やはり俺の福引旅行はまちがっている。   作:EPIPHANEIA

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ご無沙汰してます、皆様。

本当に更新が遅くなって、申し訳ありません。

あと、コメント頂いている方々、返信できなくて本当に申し訳ありません。

更新が遅かった分、今日は一挙2話投稿します。(ただし、2話目は番外編みたいな話です。)

では、1話目の第21話、どうぞ!


第21話

~2日目の昼・さっぽろ羊ヶ丘展望台~(鶴見留美side)

 

ギャーギャー

 

八幡「あん?何か騒いでるぞ?」

 

○花「あっ…………!!」

 

留美「○花?」

 

私達が出会った場所に戻ろうとした少し前で、騒ぎが起きているのを目にする。それを見て誰がいるのか気付いた○花が、思わず声を出していた。そこで私達が見たものは…………。

 

 

 

 

つ○き「なにメーワクかけてんだよ、あほのマ○!!」

 

ひ○らぎ「そーだそーだ!!ボクたちやにーたんたちとかってにはぐれるな!マ○のあほ!」

 

○帆「うるさいうるさーい!!つ○ひーやナ○ヒ達があたしと行きたいところが違うのが悪いんだー!!」

 

夏○「何だと!?お前、どこまでワガママいったら気が済むんだよ!?真○!!」

 

結衣「ちょ、ちょっと!ケンカはやめてよ、マ○マ○!みんなも!!」

 

いろは「もー!!何でこんな時に、先輩はいないんですかー!!」

 

 

 

紗○「……本当に申し訳ありません。ウチの馬鹿真○が皆さんにご迷惑をおかけして……。」

 

沙希「ああ、大丈夫。気にしてないから。それより、真○が言っていた紗○ってアンタの事?アタシも同じ名前なんだ。『沙希』って書くんだけどね。」

 

紗○「えっ!?そうなんですか!?字は違いますけど、凄い偶然ですね。」

 

雅○「ふーん……それは可哀想ですね。紗○と同じ名前なんて。」

 

沙希「(ピクッ)……それ、どういう意味?」

 

小町「さ、沙希さん!落ち着いてください!相手は小学生ですよ!!」

 

紗○「ま、雅○!!やめなさいよ!!」

 

 

 

ひ○た「おー。ま○もな○ひたちも、けんかはやめよー。」

 

めぐり「ふぇええええ~~~!可愛い~~~!!ひ○たちゃんって言うの~~~!!お持ち帰りした~~~~い!!」

 

か○つ「だ、駄目ですよ!姉様はお持ち帰りさせません!!」

 

陽乃「ちょ、めぐり!!落ち着きなさいよ!…………むしろ、私のセリフなんだけど、それ。(ボソッ)」

 

 

 

愛○「ふぇええええん!やっぱり、私デカ女なんだあああああ!!うわああああん!!!!」

 

雪乃「ご、ごめんなさい!背が高いって言った事、謝るし取り消すから!!ねっ!!だから、泣き止んで!!」

 

 

 

ミ○「アレアレ?ししょーハドコニイルノデスカ?」

 

奈呼「し、『ししょー』って○花さんの事ですか?もうすぐ、戻ってくると思いますよ。ね、璃夢?」

 

璃夢「そ、そうだね……。早く戻ってこないと、収拾つかなくなりそうだね……。」

 

 

 

 

 

 

八幡・留美・○花『………………』

 

な、何…………?あのカオス過ぎる空間…………。

 

私達3人は、その光景を見て呆然としてしまった。

 

確かにあの占い師さんの言うとおり、○花や真○のバスケ部の仲間と思われる子達がいた。しかし彼女達は騒動を起こしていて、それを私達のメンバーが止めようとしたり、中にはケンカを買おうとしたり暴走したりと、まるで地獄絵図と化していた。

 

八幡「…………なあ、○花。」

 

○花「は、はい。何ですか?八幡さん。」

 

八幡「もう少しだけ戻るの待つ事にしないか?俺、あの空間の中に巻き込まれたくねぇぞ……。」

 

○花「ふぇ!?」

 

留美「……私も八幡と同意見。あの空間に飛び込む勇気無いもん。」

 

○花「で、でもぉ…………っ!」

 

私と八幡の意見に対して何か言おうとした○花は、突然何かを閃いたような顔をした。もしかして、あのカオス空間を止める秘策か何か思い付いたのかな?

