2体のブラバニクイーンたちも驚いて動きを止める。

奴の体が消えていくと、ラスタンは俺の顔を見て、少しは安心した顔になった。

 

「雄也か…危ないところだったが、助かった」

 

「ああ、でもまだ魔物はたくさんいるぞ…」

 

ラスタンは体勢を立て直し、俺は驚いている奴らに向かって攻撃していく。

とどめを刺す前にブラバニクイーンたちは起き上がってしまうが、かなり弱っているのでもうすぐ倒せるだろう。

奴らは起き上がった後、力をためて突進し、俺たちを角で突き刺そうとして来る。

弱っているラスタンは突進を避けきれないかもしれないので、俺はその前に倒そうとした。

 

だが、ブラバニクイーンたちは俺の攻撃に耐えきり、突進を初めてしまう。

1体は俺のところに来て、もう1体はラスタンのところに向かった。

俺は回避することが出来たが、体力を消耗しているラスタンはやはりかわしきることが出来ない。

 

「…くううっ!」

 

ラスタンはメタルの剣を使って突進を防ごうとしたが、弾き飛ばされそうになってしまう。

俺はすぐに反応し、ブラバニクイーンを斬り裂いて倒すが、ラスタンはかなり腕が痛むようで、かなり苦しそうな表情になった。

もう1体のブラバニクイーンも倒すと、俺はラスタンに声をかける。

 

「大丈夫だったか、ラスタン?」

 

「ああ…だが、やはり強力な魔物だらけだな…」

 

ラスタンは大丈夫だと言うが、彼がこれ以上戦い続けるのは難しいかもしれないな。

まだ多くの魔物がいるのに、ラスタンが戦えないとなると、さらに厳しい戦いになりそうだ。

彼が心配だが、オーレンのことも助けに行かなければいけないので、俺はオーレンのところに向かっていく。

 

「俺はこれからオーレンを助けに行ってくる。ラスタンは下がっててくれ」

 

オーレンもさっきのラスタンのようにしにがみのきしと2体のブラバニクイーンに囲まれ、追い詰められていた。

全身に傷を負い、ついには倒れ込んでしまいそうになる。

急いで助けようと思い、俺は剣とハンマーを構えて背後にまわっていった。

ゆきのへとルミーラもそれぞれが戦っていた魔物たちを倒しており、オーレンの救援に来ている。

 

「みんなも来ているな…一気に奴らを倒せそうだぜ」

 

俺たちはほぼ同時に魔物たちに攻撃し、俺はしにがみのきしを、ゆきのへとルミーラはブラバニクイーンを倒した。

まわりの魔物たちが全滅し、オーレンも救うことが出来たが、彼も戦い続けるのは厳しい状態になっている。

 

「…ありがとうございます。みなさんのおかげで命拾いしました…」

 

感謝の言葉を言うのも、やっとの状態だ。

ロロンドとゆきのへに助けられたバルダスとチョビも、体力の限界が近づいているようだった。

 

だが、休んでいる暇など訪れなかった。

ブラバニクイーンやしにがみのきしを倒した俺たちのところに、次は8体のダースドラゴンが襲いかかって来る。

ダースドラゴンたちは、灼熱の炎を吐いて俺たちを焼き尽くそうとしてきた。

 

「しにがみのきしたちを倒したと思ったのに、もうダースドラゴンが来たのか…」

 

炎を吐いている敵に近づくことは出来ないので、俺たちは後退を余儀なくされる。

弱っていたラスタンたちも、何とか走ることは出来るようなので、奴らの炎に焼き尽くされないように後ろに下がった。

だが、炎を避けることは出来ても、逃げ続けていたらラダトーム城が滅ぼされてしまうな。

 

「連戦は大変だけど、何とかしてあいつらを止めないとな…」

 

ダースドラゴンはそんなに動きが速くないので、サンデルジュの魔物と戦ってきた今の俺たちなら、奴らの横に回り込んで攻撃することも出来るはずだ。

しかし、奴らもそれは分かっているようで、ダースドラゴンの軍団の左右にはエビルトレントたちも構えていた。

俺は少しでも奴らにダメージを与えようと、再びサブマシンガンを使い始める。

はがねの弾丸ならダースドラゴンの硬い鱗も突き破り、傷をつけることが出来ていた。

 

「銃ならダメージは与えられるけど、なかなか倒れないな」

 

