遊戯王GX+   作:sura

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ヤミの襲来から五日後、真二とレイは藍のチャリティーコンサートに来て居た。

それにしてもやっぱり藍の演奏は上手いよな、プロでも通用するんじゃないか?...まぁ、素人目に見てだけど。

「本日は私のコンサートへお越しいただきありがとうございました!本日行われたコンサートの売り上げの一部は被災した都市への支援金として贈られます、本日は本当にありがとうございました!」

藍は一礼をすると観客からは拍手が上がった。

さてと、とりあえずこの後藍のところ行くか、レイちゃんも会いたいだろうし


TURNー19 〜恋せよ!?乙女〜

拓磨side

藍の演奏、話には聞いてたが才能あるんじゃないのか?

 

「藍お姉様ヴァイオリンの腕前まであるなんて流石ですわ」

 

「そうだな、でもなんでお前が来ようなんで思ったんだ?」

 

「だってここに真二様が居るんだもの♡」

 

「はぁ、なんでお前、よりによって真二なんだよ」

 

「何か問題でも?」

 

美咲は目が笑顔(笑ってない)で拓磨に聞いて来た

 

「い、いやなんでもない」

 

こいつ自分の事となると人の話聞かないからな

 

「俺は今から楽屋まで藍を迎えに行くんだがお前はどうする?」

 

「そうですわね、藍お姉様には挨拶をしないといけませんわね」

 

「そうか」

 

良かったよ、ここにはレイちゃんも居る...もし鉢合わせでもしたら、もう最悪だしな

 

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...なんでこうなる!

 

楽屋前の廊下へ行くと反対方向から来た真二と目が合った、その後真二は事情を察してか目をそらした

 

「真二様ーーーー!」

 

真二を発見すると瞬時に美咲は真二の方へ走って行った

 

「ミサキ待っ!」

 

拓磨の行動は一足遅くミサキの腕を掴むことができなかった

 

「うわっ!?」

 

美咲は飛びつくと真二は押し倒された!

 

「真二様♡会いたかったですわ!」

 

「えっ!?な、何これ!?」

 

突然の出来事にレイはあたふたしている。

 

「美咲!?なんでお前がここに!?」

 

「はぁ、美咲、気が済んだか?そろそろ離れろ」

 

拓磨は美咲のところへ行き無理やり引き離した。

 

「た、拓磨?」

 

「悪かったな真二、美咲(こいつ)が藍のコンサートならどうしてもってうるさくてな、レイちゃんも驚かせて悪かったな」

 

「う、ううん、大丈夫だけど...この人どこかで」

 

「急に飛び付いてくんな!拓磨も拓磨で美咲を抑えとけよ!」

 

「だから悪かったと言っている」

 

「あっ!試験の時、藍ちゃんの相手してた人!?」

 

そういえばレイちゃんは試験の時は在学してたんだったな

 

「あれ?この子は...?真二様の妹さんですか?」

 

「んなわけあるかぁ!」

 

美咲は美咲でレイちゃんが制裁デュエルの時の奴だとは気づいてないのか

 

「ぼ、ボクは真二の...その///」

 

「ん?どうしたんだ?レイちゃん?頰を赤らめたりして」

 

『はぁ、どんだけ鈍感なんですか、この人』

 

幽鬼、それはもう仕方ないと思う

 

拓磨は内心そう思った。

 

「あれ?みんな何してるの?」

 

楽屋のドアが開き、藍が顔を出しそう言った。

 

「藍お姉様!」

 

「み、美咲ちゃん!?...とりあえずみんな中に入りなよ〜!」

 

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楽屋の中は結構広く、5人いても十分な広さがあった。

 

「お久しぶりです!藍お姉様♪」

 

「ひ、久しぶりだね美咲ちゃん...」

 

やっぱりまだ美咲のことは苦手なんだな

 

PiPiPiPi!!!

 

「おっと、悪い」

 

そう言い真二は楽屋を出た。

 

「なんだろ?」

 

「こんな時間だ、おばさんからじゃないのか?」

 

「藍お姉様、この子はどちら様ですの?」

 

「そっか、美咲ちゃんはレイちゃんと面識なかったね、この子は早乙女 レイちゃん!私たちの幼馴染だよ〜」

 

「そうでしたのね、私の名前は遊蔵 美咲、拓磨の従兄妹ですわ!」

 

「よ、よろしく...なんで真二のことを真二様って呼ぶの?」

 

レイのその言葉を聞くと藍と拓磨は"ハッ!"とした表情でレイを見た

 

じ、地雷踏んだ!?

