ドラゴンクエストビルダーズ メタルギアファンの復興日記   作:seven river

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Episode101 竜王城の守護者

虹のしずくを使ってラダトーム城から飛び立って10秒くらいたち、俺は竜王の島に着地した。

早く戦いに行きたいけど、まずはどこに竜王の城の入り口があるか探さないといけないな。

島の探索を始めようとしていると、俺の耳に竜王のものだと思われる恐ろしい笑い声が聞こえてきた。

 

「くっくっくっ···よくぞ来た、雄也。物を作る力を持つものよ。我が城でそなたを待っているぞ」

 

どうやら竜王も俺がこの島に来たことに気づいたみたいだな。

声だけでも恐ろしいし、戦えばさらに強力であろうが、必ず勝って光を取り戻さないといけないな。

俺はさっそく竜王の城の入り口を探すため、竜王の島の探索を始めた。

「竜王の城の入り口を見つけたら、すぐに乗り込んでいくぜ」

 

竜王の島を歩き始めると遠くに白い岩でできた岩山が見えるが、城の入り口のような物は見えない。

でも、岩山の左の方に進むことが出来そうなので、そこを目指せばよさそうだな。

この島はラダトーム城の周辺と違い地面が不思議な色の砂になっているが、歩きにくいことはなかった。

岩山の近くまで来ると、だいまどうやダースドラゴンと言った魔物が何体も見かけられた。スライムベスもいるが、それ以外は強力な魔物だらけだ。

 

「ここにはだいまどうやダースドラゴンがこんなにいるのか。さすがは竜王の島だな」

 

勝てないことはない相手だが、俺は戦いを避けるために奴らから離れながら城の奥へ進んでいった。

それで、岩山の左の方へ行くと遠くに関所のような物が見えてきた。

関所はラダトームの魔物の城と同じように青色の城の壁で作られていて、入り口は岩で塞がれている。

 

「もしかしたら、あの関所から竜王の城に入れるのかもしれないな」

 

俺は竜王の城に向かうために、その関所に歩いていく。少し距離があったが、10分くらいでたどり着くことが出来た。

入る前に関所の中を覗いてみると、しにがみのきしとだいまどうが人間を警戒しているのが見える。

潜入は出来ないだろうし、竜王と戦っている時に共に攻撃を仕掛けてくる可能性があるので、今のうちに倒しておいたほうがよさそうだ。

「この関所にはしにがみのきしとだいまどうの2体だけだし、俺一人でも倒せるだろうな」

 

俺はそこでおうじゃのけんとはがねのつるぎを構えて、関所を塞いでいる白い岩を叩き割る。

すると、中にいた魔物たちが俺に気づいて威嚇してきた。

 

「貴様がビルダーか!竜王様の城へは行かせんぞ!」

 

「お前は我がここで焼き尽くしてやろう!」

 

この話から考えて、やはりこの関所が竜王の城の入り口みたいだな。

疲れてしまって竜王との戦いで全力を出せなくなったら困るが、こいつらを倒さなければ先に進むことはできない。

俺が二本の剣を向けると、奴らも武器を構えて襲いかかってくる。俺と関所の魔物との戦いが始まった。

戦いが始まると俺はまず、近接戦闘が苦手なだいまどうに斬りかかっていく。だいまどうはメラミの呪文を使って厄介なので、しにがみのきしとの戦いの前に倒しておきたい。

俺は奴に近づくと、さっそくおうじゃのけんを降り下ろして攻撃する。

だいまどうもかわそうとするが、あまり動きは速くないのでかわされることはなく、奴に大きなダメージを与えることが出来た。

 

「だいまどうは戦い慣れているからな。このまま倒してやるぜ」

 

俺は左手に持つはがねのつるぎも使い、だいまどうにさらなる攻撃をする。

その後も何度も斬りつけられて、奴はかなり弱ってきていた。

 

「強すぎるぞ···これが伝説のビルダーという奴なのか」

しかし、とどめをさそうとしていると後ろにいたしにがみのきしが斧を振り回しながら突進してきた。

 

「ビルダーめ、我の仲間をこれ以上傷つけるな!」

 

受け止めることも出来るが、なるべく腕の力を使いたくないので俺はジャンプをしてかわす。

すると、しにがみのきしは関所の壁にぶつかって、動けなくなってしまっていた。

そこで、今なら2体まとめて倒すことが出来ると思い、俺は両腕に持つ剣に力を溜めた。

 

「これでどうだ、回転斬り!」

 

