やはり俺の福引旅行はまちがっている。   作:EPIPHANEIA

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ご無沙汰しています、皆様。

最近、私事で忙しくなり、なかなか書く時間が取れません。

暫くの間、投稿のスピードが遅くなりますが、何卒ご了承ください。

では、第13話です。


第13話

~旅行2日目の朝・ホテル~

 

ピピピピピピピピ……

 

八幡「ん……んん……。」

 

ホテルのアラームが鳴り響き、朝を迎えた事を告げている。

 

昨日の疲れがとれていないのか、足がパンパンな感じがした。

 

八幡「しょうがねぇ……。起きるか……ん?」

 

プニ

 

体を起こしたら、右側に何かの違和感を感じた。

 

俺の寝ていた右側に『何か』がいるのだ。

 

八幡「な、何だ!?」ガバッ

 

何があるのかと思い、かけている布団を剥ぎ取ってみる。すると、

 

留美「すーすー……」

 

八幡「どわああああああああああああ!!」ドタァン‼

 

……朝一からどんなドッキリですか?これ。

 

そこには、留美が可愛らしい寝息をたてながら寝ていたのであった。マジでビックリしてしまい、思わずベッドから転がり落ちてしまいました。

 

留美「んー…………。あっ、八幡……おはよ…………。」

 

八幡「な、な、な、な、な、な、な、な…………何やってんだよ!?お前!!」

 

留美「うーん…………お前じゃない……留美…………。」

 

八幡「ルミルミ、それ答えになってねぇから!何で、俺の部屋の俺のベッドの中で寝てんだよ!?」

 

留美「ふわあぁぁぁ…………ルミルミ言うな……キモい…………。」

 

八幡「いや、寝ぼけてんのか!?それも答えになってないからな!!」

 

留美「うーん…………昨日、帰る前にこの部屋のトイレ借りたでしょ?そしたら、八幡がもう寝てたから、いいかなって……。私も凄く眠くなっちゃって……。」

 

八幡「良くねぇよ!自分の部屋近いんだから、そこで寝ればいいじゃねぇか!それなのに、何で……!」

 

留美「だって、もともと私と八幡、同じ部屋だったんだよ。部屋決めのシャッフルを許したんだから、これぐらいはいいでしょ?それに、同じ部屋の小町さんには了承を得てるから。ここの電話で。」

 

そ、そういう事か……。道理で真っ先に賛成したわけだ……。それに小町も共犯かよ……。

 

八幡「ま、まあ、その、何だ。とりあえず、留美は部屋に戻って着替えてこいよ。今日も全員で観光に行くんだから。」

 

留美「うん、分かった。八幡も遅れないでね。」

 

そうして、留美は自分の部屋に戻る為に、俺の部屋のドアを開けた。しかし、その瞬間

 

ガチャ

 

留美「あっ」

 

雪乃・結衣・いろは・陽乃・めぐり・沙希『……………………えっ?』

 

小町「………………あっ。」

 

運命というのは、こうも残酷なものなのだろうか。朝風呂に入ってきた感じの俺と留美以外のメンツと留美が鉢合せしてしまったのであった。

 

 

 

八幡・雪乃・結衣・いろは・陽乃・めぐり・沙希・小町・留美『…………………………』

 

俺を含めたその場にいる全員が、まるで時が止まったかのように、石のように固まってしまう。しかし、暫くの時が流れて、動き出す者がいた。

 

八幡「…………っ!ま、待て!雪ノ下!!とりあえず、その手に持った携帯をしまえ!!」

 

雪乃「問答無用よ。もはや、言い訳や釈明が出来るなんて思わない事ね。ロリ谷君?」

 

八幡「ち、違う!!誤解だ!!お前らが思っている事は何1つ…………!」

 

留美「そうだよ。私が勝手に八幡と添い寝しただけ。当然の権利でしょ?お姉さん達。」

 

