ドラゴンクエストビルダーズ メタルギアファンの復興日記 作:seven river
ブラバニクイーンは16体いるので、俺たちは一人4人ずつ相手していくことにする。
ブラバニクイーンは戦い慣れている魔物だし、4体くらいなら苦戦せずに同時に倒せるだろう。
この後燃料が尽きることがないよう、俺は火炎放射器は使わず、おうじゃのけんとビルダーハンマーを使って、ブラバニクイーンに殴りかかっていく。
奴らはいつものようにかなりの高速で突進してくるが、俺は確実に避けていくことが出来た。
「お前たちとは戦い慣れているんだ!そのくらいの突進、簡単によけれるぞ」
砦の近くで戦っているので、勢いあまって角が砦のカベに突き刺さる奴も出てくる。
突進の威力は高いので、砦のカベにもかなりのダメージではあるが、一撃で壊れることはなかった。
「角が壁に刺さったか…動けるようになる前に、一気に潰しておくぜ」
砦のカベに角が突き刺さって動けなくなったブラバニクイーンを、俺は両腕の武器で叩き潰していく。
動けなくなっていたところに強力な武器での攻撃を叩き込まれ、奴らは次々に青い光に変わっていった。
ゆきのへとルミーラも、目の前に立ちふさがるブラバニクイーンに苦戦することなく戦っているようだった。
「ゆきのへとルミーラも苦戦していないようだし、ブラバニクイーンはもう少しで全滅だな。まだ奴らを倒しきれていないバルダスの援護に向かうか」
戦いがそこまで得意ではないバルダスはブラバニクイーンを倒すことは出来ておらず、攻撃を抑えることで精一杯のようだった。
俺は自分と戦っていた奴らを全滅させると、バルダスのところに向かう。
ゆきのへとルミーラはまだブラバニクイーンと戦っている途中だが、じきに倒し終えることだろう。
ブラバニクイーンたちはバルダスとの戦いに集中しているので、背後から回転斬りを放てば倒すことが出来そうだな。
だが、魔物の大軍の親玉であるトロルキングも、ブラバニクイーンが倒されないように魔物たちに指示を出す。
「これ以上の人間どもの抵抗を許すな!コスモアイ、砦ごと人間どもを撃ち抜いてしまえ!ドラゴンも、砦に急げ!」
トロルキングの命令を受けて、コスモアイは速度を上げて砦に近づいて来る。
コスモアイの後ろにいたゴールデンドラゴンたちも、火球が砦に当たる位置にまで近づいて来ようとしていた。
「やっぱり奴らもブラバニクイーンの援護に来たか。でも、ゴールデンドラゴンは落とし穴に落ちるだろうし、コスモアイに気をつければ大丈夫だな」
ブラバニクイーンやコスモアイと戦っている間にゴールデンドラゴンの火球が飛んできたらかなり危険な状況になる。
だが、ゴールデンドラゴンはこの前バルダスが考えてくれた落とし穴に落ちるだろう。
一度あの落とし穴に落ちれば、奴らは死ぬまで脱出できないはずだ。
だから、俺は今はゴールデンドラゴンのことを気にせず、バルダスと戦っているブラバニクイーンや、迫ってくるコスモアイとの戦いに集中することにする。
「コスモアイたちが来る前に、1体でもブラバニクイーンを減らしておこう」
力を溜めている間にコスモアイが砦のそばまで来てしまうので、俺は回転斬りで一気に倒そうとするのをやめて、1匹でも確実に仕留めようと、剣とハンマーを一匹の頭に叩きつける。
奴は突進をしようとしていたが、俺に突然後ろから攻撃されたことで動きを止める。
動きが止まったところを、俺はおうじゃのけんでもう一度突き刺して倒した。
「1体は倒せたか…もうすぐコスモアイが来るけど、どんな攻撃をして来るんだ?」
ブラバニクイーンを倒したと同時に、16体のコスモアイたちが砦のすぐ近くに迫ってくる。