 

○花「……分かりました。せっかくですから、留美ちゃんと八幡さんで少し楽しんできてくださいよ。ほら、私達のせいで御迷惑をおかけしてるから、せめて、ね。」

 

八幡「はぁっ!?いいのか!?」

 

○花「だ、大丈夫ですよ~。私が何とかしますから。ねっ、留美ちゃん?(パチッ)」

 

留美「っ……!」

 

○花が、私と八幡に何処かで時間つぶしをするように促してきた。八幡が聞き返したところ、私にウインクをしてくる○花。

 

留美「(……そういう事か。ありがとね、○花。)」

 

私の○花のウインクの意味に気付いて、彼女に心の中で感謝する。

 

留美「○花の言う通りだよ。行こ、八幡。」タッタッタッ……

 

八幡「あっ、留美!!」

 

○花「気をつけてね~。留美ちゃ~ん。2人とも御手洗いに行ったって言っておくから~。」

 

そして、私は八幡を連れて2人きりのデートをする事にした。

 

○花のウインク―――それは、八幡と2人きりになるチャンスの合図だった。このチャンスを私は…………

 

 

 

 

 

~少し時間が経って~

 

留美「うん。ここなら静かに過ごせていいかもね。」

 

八幡「全く……。留美がここまで活発的になるとはな……。それにしても、本当に○花やアイツら、放置して大丈夫なのか?」

 

私は、みんなから少し離れた場所で、八幡と2人きりになった。周りの人達も数人ぐらいで、それほど気になる程度ではない。

 

留美「別に大丈夫でしょ。○花が私達で楽しんできてって言ったんだから。それとも、八幡はあの空間の中に飛び込みたいの?」

 

八幡「…………勘弁してくれ。」

 

留美「そうでしょ?だったら、私の事、エスコートしてよ。」

 

八幡「る、ルミルミ……。いつのまに、そんな高等な外国の言葉を……。」

 

留美「だからルミルミ言うな、キモいから。それに、エスコートぐらい分かるから。」

 

他愛ないやり取りをしつつも、私と八幡はアイスクリームを買って、ベンチで休む事にした。

 

留美「……全く、エスコートしてって言ったのに、アイスクリームを買って休憩なの?」

 

八幡「別にいいじゃねぇか。下手したら、歩き回ってアイツらのいる場所に戻る事になるんだぞ。」

 

留美「まあ、それもそっか。…………ねえ、八幡。」

 

そして、私は八幡にどうしても言いたかった事を伝える。クリスマスの時でも伝えられなかった事を。

 

八幡「ん?何だよ?」

 

留美「……今更だけど、本当にありがとう。『林間学校』の時の事。」

 

八幡「っ……!?」

 

私の言葉に、これまでだらけていた八幡の表情が一変する。八幡自身も分かっているみたいだった。

 

留美「あれから、私、いじめに遭わなくなったんだよ。それだけじゃない。少しずつだけど、学校で友達も出来るようになった。」

 

八幡「…………そうか。留美、あの時は――――」

 

留美「ううん、謝ってほしいんじゃないの。言ったでしょ、『ありがとう』って。私、本当に感謝してるんだよ。」

 

八幡「留美……。」

 

留美「八幡も、あのやり方が正しいと思ってなかったんでしょ?でも、それで私、救われたんだよ。だから、私は否定しないよ、八幡の事もあのやり方も。」

 

私の伝えたかった事――――林間学校で私を救ってくれた事のお礼を、どうしても伝えたかった。

 

八幡「…………」

 

八幡は気まずそうな顔をして黙っている。確かに正しいやり方ではなかったとは思う。1歩間違えれば、八幡も私も今頃……。

 

留美「……私、八幡にまだ言いたい事があるんだけど。」

 

八幡「……何だよ?今度はクリスマスの時の事か?」

 

留美「違うよ。もう1つお礼を言いたいの。ありがとう、私を旅行に誘ってくれて。」

 

クリスマスイベントの再会を経て、私はららぽーとで八幡とまた巡り逢えた。小町さんの援護があったのもあるが、八幡が誘ってくれたお陰で、こうして八幡と旅行に来ている。その事が素直に嬉しかった。