 

「あ、えーっとそれはな」

 

「真二様は私のフィアンセですわ♡」

 

「っ!?」

 

「「違うから(だろ)!」」

 

拓磨と藍のツッコミを聞きレイはホッとした表情を見せた。レイのホッとした表情から美咲は何かを察した。

 

「フィ、フィアンセというのは冗談として真二様とキスしたのは事実ですわ!」

 

「いや、あれは人工呼吸だから〜!」

 

「ふ、ふーん!ボクだって真二と一緒にお風呂に入ったもん!」

 

「レイちゃん、それはただの不可抗力だぞ」

 

「なら私はえっと、その...そう!下着見られましたわ!」

 

「だからそれは救命の途中の過程でしょ〜!」

 

というかレイちゃんは小学生だからともかくとして美咲は小学生相手に張り合おうとするなよ

 

「ごめんごめん、親が...ってどうしたんだ!?お前ら」

 

真二が部屋に戻ってくるなり美咲とレイが真二の腕に抱きついてきた。

 

「「真二(様)はボク(私)の方が好きだよ(ですわよ)ね!」」

 

「...はぁ!?なんの話!?俺は両方とも(友人として)好きだけど」

 

「「お前(真二)は話しをややこしくするな(しないで〜)!」」

 

藍と拓磨がツッコミを入れると真二は酷く動揺した。

 

「こうなったらデュエルで決着をつけましょう?」

 

「良いよ!これで勝った方が、その.....るで良いんだよね///!」

 

「構いませんわよ!」

 

「ちょっと待て!ここでするならテーブルでしろよ!迷惑だ」

 

「「は、はーい」」

 

そう拓磨から言われて2人はデッキを楽屋のテーブルの上に置いた。

 

「「デュエル!!」」

 

「なぁ、これの先攻ってどう決めるんだ?」

 

「普段はじゃんけんだが...これ使うか今から俺がコイントスをする、どちらかに賭けろ」

 

「お先にどうぞ?」

 

「じゃ、じゃあボクは表!」

 

「私は裏ですわ!」

 

それを聞くと拓磨はコイントスをした

 

弾かれたコインは机の上に3回ほど弾かれ!くるくると周り裏を指した。

 

「私が先攻ですわね、私のターン、ドロー!」

 

美咲 LP 4000

手札 5→6枚

 

「私はローンファイア・ブロッサムを召喚!」

 

<ローンファイア・ブロッサム>

Level 3 植物族 炎

ATK 500/DEF 1400

 

「そしてローンファイア・ブロッサムの効果発動、このカードを生贄にしてデッキから椿姫ティタニアルを特殊召喚!」

 

<椿姫ティタニアル>

Level 8 植物族 風

ATK 2800/DEF 2600

 

「カードを2枚伏せてターンエンドですわ!」

 

美咲 LP 4000

手札 2枚

モンスター

椿姫ティタニアル(ATK 2800)

魔法・罠

伏せ2枚

 

「ボクのターン!ドロー!」

 

レイ LP 4000

手札 5→6枚

 

「ボクは魔法カード、運命の始まりを発動!」

 

<運命の始まり>

通常魔法 (オリカ)

 

「相手の場にモンスターが存在し、自分フィールドにモンスターが存在しない時、デッキから恋する乙女を特殊召喚する!」

 

<恋する乙女>

Level 2 魔法使い族 光 (アニメオリカ)

ATK 400/DEF 300

 

「カードを3枚セットしてターンエンド!」

 

レイ LP 4000

手札 2枚

モンスター

恋する乙女(ATK 400)

魔法・罠

伏せ 3枚

 

「あのモンスターは!?なるほどそういうことでしたのね」

 

何かに気づいたのか美咲は唐突にそう言い放った

 

美咲のやつやっと気づいたか

 

「私のターン!ドロー!」

 

美咲 LP 4000

手札 2→3枚

 

「私は増草剤を発動!」

 

<増草剤>

永続魔法

 

「召喚権を放棄することで墓地に存在する植物族モンスターを特殊召喚する!蘇りなさい、ローンファイア・ブロッサム!」

 

<ローンファイア・ブロッサム>

Level 3 植物族 炎

ATK 500/DEF 1400

 

「そして効果発動!このカードを生贄に捧げ現れよ!桜姫タレイア!」

 

