遊戯王GX+   作:sura

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真二side
廊下

ふぅ...何とか終わったな...それにしても緊張した〜!

ざわ...ざわ...

『何やら騒がしいですね、マスター!』

そりゃシンクロ召喚なんてあんなショーをすればみんな騒つくだろうよ

「あっ!真二だー!おーい!」

あれ?レイちゃん?もう試験なのかな?

「レイちゃ...じゃなかった、レイ!もう出番なのか?」

「うん!」

「そっか、頑張れよ!」

そう言い真二は手を挙げた

「もちろん!」

パシンッ!

真二とレイはハイタッチをした。

「それじゃ、観客席で見てるからな!」

『...マスター、何処からか殺気じみた視線を感じます。』

殺気じみた視線?なにそれ?

そう思い廊下を歩いて行くと1人の男子生徒が立っていた。

「...拓磨」

「真二、さっきのデュエル見せてもらった...それでお前に一つ聞きたい」

「な、何だよ...急に改まったりして」

まさかシンクロ召喚について詳しく説明しろとか言うんじゃないだろうな

「お前、バスター・ブレイダーはどうした?」

な、何だ...そっちのことか

「バスター・ブレイダーならここにあるぜ?」

「...なら何故そのデッキを使わなかった!それは俺たちと遊戯さんの絆のデッキだろ!」

「遊戯さんとの...絆?」

「あぁそうだ!それに何でペガサスさんに!」

まぁ、当然の質問だよな...どうしたら良いんだこれ?どう説明したら良いんだよ?

「あ〜えっとな、何ていうか...家庭の事情?」

「ちっ!もう良い...デュエルアカデミアでは覚悟してろよ」

そう言い拓磨は去って行った

『なんか変でしたね、さっきの拓磨さん』

確かに、昨日会った時よりも何ていうか俺への睨み方が違う感じがする...気のせいなのかもしれないけど

「あいつ、何があったんだ?」

『良くは分からないです、でも』

「でも?」

『...いいえ、多分私の勘違いです!気にしないでください!』

それはそれで気になるんだが...でも幽鬼がこんな顔をするんだから掘り下げるのは止めておくか、藍も待たせてることだし


TURNー3 〜亀裂〜

観戦席

それにしてもみんなの視線が気になる...

 

「どうしたの〜?」

 

「みんなの視線がな...」

 

『受験番号40番〜109番の人はデュエルフィールドに集合ください。』

 

「あっ!私だ〜!行ってくるね!」

 

「おう、頑張れよ!藍!」

 

そう言うと藍は親指をグッドポーズをとって応えた。

 

大丈夫かな?すげぇ不安なんだが

 

「やぁ、見たよ、君のシンクロ召喚っていう召喚方」

 

後ろを振り向くとそこには1人の男子受験者が立っていた。

 

この人、いつの間に俺の背後を!?まさか気配を消して来たっていうのか?

 

「おっと、自己紹介が遅れたな、俺の名前は三沢 大地(みさわ だいち)だ、よろしく」

 

「よろしくな、三沢...俺の名前は」

 

「言わなくてもわかるよ、少なくともここに居る人達は全員君の名前は知ってるさ」

 

まぁ、それもそうだよな...にしてもこの人俺の背後に立ってまで声をかけるなんて...カード窃盗犯か?

 

「それで...なに?シンクロモンスターを奪いにきた?」

 

「なっ!?そんな事ないぞ!ただ見せてもらおうと思っただけさ」

 

この表情を見る限り嘘はついてなさそうだな。

 

「冗談だよ、はい」

 

「...ありがとう」

 

何だよ今の間は

 

「へぇ〜お前面白いカード持ってるな!」

 

また変なのが増えた...

 

「えっと、君は?」

 

「俺は遊城 十代(ゆうき じゅうだい)、十代でいいぜ!えっと、お前は誰だ?」

 

本当に変な奴だな...まぁ良いや...って

 

「えっ!?俺を知らないのか!?」

 

「あぁ!今来たからな!」

 

そうか、今来たのなら仕方ないな。ってそうじゃなくて!

