やはり俺の福引旅行はまちがっている。   作:EPIPHANEIA

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俺ガイル二次小説第14話です。

ご無沙汰しています、皆様。

いろいろ私事で忙しく、更新が遅くなり大変申し訳ありません。

今回からは暫くは、個別ヒロイン(雪乃)回になります。

宜しかったら、是非閲覧のほうお願い申し上げます。

いつも、閲覧して下さる皆様、感想を書いて下さる皆様、お気にいり登録して下さった皆様、評価して頂いた皆様、ありがとうございます。


第14話

~北海道大学~(八幡side)

 

奈呼「皆様。こちらがかの有名なウィリアム・スミス・クラーク博士の胸像になります。」

 

璃夢「北海道の開拓の父と言われてますクラーク博士は、今の北海道大学に当たります札幌農学校の初代教頭でした。この後向かいますさっぽろ羊ヶ丘展望台には、皆様もご存知、クラーク博士の全体像があるんですよ。」

 

八幡「へえ……。テレビとかで見た事ありますよね、これ。」

 

陽乃「テレビで見るとかよりも違うよね、こうやって実物を見ると。」

 

めぐり「そうですね~。胸像だけでもなんか凄いですもんね~。」

 

いろは「そうなると、この後の全体像も凄く楽しみですね。」

 

結衣「へー、この人って、そんなに有名なんだー。あたし、知らないけど。」

 

沙希「えっ……?由比ヶ浜、クラーク博士の事知らないの?」

 

小町「へっ?小町も知らないですよ?沙希さん。」

 

留美「……結衣さん、小町さん。それはギャグで言ってるの?私でも知ってるのに……。」

 

八幡「川崎、留美……察してやれ。コイツらが総武高校に合格した事自体、奇跡なんだから。」

 

結衣「なっ……!バカにすんなし!!ヒッキー、キモイ!」

 

小町「そ、そうだよ!バカっていう方がバカなんだよ!バカ、ボケナス、八幡!!」

 

俺達は2日目の最初の観光地、北海道大学に来ていた。北海道開拓の父とも呼ばれるクラーク博士の胸像を見て感嘆とする中、由比ヶ浜と小町は、クラーク博士の事を知らず、他のメンツから引かれていた。

 

知らないなんてどんだけアホなんだよ、由比ヶ浜、小町……。最年少の留美ですら知ってるんだぞ……。

 

あとお前ら、それだけでキモイとか言ったり、俺の名前を悪口と同列にするんじゃない。泣くからな。

 

いろは「でしたら、結衣先輩、小町ちゃん。この人が遺した有名な言葉って知ってます?」

 

結衣「えっ?う、うーん……。」

 

小町「な、何でしたっけ……?」

 

めぐり「えええええ!?本当に知らないの!?由比ヶ浜さん、小町ちゃん!」

 

結衣・小町『は、はい……。』

 

陽乃「それじゃ、ガハマちゃんと小町ちゃんに宿題ね。羊ヶ丘展望台までに、クラーク博士の言葉を思い出す事。出来なかったら、今日は比企谷君に近づくのはダメね♪」

 

結衣「そ、そんなぁ~~!!ゆきの~ん!!」

 

小町「助けてくださ~い!!雪乃さ~ん!!」

 

他のメンツに弄られて、由比ヶ浜と小町は泣きそうな表情で雪ノ下に助けを求める。なんか、ドラ○もんとの○太のやり取りを見てるみたいだぞ、お前ら。さしずめ、ゆきえもんとゆい太、もしくはこま太じゃねぇか。

 

結衣「……って、あれ?ゆきのんは?」

 

その時由比ヶ浜は、俺達が気付かなかった事に気付く。

 

小町「あれ?そう言えば、確かに雪乃さんいませんね?」

 

璃夢「あっ、雪乃ちゃんでしたら、御手洗いに行かれましたよ。私にこちらのカバンを『汚したくないから預かってください』って言って。」

 

八幡・陽乃『…………えっ?』

 

璃夢さんからの話を聞いて、俺と陽乃さんがひきつった表情になる。

 

八幡「ほ、本当ですか!?璃夢さん!」

 

璃夢「え、ええ。私が『お待ちしてますか?』って聞いたら、『すぐに済みますから。先に行って大丈夫です。』って言ってましたから。」

 

陽乃「ええ!?それ、マズイですよ!璃夢さん!」

 