砦に近づいてくると、奴らは光線を放って攻撃をしてきた。
光線はアローインプの弓より速いスピードで、俺たちがいるところに飛んでくる。
「メーダと同じで、光線を放ってくるのか…光線はかなりの速度だけど、予備動作があるから避けられそうだな」
でも、光線を放つために力を溜める動作があるので、それを見ていればかわすのはそんなに難しくなさそうだ。
だが、コスモアイたちの光線を避けながら、残りのブラバニクイーンと戦うのはさすがに難しい。
バルダスが残り3体を倒すことが出来るか心配だが、俺はサブマシンガンにはがねの弾丸を装填してコスモアイたちに向ける。
光線を放つ奴らに近づいて戦うのは、かなり危険だからな。
「バルダスが心配だけど、サブマシンガンでコスモアイを先に倒すか」
俺ははがねの弾丸を、奴らの弱点だと思われる目に向かって連射していく。
コスモアイはかなり生命力も高いようで、目を10発くらい撃ち抜かなければ倒せなかった。
でも、弾丸はたくさん用意しているので、弾切れになる前に全滅させることが出来そうだ。
しかし、光線を避けながらコスモアイを倒している途中、俺の後ろにある砦のカベが壊れる音がした。
「あの光線は砦のカベを壊すほどの威力なのか…早く倒さないと、被害が大きくなるな」
俺はサブマシンガンを使ってコスモアイの数を少しづつ減らして行くが、奴らの光線によって砦のカベも次々に壊されていってしまう。
急がないと、砦の奥にあるみんなの寝室にまで被害が出てしまうな。
そうなってしまうと、寝室に隠れているピリンやヘイザンが危ない。
また、砦だけでなく、ブラバニクイーンたちと戦っていたバルダスも苦戦しているようだった。
「バルダスも苦戦しているみたいだな…やっぱり今回も、簡単には勝てそうにはないか」
さっきのブラバニクイーンとの戦いでは、俺たちは安定した戦いをしていたが、そこにコスモアイたちが加わったことで戦況がやや厳しくなってきてしまった。
だがそんな時、ゆきのへとルミーラもブラバニクイーンとの戦いを終え、ゆきのへはバルダスの援護に行き、ルミーラは俺と一緒にコスモアイたちを攻撃し始める。
「バルダスはまだ苦戦してるみてえだな、援護に行くぜ」
「砦が壊される前に、雄也と一緒にコスモアイを倒さないとね」
砦の一部分は破壊されてしまったが、これ以上砦に被害が出る前にブラバニクイーンとコスモアイを全滅させることが出来そうだ。
俺とルミーラの二人の射撃によって、コスモアイたちを倒していく速度が上がる。
これなら、寝室にまで被害が出る前に奴らを倒しきることが出来そうだ。
ゆきのへもバルダスと戦っていたブラバニクイーンをメタリックハンマーで叩き潰し、全滅させていた。
「砦の一部が壊されてしまったけど、コスモアイたちを倒せたか…残りは大型の魔物だな」
ブラバニクイーンとコスモアイを倒し、これで残りはキースドラゴン、ゴールデンドラゴン、エビルトレント、ボストロール、トロルキングになった。
こいつらは落とし穴に落ちるはずで、俺が奴らの方向を見てみると、案の定4体のゴールデンドラゴンが落とし穴に落ちて動けなくなった。
突然ゴールデンドラゴンたちが穴に落ちたことで、隊長のトロルキングは驚いている。
「こんなところに穴だと!?人間どもめ、厄介な物を作りやがって…!」
ゴールデンドラゴンたちは穴の中にあるたくさんの槍に突き刺され、瀕死の重傷を負った。
このまま放っておいても倒せるだろうが、俺は念を入れて、アローインプ式大弓で奴らの頭を薙ぎ払うように撃ち抜いていく。