八幡「…………へっ?」

 

しかし、意外な事に留美が俺の弁護をしてくれたのだ。何、この子?今日は天使モードなの……?いや、でもこれ、弁護どころか、むしろ、ますます窮地に陥りそうなんだが……。

 

結衣「と、当然の権利!?何言ってるの、留美ちゃん!!」

 

留美「だって、そうでしょ?元々、私と八幡は同じ部屋だったんだよ。部屋決めのシャッフルを最初に許したんだから、これぐらいはね。沙希さんだって、昨日抜け駆けして八幡とデートしてるじゃない。」

 

沙希「い、いや、だからはあれは、抜け駆けとかデートじゃなくて…………!」

 

いろは「だ、だからっておかしいですよ!?先輩と一緒に添い寝なんて羨ま…………けしからんですよ!!」

 

留美「別にいいでしょ。やましい事は何もしてないんだから。それに陽乃さんにも、夜のビュッフェの時にしてやられちゃったから。」

 

陽乃「ふ~ん。なかなかやってくれるね、留美ちゃん。やっぱり、面白い子だよ、君は。」

 

結衣「と、とにかくダメ!ヒッキーもヒッキーだよ!!何で今まで気付かなかったんだし!!」

 

八幡「えっ?何?爆睡してて気付かなかった俺も同罪なの?アホヶ浜さん。」

 

結衣「アホって言うなし!!」

 

めぐり「ふぇぇぇぇ……!まさか、留美ちゃんまで、そんな大胆な事を……!!」

 

小町「うーん……留美ちゃんの作戦大成功なんだけど……。最後の最後でみんなにバレてしまったのは、詰めが甘かったかな……。」

 

めぐりん先輩、そんな顔を真っ赤にしてテンパらないでください。それに小町、これはお前も共犯だからな。

 

「あー!また、あのおにーちゃんとおねーちゃんたち、さわいでるよ!ママー!」

 

「コラ!見ちゃいけません!」

 

そこのお嬢様にお母様、昨日のビュッフェと同じようなママアレのテンプレをしないでください。本気で泣きますよ。っていうか、同じ階に泊まってたんですか?

 

朝からそんなドタバタがあった後、俺達は朝食のビュッフェを食べて、2日目の札幌観光の準備をして、フロントへと向かうのであった。なお、朝食のビュッフェの時は何事もなく平穏に食べていたのだが、ホテルの従業員や他のお客さんから警戒や好奇の目で見られていたのは、全くの余談である。

 

確かに、このホテルに来てから、何回も大騒ぎしたのは認めるよ。だけど、昨日の夜あんなに大騒ぎしたのに、同じ事繰り返す訳ないだろ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

~ホテル・フロント~

 

奈呼「あっ、おはようございます。皆様。」

 

璃夢「おはようございまーす!皆様、今日も宜しくお願いしますねー!」

 

全員揃ってからフロントに行くと、既に奈呼さんと璃夢さんが俺達の事を待ってくれていた。昨日、俺のせいで夜遅くなってしまったのに、璃夢さんも今日は寝坊しなかった。この2人、やっぱり、新しい癒しの女神様だ……。朝一の元気な笑顔で癒されるぜ……。

 

八幡「おはようございます。奈呼さん、璃夢さん。今日も宜しくお願いします。」

 

俺も普通に笑顔で挨拶をする。しかし

 

雪乃・結衣・いろは・陽乃・めぐり・沙希・小町・留美『………………』

 

俺以外のメンツは、奈呼さんと璃夢さんを見た途端、不審な顔になりながら、2人を見ていた。

 

奈呼「ど、どうされたんですか?皆様。」

 

璃夢「ど、どうして、私達を見て、そんな顔を……?」

 

小町「……奈呼さん、璃夢さん、昨日の夜、おにいちゃんとすすきので会ったって本当ですか?」

 

奈呼・璃夢『………………えっ?』

 

