ドラゴンクエストビルダーズ メタルギアファンの復興日記   作:seven river

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今回は1章から5章の回想・総集編です


6章 ラダトーム・メルキド再訪編
Episode142 メタルギアファンの復興日記


みんなとの話の後、俺は闇の戦士との戦いを癒すために、白花の秘薬を飲んで、教会のベッドで眠りにつこうとする。

 

目を閉じると、俺は考えてしまった。

エンダルゴや闇の戦士を倒し、世界を救える可能性なんてあるのか…これからも、アレフガルドの復興は続けて行くべきなのかと。

ピリンたち3人は諦めたくはないと言っていたが、これ以上魔物に抗おうとしても死が近づくだけなのではないか…俺も諦めたくはないが、そんなことも思ってしまう。

これまでのアレフガルドの復興を振り返りながら、これからどうしていくべきなのか俺は考え始めていった。

 

 

 

アレフガルド復興の第1章、メルキドでの戦い。

 

アレフガルドに来てから最初の頃は、何で俺がこの世界を復興させなければいけないんだと思っていたな。

俺をこの世界に連れてきたルビスに対しても、腹を立てていた。

今のようにルビスを大切な人だと思う日が来るようになるとは、あの時は思ってもいなかったな。

だが、ピリンやロロンドと言った仲間たちと出会ううちに、アレフガルドでの生活がだんだん楽しく思えるようになっていった。

彼らと一緒に、かつての城塞都市メルキドを復活させるんだと、思うようになった。

ケッパーやゆきのへ、ショーターといった新しく仲間になった人々とも、協力して町を作っていこうとしていた。

工房や調理室、衣装部屋が新しく出来た時には、とても嬉しくなっていたな。

ケッパーやゆきのへのおかげで強力な武器が出来た時には、これを使って必ず魔物たちを倒してやるんだと、強い気持ちを持っていた。

 

途中ロッシが、「これ以上町を大きくするのは反対だ」と言い出した時は、ロロンドと共に彼に対して怒ったりもしていたな。

「ゴーレムがメルキドを支配する魔物の親玉だ」とか、「人間の力ではゴーレムには勝てない」とか言うのを聞く度に、俺とロロンドは腹を立てていた。

しまいには、彼をメルキドの町から追い出そうとまで考えるようになっていた。

 

だが、今となれば当時のロッシの言い分も、その通りなのかもしれないと思ってしまう。

俺がルビスと共に戦っても闇の戦士を倒せなかったように、人間には決してかなわない存在という者がいるのではないかと思い始めた。

無理に抗おうとしても、潰されてしまうかもしれない。

 

しかし、ロッシが決してかなわないと言っていたゴーレムを、俺たちは倒すことが出来た。

ゴーレムは彼の言う通り非常に強力な敵であったが、俺たちが協力して作ったメルキドシールドのおかげで、町の破壊もおさえることが出来た。

ショーターが考えてくれたまほうの玉やピリンの作ってくれた傷薬も、戦いの役にたったな。

メルキドの空が晴れた日から、ロッシも暗い考えはやめて、みんなと楽しく暮らすようになっていった。

アレフガルドの他の地域も、人々と協力することで復興させていこうと、思うようになった。

人々が協力すれば出来ないことなどないかもしれないという考えも、俺の中に生まれる。

 

アレフガルド復興の第2章、リムルダールでの戦い。

 

ゴーレムを倒してメルキドの空を晴らした後、俺はピリンとゆきのへと共に、次に俺たちが復興させるべき場所、リムルダールに向かった。

リムルダールはメルキドより魔物の影響が大きく、湖は毒に染まっており、人々は病に苦しんでいたな。

薬師であったはずのゲンローワも、「病に抗おうとしても無駄だ」とか、「死から逃れようとするのはおこがましいことだ」とか言っていた。

確かに大きな力に抗うことはおこがましいことであり、無駄なことではないかと、今の俺は思ってしまう。

 