4体のゴールデンドラゴンは力尽きて青い光に変わっていき、残りの魔物たちもこれ以上砦に近づけなくなっていた。
「あいつらは身動きが取れなくなっているな…今のうちに仕留めていくぜ」
立ち往生している魔物たちを見て、俺はアローインプ式大弓からはがねの矢を次々と放っていく。
そして、落とし穴に落ちなかった2体のゴールデンドラゴンも大量のはがねの矢で貫いて倒すことが出来た。
ゴールデンドラゴンを全滅させると、次はその後ろにいるエビルトレントやキースドラゴンにも向かって矢を放とうとする。
しかし、隊長のトロルキングもこのまま魔物が倒されていくのを見ているというのではなく、手下のボストロールやエビルトレントたちに新たな命令をした。
「恐れるな、しょせんは人間どもが作った兵器だ!エビルトレントどもよ、ドルモーアで落とし穴を破壊しろ!」
その命令通りに、エビルトレントたちは落とし穴が仕掛けられている場所に向かってドルモーアの呪文を唱え始める。
ドルモーアは砦のカベが壊れるほど強力な呪文なので、落とし穴も簡単に壊されてしまいそうだ。
そうなれば、大量の大型の魔物が砦に迫ってきて、危機的状況に陥ってしまう。
大型の魔物はブラバニクイーンやコスモアイと比べて、攻撃力も高いし攻撃範囲も広いからな。
「落とし穴が壊されると砦が危ないな…エビルトレントを優先して倒すか」
俺はドルモーアを止めようと、10体のエビルトレントに向かってアローインプ式大弓を撃ち始める。
エビルトレントはかなり生命力があるが、10発ほどはがねの矢を撃ち込めば倒れるはずだ。
最初の5発の矢でドルモーアの詠唱を中断させて、次の5発の矢でとどめをさしていく。
俺はかなりの早さで矢を撃っているので、ドルモーアが発動する前にエビルトレントの数を大きく減らすことが出来るだろう。
だが、エビルトレントが残り8体になった時、魔物の軍勢の後ろにいた隊長のトロルキングが前に出てきて、エビルトレントをかばうような動きをする。
「トロルキングがエビルトレントたちをかばいだしたか…でも、まとめてはがねの矢で倒してやるぜ」
トロルキングはとても生命力が高そうだが、数十発はがねの矢を当てれば倒れるだろうから、俺はアローインプ式大弓を打ち続ける。
強敵が立ち塞がったとしても、エビルトレントのドルモーアを阻止しなければ俺たちの砦が危ないからな。
まっすぐに飛んでいったはがねの矢は、巨体であるトロルキングの体を貫こうとする。
しかしその時、奴は右腕に持っていた太い棍棒で、はがねの矢を防いでしまった。
「なかなか手こずらせてくれたが、お前たちの兵器はその程度の力でしかない。人間ども、これ以上無駄な抵抗はやめろ」
トロルキングは5発のはがねの矢を叩き落とすと、笑うような表情で俺の方を見てくる。
奴が強力な魔物だとは分かっていたが、まさかはがねの矢を叩き落として来るとはな。
だが、たくさんの矢を防いでいたらトロルキングの腕の力も尽きるだろうと思い、俺ははがねの矢を撃ち続ける。
しかし、いくらはがねの矢を撃ってもトロルキングの腕の力が尽きることはなく、棍棒で矢を防ぎ続けている。
「くそっ、このままだと落とし穴が壊されてしまうな…」
そうしている間にも、エビルトレントはドルモーアを発動させようとしていた。
このままではドルモーアを阻止できないとゆきのへも思ったようで、彼はトロルキングに近づいく。
「大弓だけじゃどうにもならんようだし、ワシがトロルキングの棍棒を引きつける。ワシが棍棒を引き付けている間に、お前さんは頭を撃ち抜いてくれ!」
ゆきのへに続いて、ルミーラとバルダスもトロルキングのところに向かっていった。