いろは「ど、どうしたんですか!?はるさん先輩、先輩も……。」

 

沙希「マズイって何が……?」

 

陽乃「…………雪乃ちゃん、極度の方向音痴なのよ。」

 

いろは・めぐり・沙希・小町・留美・奈呼・璃夢『えっ……………!?』

 

陽乃さんの言葉に唖然となる他のメンツ。

 

結衣「えっ、どうしたの?」

 

八幡「……由比ヶ浜、この北海道大学って、日本一広い大学なんだ……。」

 

結衣「…………えっ?」

 

由比ヶ浜は、唖然となった理由を理解していなかった。しかし、俺の言葉でそれを理解し、顔を青くする。

 

璃夢「……マ、マズイですよ!この北海道大学って、観光客の方が道に迷う事が多いんですよ!!」

 

結衣「ほ、本当ですか!?だったら、本当にヤバいですよ!!ゆきのん、絶対に迷子になっちゃいますよ!」

 

驚きの理由、それはこの北海道大学という所は、日本一広い大学で、日本の国土の約570分の1を占めている場所なのだ。冬の雪の降り積もる時期だと、ガチで遭難しかねないくらいの場所と言われているぐらいである。

 

奈呼「……本当に申し訳ございません。私と璃夢が迂闊でした。雪乃さんがそうだと知ってたら、絶対に1人にさせないのに……。」

 

璃夢「ご、ごめんなさ~い。また、私やっちゃった……。」

 

小町「ど、どうするの?おにいちゃん!!あっ、そうだ!小町、雪乃さんに電話してみますよ!それで、そこに待っててもらえれば!!」

 

めぐり「そ、そうだね。雪ノ下さんも携帯持ってるはずだから。」

 

俺達が慌てているなか、小町が機転を効かして雪ノ下に電話をする。それで、何とかなるはずだった。

 

ピリリリリ…………

 

八幡・結衣・いろは・陽乃・めぐり・沙希・小町・留美・奈呼・璃夢『…………………………えっ?』

 

しかし、俺達の予想に反して、璃夢さんが預かっている雪ノ下のバッグの中から、携帯の着信音が聞こえてきた。それを聞いて、俺達は血の気を引いてしまう。

 

留美「も、もしかして、雪乃さん……。」

 

沙希「……マジで迷子になったんじゃないの……?」

 

八幡・結衣・いろは・陽乃・めぐり・沙希・小町・留美・奈呼・璃夢『………………えええええええええええええええ!?』

 

2日目の朝から、まさかの事態になってしまい、北海道大学に俺達の悲鳴に近い叫びがこだまする。

 

そうして俺達は、迷子になった雪ノ下の捜索に、大学内を走り回る羽目になってしまうのであった。

 

騒動を引き起こす神様がいたとしたら、俺はこう言いたい。

 

どんだけ、俺達を弄べば気が済むんですか…………(泣)

 

 

 

 

 

 

 

~大学・構内~(雪乃side)

 

雪乃「嘘でしょ……?みんな、ここに行った筈なのに……。」キョロキョロ

 

私が方向音痴だという事は、分かっているつもりだった。しかし、少し離れただけでこんな事態になってしまうなんて、予想出来ただろうか。

 

雪乃「何処に行ったのよ……?比企谷君も由比ヶ浜さんも姉さんも……。」キョロキョロ

 

そう、私はみんなとはぐれてしまったのだ。ましてや、場所も場所で、日本一広い大学と言われている北海道大学。はぐれたり迷子になってしまう条件がこれでもかというくらい多い、私を含めた方向音痴の人間にとって最悪な場所だった。

 

雪乃「どうしよう……?財布以外、璃夢さんが預かったバッグの中だし……。」オロオロ

 

しかも、私は財布以外を全てバッグに入れてしまい、そのバッグを璃夢さんに預けてしまっていた。つまり、はぐれてしまった時の対策の手段が、全くなかった。

 

雪乃「こんな事になるんだったら、みんなに待っててもらった方が良かったわ……。かえって、迷惑をかけてしまったじゃない……。とりあえず、あそこのベンチに座って落ち着かないと……。」オロオロ

 

私は、不安を少しでも落ち着かせる為、ベンチに座る事にした。そうでもしなかったら、本当に不安で気持ちが押し潰されそうになるから。

 

