東方家族録   作:さまりと

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第55話【1日目の終わり】

「ただいま~」

 

太陽が完全に沈み、薄気味悪い薄暗さが感じられる頃に霊夢は帰ってきた。その表情と姿勢からは疲れと今日の成果がなんとなく読み取れる

 

「おかえり霊夢。ご飯にする?お風呂にする?それとも寝る?」

「ご飯にするわ」

「…おk。じゃあすぐ準備するからちょっと待っててくれ」

 

 

~~~~準備中~~~~

 

 

「「いただきます」」

「なにか収穫あったか?」

「全然よ。手当たり次第に探したけど全部検討外れ」

「ははは…。」

(そりゃあ元凶はここにいるし……)

「ングッングッ、プハー♪」

「そっちはどうだったの?誰か来た?」

「来たぞ。魔理沙と妖夢とゆかりんと藍が。そんで皆で昼飯食った。霊夢は今日、誰の所に行ってたんだ?」

「まずは人里の慧音と妹紅、それとジン達にも聞いたわ。次はアリスのところ。それで最後は冥界よ。誰もなにも知らないなんておかしいと思わない?」

「そういうこともあるさ」

「そういえば来た奴らはなにか情報持ってた?」

「誰も。…いや、ゆかりんは知ってたな」

「紫が?やっぱりあいつが一番怪しいわね。」

「酷い扱いだな。それで?明日はどうするんだ?」

「紅魔館にいこうと思ってるわ。レミリアや咲夜ならなにか知ってるかもしれないし……もしかしたらあいつらの仕業かもしれないし」

「ま、今回俺は何もしないつもりだから頑張ってくれ」

「貴方が協力してくれればもっと楽だろうに」

「はは、みんなにも言われたよ」

 

 

「「ごちそうさまでした」」

 

 

「片付けはしとくから先に風呂入ってこいよ。疲れてるだろ?」

「それじゃあお言葉にあまえて」

 

疲れたようすで霊夢は風呂に向かった。それを見送り信は食器をまとめ、台所へと持っていった

 

「萃香、本当に何で見えないんだ?」

「今の私は境界を操れる紫以外には見えないはずなんだよ」

「成る程な。だから俺にも見えるのか」

「どゆこと?」

「前に俺はゆかりんの能力を使って境界を弄ったことがあるんだよ。多分その影響じゃないか?」

「紫のっ!?」

「そういえば言ってなかったな。俺の能力は『共有する程度の能力』。やろうと思えば鬼にでもなれたりするぞ」

「何だかずるくさい能力だね」

「だな。でも基本的に弾幕ごっことかには使わないからな。もちろん萃香とやったときも使ってないぞ」

「うへー。あれでまだ全力じゃないのか」

「ドヤァッ………誰か来たみたいだな」

 

萃香がキョトンとしているがそれを気にせず信は玄関へと向かった

 

「訪問するならもうちょっと早い方が色々ありがたいんだけどな、レミリア」

 

レミリアはコウモリのような翼をひろげ、夜をやさしく照らす月を背負いながら信に面と向かっていた。月明かりが彼女の銀髪を美しく光らせているのもあり、その姿はまさにカリスマそのものであった

「私たち吸血鬼は太陽が天敵。夜に活動するのが道理じゃないかしら」

「……それもそうだな。それで?レミリアは何しに来たんだ?」

「情報収集よ。今回の異変のね」

「今回はレミリアも異変解決に協力するのか?それまたどうして……」

「今回の異変は気にくわないのよ。夜の王であるこの私が誰かの手の上で踊らされているようでね」

「そうか。悪いけど霊夢は今風呂なんだ。それに疲れてるみたいだしまた今度にしてくれないか?霊夢も明日紅魔館に行くみたいだし」

「あら、私は貴方に用があってきたのだけど」

「俺にか?」

「あの魔理沙が昼間に紅魔館に来て言ってたらしいのよ。あなたが今回の異変の元凶を知っていると」

「うん。知ってるよ」

「教えてくれないかしら?」

「それは無理な話だ。今回俺は傍観者でいるつもりなんだ。異変解決に直接関係することは出来るだけしない」

「そう。……なら仕方ないわね。あなたにはフランの時の恩があるから痛い目に会わせたく無かったのだけど」

「痛い目見るのはそっちかもしれんぞ?」

「私が勝ったら貴方の持ってる情報を貰うわ」

「俺が勝ったら明日のレミリアの夕飯のデザート貰うからな」

「えっ!?そ、それは……」

「なんだ?自信ないのか?」

「そんなこと無いわよっ!でも明日は……。いいわ、絶対に負けないから」

「絶対にデザート貰ってやる」

「あげないわよっ!」

 

夜の王と長髪の武道家。月明かりに照らされた2人のプリンをかけた戦い火蓋が切って落とされた

 

 

 

 

 

 

 

 




第3戦目はレミリアとなりました
一体プリンはどちらの手に!?
プリンの運命や如何に!?

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