 

八幡「その事かよ。それならいいだろ。あの時、お礼を言ってくれたんだから。」

 

留美「あっ、そう言えばそうだよね。でも、楽しいよ。八幡だけじゃなくて、他のみんなとも仲良くなれたような気がするから。これも八幡が誘ってくれたお陰だよ。本当にありがとう。」

 

この2日間でいろいろあったけど、私はこの旅行が凄く楽しく過ごせている。八幡は勿論だけど、小町さんをはじめ、雪乃さん、結衣さん、いろはさん、陽乃さん、沙希さん、めぐりさん…………。みんなと過ごしてるこの旅行に来て、本当に良かったと思う。

 

留美「それでね、私、決めたの。」

 

そして、私は決意を固めて、宣言する。

 

留美「八幡に私の『本物』の気持ちを伝えようって。」

 

八幡「えっ……!?」

 

私の宣言に、八幡があからさまに動揺した表情を見せる。

 

八幡「ちょ、ちょっと待て、留美!!その『本物』って言葉、誰から聞いたんだ!?」

 

留美「えっ?何の事?」

 

『本物』という言葉に動揺している八幡が、慌てて聞いてくる。私には何故八幡がそこまで動揺するのか分からなかった。

 

八幡「そ、そうか。別に誰から聞いたって訳じゃねぇんだな。」

 

留美「うん。どうしたの、八幡?」

 

八幡「い、いや。何でもない。それより、留美の『本物』の気持ちって、何なんだ?」

 

留美「うん、それはね……。あっ、八幡。」

 

八幡「あん?何だよ?」

 

留美「口のところにアイスクリームが着いてるよ。」

 

八幡「えっ?マジか?」

 

留美「うん。私がとってあげるから、じっとしてて。あと、とるときに目にゴミが入るかもしれないから、目も瞑ってて。」

 

八幡「お、おう。分かった。」

 

八幡は言われるがままに、目を閉じてじっとしていた。そして私は……

 

―――チュッ…………―――

 

八幡「っ…………!!んん…………!!」

 

私の唇と八幡の唇を重ね合わせる。八幡は驚いて、閉じていた目を見開いた。

 

八幡「くっ……ぷはっ…………!!る、留美……お前……!!」

 

留美「…………これが私の『本物』の気持ちだよ、八幡。」

 

私の顔はきっと真っ赤になっているだろう。しかし、私は1番伝えたかった事―――自分の『本物』の気持ちを、どうしても八幡に伝えたかった。

 

八幡「う、嘘だろ……!?お前が……俺の事を……!?」

 

留美「っ……!!…………嘘なんかじゃないよ!!嘘だったら、こんな事するわけないじゃない!!」

 

八幡「っ……!?留美、泣いて……!?」

 

留美「えっ……!?」

 

知らないうちに、私は涙を流していた。しかし、涙を拭わずに八幡に伝える。

 

留美「……私、八幡の事……大好きなんだよ?この『本物』の気持ちを、嘘なんてつかない。嘘なんかで片付けないでよ……。」

 

八幡「………………」

 

私の言葉に、八幡は下をうつむいて黙ってしまう。そんな八幡に構わず、私は続ける。

 

留美「あの林間学校が終わってから、ずっと八幡の事を考えてたんだよ。今何してるのかなとか、元気でいるのかなって……。」

 

林間学校での出来事以来、私は八幡に恋をしていた。それからずっと、八幡の事ばかり考えていた。

 

留美「クリスマスイベントで再会した時は、本当に嬉しかった。そして、ららぽーとでまた再会した時も……。」

 

八幡「留美……。」

 

留美「だから、これは神様がくれたチャンスだと思ってるの。私の大好きな人に、私の『本物』の気持ちを伝えるチャンスなんだって。」

 

八幡「…………」

 

留美「突然の事だから、八幡も戸惑ってると思う。だから、すぐに返事してとは言わない。」

 

私はようやく涙を拭う。きっと伝わったはずだ。八幡の表情を見て、そう思ったから。

 

留美「だけど、旅行の最後には決めてね。私、その時も告白するから。みんなの前で。」

 

八幡「えっ!?アイツらの前でか!?」

 

