真二の部屋
よし、荷造り完了っと
夏休みまであと1日を前に真二は実家に帰るための荷造りをしていた。
コンコンッ!
「入るぞ〜」
「拓磨、返事なしに入るなよ」
「ざ〜んねん!拓磨だけじゃなくて私も居るのでした〜!」
拓磨の後ろからひょこっと藍が飛び出しそう言った。
「で、どうしたんだ?急に」
「はいこれ!あげるね!」
そう言うと藍は2枚のチケットを渡してきた。
「これは?」
「来週ある私の寄付コンサート!レイちゃんと一緒に来てよ!」
「あぁ...でもなんでレイちゃんの分を俺に渡すんだ?直接渡せば「だって私リハーサルあるし、それに、喜ぶと思うよ!レイちゃんが」」
そう言い、藍はサムズアップをした。
「そう...なのか?」
藍の考えることはよく分からない、レイちゃんを誘うのは分かるしリハがあるからって言うのも分かるが、何故喜ぶんだ?
『マスターも女心が分からないですね〜』
どういうことだ?幽鬼
『あ、いや...何でもないですよ』
「ほら、幽鬼ちゃんだって分かってるじゃん!」
「...」
拓磨はポカーンとしている。
ほら、拓磨だって分かってないだろ?俺に分かるわけがない
PiPiPiPiPi!!
そうしていると携帯から音がなった。
誰からだ?...ってI2社!?
ピッ!
「はい、もしもし!」
『ハーイ、真二ボーイ、そこに拓磨ボーイは居ますか?』
「え?あぁ、居ますよ?」
『それではスピーカーをオンにしてもらえると嬉しいデース!』
「わ、分かりました!」
そう言い真二は音声をスピーカーに切り替えた。
『真二ボーイ、それと拓磨ボーイ、ユー達は明日から長期休暇だと聞いてマース、そこで拓磨ボーイにはテスター用のデッキを、そして真二ボーイには記者会見を行って貰いたいのデース!』
「記者会見!?な、何のです!?」
『そんなの決まってマース!シンクロ召喚の記者会見デース!』
「わ、分かりました...でもどこに行けば?」
『場所は海馬コーポレーション、ヘリはもうアカデミアに停めてありマース!』
グヘェ、ヘリかよ...
「となると、ヘリポートだな...そうだ!ペガサスさん!1人客を追加しても良いですか?」
拓磨は何かを閃いたようにそう言った。
『今日中に乗れるのなら別に構いまセーン』
ヘリコプターの中
ガタガタガタガタ
「うわー!高ーい!」
ガタガタガタガタ
「藍、あまり動くな、大丈夫だろうが少し不安になる」
ガタガタガタガタ
「それにしても真二...なんで震えてるんだ?」
「そんなの高所恐怖症だからに決まってるだろ!」
ただでさえ乗り物酔い持ち(今は薬を飲んでるけど)なのになんでヘリで行くんだよ!確かに速いから気持ちは分かるけど!
「それにしてもまさか海馬コーポレーションに行けるなんて思わなかったよ」
「でもなんで今日なの〜?記者会見は明日なんでしょ?」
「ペガサスさん曰く明日に記者会見を開くのだが、ぶっつけ本番だとアレなので今日リハーサルをやるらしい」
「ふ〜ん、でもなんで私も誘ってくれたの〜?」
「そんなの藍が心配だからに決まってるだろ?」
「もう!拓磨ったら〜///」
「お、お前らイチャつくのは良いが、高所恐怖症に苦しむ俺の身にも少しはなれよ!」
「「あっ、ごめん(スマン)」」
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海馬コーポレーション(ヘリポート)
カチャッ
「ヘリでの長旅ご苦労様です、こちらへ」
うぅ...やっとついたか
「あ〜楽しかった!」
「ここが海馬コーポレーションか」
「お待ちしておりました、社長はこちらでお待ちです。」
海馬コーポレーションの社員はヘリの元へ行き、真二に声をかけた
「ありがとうございます。」
でもなんで海馬さん?ペガサスさんじゃなかったのか?まぁ海馬コーポレーションだからなんとなく予想はできるけど
「それと、お連れの方はこちらへ」
「あっ、は〜い!」
そう言われ藍は別室に連れて行かれた。
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海馬コーポレーション(社長室)
「やっと来たか真二」
「遅れてすみません」
いや、正直急に招集されたから仕方ないだろとか思うけど
「それで、そっちが新しいやつか」
「はい、初めまして、遊蔵 拓磨と言います」
「これがお前のデッキだ」
そう言うと海馬は拓磨の元へ行きデッキを渡した。
「これが...俺の」
本当に拓磨は嬉しいだろうな、すぐにエクストラデッキを確認してるし、ペガサスさんには感謝だな...そういえばペガサスさんが居ないな、何処にいるんだろ?