小町に尋ねられた2人は驚きながら、俺のほうを見る。

 

八幡「すいません。バレました……。」

 

俺は右手で謝るしぐさをしながら、2人に謝罪する。それと同時に、2人がどう答えるのか凄く不安を感じた。もし、おどおどしながら答えたら、怪しまれるのではないか、とか。

 

奈呼「本当の話です、皆様。」

 

璃夢「ええ。嘘じゃありませんよ」

 

八幡「えっ!?」

 

しかし、俺の不安に反して、2人は堂々と答えていた。

 

どういうつもりだよ……?折本の事は話さないって言ってたのに、まさか……!

 

奈呼「1つお聞きしたいのですが、皆様は、その件について、八幡さんからどういう風にお伺いしていますか?」

 

奈呼さんは俺以外のメンツに対して、逆ににこやかな顔で質問をしてくる。

 

あれ……?何だ、この展開?ボロクソ言われるのを覚悟していたのに……。

 

いろは「えっ?それは、3人でラーメンを食べに行ったって聞きましたけど……。」

 

奈呼「その通りです。私と璃夢が常連で通っているラーメン屋さんに、八幡さんと3人で行きました。それ以外の事は、何かお伺いしていますか?」

 

結衣「い、いいえ。特別、何も……。」

 

陽乃「あっ、そういえば、比企谷君と一緒に男の人がいたって聞いてるんですけど、その人とはお会いしたんですか?」

 

奈呼さんの答えと問い掛けに困惑しているメンツがいる中、陽乃さんが奈呼さんに問い掛ける。

 

奈呼「ええ、お会いしています。ですが、八幡さんと私達が偶然お会いした時に、どちらかに行かれました。」

 

雪乃「本当なんですね?璃夢さん。」

 

璃夢「ええ。ねえ……じゃなかった、先輩の言う通りです。私達は八幡君とすすきので偶然お会いして、私達の行き着けのラーメン屋さんに一緒に行っただけです。後は、特になかったですよ。あの男の人もそこで別れちゃいましたから、何処に行かれたか分かりませんよ。」

 

陽乃「ふーん……。どうやら、比企谷君の言ってた事、嘘じゃなかったみたいだね。」

 

陽乃さんがそう言いながら、俺をジト目で見ている。

 

八幡「だ、だから言ったじゃないですか。あの横○って奴に連れていかれたけど、奈呼さんと璃夢さんと偶然会って、ラーメンを食べに行っただけだって。」

 

結衣「そっか、奈呼さんと璃夢さんが言うなら信じますよ!ごめんなさい、奈呼さん、璃夢さん。変に疑っちゃって。」

 

八幡「あの、俺への謝罪は……?」

 

結衣「それはヒッキーが疑われるような事をするから、悪いんじゃん!」

 

いろは「そうです!先輩がいけないんですよ!」

 

雪乃「もし、お2人と出会わなければ、あわよくば行こうとしてたんじゃないのかしら?」

 

八幡「(ギクッ)そ、そんな訳ないだろうが!陽乃さんにも理性の化け物って言われてるんだし!」

 

陽乃「それだったら、その言葉、撤回させてもらおうかな?ケダモノ谷君?」

 

八幡「な、何で陽乃さんも、雪ノ下みたいな呼び方をしてるんですか!?」

 

めぐり「まあまあ、はるさんもみんなも素直に謝りましょうよ。ゴメンね、比企谷君。」

 

沙希「……悪かったね、比企谷。よく考えてみりゃ、アンタそんな奴じゃないしね……。」

 

八幡「お、おう。当たり前だろ、川崎。城廻先輩も分かってもらえれば良いですよ。」

 

小町「ごめんなさい、おにいちゃん。おにいちゃんにそんな度胸あるわけないもんね。」

 

留美「ごめんね、八幡。八幡だって分かってるもんね。そんな事したら、私達に何されるか。」

 

