といっても、Google+で私が投稿したもののコピぺなのですが・・・
稚拙な文章ですが、楽しんでいただけたら幸いです
「大気圏突入まで10分前」
そう言って彼は軍用の栄養食を水で流し込んだ。
「まずっ・・・」という呟きは、無線には入らなかったらしい。
彼の名は「セリエズ・シュテイン」。
ジオン残党のエースパイロットの一人だが、ちょうど一年前の星の屑作戦でMSを失っている。
セリエズはコムサイのコクピットで、何とは無しに計器を眺める。
大気圏突入の手順はプログラミングしてあるため、よほどの事態が無い限り自動で突入できる。
「ザクを搭載したHLVが射出される時間だな」
そう呟くのとほぼ同時に、レーダーにHLVの反応が出る。
「ザクか・・・ま、一年戦争当時に乗ってたヅダよりかずっとマシだ」
そういいつつレーダーから目を離そうとした瞬間、レーダーに小さなノイズが走った。
「これって・・・」
ミノフスキー粒子が撒かれてる。そう直感した瞬間、一本のビームがHLVを貫いた。続けてマシンガンの弾がHLVに撃ち込まれ、彼が乗るはずだったザクⅡJ型もろとも爆発した。
「ちっくしょ・・・!」
コムサイの操縦を手動に切り替え、とっさに回避運動をする。
ギリギリのタイミングだった。
「ジオン残党狩りを目的とした組織・・・噂はマジかよ!」
回避を続けつつ、セリエズは敵機を確認していた。
「星の屑でも出会ったジムカスタムが2機と・・・不明機1か、噂じゃクゥエルとかいう機体が開発されてるらしいな・・・」
ふと、彼の背後から声が掛かった。
「セリィ、大丈夫?」
今まではオートだったため休憩していたらしい。
戦闘が始まったと見て取り操縦席に来たのだ。
「ユイ・・・そっちでサポート頼む」
ユイと呼ばれた少女は、コムサイの副操縦席に流れるように滑り込むと、状況確認を手早く行った。
「大気圏突入まで残り7分、振り切らなきゃまずいよ?突入中に被弾したら生きて帰れるわけないんだから」
「わかってる・・・」
外見こそ幼いが、優秀な軍人のユイは、それ以外のことについても思考をめぐらせていた。
「あんた、さっき言ってた『噂』をどこで聞いた?そんな情報勝手に流れてくるはずないし・・・」
「襲撃のタイミングも良すぎる・・・お互い情報が漏れてるな・・・」
「とりあえず、地上基地に生きて着いてから考えようか」
「そうだな・・・」
そう呟いて、セリエズは回避運動に集中した。
直後、ビームがコムサイをかすめる。
コムサイに衝撃が走るが、即座に右へと回避し、次弾をかわした。
しかし、MSとコムサイの機動性の違いは歴然で、距離を詰められてしまう。
コムサイは完全に包囲されてしまった。