雪乃「……本当に悪い事してしまったわね……。みんなには……。」ウルウル

 

私は今更ながら、自分の選択に後悔していた。結果的に、みんなに迷惑と心配をかけてしまったから。

 

雪乃「早くみんなを見つけないと……。でも、どうすれば……。」ジワッ

 

早くみんなと合流しなくてはいけないという焦りと、どうすればいいかわからないという不安が入り交じり、思わずうつむきながら目頭が熱くなってしまった時の事だった。

 

?「あ、あの……。すいません……。」

 

雪乃「えっ……?」

 

聴いたことのない女の人の声が聞こえて、私は急いで目をぬぐいながら、顔をあげてみる。

 

??「どうかしたんですか?凄く悲しそうな顔をしてましたから、気になって……。」

 

そこには、私と同年代ぐらいの2人組の男女が、私に声を掛けてきたのだ。

 

雪乃「い、いいえ……。別に……。」

 

??「もしかして、誰かお探しとか?もし良かったら、俺達お手伝いしますけど……。」

 

私が何とか誤魔化そうとしたが、男の人が助けの手を差しのべてくれようとする。黒い髪の男の人で、何処と無く葉山君に似ているような気がした。

 

雪乃「い、いいえ……。そんな悪いです。ところで、あなた達は……?」

 

?「ご、ごめんなさい。実は私達も、春休みになったからこちらに遊びに来たんですよ……。」

 

私の問い掛けに対して、女の人がおどおどしながら答えている。黒い髪のロングヘアーの人で、その人を見た瞬間、何故かは分からないけど、『私と由比ヶ浜さん、そして比企谷君に似ている』と感じた。

 

雪乃「遊びに?どちらからですか?」

 

??「北海道の○幌町って所からです。札幌からバスで3時間ちょっとぐらいなんですけど、この子が札幌にデートで行ってみたいって言って、朝早起きしてそれで……。俺達、この春から高校3年生になるから、その記念で来たんですよ。」

 

雪乃「この春からですか?でしたら、私と同学年ですね。」

 

?「えっ?そうなんですか?凄く綺麗で大人びいてるから、私達より歳上かなって思いました。」

 

女の人が私の事を褒めながら驚いている。同い年の人に歳上に見られたのは微妙だけど、悪気はないと思うから良しとしよう。

 

雪乃「ところで、あなた達の名前は……?」

 

風○「ああ、すいません。自己紹介が遅れました。俺は風○翔太って言います。」

 

○子「わ、私は黒沼○子といいます。」

 

雪乃「風○君と黒沼さんですね。私は雪ノ下雪乃と言います。」

 

○子「ゆ、雪ノ下雪乃さんって言うんですか?」

 

雪乃「……?どうかしましたか?黒沼さん。」

 

○子「い、いえ、凄く素敵な名前だなって思って……。」

 

風○「もしかして、北海道生まれですか?名前もそんな感じですし。」

 

雪乃「いいえ。千葉から観光で来ました。それで、姉さんや友達とかと一緒に来たんですが……。」

 

こうして、私は同い年のカップル――――風○君と黒沼さんという人達と不思議な出会いをはたしたのであった。

 

その2人の出会いが、私と『彼』――――比企谷君との関係に変化をもたらす事を、今の私は知るよしもなかった……。

 

 

 

 

 

 

~数十分後、大学・構内~(八幡side)

 

八幡「ハァ……!ハァ……!何で昨日に続いて、今日も朝からは走り回らなくちゃいけないんだよ……!!」

 

俺達は、雪ノ下を各自で探す事にした。

 

この日本一広い大学と言われている北海道大学、集団で固まって探していては時間が掛かるという事で、それぞれ各自で探す事にしたのだ。(但し、小町は奈呼さん、留美は璃夢さんとペアにした。一応年少組なので、万が一の保険として。)

 

八幡「畜生……!本当に何処に行ったんだよ……雪ノ下……!!」

 

イライラしながらも、俺は北海道大学の構内を走り回る。もう、かれこれ数十分ぐらい走り回っただろうか。

 

「…………俺、会ってみたいな、その人に。凄く興味あるよ。」

 

「…………私も会ってみたいかも……。何となく、その人と通じるものを感じる……。」

 

そんな時、俺はベンチシートに座っている3人組のリア充っぽい男女の声を耳にする。

 