しかし、シスターのエルと協力することで、さまざまな病に苦しむ患者を救い、リムルダールの町を発展させることが出来ていた。

死に抗うのはおこがましいと言っていたゲンローワも、俺たちと共に、色々な薬を開発してくれるようになったな。

治療法が全く分からず、魔物となってしまいそうだった3人もいたが、彼らについても浄化の霊薬を使って治すことが出来た。

病に苦しんでいた人々に笑顔が戻り、共に暮らしていけるようになった時には、俺もエルも嬉しくなっていたな。

メルキドだけでなく、リムルダールも救うことが出来そうだと思っていた。

 

だが、リムルダールには死から逃れようとするあまり、人間を魔物にしてしまうという研究を始めたゲンローワの弟子、ウルスもいた。

最後には、病に苦しむ患者を救っていたエルも、その病気にかかってしまった。

魔物に抗い続けようとすれば、人々の心はおかしくなってしまうかもしれないと、俺は考える。

 

でも、究極の秘薬である聖なるしずくのおかげでエルの病気も治り、病が治った人々が考えてくれた大弓で、リムルダールに病を振りまいていたヘルコンドルを倒すことが出来た。

魔物化の研究を続けたウルスのなれの果てであるマッドウルスも倒し、リムルダールに光を取り戻すことが出来た。

リムルダールの復興はメルキドの復興より大変なことも多かったが、人々が協力すれば成し遂げられないといくことはなかったな。

 

アレフガルド復興の第3章、マイラとガライヤでの戦い。

 

ヘルコンドルとマッドウルスを倒し、リムルダールを救った後、俺たちはゆきのへの弟子であるヘイザンも連れて、マイラに向かった。

マイラはドラクエ1では緑豊かな森に囲まれた村だったので、あんな荒れ地や火山地帯になっていたのを見た時は、とても驚いたな。

かつてガライの町があったガライヤ地方も、氷雪地帯になっているとは思わなかった。

ルビスはマイラの魔物は今までの地域より強力であり、人々は敗北の聞きにあると言っていたので、復興するのも難しそうだなと、あの時思っていた。

 

マイラの魔物は確かに強力で、俺たちは何度も苦戦を強いられた。

だが、筋肉だらけの荒くれたちと共に戦うことで、多くの魔物たちを倒していき、マイラの復興を進めていくことが出来た。

筋肉のことばかり話す荒くれと暮らすのは、最初は大変そうだなと思っていたが、一緒に暮らしていくうちに、みんな面白い人たちだなと思うようになったな。

荒くれの女リーダーであるアメルダも救出することが出来、共に炎と氷を合わせて、強大なエネルギーを生み出す研究も行っていた。

ガライヤ出身のコルトとシェネリとも仲良くすることができ、マイラの復興もうまくいきそうだなと思い始めるようになった。

 

しかし、マイラにもリムルダールのウルスと同じように、魔物に抗おうとするばかりにおかしくなってしまった人がいた。

アメルダが助手をしていた発明家であり、彼女の恋人でもあった、ラライ。

彼は魔物を倒すための研究に行き詰まるあまり、倒したかったはずの魔物の王である、竜王の誘いに乗ってしまうことになってしまう。

彼は最後には、恋人であるアメルダの手で殺されることになった。

 

だが、マイラとガライヤの復興も、俺たちは成し遂げることが出来た。

ラライの残した研究記録を使って、車の形をした最強兵器、超げきとつマシンを作り上げることに成功し、マイラを支配するようがんまじん、ガライヤを支配するひょうがまじんを倒すことが出来た。

2体が合体して生まれた最強の魔人である、がったいまじんについても、俺たちは倒している。

たいようのいしを取り返し、アレフガルドの大部分に光を取り戻すことが出来ていた。

 

アレフガルドの第4章、ラダトームでの戦い。

 

がったいまじんを倒し、マイラとガライヤの空を晴らした俺たちは、かつて国王やローラ姫が住む王都があった、ラダトームへと向かった。

ラダトームは竜王の城が近いので闇の力の影響が大きく、空は真っ暗で、地面は灰色になっていたな。

今までとは比べ物にならないほど荒廃しており、復興するのはかなり大変そうだなと思っていた。

せいすいのおかげで大地を浄化して、石になっていたローラ姫を元に戻すことも出来たが、魔物が非常に強力で、希望のはたを手に入れるのも厳しかったな。

希望のはたを手に入れてラダトーム城の復興を始めることは出来ても、城の防衛戦もかなり苦戦することになった。

 