<桜姫タレイア>

Level 8 植物族 水

ATK 2800/DEF 1200

 

「その瞬間、リバースカードオープン!舞踏会(はなみち)を発動!」

 

舞踏会(はなみち)

通常罠(オリカ)

 

「自分の場に恋する乙女が存在し、相手のモンスターが召喚・特殊召喚された時に発動できる、相手の場のモンスター全てに乙女カウンターを乗せるよ!」

 

「させませんわ!椿姫ティタニアルの効果発動!フィールドに存在する植物族モンスターを生贄に捧げ、魔法・罠・モンスター効果を無効にし、破壊しますわ!」

 

「そんな!?」

 

「私は桜姫タレイアを生贄に捧げ、舞踏会(はなみち)を無効、そして破壊!バトルですわ!椿姫ティタニアルで恋する乙女を攻撃!」

 

レイ

LP 4000→1600

 

「恋する乙女を攻撃した時、攻撃モンスターに乙女カウンターを乗せる!」

 

椿姫ティタニアル

乙女カウンター 0→1個

 

「私はこれでターンエンドですわ」

 

美咲 LP 4000

手札 2枚

モンスター

椿姫ティタニアル(ATK 2800)

魔法・罠

伏せ2枚

増草剤(対象なし)

 

「ボクのターン、ドロー!」

 

レイ LP 1600

手札 2→3枚

 

カードを引くと、レイはニヤリと笑った

 

「ボクは手札から装備魔法、キューピッド・キスを発動!」

 

<キューピッド・キス>

装備魔法(アニメオリカ)

 

「させませんわ!椿姫ティタニアルの効果発動!自身を生贄にし、効果を無効にしますわ!」

 

「これで邪魔なモンスターは消えた!」

 

「えっ!?」

 

「魔法カード死者蘇生を発動!」

 

<死者蘇生>

通常魔法

 

「な、何を使うと思ったら死者蘇生?その効果を使ったってあなたの墓地にはモンスターなんて」

 

「うん、でも美咲さんの墓地にはいる!ボクは美咲さんの墓地にいる椿姫ティタニアルを特殊召喚!」

 

<椿姫ティタニアル>

Level 8 植物族 風

ATK 2800/DEF 2600

 

「さらにハッピー・マリッジを恋する乙女に装備!」

 

<ハッピー・マリッジ>

装備魔法(アニメオリカ)

 

「ハッピー・マリッジの効果により椿姫ティタニアルの攻撃力分恋する乙女の攻撃力をアップ!」

 

恋する乙女

ATK 400→3200

 

「攻撃力3200!?」

 

「バトル!恋する乙女でプレイヤーにダイレクトアタック!届け!一途な思い!」

 

「かかりましたわね!リバースカードオープン!聖なるバリアーミラーフォースー」

 

「このチャンスは逃さないよ!リバースカードオープン!婚約指輪(ウエディング・リング)!」

 

婚約指輪(ウエディング・リング)

通常罠(オリカ)

 

「このカードはハッピー・マリッジの効果により攻撃力の上昇した恋する乙女が存在する時発動することができる!このターンのバトルフェイズに相手は魔法・罠・モンスター効果を発動できず、ダメージステップ終了時まで恋する乙女の攻撃力を倍にする!」

 

「そんなっ!」

 

恋する乙女

ATK 3200→6400

 

恋する乙女は婚約指輪をつけると巨大化した。

 

「そんなぁ!?」

 

美咲

LP 4000→0

 

ん?そういや美咲は後1枚伏せカードがあったはずだけど一体なんだったんだ?

 

そう思い拓磨は美咲の伏せていたカードを見た

 

「あー...」

 

ダメージ・ダイエット...これを婚約指輪のチェーンで使って受けるダメージを半減しても残りの椿姫ティタニアルの攻撃で負けか

 

「やったー!ボクの勝ち!」

 

「美咲を倒すなんて強くなったねレイちゃん」

 

「あ、ありがと///」

 

レイは照れながら真二に言った。

 

アレはアレでなぜ真二は気付かないんだ?