留美「うん。私、負けないからね。雪乃さんにも結衣さんにもいろはさんにも……それから、陽乃さん、沙希さん、めぐりさんにも。」

 

八幡「ちょ、ちょっと待て!何だよ、アイツらに負けないって!?何でアイツらが関係あるんだよ!?」

 

留美「…………朴念仁、鈍感、八幡。」

 

八幡「はぁっ!?留美までアイツらみたいに、俺の名前を悪口と同列にするのか!?」

 

留美「だって、本当の事だもん。それより、そろそろ戻ろうよ。流石にみんな、心配すると思うから。」ギュッ

 

八幡「お、おい!留美!!」

 

私はそう言いながら八幡の手を握って、引っ張っていくかのように八幡を連れていく。

 

不思議と今は、気持ちがスッキリしている。私の『本物』の気持ちを大好きな八幡に伝えられたからだと思う。

 

生まれて初めての告白、この初恋を絶対につかみとってみせる。

 

そんな決意を胸に秘めて、私は八幡と一緒にみんなのところへと戻る事になった。

 

 

 

 

 

 

留美・八幡『…………えっ?』

 

私達が戻った時、さっきのカオスな光景とはまた別の、しかし目が点になるような光景があった。

 

雪乃・結衣・いろは・陽乃・めぐり・沙希・小町・奈呼・璃夢『……………………』

 

私達の旅行メンバーも、私と八幡同様、『その光景』に唖然呆然としている。

 

あ○い・夏○・つ○き・ひ○らぎ・か○つ・雅○「………………」

 

ミ○「ししょー、スゴイデス。」パチパチパチパチ

 

私達旅行メンバー以外を見ると、真○と言い争っていた男の子や女の子達、さっきの光景にはいなかった雪乃さんや結衣さん達と同年代ぐらいの女の人が、口を大きく開けいろんな表情をしながら、石のように固まっている。フランス人形みたいな女の子は拍手をしていた。

 

真○「ま、まさかもっ○んがそんな大胆な事を……!!」

 

紗○「う、嘘でしょ……!?」

 

愛○「は、はわわわわ……!!と、○花ちゃんが……!!」

 

ひ○た「おにーちゃん、ひ○もー。ひ○もやりたーい。」

 

そして、真○や○花の仲間と思われる子達は、『その光景』を見て、いろんなコメントをしていた。

 

当事者達以外の誰もが驚いた『その光景』、それは――――

 

○花「んー…………んー…………」

 

す○る「んんっ…………!!」

 

――――○花が、八幡と同年代ぐらいの男の人と、全員の目の前でキスをしていた光景だった。まるで、さっきの私と八幡のように。

 

す○る「んっ……!と、○花……どうして……!?」

 

やがてキスを終えた男の人が、○花に尋ねる。

 

○花「……これが私の本当の気持ちなんです、す○るさん。」

 

す○る「えっ……!?」

 

○花「私、す○るさんの事が好きなんです!!」

 

す○る「えっ…………ええええええっ!?」

 

○花「私、今までの…………このままの関係でいるのが嫌なんです!!私はす○るさんともっと……!!」

 

 

 

留美「と、○花……。」

 

八幡「な、なあ、留美。○花って……。」

 

○花のす○るという男の人への告白がクライマックスになってる最中、八幡が私に尋ねてくる。

 

留美「いや、私に言われても……。」

 

私も凄く驚いている。小さい頃よく遊んだ時には、どちらかと言えば私みたいに引っ込み思案なところがある子だったのに……。

 

 

 

す○る「わ、分かった、○花!!今はちょっと待ってくれ!!」

 

○花「…………ふぇ?」

 

す○る「悪いけど返事するのは少し待ってくれないか?俺も七○高の男バスを復活させなくちゃいけないから。」

 

○花「そ、そうですよね……。」

 

す○る「でも、○花の気持ちは凄く嬉しかった。その気持ちは『本物』なんだって、心から伝わったよ。」

 

八幡「っ…………!!」

 

雪乃・結衣・いろは『えっ…………!?』

 

す○るの言葉に、八幡、それに少し離れた場所で雪乃さんと結衣さんといろはさんまで、驚いた反応を見せる。

 

八幡だけじゃなくあの3人も、『本物』という言葉にあんな反応みせるなんて……。八幡達は、その言葉に『何か特別な意味』でもあるのだろうか?