 

「お前今来たのか!?受験番号は?」

 

「えっと111番だけど?」

 

「ってそれ遅刻じゃん!もうその番号は終わったぞ?」

 

「え!?マジかよ!?」

 

「なぁ、三沢...」

 

ってこいつ人の話聞かないタイプの人間か?全く俺の話を聞いてない!

 

「まぁ、先生に掛け合えば何とかなるかもしれないから行ってみろよ」

 

「あぁ!そうする!ありがとな!」

 

そう言うと十代は廊下を全力で走って行った。

 

それにしても何でだ...シンクロ召喚をしてから体が少しダルイ、疲れたのかな?

 

「お〜い!三沢、そろそろ返してくれるか?友人のデュエルを観戦したいんだが?」

 

真二は三沢の耳元で大きく叫んだ。

 

「っ!?...見せてくれてありがとう、参考になったよ」

 

何の参考だよ

 

さて、藍はどんな動きするかな?

 

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藍side

はぅ〜どうしよう...これ凄くキンチョーするよ〜!

 

「えっと、君...大丈夫?」

 

「は、はい!わたた...私大丈夫デス!」

 

「そうか、それなら始めよう」

 

「「デュエル!」」

 

「私の先攻、ドロー!」

 

藍 LP 4000

手札 5→6枚

 

よかった〜手札にヴァルハラある!

 

「私は神の居城ーヴァルハラを発動!」

 

神の居城ーヴァルハラ

永続魔法

 

「ヴァルハラの効果により自分フィールドにモンスターが存在しない時手札の天使族モンスターを1体特殊召喚します!私は光神テテュスを特殊召喚!」

 

<光神テテュス>

Level 5 天使族 光

ATK 2400/DEF 1800

 

「さらに私はモンスターをセットして、更に3枚カードをセットしてタ〜ンエンド!」

 

藍 LP 4000

手札 0枚

フィールド

光神テテュス (ATK 2400)

伏せモンスター (DEF???)

魔法・罠

神の居城ーヴァルハラ (永続魔法)

伏せ 3枚

 

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真二side

藍、すごい緊張してるな...まぁあの動きじゃ心配は要らないだろうけど

 

「真二!」

 

「レイちゃ...レイ、おかえりどうだった?」

 

「どうだったって...見てなかったの!?」

 

「まぁ、色々あってね」

 

主に遅刻者の十代とか拓磨の所為で...あれ?そう言えばもう1人誰かいたような、気のせいか?

 

「ふ〜ん...ねぇ、真二...藍ちゃん緊張してる?」

 

「多分な...でも大丈夫だろ」

 

「なんでそんなこと言えるの?」

 

「うーん...何ていうか、勘...かな?藍とは長い付き合いだから何となくだけど大丈夫だろ!みたいな信頼感はあるよ」

 

つっても流石に緊張し過ぎだとは思うんだがな。

 

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数時間後

海馬ランド

「う〜、何で私...いや、何でもない何でもない!勝ったんだからそれで良いじゃん!そうよ私!」

 

何故こうなっているのか、それを説明しよう。結論から言うと藍は”圧勝”だった。そう、圧勝だったのだ。

 

「珍しく回り過ぎたんだよ」

 

「そうだけどさ〜」

 

藍がこんなに凹んでいるのは圧勝過ぎて寧ろ惹かれた、と言えば良いのだろうか...只でさえ女子に免疫のない藍はその強さが故に彼女を慕う女子たちが集まったのだ。

 

「せめてモテるなら女子じゃなくて男子が良かったよ〜!」

 

「まぁ、全員が全員慕ってた訳じゃないから良いだろ?」

 

「へ?そうなの?」

 

気付いてなかったのか...