だが、今までの町で出会った仲間である、ロロンド、エル、アメルダの協力もあって、竜王を倒すための伝説の武具を作ることが出来た。

教会やローラ姫の寝室など、ラダトーム城の復興も進めていけたな。

世界を裏切った勇者である闇の戦士を撃退して魔力の結晶を手に入れることもでき、今まで何度か俺の前に姿を表した竜王の影も倒せた。

最後には、聖なるほこらで虹のしずくを作り出し、竜王を倒す準備が整った。

 

だが、俺が竜王を倒しにいくつもりでいたのに、ラスタンやオーレン、ムツヘタは、勇者でない者が竜王を倒すのは無理だとも言っていた。

あの時の俺は必ず自分が竜王を倒しに行くと思っていたし、ロロンドたちも俺が竜王を倒すのだと信じていた。

しかし、人間にはやはり限界という物があるのかもしれないな。

 

でも、俺はロロンドたちが信じていた通り、ロトの血筋の勇者しか倒せないと言われていた竜王を倒して、ひかりのたまを取り返すことが出来た。

竜王の真の姿は非常に強力で、俺も何度も負けそうになったが、みんなと共に作り上げた武器の力があれば、不可能という物はなかった。

世界を荒廃させたもう一人の元凶である闇の戦士も倒して、アレフガルドに完全なる平和と光を取り戻したいと、強く思っていた。

 

そして、アレフガルド復興の第5章、サンデルジュでの戦い。

 

竜王を倒した数日後、俺とピリンたち3人は、闇の戦士や手下の魔物たちがアレフガルドの秘境、サンデルジュにいると聞いて、その地に向かうことになる。

ルビスの頼みで、サンデルジュに魔物を倒すための砦も作ることにもなった。

最初のころはみんなと共に砦を発展させていき、ゆきのへの家系に語り継がれる伝説のハンマー、ビルダーハンマーも作ることが出来ていたな。

人間との争いを嫌うアローインプ、ルミーラとも出会うことが出来た。

 

だが、サンデルジュの峡谷の最深部での、闇の戦士との2度目の戦いの後、俺たちは危機に陥ってしまうことになる。

俺は、闇の戦士がかつて人間だった時に持っていた勇者の力を超えることはでき、奴を瀕死にまで追い詰めたな。

しかし、闇の戦士はルビスや俺への復讐心から生み出された闇の力で俺をなぎ倒し、数百年の間生み出され続けた闇の力の集合体である、エンダルゴを生み出してしまった。

エンダルゴが現れてから、魔物たちの動きは急激に激化していった。

 

みんなは諦めようとはせず、エンダルゴの手下と戦っていくが、戦況は厳しいものとなり、ついにはピリンたちにまで危険が及んでしまう。

砦を守るための兵器も、エンダルゴを倒すための武器もあまり思いつかず、俺たちはついにサンデルジュの砦を放棄することになった。

 

最後には闇の戦士はひかりのたまを破壊し、ルビスを殺し、アレフガルドの光を消し去ってしまう。

俺はルビスの援護に行ったものの、彼女を守ることは出来なかった。

 

 

 

…アレフガルドの復興を思い出すと、確かに魔物に抗うのには限界があり、魔物と戦い続けるべきではないのではないかと思うところがあった。

しかし、アレフガルド復興の1章から4章では、どんな大変なことがあったとしても、復興は成功し、幸せな結末を迎えていた。

人々が協力して生み出す物に、限界というものはなかった。

アレフガルド復興の第5章も、幸せな結末を迎えられるのではないかと、俺は考える。

まだまだ不安はあるが、ゆきのへたちやラダトーム城の人々と協力して、出来る限りの戦いは行っていったほうがいいかもしれない。

明日からは俺も、ラダトーム城を守る兵器やエンダルゴを倒すための兵器を出来るだけ考えて行こう。

 

明日からの活動に備えるため、俺はアレフガルドの復興の振り返りを終えると、ベッドの上で眠りについた。


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