二刀流での回転斬りを受けて、だいまどうは力尽きて青色の光を放って消えていった。

だが、しにがみのきしは耐え抜いて体勢を立て直し、俺に向かって斧を叩きつけてくる。

「仲間を倒されてしまったか···せめて敵をとってやる!」

 

俺は回転斬りの反動でしばらく動けなくなっていたので回避することは出来ず、攻撃をはがねのつるぎで受け止める。

しにがみのきしも思いきり斬りかかっているので弾き返すことは無理だが、おうじゃのけんで斬り裂けば倒せるだろう。

俺は奴の攻撃を受けている間におうじゃのけんを振り上げ、心臓を突き刺した。

 

「竜王様···すまなかった···」

 

既に瀕死だったしにがみのきしは、そう言った後光を放って倒れていく。

これで、関所にいる魔物は全て倒すことができたな。

 

「関所の魔物は倒せたみたいだし、竜王の城に向かうか」

竜王の城にはさらに多くの魔物がいるだろうが、今の俺なら勝てないことはないだろう。

俺は関所の反対側を塞いでいる白い岩を叩き壊して、先へと進んでいった。

 

関所を抜けたところもさっきと同じで、不思議な色をした砂の平原になっている。

だが、ダースドラゴンなどの魔物は一切見かけることが出来なかった。

恐らくは、竜王を守るために城やさっきの関所に戦力を集中させているのだろう。

でも、魔物は見つからなかったが、ドラゴンの頭の形をした柱やかがり火などが置かれている場所もあった。

 

「柱やかがり火が置いてあるのか。もしかしたら、竜王の城が近いのかもな」

 

俺はそう思ってその場所から辺りを見回す。すると、奥のほうに暗黒の巨大な城を見つけることが出来た。

あれが竜王の城で間違いないだろうから、俺はそこに向かって歩き続ける。

そして、10分くらいで竜王の城の入り口のところに来ることが出来た。

 

「ここが竜王の城なのか···思っていたより大きな城だな」

 

この城の最深部に魔物の王である竜王がいるはずなんだよな。

竜王の城は毒沼に囲まれていたので、俺は土ブロックで足場を作って渡っていく。

毒沼を渡りきって竜王の城に入ると、俺はさっそく中を調べ始めた。

入ってすぐのところには3つの通路があったが、左と中央の通路は固い壁で塞がれているので、右の通路を進むしかなさそうだ。

「通路は3つあるけど、右にしか進むことができないみたいだな」

 

俺が入り口から見て右の通路へ入っていくと、細長い廊下が奥まで続いているようだった。

カベしょく台がかけられているので暗くはないが、かなり不気味だな。

俺はいつ魔物が出てくるか分からないので警戒しながら城の中を歩いていく。

そこからしばらく進むと、大広間のような部屋にたどり着いた。まだ竜王の玉座の間ではないが、ここに魔物が待ち受けているのだろう。

 

「どんな魔物がいるんだろうな?」

 

俺が魔物に見つからないように大広間の中を覗くと、しにがみのきしが4体とダースドラゴンが1体見つかった。

どちらも戦ったことのある魔物だが、竜王を守るために訓練されているだろう。

だが、闇の戦士や竜王の影といった、こいつらよりさらに強力な魔物と戦ったことがあるので、今更恐れることはない。

 

「お前らを倒して、竜王も倒してやるぜ」

 

そして、俺は二本の剣を持って魔物たちの前に立つ。魔物たちも俺に気づいて、戦闘態勢にはいった。

 

「ビルダーの奴、ここから先には進ませんぞ!」

 

「竜王様のかわりに、お前の命を断ち切ってやろう!」

 

5体の魔物の中で、最初に前衛のしにがみのきし2体が斬りかかってくる。竜王の城の魔物との戦いの始まりだ。

2体のしにがみのきしが攻撃を仕掛けてきたと同時に、俺も両腕の剣を叩きつけて奴らを受け止めた。

やはり攻撃力がかなり高いので受け止めるのも大変だが、俺は腕に力をこめて押し返そうとする。

だが、そうしている間に奴らの背後にいるダースドラゴンが大きな火球を吐いてきた。

 

「くそっ、ダースドラゴンが厄介だな」

 

先にダースドラゴンを倒したいが、そう簡単に倒せる相手ではないし、4体のしにがみのきしに守られている。

しにがみのきしの数を減らしてからではないと、攻撃は出来なさそうだな。

なので俺は、ダースドラゴンの火球をだいまどうのメラミのように避けながらしにがみのきしと戦うことにした。

俺が火をかわした後、前衛のしにがみのきしの1体が素早く斧を降り下ろしてくる。

「ビルダーもさすがの我々には敵わないようだな!」

 

