信「こーりん、遊びに来たぞ。」
霖「やあ信、珍しいね。」
時は流れて現在は12月。すでに雪が降り積もりまくっている。
信「しばらくこっちに来られなくなるからみんなに挨拶して回ってるんだよ。」
これから本格的に真と愛の受験勉強を見るためしばらく幻想郷には来られないのだ。他にも年末年始の準備や親戚に挨拶やらなにやらでとても忙しくなる。
霖「他のみんなにはもう話したのかい?」
信「こーりんで最後さ。さっき紅魔館のみんなに話したらフランに行かないでって背骨折られかけたよ。」
霖「吸血鬼の妹にか。そりゃあ大変だったね。」
信「本当だよ。そんなわけだから最後にここでなんか買っていこうと思ってな。」
霖「本当かい?それなら大歓迎さ。ぼくのお気に入りは売れないが好きなものを買ってくれ。」
店の中に入ってみると相変わらず散らかっている。商品が商品の影にかくれてどこに何があるのかわかりずらい。
(やっぱり買うの止めようかな...。)
フェリーチェ『信っ!!あの刀!』
そんなことを思っていると突然フェリーチェにあるものを指名された。
信『あの刀がどうしたんだ?』
フェリーチェ『いいから手に取ってみて!!』
信「こーりん、この刀は?」
霖「それは少し前に魔理沙が拾ってきたんだよ。不思議な力を感じるんだけど錆びてるのか全く抜けなくてね。それにかなり古いものみたいだし。結局なんなのか分からないんだ。」
信「これもらってもいいか?」
霖「構わないけど。」
信「いくらだ?」
霖「まあ、これくらいかな。」
信「安っ!」
霖「僕にとって全く意味のない代物だったからね。」
信「(ゴソゴソ)はい。」
霖「まいど。」
フェリーチェ『信っ!早く早く!』
信『そんなに慌てるなって。』
代金を支払い刀を手に取ってみる。他に比べて少し思いくらいだ。
フェリーチェ『抜いてみて。』
信『ふんっ...。抜けないぞ?』
力を込めて抜こうとしてみるがびくともしない。やはり錆びているようだ。
フェリーチェ『魔力と妖力を流し込みながら抜いてみて。』
信『?』
言われたままにやってみる。
ジャリジャリシャキンッ!
少し不快な音をたてながら刀が抜けた。
霖「おお。」
信「本当に抜けた...。」
信『でもこれが何かあるのか?』
フェリーチェ『やっぱり...。』
信『ん?』
フェリーチェ『やっぱり君だったんだね。ノーム。』
『...むぅ?』
信『ノーム?...ノームッ!?』
魔鬼『また新しい奴が入ってきたが、こいつがノームってのか?ノームってのは一体何者だ?』
信『フェリーチェと同じ四大精霊の1人だよ!』
共『なんでまたここに。』
ノーム『やーフェリーチェ。久しぶりだね~。』
フェリーチェ『300年ぶりだよノーム。全然変わってないね。』
ノーム『こっちの人たちは~?』
フェリーチェ『こっちが明渡 共。でこっちが明渡 魔鬼。それで彼が明渡 信だ。』
ノーム『共、魔鬼、信ね。よろしく~。』
信『よろしくな。ところでノーム、この刀って鍛え直すことはできないのか?』
ノーム『む?』
信『結構な業物みたいだから出来れば使ってみたいと思ってな。ノームって鍛冶が得意なんだろ?』
ノーム『せめて旦那が居ないと無理だな~。元々その刀は旦那の炎とディーネの水を使ってボクが打ったものだし。』
信『そうか。少し残念だな。』
ノーム『そういえば信、なにか変わったことない?』
信『? 別になにもないぞ。』
ノーム『ならいーや~。それじゃあおやすみ~。僕はまた眠らせてもらうよ。』
スピー スピー
信『本当に寝ちゃったな。精霊も寝る必要があるのか?』
フェリーチェ『そこまで重要じゃないんだけどノームは寝ること自体を気に入ってるんだよね。それとノームはノームを自分の名前として気に入ってるから。』
信『なんだと...。』
共『やっぱりつける気だったのか。』
霖「信、大丈夫かい?」
信「あ、ああ大丈夫。じゃあこれはもらっていくな。」
霖「うん。」
信「また来年。いいお年を。」
霖「いいお年を。」
軽い挨拶を済ませ、香霖堂を後にする。
信『しっかしノームまであそこにいるとは...。』
共『そういえばフェリーチェがいたのも香霖堂だったな。』
信『そのうちサラマンダーとウンディーネも香霖堂にくるんじゃないか。』
魔鬼『4大精霊ってのはそんなに適当なもんなのか?』
フェリーチェ『旦那とディーネがしっかり者だからそういうことはないと思うけど。』
信『本当かな?』
ちょっとした驚きと疑問を残しつつ、今年最後の幻想郷を後にした。
今回ちょっと雑になっちゃいました。そしてあと1話挟んでついにはあの異変が始まります。
まあその前にオリキャラ2人も出すんですけどねw