ドラゴンクエストビルダーズ メタルギアファンの復興日記 作:seven river
今回は復帰したばかりなのでいつも以上に文章力が低いと思います。
俺はしにがみのきしとダースドラゴンを倒して剣をしまった後、竜王の城の更に奥に進んでいった。
そこには、さっきまでと同じように壁にしょく台がかけられた細長い通路が続いている。
だが、竜王の物と思われる禍々しい気配はさらに強くなってきていた。
「そろそろ竜王の玉座が近いのかもしれないな」
そう思いながら進んでいくと、しばらくしたところで俺の目の前にはがねの大とびらが見えてきた。
ここが竜王が待ち構えている部屋だと思い、俺は剣を構えて扉を開ける。
しかし、その部屋には玉座のいすが一つあるだけで、そこに座っているはずの竜王の姿はなかった。
「玉座はあるのに竜王がいないな···どうなってるんだ?」
俺はその部屋を見回してみるが、やっぱり竜王の姿は見当たらない。
「もしかしたらドラクエ1の時みたいに、玉座の裏に隠し通路があるのか?」
そこで思い出したが、確かドラクエ1では玉座の裏に城の地下へ続く階段があって、その地下の最深部に竜王がいたはずだ。
そこで、俺が玉座の間の裏を見てみると、壁が一部黒い岩で作られている場所があった。
周りの青い城のカベと違って黒い岩は壊すことが出来るので、間違いなく何かがありそうだ。
そして、おうじゃのけんを使って岩を壊すと、案の定地下の隠し通路へ続く階段が見つかった。
その階段はかなり長く、降りた先には暗い通路が広がっている。
「この先は一本道みたいだから、すぐに竜王のところに行けそうだな」
ドラクエ1では竜王の城は複雑なダンジョンだったが、今は一本道になっていた。
ついに竜王と戦う時が来たと思うととても緊張するが、みんなのためにも勝たなければいけない。
そして、暗い地下を歩き続けると、さっきの玉座の間の何倍も広い空間にたどり着いた。
「ここが、本当の竜王の玉座の間みたいだな」
その部屋の一番奥を見ると、巨大な杖を持った魔物の王、竜王の姿があった。
今まで何度も話には聞いているが、目の前で見るととても恐ろしい感じがする。
竜王は俺に気づくと、睨みつけながら話しかけてきた。
「よくぞ来た、雄也よ。わしが王の中の王、竜王である」
確か勇者に対しても、同じようなことを言っていたな。戦いを挑みに来た者には、必ず言っているのだろうか。
その後、竜王はビルダーである俺が戦いに来たことに驚くようなことを言う。
「わしは思わなかったぞ。勇者ですらないそなたが、戦いを挑みに来るなど」
ルビスは次の勇者が現れるまで待つべきだと言っていたが、俺がそれに従うと思っていたようだな。
次の勇者がいつ現れるか分からないなら、今俺が竜王を倒したほうがいいはずだ。
そう思っていると、竜王は俺の顔を見てこう言ってきた。
「しかし、そなたの顔···なんとも恐ろしい顔だ。そなたこそ、人間の物を作る力の恐ろしさを表しておる」
そういえば、どうして竜王が人間から物を作る力を奪ったのか、まだ聞いていなかったな。
早く竜王と戦いたい気持ちはあるが、そのことを聞いてからにしたほうがよさそうだ。
竜王は王の中の王と言われる存在なので、何の考えも無しに物を作る力を奪ったりはしないだろう。
「前から気になっていたけど、どうしてお前は人間の物を作る力を奪ったんだ?」
「分からぬか?そなたが今まで復興させてきた地域で起きたおぞましい出来事は、すべて人間が自らの手で起こしたことだ」
確かに、せっかく安全なシェルターに閉じ籠ったのに、食料を手に入れるために殺しあった人々。病を乗り越えるために魔物化のウィルスを作り、最後は自らが強大な魔物になってしまったウルス。魔物を倒す兵器の研究のために竜王に魂を売り渡し、本来の目的を見失ってしまったラライ···人間の愚かさによって引き起こされた悲劇は、いくつも見てきている。
俺が見ていないところでは、さらに多くの悲劇が起きていたことだろう。
「人間が物を作る力を失った状況でもいくつものおぞましい出来事が起きている。もし人間が力を取り戻すことになれば、この世界は調和を失い、滅びてしまうであろう」
お前が物を作る力を奪ったから人間は愚かなことをしたんじゃないのか?と言おうとしたが、すぐにそれは間違いであることに気づいた。
地球では物を作る技術を、人を殺す兵器を作ることに使われることがあるからな。
しかし、このアレフガルドの人たちは物を作る力を失ったことで人間の愚かさに気づくことが出来た。
物を作る力を取り戻したとしても、二度と悲劇が起こらないように生きていけるはずだ。
「でも俺たちはアレフガルドを復興させていくうちに人間の愚かさに気づいて、もう悲劇が起こさないようにしている。物を作る力を取り戻したとしても、それは変わらない」
俺はそのことを伝えたが、竜王はやはり人間は物を作る力を取り戻すべきではないと思っているようだ。
「いや、人間は必ず世界を滅ぼすはずだ」