「それと真二、ペガサスからの伝言だ、下の階で特別ゲストと待ってる、だそうだ」
「下の階...ですか?」
なんで別室なんだ?確か下の階はデュエルスペースだった記憶があるんだが...記者会見のリハーサルじゃないのか?
「わ、分かりました!」
「それじゃ、俺も」
「待て拓磨、貴様は俺とここでデュエルをしてもらう」
そう言うと海馬はデュエルディスクを起動した。
「えっ!」
「そのデッキが貴様に適しているかどうかこの俺が直々に試してやる」
拓磨は少し下を向いた。
「どうした?怖気付いたのか?」
「いえいえ、伝説のデュエリストと名高い海馬さんに相手してもらえるなんて光栄ですよ!」
そう言うと笑顔で拓磨はデュエルディスクを起動した。
頑張れよ!拓磨
真二は社長室を出て行った。
拓磨side
「「デュエル!」」
「先攻はくれてやる」
拓磨 先攻
海馬 後攻
「俺のターン、ドロー!」
拓磨 LP 4000
5→6枚
相手は海馬さんだ、となるとこのデュエル冷静さを失ったら負ける
「俺はインターセプト・デーモンを召喚」
<インターセプト・デーモン>
Level 4 悪魔族 闇
ATK 1400/DEF 1600
「さらに俺はカードを1枚伏せてターンエンド!」
拓磨 LP 4000
手札 3枚
モンスター
インターセプト・デーモン (ATK 1400)
魔法・罠
伏せ 1枚
「俺のターン、ドロー!」
海馬 LP 4000
手札 5→6枚
「正義の味方カイバーマンを召喚!」
<正義の味方カイバーマン>
Level 3 戦士族 光
ATK 200/DEF 700
「さらに正義の味方カイバーマンの効果発動!このカードを生け贄に捧げ、手札から現れよ!
<青眼の白龍>
Level 8 ドラゴン族 光
ATK 3000/DEF 2500
流石は伝説のデュエリストと言うべきか、1ターンでブルーアイズを出すだなんて
「青眼の白龍でインターセプト・デーモンを攻撃!滅びの
「インターセプト・デーモンの効果発動!このカードが表側表示で存在し、相手が攻撃宣言を行った時、相手プレイヤーに500ポイントのダメージを与える!」
「くっ!」
海馬
LP 4000→3500
「ぐぁぅ!」
拓磨
LP 4000→2400
「そしてカードを2枚セットしてターンエンド」
海馬 LP 4000
手札 2枚
モンスター
青眼の白龍 (ATK 3000)
魔法・罠
伏せ2枚
「俺のターン!ドロー!」
拓磨 LP 2400
手札 3→4枚
このカードは...なるほどな、こいつを使えば!
「リバースカード、オープン!トラップ発動!強化蘇生!」
<強化蘇生>
永続罠
「強化蘇生だと!?」
「俺は墓地に存在するインターセプト・デーモンを特殊召喚し、レベルを1つ上げ攻撃力と守備力を100ポイントアップする!」
<インターセプト・デーモン>
Level 4→5 悪魔族 闇
ATK 1400→1500/DEF 1600→1700
「フン!その程度のモンスター、また俺のブルーアイズで破壊してくれる!」
「これだけじゃない!俺はチューナーモンスター、フォースリゾネーターを召喚!」
<フォース・リゾネーター>
Level 2 悪魔族 水 (チューナー)
ATK 500/DEF 500
そういや、召喚口上考えてなかったな...王者...
