そうして私と彼の高校生活は…   作:桜チップス

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私は昔からよく人に合わせて行動していた。

友人といるときはあまり自分の話はせず、相槌をうつだけだったり、大して面白くもない内容に周りが笑っているものだから、無理に笑ってみせたりした。

だからといって、別に友人といることが楽しくないわけではない。

楽しいと感じる会話は普通に笑ったりもするし、休日は誘われれば遊びに行ったりもする。

ただ、あまり自分の事について話したいとも思わないし知ってほしいとも思わないだけ。質問されれば適当にはぐらかして終わりである。

そして私が1番苦手な会話。それは…ほら、今日も始まった。

 

「ねえねえ、こないだC組の斎藤くんがD組の美咲ちゃんに告ったみたいだよ!」

「マジで⁉︎斎藤くんカッコイイから結構狙ってる子多かったよねー」

「てか美咲ちゃんってかわいいけど性格悪いって有名なのにね」

「ちょっとショックー」

「で、で、どうだったの?」

「それがさー……」

 

…毎日毎日、よく飽きないものである。

中学の頃から徐々に増えてきた俗に言う恋バナ。

誰が誰に告白しただの、誰と誰が付き合っただの、正直どうでもいい事ではないか。

自分が直接関わっている訳でもない恋愛事によくもまぁ熱くなれるものだといつも思う。

私は恋愛をした事が無いため、理解できずに冷めた目で見てしまっているのではないかと思ったが、友人が話している事を聞いていると正直ただ面倒くさいだけなのではないか、と高校生らしからぬ事をボーッと考えてみる。

 

「ねぇ、優希ちゃんはどう思う?」

 

クラスメイトから突然の質問。

もちろん話を聞いてなかった私はついていく事ができない。

 

「えっとー…ごめん、ボーッとしてた。」

 

一応申し訳ないフリをして謝った。

 

「優希ちゃんってたまーにこんな感じになっちゃうことあるよねー」

「でもそういうとこがちょっと天然ぽくてかわいいかも」

「しかも見た目が超キレイだからそのギャップの破壊力が半端ないし」

「さすがは入学してまだ2ヶ月なのに告白二桁越えの最強美少女!」

「いーなー、誰か紹介してよ〜」

 

などと口々に言っているが、実際のところただでさえ恋愛に興味がない私が入学してすでに何人もの男子に告白されている。

男子は私のここが好きだあれが好きだの、適当に言っているとしか思えない告白をぶつけてくるが、当然私はそれらを全てはねのけてきた。

なかには一度も会話したことのない人まで告白してきたときには、さすがに少し腹がたった。

更に中学の頃はこの手の話でイザコザがあったせいか、私は余計に恋愛事に無関心になっていった。

むしろ最近では嫌悪感すら抱くようになった。

私は彼女らの話に苦笑いで適当に誤魔化す。

 

「みんな席につけー」

 

担任の先生が教室に入ってきたため、なんとかこの話を打ち切る事ができた。

正直助かった…

先生は朝の連絡事項をみんなに伝えた後、一度教室のドアを横目で見て、こちらに向き直った。

 

「入学式の日に事故にあって入院してた比企谷が退院し今日から学校に来れるようになった。分からないことが多々あると思うから、みんなでサポートしてやってくれな」

 

先生の言葉に教室は瞬く間にざわめき出した。

そういえば、入学式の日から席が一つ空いていると思ってたけど、事故だったんだ。

全く知らなかった…

というか、多分聞いていたけど私が忘れいただけだろう。

みんな知ってたみたいだし。

何気に私ひどいな…

 

「比企谷ー!入って自己紹介しろー!」

 

先生が廊下に声をかけると彼、比企谷と呼ばれた生徒は入ってきた。

 

 

それが私、夕舞優希と比企谷八幡との出会いであった。

 

 

 




初めてなので至らぬ点は多々あると思いますがよろしくお願いします。
最初なので少なめです。
次回はこの倍以上書いていきたいと思いますのでよろしくです。

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