八幡「(まあ、ここは通り過ぎるのが1番だな……。)」

 

そんな事を思いながら、ソイツらの事をよく見ないで、その場を通り過ぎようとした時だった。

 

「…………雪乃ちゃんは…………好きなの?」

 

八幡「えっ!?」

 

その中の1人の女の声から、聞き覚えのある名前が聴こえ、俺はソイツらの方へと振り返る。

 

雪乃「……そうね。好き…………いいえ、愛してるわ……。」

 

八幡「………………へっ?」

 

そこには、俺達の探し人――――雪ノ下雪乃が2人組の男女と共にいて、意味ありげな言葉を口にしていたのであった…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――おまけ・第12話――――

 

~2日目の昼・千葉市内の公園~(川崎大志side)

 

大志「あっ……!何やってんだよ!!」

 

俺がベンチの隣に座っている綺麗なお姉さんと話している最中、京華達が着物姿のお姉さんとぶつかっているのを見て、俺はベンチを離れて、京華達の所に走っていきました。

 

大志「コラ!気をつけろって言っただろ!」

 

川崎弟「あっ、たーちゃん。ごめんなさい!」

 

京華「ごめんなさい、たーちゃん!」

 

大志「全く……。本当にすみません。ウチの弟と妹が……。」

 

雪ノ下母「いいえ、謝るのは私ですよ。私が不注意でしたから。本当にごめんなさい。」

 

大志「(ドキッ)い、いいえ。そんな事ないッスよ。」

 

そ、そんなに見つめないでください!お姉さん!心の中で心臓バクバクッスよ!

 

由比ヶ浜母「あの、大丈夫ですか?」

 

そんなテンパっている時に、俺の隣に座っていた綺麗なお姉さんが、着物姿のお姉さんに声を掛けました。

 

雪ノ下母「ええ、大丈夫です。私よりもこの子達の事を心配してあげてください。この子達のお母様なのでしょう?」

 

由比ヶ浜母「あっ、違うんですよ。私、たまたま通りがけで来ただけで、この子達とは何の関係も無いんです。」

 

雪ノ下母「あら、そうなのですか?お若くて美しい方ですから、てっきり弟さんと一緒に来たのかと……。」

 

由比ヶ浜母「そんな事ないですよ。こう見えて、高校生の娘がいますから。」

 

雪ノ下母「それは奇遇ですね。私も下の娘が高校生なんですよ。上の娘は大学生ですけどね。」

 

由比ヶ浜「へー、それは意外ですね。私よりも若くてお美しいかなって思ってました。」

 

えっ……?この着物のお姉さんも、俺より歳上の娘さんがいるんスか!?しかも2人いて、姉が大学生で妹が高校生ッスか!?

 

……って、あれ?この話も、何処かで聞いた事があるような……?

 

雪ノ下母「せっかく、お会いしたのも何かの縁ですから、何処かでお茶でもいかがですか?あなた方と少しお話してみたいと思いまして。」

 

大志「…………えっ?」

 

由比ヶ浜母「あっ、いいですね!私もそう思っていたところなんですよ。」

 

大志「…………はい?」

 

マ、マ、マ、マ、マジッスか~~~!?こんな若くて素敵なママさん達とお茶に行くなんて、俺、罰当りもいいところじゃないッスか!?

 

由比ヶ浜母「ねえ、君達はどうするの?」

 

大志「えっ!?あ、あの、俺、いや、僕達は……。」

 

雪ノ下母「勿論、御馳走しますよ。ケーキとかいかがですか?」

 

京華「ケーキ!?けーちゃん、いきたーい!!」

 

川崎弟「ぼくもー!!」

 

大志「コ、コラ!お前ら!!」

 

雪ノ下母「大丈夫ですよ。貴方も良かったら、是非来てください。」

 

由比ヶ浜母「そうそう。私も君達と少しお喋りしてみたいのよ。」

 

大志「わ、わかりました……。宜しくお願いします……。」

 

こうして、俺達川崎家3兄妹は、名前も知らない素敵なママさん達と、喫茶店に行く事になりました。

 

比企谷さん、お兄さん、勘違いしないでほしいッス!これは、決して浮気じゃないッスから!俺は比企谷さん一筋ッスからね!!




以上、第14話でした。

今回からのゲストは、北海道を舞台という事なので、この2人にしましたw

では、また次回、お会いしましょう!

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