でも、傷は与えられるものの、なかなか倒れる気配はなかった。

ダースドラゴンは巨体なので、生命力もかなり高いな。

いくら大量のはがねの弾丸を用意していたとは言え、さっきのメーダクインやコスモアイたちとの戦いでも消費したので、弾切れを起こしてしまいそうだ。

 

ルミーラも麻痺の矢を、ダースドラゴンに向かって放ち続けていた。

灼熱の炎で矢が燃えないよう、奴らの背中のトゲのような部位を狙って撃っている。

ルミーラの矢も少しは効果はあったが、ダースドラゴンはキースドラゴンより麻痺耐性も高いようで、動きを止めることは出来なかった。

 

「わたしの矢を使っても、なかなか止められないね」

 

俺たちは後退しながら撃っているので、このままだとやがて奴らもラダトーム城に到達してしまうな。

そうなる前に、何とか手を打たないと。

俺はサブマシンガンを撃ちながら、使えるものがないか考えていった。

 

「銃も弓も効かないか…何とか動きを止められないのか?」

 

考えているうちに、ダースドラゴンたちはどんどん城に近づいていく。

 

そんな中で、俺は昨日ロロンドの頼みで補充した、グレネードとまほうの玉を思い出した。

それらは大きな爆発を起こす兵器であり、大砲と同じくらいの威力があるだろう。

生命力の高いダースドラゴンにも、致命傷を与えられるかもしれない。

ムツヘタは俺がいない時の防衛戦で、ロロンドの持ってきたグレネードとまほうの玉が役に立ったと話していたが、今回も役に立つことになりそうだ。

俺はグレネードを使うことを、ロロンドに伝える。

 

「…もしかしたら、グレネードなら奴らを倒せるかもしれない。ロロンド、一緒にグレネードを投げるぞ!」

 

「ああ、我輩も共に魔物どもを爆破してやろうぞ!」

 

俺の指示を聞くと、ロロンドはグレネードを持ち運び収納箱から取り出した。

そして、俺と同時に、ダースドラゴンの群れに向かって投げつける。

俺たちが投げたグレネードは、奴らの背中に落ちていった。

ダースドラゴンは、突然背中に落ちてきた硬い物を振り落とそうとする。

だが、背中から振り落とした瞬間、グレネードは爆発を起こし、奴らを吹き飛ばそうとした。

 

爆発に巻き込まれ、ダースドラゴンたちは大きなダメージを受ける。

まだ死にはしなかったが、一瞬の間怯み、灼熱の炎の威力も少し弱まった。

 

「かなり効いてるな…。ロロンド、攻撃を続けるぞ!」

 

ダースドラゴンを倒そうと、俺たちはグレネードを投げ続ける。

奴らの左右にいるエビルトレントたちも、同じように爆破していった。

俺の持っているものとロロンドの持っているものを足すと、グレネードは30個ある。

奴らの軍団を壊滅させるのに、十分な数だと言えるだろう。

 

ダースドラゴンたちもグレネードの爆発でなかなか倒れようとせず、ラダトーム城に向かって進み続けた。

しかし、何度も爆発に巻き込まれると、さすがに耐えきれず、大きく体勢を崩す。

俺はそこでとどめを刺そうと、ポーチからまほうの玉を取り出す。

 

「かなり弱っているな…まほうの玉でトドメを刺してやるか」

 

弱っているダースドラゴンたちに、もう灼熱の炎を吐く力はない。

俺とロロンドは奴らの足元に向かって、まほうの玉を設置していった。

まほうの玉はグレネードより威力が高く、弱っているところに爆風を直撃させれば、ダースドラゴンの軍団を全滅させられるだろう。

まほうの玉を使うと周囲の地面までも破壊してしまうが、今はそんなことを気にしてはいられない。

置かれたまほうの玉は、数秒後に大爆発し、奴らの体を青い光に変えていく。

生き残った者もいたが、既に瀕死で動けなくなっているので、俺たちはもう一度まほうの玉を使った。

 

「1度耐えても、もう一回爆破してやるぜ」

 

広い範囲を2度も爆破したので、かなりの数のまほうの玉を使ってしまったことになる。

だがこれで、ダースドラゴンとエビルトレントたちを全滅させられたな。

ラダトーム城を襲撃してきた全ての魔物を倒すまで、もう少しだろう。

残りはゴールデンドラゴン、ボストロール、トロルキングと、暗黒に染まった騎士だ。

ダースドラゴンたちを倒した俺たちのところに、まずは6体のゴールデンドラゴンが迫って来ていた。


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