「そして俺はレベル5となったインターセプト・デーモンにフォース・リゾネーターをチューニング!新たなる王者の鼓動、混沌の内より出でよ!」
5 + 2 = 7
「シンクロ召喚!誇り高き、デーモン・カオス・キング!」
<デーモン・カオス・キング>
Level 7 悪魔族 闇
ATK 2600/DEF 2600
「バトルだ!デーモン・カオス・キングで攻撃!」
「なに!攻撃力2600で青眼の白龍を攻撃だと!」
「デーモン・カオス・キングの効果発動!このカードの攻撃宣言時、相手フィールド上に存在する全てのモンスターの攻撃力と守備力を入れ替える!デモンズ・インパクト!」
青眼の白龍
ATK 3000→2500
「甘いぞ拓磨!俺はリバースカードオープン!エネミーコントローラー!」
<エネミーコントローラー>
速攻魔法
「エネミーコントローラー!?」
「コマンド入力、↑←↓→A、このコマンドによりデーモン・カオス・キングを守備表示に変更する!」
デーモン・カオス・キング
ATK 2600→DEF 2600
「ちっ!ターンエンド!」
拓磨 LP 2400
手札 3枚
モンスター
デーモン・カオス・キング (DEF 2600)
魔法・罠
強化蘇生(対象なし)
「俺のターン、ドロー!」
海馬 LP 4000
手札 2→3枚
ドローしたカードを見ると海馬はニヤリと笑った。
「貴様、拓磨と言ったな」
「は、はい!」
「さっきお前は王者と言ったな?なぜだ?」
「俺の夢は海馬さんや遊戯さんを超えるデュエルキングになることですから!」
「フン!この俺や遊戯を超えるか、面白い、だがこの程度ならそんなの夢のまた夢だな」
「それはどうですかね!」
「その強気が何処まで続くか見ものだな、俺は魔法カード融合を発動!」
<融合>
通常魔法
「手札の青眼の白龍2体とフィールドに存在する青眼の白龍を素材とし現れよ!強靭にして無敵の竜!
<青眼の究極竜>
Level 12 ドラゴン族 光
ATK 4500/DEF 3800
あ、あれが伝説の融合モンスター青眼の究極竜...
「さらにリバースカードオープン!トラップ・スタン!」
<トラップ・スタン>
通常罠
「このターン、このカード以外の罠カードの効果を無効にする!」
バックを無効にする...確実な攻めの一手か
「バトル!青眼の究極竜で、デーモン・カオス・キングを攻撃!アルティメット・バースト!」
「ぐっ!」
「ターン終了だ」
海馬 LP 4000
手札 0枚
モンスター
青眼の究極竜 (ATK 4500)
魔法・罠
なし
「拓磨、その程度の実力でデュエルキングになろうとは笑わせてくれる、今のお前の実力では俺や遊戯はおろか真二にさえも到底勝つことはできん!」
「知ってますよそのくらい、でも!俺は自分の夢は諦めない!それが俺のデュエリストとしての道ですから!」
「フン!ならば貴様の戦いのロード見せてみろ!」
「俺のターン!ドロー!」
拓磨 LP 2400
手札 4→5枚
「俺は手札からワン・フォー・ワンを発動!」
<ワン・フォー・ワン>
通常魔法
「手札のモンスターカードを墓地へ送りデッキからレベル1チューナー、アタック・ゲイナーを特殊召喚」
<アタック・ゲイナー>
Level 1 戦士族 地
ATK 0/DEF 0
「更に強欲な壺を発動!」
<強欲な壺>
通常魔法
「デッキからカードを2枚ドロー!」
拓磨
手札 2→4枚
「さらに俺は手札から魔法カード、コストダウンを発動!」
<コストダウン>
通常魔法
「俺は手札のバイス・ドラゴンのレベルを2つ下げ、召喚!」
<バイス・ドラゴン>
Level 3 ドラゴン族 闇
ATK 2000/DEF 2400
「そして手札から死者蘇生を発動!」
<死者蘇生>
通常魔法
「墓地に存在するバイス・バーサーカーを特殊召喚!」
<バイス・バーサーカー>
Level 4 悪魔族 闇
ATK 1000/DEF 1000
「そんなモンスターいつの間に、まさか!さっきのワン・フォー・ワンの時に!」
「そうですよ!」
正直、あの手札で来るとは思ってもいなかったけどな
「俺はレベル3となったバイス・ドラゴンとレベル4のバイス・バーサーカーにレベル1のアタック・ゲイナーをチューニング!王者の鼓動、今ここに列をなす。天地鳴動の力を見るがいい!」