 

「あぁ、1人だけお前を睨んでた奴が居たぞ?」

 

「ひっ!私...また虐められるの?」

 

藍はこの性格や口調で女子からはぶりっ子のように見えた為、小学生の後半頃虐められていた。まぁ、学校が一緒だった俺や、拓磨は止めはしたんだが、それ以降藍は女子が少し苦手なのである。

 

「それはないよ、あの人の目は嫌ってると言うよりはライバルを見るような目だったから安心しろよ、それに...」

 

「それに?」

 

「虐められても、俺と拓磨が付いてるんだからさ!」

 

「なんか真二のくせに生意気だよ!」

 

何だよそれ

 

「なんか、頼りになりすぎる〜みたいな?」

 

「でもその分析力ってことはやっぱり真二って胸のでかい人見るんだ!」

 

「はぁ!?」

 

「どういう事?レイちゃん?」

 

「その人見てる時真二ずっと胸ばかりみてたような気がしてさ!」

 

「そんな訳ないだろ!偶々だよ!偶々!」

 

全く...何を言い出すかと思ったら変な事言いやがって!

 

「...はぁ〜」

 

「あ!真二が藍ちゃんを泣かした!」

 

「元を返せばレイの所為だろうが!」

 

「どうせ私は胸が無いですよ!中3にもなってバスト70ですよ〜だ!」

 

「大丈夫だから、貧乳はステータスだろ!きっと需要あるから気にするなって!」

 

「真二、それフォローになってない」

 

『そうですよマスター!藍さん、大丈夫!私だって無いなりに頑張ってるんだから!』

 

幽鬼、それ俺と言ってる事あまり変わらんぞ、それにお前は俺にしか見えてないんだから無意味だぞ

 

「大丈夫だよ藍ちゃん!これからが成長期だって!」

 

「...本当?」

 

「だって高校生だよ!そうに決まってるって!...ねっ!真二!」

 

ギロッ

 

「そ、そうかもな!ほら、さっさと帰るぞ」

 

怖え!怖えぇよ!レイちゃんのあの目つき!

 

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それから3日後

『マスター、今日ですよね?』

 

「あぁ!今日が合格発表だよ、幽鬼」

 

でもなんで俺だけ電話で合格発表なんだろ?みんなは通知の封筒が届くのに

 

『ドキドキしますね!』

 

「そうだな」

 

正直そこまで不安やらは無い...強いて言うならレイちゃんの合格の方が不安だな。

 

PiPiPiPiPi!!

 

きたっ!

 

「もしもし...」

 

『真二、俺だ』

 

海馬さん?どうして?

 

『貴様の試験見させてもらった、よってお前をオシリスレッドとして入学を許可する』

 

あれ?オシリスレッド?...聞き間違いかな?

 

「海馬さん、オシリスレッドって言いました?」

 

『あぁ、そう言ったが、不満か?』

 

不満といえば不満だけど、海馬さんの事だ、何か意味があるんだろうとは思う。

 

「いえ、分かりました。海馬さん直々の報告ありがとう御座います。」

 

ピッ!

 

さてと、後は藍たちの報告を待つだけか...

 

『そう言えばマスターと藍さんは家族ぐるみお付き合いなんですよね?』

 

「そうだけど?それがどうしたんだ?」

 

『いや〜マスターは藍さんの事どう思ってるのかなーって思いまして!』

 

「どうって、そりゃ藍は友達だけど?」

 

『そうじゃなくて!感情的にです!』

 

な、なんでこいつこんなに目を輝かせてるんだ?...それにしても感情的にか...考えたことなかったな

 

「まぁ、家族みたいな感じかな?兄妹みたいな感じだよってどうしたんだ?急に」

 

『何となくですよ...それじゃあレイさんは?』

 

今度はレイちゃんか...

 

「簡潔に述べるなら妹みたいな感じだよ」

 

『ふ〜ん、本当にそうですか?』

 

そう言い幽鬼は真二に顔を近づけた。

 

「な、なんだよ!///」

 

『いや、レイさんはマスターを見るとき瞳孔が開いてましたから、マスターはどう思ってるのかな〜って思いましてね』

 

瞳孔が開いてた?どういう事だ?

 

「それってどういう事だ?」

 

『秘密です!』

 

「変な奴だな...」

 

ピンポーン!