 

「ふ、ふん!拓磨、私先に帰りますわね」

 

「あっ!?あぁ、駅まで送ろうか?」

 

「私は大丈夫ですわ、それではこれで」

 

そういうと美咲は楽屋から出て行った。

 

あいつはあいつで面倒な事になったな、少し慰めに行くか

 

「はぁ、すまん、ちょっと美咲を送りに行ってくる」

 

「あぁ、なんか悪いな」

 

「いや、お前が行くと余計にややこしくなるだけだ、藍!悪いが今日は真二達と帰ってくれるか?」

 

「うん!気をつけてね!」

 

それを聞くと拓磨は美咲を走って追いかけた。

 

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あいつあんな所に

 

コンサート会場を出た目の前の噴水公園、その噴水の近くに美咲が座っていた。

 

「何やってんだ、お嬢さん」

 

「貴方に関係な...なんだ、拓磨でしたの」

 

美咲はシュンとした表情で拓磨を見た。

 

こんな時ってどういう言葉をかけたら良いんだ...?

 

「まぁ、その...なんだ、美咲、惜しかったな今日のデュエル」

 

「...うん、でもあの子の目、本気だった...あの時の私みたいに」

 

あの時...中等部の時か

 

「でもお前も本気だったんだろ?」

 

「そうだけど...」

 

「美咲、今日負けた分は仕方がないさ、なら今度勝てば良いだろ?」

 

「っ!?...そうですわね!」

 

「さてと、駅まで送るよ」

 

「拓磨は帰らないの?」

 

「うん、そうだな...俺はもう少しあいつらと...」

 

いや、今日の所は美咲といた方がいいか

 

「あぁ、帰るよ」

 

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真二side

 

「そうだ、真二!レイちゃん!どうだった?今日のコンサート♪」

 

「すごく綺麗だった!」

 

「藍はプロ目指せるんじゃないか?」

 

「いやいや、流石にそれは褒めすぎだよ、それにプロなんて...」

 

藍が下を向きそういうとドアからコンコンッ!とノックが聞こえた

 

「どうぞ!」

 

「藍、入るぞー♪...ってなんだ、お前らもいるのか」

 

入って来たのは藍の両親だった。

 

「あ、こんちは!おじさん!」

 

「お久しぶりです」

 

「レイちゃん、久しぶりだな、少し大きくなったか?真二も段々と親父に似て来たな」

 

「なっ!?そんな事ないだろ!」

 

言い忘れていたが、藍の親父さんと俺の親父は幼馴染だ

 

「お久しぶりですね♪2人とも」

 

因みにこのゆったりしてるお姉さんは藍のお姉さんではなく母親だ、すごく若く見える。

 

「おばさんもお変わりありませんね(色々と)」

 

「で、2人ともどうしたの〜?」

 

「どうしたのって、そりゃ大事な愛娘がコンサートを終えたんだ挨拶の一つくらい来るだろ?」

 

「それもそっか!」

 

「...なぁ、レイちゃん、ちょっと席を外してくれるか?」

 

「え?別にいいけど、どうしたの?」

 

「ちょっとコイツらに話があってな!」

 

「???」

 

「そうだ!レイちゃん♪私たちケーキ買ってきたんだけど、一緒に取りに行かない?」

 

「良いよ♪」

 

藍の母とレイは楽屋を出た。

 

「どうしたんだ?」

 

「何?話って」

 

「そうだな、シグナーって言えば察しはつくか?」

 

藍の父は少し間を開けため息をつくとそう言った。

 

この人にそう言われるのは正直違和感はなかった、何故ならシグナーの補佐は血によって受け継がれる、なら藍の両親のどちらかはその力を持っているという事は決まってる

 

「あぁ」

 

「ってことは」

 

「そう、俺が先代鎧の補佐だ...と言っても役目なんて来ないからてっきりまだ先だと思ってたんだがよ...まぁいい、お前ら、これを受け継ぐには覚悟が必要なんだが、その覚悟はあるか?」

 

「その覚悟って?」

 

「人間ってのは自分の思いが強くなった時、覚悟ってもんが必要なんだ、それがお前らにはあるか?少なくともこの痣はお前らを...いや、その子供達を巻き込むと思う、俺の勘だとあと16年くらいってとこだ」

 

あと16年...

 

「ちょうど良い機会だ、真二、お前のそのシンクロモンスターって奴ちょっと見せてみろ」

 

「えっ?あっ、うん」

 

真二はバスター・ドラゴンを見せた。

 

「...成る程な、コイツはハズレだ」

 

「ハズレ?」

 

「...詳しい話は明日にするか、藍...お前の彼氏も連れてこい」

 

「え?拓磨も?」

 

「あぁ、血筋的にあいつも補佐だ、本人が気づいているかは分からないがな」


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