 

璃夢「……あっ!八幡君に留美ちゃん!戻ってきましたよ、皆様!」

 

そんな事を考えていると、璃夢さんが私と八幡が戻ってきたのを見つける。

 

小町「もう、何やってたの!?ゴミィちゃん!!」

 

いろは「そーですよ!先輩と留美ちゃんが戻ってくるまで、大変だったんですからねー!!」

 

結衣「ヒッキー!留美ちゃんと何処に行ってたの!?」

 

八幡「お、おう……、すまん。少しトイレに行ってただけだ。な、留美?」

 

留美「う、うん。○花だけ先に戻ってもらって……。」

 

沙希「……確かに言ってたね、○花が。」

 

雪乃「その割には時間が随分遅かったわね。」

 

陽乃「あれあれ~。もしかして、2人きりの甘い時間を過ごしてたとかじゃないよね~?まさかね~?」

 

八幡・留美『(ギクッ)そ、そんな訳ないでしょ!!』

 

めぐり「えっ?どうして、2人で同じ返し方なの?しかも、ハモってたよ?」

 

留美「べ、別にいいじゃない。八幡と同じ返し方になるなんて……バッカみたい。」

 

八幡「……おい。それ、どういう意味だよ。」

 

す○る「あ、あのー……。」

 

私達がいろいろ話し合っている最中、○花の想い人と思われるす○るが、私達に声をかける。

 

八幡「……あっ、アンタが○花やマ○マ○の保護者なのか?」

 

す○る「そ、そうです。皆さんには真○が御迷惑をおかけして、本当にすみません。」

 

真○「何言ってんだよー、す○るん!みんな、あたしやもっ○んの事、テイチョーにもてなしてくれたぜー!ハチ公やルミミミも含めて、今日からあたしの子分みたいなものだからなー。なっ、みんな!」

 

八幡・雪乃・結衣・いろは・陽乃・めぐり・沙希・小町・留美『誰が子分だ(よ)(だよ)(ですか)!!』

 

夏○「真○!お前、いい加減にしろ!!」

 

つ○き・ひ○らぎ『そーだそーだ!!にーたんの言う通りだー!!マ○のアホー(アホのマ○ー)!!』

 

紗○「あ、頭痛くなってきた……。」

 

ひ○た「おー、みんな、ケンカはやめよー。」

 

こんな一騒動があったものの、最後には仲良くなり、朝の風○君と○子ちゃんの時みたいに、みんなで記念撮影も行っていた。

 

私と○花の2ショットや○花と同じ年のみんなと私の写真、何故か八幡とす○るの2ショットや女の子全員での写真なども撮ったりしていた。私と八幡、○花とす○るでの4人での写真の時に、真○が『何かダブルデートの記念撮影みたいだなー!』と言った時は、他のみんなから睨まれたりしたけどね。

 

 

 

 

そんなこんなで記念撮影が終わり、○花達とお別れの時がやってくる。

 

す○る「皆さん、本当にいろいろとありがとうございました。」

 

八幡「ああ。アンタも大変みたいだけど、頑張れよ。留美、○花にちゃんと挨拶しないとな。」

 

留美「分かってるって。子供扱いしないでよ。」

 

○花「……す○るさん、八幡さん。最後にお願いがあるんですけど。」

 

八幡「ん?何だ?」

 

○花「少しだけ留美ちゃんと2人きりでお話がしたいので、時間をくれませんか?」

 

す○る「それぐらいならいいよ。皆さんも大丈夫ですか?」

 

八幡「ああ。せっかくの幼馴染の再会なんだ。これぐらいは構わないぜ。」

 

○花「ありがとうございます。行こ、留美ちゃん。」

 

留美「……うん。」

 

少し離れた場所に移動して、私と○花が2人きりになる。

 

○花「……留美ちゃん、これ、私の連絡先だから。」

 

そう言いながら、○花は私に自分の連絡先を書いてある紙を渡す。

 

留美「うん、ありがとう。でも、話ってこれだけ?」

 

○花「ううん、それだけじゃないよ。八幡さんとの仲は進んだの?」

 

