機動戦士ガンダム0084 ―砲撃戦線―   作:リゼルC型

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初投稿です
といっても、Google+で私が投稿したもののコピぺなのですが・・・
稚拙な文章ですが、楽しんでいただけたら幸いです


第1話「砲撃戦線」

「大気圏突入まで10分前」

そう言って彼は軍用の栄養食を水で流し込んだ。

「まずっ・・・」という呟きは、無線には入らなかったらしい。

彼の名は「セリエズ・シュテイン」。

ジオン残党のエースパイロットの一人だが、ちょうど一年前の星の屑作戦でMSを失っている。

セリエズはコムサイのコクピットで、何とは無しに計器を眺める。

大気圏突入の手順はプログラミングしてあるため、よほどの事態が無い限り自動で突入できる。

「ザクを搭載したHLVが射出される時間だな」

そう呟くのとほぼ同時に、レーダーにHLVの反応が出る。

「ザクか・・・ま、一年戦争当時に乗ってたヅダよりかずっとマシだ」

そういいつつレーダーから目を離そうとした瞬間、レーダーに小さなノイズが走った。

「これって・・・」

ミノフスキー粒子が撒かれてる。そう直感した瞬間、一本のビームがHLVを貫いた。続けてマシンガンの弾がHLVに撃ち込まれ、彼が乗るはずだったザクⅡJ型もろとも爆発した。

「ちっくしょ・・・!」

コムサイの操縦を手動に切り替え、とっさに回避運動をする。

ギリギリのタイミングだった。

「ジオン残党狩りを目的とした組織・・・噂はマジかよ!」

回避を続けつつ、セリエズは敵機を確認していた。

「星の屑でも出会ったジムカスタムが2機と・・・不明機1か、噂じゃクゥエルとかいう機体が開発されてるらしいな・・・」

ふと、彼の背後から声が掛かった。

「セリィ、大丈夫?」

今まではオートだったため休憩していたらしい。

戦闘が始まったと見て取り操縦席に来たのだ。

「ユイ・・・そっちでサポート頼む」

ユイと呼ばれた少女は、コムサイの副操縦席に流れるように滑り込むと、状況確認を手早く行った。

「大気圏突入まで残り7分、振り切らなきゃまずいよ?突入中に被弾したら生きて帰れるわけないんだから」

「わかってる・・・」

外見こそ幼いが、優秀な軍人のユイは、それ以外のことについても思考をめぐらせていた。

「あんた、さっき言ってた『噂』をどこで聞いた?そんな情報勝手に流れてくるはずないし・・・」

「襲撃のタイミングも良すぎる・・・お互い情報が漏れてるな・・・」

「とりあえず、地上基地に生きて着いてから考えようか」

「そうだな・・・」

そう呟いて、セリエズは回避運動に集中した。

直後、ビームがコムサイをかすめる。

コムサイに衝撃が走るが、即座に右へと回避し、次弾をかわした。

しかし、MSとコムサイの機動性の違いは歴然で、距離を詰められてしまう。

コムサイは完全に包囲されてしまった。


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