東方家族録   作:さまりと

45 / 69
第41話【始まらない】

霊夢「あれみたいね。」

 

異変を解決するため出発した4人は霊夢の勘を頼りに空にあるという結界を探していた。(文は置いてきた。)その結界は結構簡単に見つかったのだが...

 

信「誰かいるぞ?なんか楽器持ってるけど。」

?「人間?なんでこんなところに。」

咲夜「それはあなたたちもでしょう。」

ル「それもそう。ではまず自己紹介、私はルナサ・プリズムリバー。」

メ「その妹のメルラン・プリズムリバー。」

リ「更にその妹のリリカ・プリズムリバー。」

信「俺は明渡 信。それからこっちが巫女の霊夢、魔法使いの魔理沙、メイドの咲夜だ。お前さんたちはなんでこんなところに?」

リ「私たちは3姉妹で音楽隊をやってるんだよ。」

メ「春は花見で宴会が定番よね。」

ル「だから私たちの演奏を披露しようとした。けど...」

信「春が来なくて花見もないと」

ル「その時春を集めてる人がここに入っていくのを見た。」

咲夜「春を...集める?」

メ「そう。でも結界があるからは入れなかったのよね。」

魔理沙「そこに私たちが来たのぜ?」

リ「そういうこと。」

信「じゃあここが冥界への入り口ってことで間違いないみたいだな。結界あるし、どうやって入ろうか。」

・・・・・・・・・・・・

 

霊夢「破る。」

魔理沙「越える。」

咲夜「くぐる。」

信「壊す。」

霊夢「2対1対1で決定ね。」

咲夜「でも結界を破ったりなんかしたら気付かれるんじゃない?」

信「気付かれても気付かれなくてもあんまり変わんないだろ」

咲夜「どうして?」

信「春を集めたやつはここに入って行った。それなのにまだ何も起きてないっって事は多分集めなきゃいけない春が足りないんだろ。だったら全員で突撃してササッと解決するのがいいってわけ」

魔理沙「なるほど。」

咲夜「そういうことなら異論はないわ。」

霊夢「じゃあ破るわよ。」

 

そういって霊夢はいとも簡単に結界を破った。

 

信「俺もやりたかった...。」

霊夢「はいはい。早く終わらせましょう。」

信「うい。またな、3姉妹。これ終わったら演奏聞かせてくれよ。」

3姉妹「喜んで。」

 

プリズムリバー3姉妹と別れ、破った結界の中へと進んでいった。

 

 

 

 

信「ここが冥界か。なんかあったかいな。」

霊夢「幻想郷の春を集めてるからでしょ。」

魔理沙「だから桜もこんなに咲いてるのか。」

 

冥界のそこらには沢山の桜が生えており、そのどれもが満開になっていた。

 

信「どうする?なんならここで花見するか?」

咲夜「それもいいわね。」

?「どうして人間がここに?」

 

声が聞こえた瞬間、4人は即座に自分の武器を取り出して戦闘体制に入る。

声の主は真っ白の髪に黒い大きなリボンをつけた少女だった。あまりにも大きな刀とそれより小さい刀を携えている。

 

信「ちょっと異変を解決しにな。」

?「なるほど。では斬らせていただきます!」

信「『武刃』〈秋水〉!」

 

離れていた少女から放たれたのは斬撃。それを信は即座に斬り落とす。

刀の振るい方から相当の実力をもつのだと信は察知する。

 

信「いきなり斬ろうとするなんてマナーがなってないんじゃないか?」

?「幽々子様に来たものは斬れと言われたもので。」

信「なあ、ここは俺に任せてくれないか?」

魔理沙「なにいってるんだ信、私もやりたいんだぜ。」

信「他にやりたいやつは?」

咲夜「・・・・・。」

霊夢「・・・・・。」

 

2人が沈黙してこれを拒否した。

 

信&魔理沙「...じゃんけんぽんっ!!」

信「よっしゃあ!」

魔理沙「くうう……」

 

それを確認した瞬間信がパーを、魔理沙がグーを出し、誰が切り裂き魔を相手にするのかを一瞬にして決めた。

 

信「決まりだな。それじゃあここは俺に任せてもらおう。3人は先に行ってくれ。」

霊夢「はあ。ちゃんと追い付きなさいよ?」

魔理沙「絶対負けるんじゃないぞ!」

信「ああ、分かってるって。」

?「行かせませんっ!」

 

勿論そのまま魔理沙達を通してくれる程彼女は甘くない。迎撃しようと腰の長刀に手をかけてまたあの斬撃を飛ばそうとしていた。

 

信「『束縛』〈黒棺〉」

 

霊夢たちに向かって弾幕を放とうとした少女をスペカで閉じ込める。

 

信「ボスは任せたぞ。」

 

先に行った2人を見送って黒棺を解除する。

 

?「してやられました。」

信「悪く思うなよ?これが1番効率がいいからな。」

咲夜「確かに元凶を早く倒した方がいいわね。」

信「そうそう。...なんでまだいるの?」

咲夜「ダメだったかしら?」

信「駄目ってことはないけど...俺のこと信用してない?」

咲夜「万が一のためよ。もしかしたら彼女以外にも別の戦力が来るかも知れないでしょ?」

信「それもそうか。」

?「もういいですか。」

信「ああ悪い悪い。...名は?」

妖夢「白玉楼剣術指南役兼庭師、魂魄 妖夢。あなたは?」

信「明渡家14人兄弟長男、明渡 信。さあ、始めよう。」

妖夢「2人ともここは通しません。妖怪が鍛えたこの楼観剣に斬れぬものなど、あんまり無い!」

信「この異変っ、解決させてもらうっ!」

 

2人の剣士が名乗りをあげ、互いの思いをかけた戦いが今、始まらなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

信&妖夢&咲夜「え?」

 

始まらなかった。




やらせねぇ!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。