竜王はそう言うと、杖を構えて立ち上がる。竜王との戦いは避けられないようなので、俺もおうじゃのけんとはがねのつるぎを向けた。
魔物の王である竜王であっても、今の俺に倒せないことは決してないはずだ。
「そなたがそれでも人間の物を作る力を取り戻させたいと言うのなら、わしが消し去ってやろう!」
そして、俺と竜王との決戦が始まった。
俺と竜王との間にはかなり距離があるので、俺は走って竜王に近づき、斬りかかろうとする。
竜王も俺に近づいてくると思ったが、その場から動かずに杖を振りかざし大きな火球を発生させる。
「そなたなど焼き尽くしてくれよう、メラゾーマ!」
メラゾーマの呪文は竜王の影も使っていたけど、竜王本体が使うものはそれ以上に巨大な火球だった。
でも、距離が離れていたので、俺は走りながらでもかわすことが出来、竜王との距離を縮めていった。
「そのくらいの魔法、今なら簡単に避けられるぜ!」
竜王は何度もメラゾーマの呪文を唱えてくるが、俺は走ってかわしながらだんだん奴に近づいていく。
竜王のすぐ近くまで来ると、さすがに走りながら火球を避けることは出来ないので、俺はジャンプをして回避していく。
竜王はメラゾーマの呪文を撃ち続けたが俺はすべてかわし、奴のすぐ近くまで行くことが出来た。
「ビルダーめ、かなり素早いな。だが、これはかわせぬだろう。ベギラマ!」
俺が近づいたのを見て、竜王は今度は広範囲を攻撃できるベギラマの呪文で攻撃してきた。
威力はメラゾーマより低いものの、まとも喰らえば大火傷は免れないので、俺は安全にかわせる位置に下がった。
「ベギラマもかわすことは出来たけど、竜王に近づけないな···」
走って避けられる位置まで下がることはできたが、このままだと攻撃することが出来ない。
竜王はベギラマを唱えている時間はわずかな隙ができるが、その間に近づいて攻撃するのは難しそうだな。
でも、その隙に斬りかかるしか竜王を倒す方法はなさそうだな。
「わずかな隙だけど、呪文を詠唱しているところに飛びかかるしかないな」
俺はベギラマをかわした後、次の呪文が放たれる前に思いきり竜王に飛びかかり、おうじゃのけんを降り下ろす。
そして、何とか次のベギラマが放たれる前に攻撃することができ、竜王の体に大きな傷をつけられた。
竜王も強力な剣の一撃を喰らってはただでは済まず、大きく怯んだ。
「また呪文を唱えてくるかもしれないし、今のうちに斬り刻むか」
俺は竜王が怯んだところを見て、左腕に持っていたはがねのつるぎで奴の体を斬り裂く。
だが、さらにもう一度おうじゃのけんで斬りつけようとすると竜王は体勢を立て直して杖で受け止めてきた。
「勇者ではないそなたが、これほどの力を持っていようとはな。だが、ここでわしが倒される訳にはいかぬ」
竜王はそう言うと杖に力をこめて、はがねのつるぎを弾き返そうとしてくる。
その力は闇の戦士以上に強く、右腕に持っているおうじゃのけんも使わなければ受け止められなかった。
「力で押しきることは無理だから、後ろに回りこんだほうが良さそうだな」
そこで俺は、一度竜王から離れた後、奴の背中にまわりこんで剣を降り下ろす。
竜王は素早さもかなりあったが、今まで多くの魔物と戦ってきた俺には敵わず、2本の剣で大きなダメージを与えることが出来た。
その後も俺は竜王の横や後ろに移動しながら、何度も斬りつけていく。
やがて竜王は体に大きな傷をいくつも負い、かなり弱ってきていた。
「竜王も弱ってきているし、このまま倒せそうだな」
俺が竜王にさらなるダメージを与えようとしていると、奴は俺から離れて杖を振りかざし始める。
今度は何をするんだ?と思っていると、俺のまわりに小さな太陽のようなものがいくつか出来ていた。
そして、小さな太陽からはメラゾーマに匹敵する巨大な火球が放たれた。
「わしをここまで追い詰めるとは思っていなかったが、今度こそそなたを消し去ってくれる!」
竜王はこんな強力な呪文も唱えられるようになっていたのか。
火球はジャンプでかわすことが出来るが、避けたところへ竜王が杖で殴りかかってくる。
でも、火球と竜王の攻撃の両方を避けた後、次の火球が飛んでくる前に竜王の後ろに回りこむことが出来れば奴を倒せるはずだ。
俺はまず飛んでくる火球を避けて、そこに杖を降り下ろしてくる竜王の後ろへ回りこんだ。
まだ次の火球は飛んできていないので、今なら攻撃できると思い、俺は竜王の背中に渾身の一撃を叩き込む。
「お前の呪文ぐらいで俺を倒すことはできないぜ!」
弱っていたところに鋭い二刀流での攻撃を受けて、竜王はその場に大きく倒れこむ。
それによって竜王の魔力によって作られていた小さな太陽も消えていき、火球も発生しなくなっていた。
だが、俺が倒れている竜王にとどめをさそうと思って近づくと、奴が恐ろしい闇の力を発し始めていることに気づく。
「くっくっくっ、やるではないか···そなたのような力を持つ者には、わしも本来の力を解き放たねばなるまい···」
竜王が、真の姿を現そうとしているようだった。