 

噂をすれば藍とレイちゃんが来たか

 

「真二〜入るよ〜!」

 

「おじゃましまーす!」

 

「どれだけ俺の家を不法進入すれば気がすむんだお前らは!俺が出るまで待てよ!」

 

「だって〜」

 

「真二の家は真二の家なわけだし!」

 

それどういう意味だよ、それにしても幽鬼はレイちゃんの瞳孔が開いてるって言ってたか?

 

「...」

 

「な、なに!?///」

 

「いや、なんでも無い」

 

そうは見えんが...まぁ、いいや

 

「で?藍たち合格したの?」

 

「「もちろん!」」

 

藍はブルー確定だけど、レイちゃんはなんだ?俺と同じなら色々と助かるんだが

 

「私はもちろんブルーで、レイちゃんはレッドだってさ!」

 

「そうか、それは好都合だな」

 

「っていうことは真二もレッドなの〜?」

 

「あぁ!って事でよろしくな、レイちゃん!」

 

まぁ、これはこれで良かった...にしても偶然って怖いな、海馬社長はレイちゃんのこと知らないわけだし

 

「でも何でレッド?筆記は1位だったよね〜?」

 

「さぁな、海馬社長の指令だよ...何の意味があるのかは分からんけどな」

 

「ふ〜ん...あっ!なるほど〜!分かった!」

 

「分かったって、何がだ?」

 

「きっと海馬さんはレイちゃんのことを知ってて「それはないぞ」えっ!?どうして〜?」

 

「俺はレイちゃんのことは誰にも言ってない、勿論俺の母さんにもな」

 

「へぇ〜、真二って以外と律儀なんだね!」

 

「別に律儀でもなんでもねぇよ」

 

そもそもそんな大事なこと人に言えないし

 

「それで、栞は見た?」

 

「栞?そんなのあったか?」

 

ってかそもそも、そんなのどこにあるんだ?

 

「あっ!そうだよ、藍ちゃん!真二は海馬さんから合格を言われたんだから知るはずがないよ!」

 

「それもそうだね〜、はい!これ栞!」

 

そう言うと封の中から一冊の冊子を渡した。

 

なるほど合格通知と一緒に贈られたわけね。

 

「え〜っと、合格発表の1週間後入学式を行います。場所はデュエルアカデミア...到着手段は、船かヘリ!?」

 

嘘だろ...俺乗り物に弱いのに...確かに孤島だとは聞いてたけど、もっと移動手段はなかったのだろうか...飛行機とかジェット機とかさ

 

「ってことだから、それとここも見たほうがいいよ〜!」

 

コースの規定か簡潔にまとめると

 

「・オシリスレッド...編入試験の成績が悪く合格ラインギリギリの者が入るコース

 

・ラーイエロー...編入試験の成績上位者とデュエルアカデミア中等部の卒業生が入るコース

 

・オベリスクブルー...デュエルアカデミア中等部の成績優秀者と女子生徒のみを集めたコース

 

これが初期クラスの基準であり、これらは学園生活での成績の良し悪しで変動する。っと」

 

「こんなところか」

 

「「...」」

 

藍とレイちゃんがポカーンとしてる。

 

「ど、どうした!?」

 

「真二って〜説明口調になるとなんか〜説明書っぽい!」

 

「いや、知らねえよ!」

 

『確かにマスターの説明力は凄いですね!』

 

そう言われると悪い気はしないけどよ

 

「それじゃ真二!私達これから買い物だから〜!」

 

「買い物?」

 

「アカデミアで使う生活必需品だよ!パジャマとか〜色々!」

 

生活必需品か、俺も買っておくか

 

「なぁ、その買い物俺も行っていいか?」

 

「な///何言ってんのよ!///」

 

俺なんかマズイことでも言ったか?

 

『マスター、藍さんたちは女の子なんですよ、少しは察しましょうよ』

 

「真二のエッチ!変態!」

 

「そんなに言うことないだろうが!」

 

何が起こってるんだよ、説明してくれ幽鬼

 

『簡潔に言うなら下着ですよ』

 

って、何だそのことかよ

 

「下着くらい何だよ!藍のとか見飽きてるからいいだろ!」

 

「そういう問題じゃないよ〜!」

 

「見飽きてる?」


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