留美「……う、うん。私もキスをした。○花達みたいに……。」///

 

○花「ふぇっ!?る、留美ちゃんも!?って、見てたの!?」///

 

留美「そ、そうだよ。私と八幡が戻ってきた時、丁度それを見てたんだから。」

 

○花「ふぁううう……。な、何かズルいよぉ……。私も留美ちゃんと八幡さんのキス、見てみたかった……。」

 

留美「な、何言ってんの!?……本当、バッカみたい。」

 

○花「で、でも、留美ちゃんもあの占い師さんの言う通り、勇気を出して自分の運命を切り開いたんだね。」

 

留美「うん。私、頑張るよ。八幡との恋、必ず掴みとってみせるから。だから、○花もす○ると必ず恋人同士になるんだよ。」

 

○花「うん!ありがとう!私もす○るさんとの恋、必ず実らせるから!」

 

そう言いながら、私と○花は誓いの握手をする。それぞれの恋を必ず掴みとる、必ず実らせる、そんな強い誓いを秘めた握手を。

 

そうして、私と○花はお互いの手を握りながら、みんなのところへと戻っていった。

 

八幡「おう、お帰り、留美に○花。話は終わったのか?」

 

○花「はい。私と留美ちゃんの為に時間をくれて、ありがとうございました。」

 

す○る「留美ちゃんって言ったっけ。これからも○花と仲良くしてくれよ。」

 

留美「大丈夫。連絡先も交換したし、旅行終わって暫くしたら遊びに行こうって約束したから。」

 

八幡「そうか。その時は楽しんでこいよ。」

 

留美「何言ってるの?その時は、八幡とす○るも一緒だからね。ダブルデートで。」

 

す○る「えっ!?」

 

○花「ふぇぇえええっ!?」

 

八幡「はあっ!?じょ、冗談だろ!?」

 

留美「……冗談だよ、半分ね。本気って言ったら、他のみんなが何しでかすか分からないし。特に結衣さんやいろはさん辺りが。」

 

結衣「そ、そうだし!もし、そうなったら、あたし達もついてくから!!」

 

留美「えっ?ついてくの?」

 

いろは「当たり前です!留美ちゃんの好きにはさせませんから!」

 

雪乃「私もついてくわ。男達が鶴見さんと湊さんに犯罪を犯さないよう、監視しなくてはならないから。」

 

陽乃「そうだね。私もついてこうかな♪」

 

真○「ほーほー、それは面白そうだなー。それじゃ、その時にはあたしらもついてこうかなー!」

 

ひ○た「おー。おにーちゃんたちをかんしせざるをえない。」

 

めぐり「だ、駄目だよ、みんな~。……でも、ひ○ちゃんや愛○ちゃん達にまた会えるなら、いいかも(ボソッ)」

 

愛○「えっ?な、何か言いました?お姉さん。」

 

小町「ハハハ……。めぐりさん、まだ暴走しそうですね……。」

 

沙希「全く、アンタらは……。」ハァ……

 

紗○「川崎さん、心中お察し致します……。」ハァ……

 

こうして、いろんな騒動があったけど、○花達とまた会う約束をして、別れる事になった。

 

○花「留美ちゃーん!千葉でまた会おうねー!約束だよー!!」

 

留美「うん、必ず会いに行くから。○花も元気でね。」

 

別れて暫くの間、その余韻に浸っている私達。やがて、私は口を開く。

 

留美「……行っちゃったね。」

 

八幡「……ああ。騒がしい奴らだったけど、悪い奴らじゃなかったよな。」

 

留美「うん。○花、昔は私達と出会った時のような性格だったんだけど、変わったなって思う。真○やす○るって人達のお陰かもね。」

 

八幡「……成程な。でも、留美も随分変わったんじゃないか?俺達と林間学校で出会った頃より。」

 

留美「……そうだね。八幡のお陰だよ。さっきも言ったけどね。」

 

八幡「……なあ、留美。さっきの話なんだが……。」

 

留美「ストップ。言ったでしょ?すぐに返事をしないでって。でも、最終日には言ってね。」

 

八幡「……分かったよ。」

 

小町「えっ?何?何?おにいちゃんと留美ちゃん、何か約束したの?」

 