「わたしも雄也を援護する。このままじゃ、わたしたちの砦が壊されちゃうからね」
「ボクはあんまり強くないけど、援護に向かう!」
3人が武器を引き付けていれば、確かにトロルキングの頭を貫くことが出来そうだ。
俺は大弓の扱いに慣れているので、間違えて3人に当てることもない。
しかし、ゆきのへたちが近づいて来たのを見て、トロルキングは少し後ろに下がり、その前に奴の手下の6体のボストロールのうちの1体が立ち塞がった。
ボストロールはトロルキングの物ほどではないが大きな棍棒を振り回し、ゆきのへたちに殴りかかっていく。
「お前たちのような弱き者どもがいくら力を合わせようと、我らに敵うことは決してない。もう諦めるんだな!」
ボストロールはそう言ってくるが、3人は諦めずトロルキングのところにたどり着こうとする。
「何を言われようと、ワシらは世界の平和のために戦ってきたんだ。諦めることはしねえぜ」
ゆきのへが棍棒を引き付けている間に、バルダスはボストロールの足元を攻撃し、ルミーラは麻痺の矢で奴の腹を撃ち抜いていく。
ボストロールの体が麻痺することはなかったが、ボストロールは3人の攻撃でかなりのダメージを受けていた。
「みんなも頑張っているし、早くボストロールを倒してトロルキングとエビルトレントを止めないとな」
俺もボストロールを早く倒そうと思い、奴の頭にはがねの矢を撃ち放っていく。
だが、俺がゆきのへたちと戦っているボストロールにはがねの矢を撃つことは他のボストロールたちも分かっていたようで、2体目のボストロールが棍棒で矢を防いでしまう。
「まだ分からないか、そんな兵器で我らを倒すことは出来ないと」
でも、ボストロールはトロルキングと違って矢を叩き落とした時に怯むような動きをしており、棍棒にも傷がついていた。
「ボストロールの棍棒なら、トロルキングと違って破壊できそうだな」
たくさんの矢を放てば、棍棒を破壊して無防備にすることが出来るだろう。
そう思いながら攻撃を続けて、20発くらいはがねの矢を撃ったところで、ボストロールの棍棒が砕け散る。
20発も矢を放ったので、結構時間がかかっていた。
防御手段を失ったボストロールにとどめをさそうと、俺はさらに奴の頭に矢を放つ。
ボストロールは大きく倒れ込んで、光を放って消えていった。
「次はゆきのへたちと戦っているボストロールだな」
防ぐ者がいなくなり、今度こそ俺はゆきのへたちと戦っているボストロールに攻撃する。
ゆきのへたちとの戦いに集中している奴は俺の放った矢に気付かず、頭を貫かれて倒れた。
残り4体のボストロールはまだ軍勢の後ろのほうにおり、これでトロルキングに近づくことが出来る。
だが、トロルキングはもうドルモーアが発動すると言ってきた。
「我の手下を2体倒したか…だが、もうドルモーアが発動する。我らが砦に近づけるようになるのだ」
トロルキングの言葉と同時に、落とし穴が埋められている地帯でいくつもの大きな闇の爆発が起こる。
爆発によって地面は壊れ、どこに落とし穴が仕掛けられているか見えるようになってしまい、穴の中に作られていた槍も砕けてしまう。
2体のボストロールを倒すまで少し時間がかかったので、その間に詠唱が完了してしまったのか…ドルモーアの呪文が発動してしまったようだ。
「間に合わなかったか…落とし穴が壊されてしまったな」
ゆきのへたちは無事だったが、これで奴らが砦に近づけるようになってしまった。
この前の防衛戦でもドルモーアで砦を破壊されたし、ドルモーアの呪文は本当に厄介だ。
さっきまであまり苦戦せずに戦っていたのに、戦況が非常に悪化してしまったな。