連続で攻撃をかわすのはかなり疲れるが、俺は奴の斧をジャンプで避けて背後に回り込む。

そして、次の攻撃が来る前にしにがみのきしの背中におうじゃのけんを突き刺した。

もう片方のしにがみのきしも斧で俺を斬ろうとしていたが、左手のはがねのつるぎで受け止めることが出来た。

 

「しにがみのきしなんかに俺が倒されると思うなよ」

 

奴の攻撃を受け止めた後、少しでもダメージを与えようと腕に強い力を入れて思いきり弾き返す。

俺の左腕もかなり痛んだが、しにがみのきしを怯ませて動きを止めることが出来た。

奴もすぐに立ち上がろうとするが、俺はその隙を逃さずにはがねのつるぎを使って叩き斬る。

これで前衛のしにがみのきし2体ともに傷を与えることが出来たので、このまま弱らせていけば倒せるだろう。

 

「こいつらも結構強いけど、やっぱり倒せないほどではないな」

 

俺はさらにしにがみのきしを攻撃しようと思ったが、ダースドラゴンが再び火を吐いてきた。

でも、火球をかわした後に何度も斬り裂いていき、前衛のしにがみのきしはかなり弱っていた。

そこで奴らは何としても俺を倒そうと、同時に斧を振り上げて突進してくる。

 

「おのれビルダーめ、ここまで我らを追い詰めるとは許さんぞ!」

「これで潰れてしまえ!」

 

俺は攻撃を防ぐと同時に奴らを倒そうと思い、腕に力をためて回転斬りを放とうとする。

そして、奴らが至近距離にまで突進してきた時、俺はその力を解き放った。

 

「回転斬り!」

 

俺の腕にも激しい痛みが走ったが、かなりの傷を負っていたしにがみのきしは2体とも倒れていった。

残りはしにがみのきし2体とダースドラゴンだが、俺は先にダースドラゴンに向かって剣をふりかざす。

広範囲攻撃である灼熱の炎は、今はしにがみのきしを巻き込む可能性があるので使えないため、防衛戦の時より楽に戦えるはずだ。

 

「ビルダーの野郎、よくも我らの仲間を殺しやがったな!」

「ダースドラゴンには触れさせないぞ!」

 

後衛のしにがみのきしも俺に斧を降り下ろしてくるが、かわしながらダースドラゴンに近づいた。

奴のすぐそばまで来ると、俺はおうじゃのけんとはがねのつるぎを使い固い鱗を引き裂く。

ダースドラゴンも俺を足で踏み潰そうとしてくるが、すぐにかわして奴の顔の前に移動した。

そして、次の攻撃が来る前に俺は剣を奴の口の中に突き刺す。すると、ダースドラゴンは悲鳴をあげて大きく怯んだ。

 

「ダースドラゴンももう少しで倒せそうだな」

 

ダースドラゴンを守ろうとしにがみのきしたちも飛びかかって斧を叩きつけてきた。

でも、俺はその動きをすぐに見切ってかわし、ダースドラゴンの首を狙って何度を攻撃する。

奴は最後の力で近くにいる俺に火の球を飛ばしてきたが、はがねのつるぎで防ぎ、軽いやけどで済んだ。

火の球を吐いた後には少し隙が出来るので、俺はその間に二つの剣を同時に降り下ろして奴の首を斬り落とす。

 

「よし、これでダースドラゴンもとどめをさせたぞ」

 

ダースドラゴンも首を斬り落とされては耐えられず倒されていった。

あとはしにがみのきし2体を倒せば竜王のところに行けるな。

でも、奴らは俺を竜王の元へ行かせまいとダースドラゴンが倒された後も斧を振り続ける。

 

「ダースドラゴンも倒したようだが、我らは諦めんぞ!」

 

「ビルダー、竜王様の元へは絶対に行かせないぞ!」

しにがみのきしの動きはさっきより速くなってきていたが、俺がかわせないほどではなかった。

そこで、俺は奴らの攻撃をかわしながら後ろに回り、背中に剣を突き刺そうとする。

しにがみのきしたちもそれに気づいたが、攻撃の途中だったので反応が遅れ、防ぐことは出来なかった。

 

「これで終わりだぜ、しにがみのきし!」

 

そして、俺は突き刺した剣で奴らの体を真っ二つにしていく。しにがみのきしの鎧はかなり固いが、鋭い剣のおかげで両断することが出来た。

俺はしにがみのきしが倒れたのを見た後、大広間を抜けて城のさらに奥に進んでいった。


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