留美「ううん、何でも。行こうよ、八幡。みんなも。」

 

こうして、私達の北海道旅行2日目の札幌観光は、終わりを迎えたのであった。

 

……八幡、私、絶対に八幡の恋人になってみせるから。覚悟してよね。

 

 

 

 

 

 

 

―――――おまけ・第19話―――――

 

~同時刻・さっぽろ羊ヶ丘展望台~

 

一方、八幡や留美達と別れた後の○花達の後日談である。

 

真○「それにしても凄かったなー、もっ○ん。まさか、あの場です○るんとキスするなんて。」

 

紗○「本当ね。ト○があんな事するなんて、予想もしてなかったわ。」

 

愛○「長○川さんと○花ちゃん、もうすっかり手を繋いで歩いてるもん。でも……。」

 

ひ○た「うーん。こっちのほうをなんとかせざるをえないかも。」

 

真○達が前を歩いている○花とす○るに目をくれず、別の所に視線を送る。

 

あ○い「ハッ……ハッハッハッハッハッ……。す○ると……○花ちゃんが…………。」

 

夏○「げ、元気出せよ!あ○いお姉さん!あんなロリコン、気にする事ねえから!」

 

つ○き「にーたんの言う通りだよ、コーチ!」

 

ひ○らぎ「ボクたちがなぐさめてあげるから!元気出してよ!」

 

雅○「これは重症ね……。気持ちは分からなくもないけど。」

 

か○つ「私も相手が○花先輩じゃなくて姉様だったら、あ○いコーチみたいになってかも……。」

 

ミ○「コーチ、ししょーあいてジャ、ブがワルいです。」

 

荻山あ○いはさっきの○花とす○るのキスのショックを、未だに抜け出せずにいた。そんなあ○いを、夏○と○花達の後輩達が慰めて(?)いる。

 

?「よー、ようやく帰ってきたかー。」

 

??「お帰りなさいませ、皆様。」

 

真○「あっ、○ーたん、やん○る。」

 

そんな○花達の前に、○花達のバスケット部の顧問である『○ーたん』こと美○、真○のメイドである『やん○る』こと久○奈の2人の女性が現れる。

 

美○「にゃはは。どうだった、す○る?真○を探して三千里の旅は?」

 

す○る「笑い事じゃねえよ、ミ○姉!こっちはいろいろと大変だったんだからな!何で、ミ○姉はビール飲みながら、高みの見物なんだよ!?」

 

美○「ほーほー。どんな事があったんだ?」

 

す○る「うっ、そ、それは……。」

 

真○「○ーたん、あたしら、もっ○んの幼馴染と出会ったんだー。あたしらに負けないぐらい、凄く可愛かったなー。」

 

美○「そっかそっかー。それで、他には?」

 

真○「それから、す○るんともっ○んがチューしたんだー。口と口で。あれは凄かったなー。」

 

す○る「ま、真○!それは言うな……!!」

 

美○「……そっかー。ついにやらかしちゃったかー、す○る。」ゴゴゴゴゴ…………

 

す○る「ヒッ!」ビクッ

 

真○の報告を聞いた美○の表情が一変し、それを感じたす○るは思わず身震いし後ずさる。

 

美○「……覚悟は出来てるんだよなー、す○る?」バキッベキッ

 

す○る「ま、ま、ま、ま、待ってくれ、ミ○姉!これにはやむを得ない事情が……!!」

 

美○「やむを得ない事情?そんなのあったのかー、あ○い?」

 

あ○い「……特に無いです。徹底的にやっちゃってください、ミ○姉。」ハイライトOFF

 

美○「だってさー。あ○いの許可も出たし、覚悟しろよー。すばる♪」

 

す○る「や、やめろ、ミ○姉……ぎゃああああああああああ…………!!」

 

○花「す、す○るさああああああん!!!!」

 

札幌のもうすぐ夜を迎えようとする夕暮れの中、羊ヶ丘展望台に少年の悲鳴とうら若き少女の叫び声が木霊するのであった。




以上、第21話でした。

………………やっぱり、少しゲスト出しすぎたかなって、かなり反省してます。


次の番外編のお話は、言わばこのシリーズの『当初の構想』を書いた『ifの世界』の話になります。

では、また次回!

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