3 + 4 + 1 = 8
「シンクロ召喚!気高き魂!レッド・デーモンズ・ドラゴン!」
<レッド・デーモンズ・ドラゴン>
Level 8 ドラゴン族 闇
ATK 3000/DEF 2500
「シンクロ素材となったアタック・ゲイナーとバイス・バーサーカーの効果発動!バイス・バーサーカーがシンクロ素材となった時、俺は2000ポイントのダメージを受け、シンクロ召喚したモンスターの攻撃力を2000ポイントアップする!バーサクチャージ!」
拓磨
LP 2400→400
レッド・デーモンズ・ドラゴン
ATK 3000→5000
「さらにアタック・ゲイナーがシンクロ素材となった時、相手の表側表示で存在するモンスター1体を対象とし、攻撃力を1000ポイントダウンすることができる!俺は青眼の究極竜の攻撃力を1000ポイントダウンさせる!」
青眼の究極竜
ATK 4500→3500
「フン!だがこれでは青眼の究極竜は倒せてもこの俺は倒せないぞ!」
「それはどうかな?」
「なんだと!?」
「俺は手札から装備魔法、ニトロユニットを発動!」
<ニトロユニット>
装備魔法
拓磨がカードを発動すると爆発物を仕込んだリュックのようなものが青眼の究極竜に巻き付いた。
「これで決める!レッド・デーモンズ・ドラゴンで青眼の究極竜を攻撃!アブソリュート・パワーフォース!」
攻撃力の上昇に伴い巨大化したレッド・デーモンズ・ドラゴンは青眼の究極竜を手のひらで地面に叩き潰した。
「ぐぁっ!」
海馬
LP 4000→2500
「そして、ニトロユニットの効果発動、このカードを装備したモンスターが戦闘によって破壊された時、そのモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える!」
そう言った瞬間残されていた爆弾は爆発した。
「ぐぁぁぁっ!」
海馬
LP 2500→0
真二side
...一瞬痣が光った気がしたが...気のせいだったか?
『いえ、確かにさっき反応しましたよ!...でも何か変です!』
何か変?それってどういうことだ?
『何か...今までの感覚とは違う...凄く弱く、成熟しきってない感じですね』
成熟してないから一瞬だけ反応したってことか?
『多分そうですね』
どこかで誰かがシグナーのドラゴンを創り出したか...又は近くにいる奴に共鳴してるのか
『この感覚からしては恐らく前者かと』
もしかして拓磨が覚醒したか?幽鬼が見えてたし可能性はあるが
『いえ、拓磨さんなら魔力はそこそこありますしその説は微妙ですね』
魔力ほぼ0のやつがカードを作り出したってことか?...考えるのは後だな、もう少しでペガサスさんの所に着く、念のため幽鬼は戻っていろよ?
『はーい』
ウィーン
真二が自動ドアの目の前に立つとドアが開いた。
「あ〜!真二待ってたんだよ〜!」
部屋の奥から藍が走ってきた。
「なんで藍がここに居るんだよ!?」
「それはミーが招待したからデース!」
ペガサスさんが?
「って事は藍がシンクロ召喚を使えるようになった事はもう?」
「いやー、驚きました、なぜ真二ボーイはこのことを報告しなかったのデース?」
ペガサスは笑顔(目が笑ってない)で真二に聞いてきた。
「あ、いや...そのぉ、藍がシンクロ召喚を使えるようになったのは最近のことで、報告はしようと思ってたんですけど...そのぉ...」
やべぇ!良い感じの言い訳が思いつかねぇ!
「まぁ良いでショーウ、それよりも真二ボーイには特別ゲストを招待してマース、その彼とデュエルして欲しいのデース!」
「特別ゲスト!?デュエル!?記者会見の打ち合わせじゃなかったんですか!?」
「それはこれを見るためのついでデース」
「記者会見がついで...でもなんで?」
「デュエルモンスターズの製作者としてこのゲームのバランスを見るためデース」
なるほど、シンクロ召喚が強すぎては今のバランスが崩壊してしまう、だからそのための視察ってことか
「分かりました、それでゲストって誰です?ペガサスさんがデュエルするんですか?」
「待たせたねペガサス」
「いえいえ、今からユーを紹介しようと思ってたところデース、まぁ紹介しなくても大丈夫と思いますが」
「あ...あなたは!」
「えっ!?真二の相手って!」
「やぁ、君が真二くんだね、僕は武藤「「遊戯さん!?」」」