八幡「あの……小町ちゃんに留美ちゃん?謝ってくれるのはいいけど、それと同時に俺をけなしたり脅したりの言葉が聞こえるんだけど……。」

 

俺のツッコミに回りから笑いが起こる。良かった。どうやら、折本の事を話さずに済みそうだ。バレてしまったら、何言われるか分からないし、最悪、殺されるかもしれないしな。何となく……。

 

結衣「では、改めまして……せーの!」

 

結衣・陽乃・小町『やっはろー(ひゃっはろー)!!奈呼さん!璃夢さん!』

 

八幡「ゲッ!」

 

そんな時、由比ヶ浜と陽乃さんと小町の3人が、2人に対してあのしょうもない挨拶をしていた。昨日練習したのかと思うくらい、息ピッタリすぎる。

 

おい!そんな馬鹿な挨拶、ここでやるなよ!奈呼さんと璃夢さんも困って……。

 

璃夢「やっはろーです!皆様!」

 

奈呼「や、やっはろーです……///」

 

あ、貴女達まで何やってるんですか……。奈呼さんは、凄く顔を赤くしながら恥ずかしそうにやってるし……。

 

「ママー。あのおもしろいおにーちゃんとおねーちゃんたち、へんなあいさつしてるよー。やっはろー!」

 

「コラ!真似しちゃいけません!」

 

……何で俺達が騒いでいる時に、いつもいるんですか?面白いって、俺達、お笑い芸人じゃないからね、お嬢ちゃん……。それに、その変な挨拶、教育にも良くありませんよ、お母さん。

 

璃夢「それでは、皆様!早速、出発致しますよ!どうぞ、こちらへ!」

 

そうして、璃夢さん主導で俺達はマイクロバスへと向かう。俺と奈呼さんがたまたま列の1番後ろにいた時だった。

 

璃夢「……」パチッ

 

奈呼「……」パチッ

 

八幡「(えっ?)」ドキッ

 

2人が俺に微笑みながらウインクしてきた。おそらく、『昨日のかおりさんとの事は、絶対に話しませんから。』という意味でだろう。他のメンツに、それはバレなかったみたいだった。

 

八幡「(……本当にありがとうございます。)」

 

俺は再び謝るしぐさを見せながら、2人に感謝した。本当に奈呼さんも璃夢さんも、凄く優しくて良い人達だ。俺に対して、凄く良くしてくれるし、こんな人達と出会えた事が奇跡のようだ。

 

俺、本当にこの2人に惚れちゃうかもしれない…………。

 

そんな淡い心を抱きつつ、旅行の2日目が始まったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――おまけ・第11話――――

 

~旅行2日目の昼・千葉市内の某公園~(川崎大志side)

 

川崎弟「まてー!けーちゃーん!」タッタッタッ……

 

京華「こっちだよー!」タッタッタッ……

 

大志「おーい!2人ともあんまり遠くにいくんじゃないぞー!!」

 

こんにちは、川崎大志ッス。この春中学を卒業して、4月から比企谷さんと一緒に(ここ大事ッスよ!)総武高校に入学します。

 

今日は弟や妹達と共に、とある公園に遊びに来ていました。沙希姉ちゃんが、比企谷さんやお兄さん達と一緒に旅行に行っている間は、俺が弟や妹の面倒を見ています。

 

大志「……それにしても、姉ちゃん大丈夫かな?まさか、お兄さんの事が好きな人達があんなにもいたなんて……。」

 

俺の自慢の姉ちゃん、川崎沙希は、今旅行に行っています。しかし、姉ちゃん達と一緒に行く人達は、どうやらみんなお兄さんの事が好きだと聞いて、凄く不安を感じています。

 

も、勿論、比企谷さんは別ッスよ!千葉の兄妹エンドなんて、絶対にダメッスから!そんな事したら、いくらお兄さんでも許さないッスよ!

 

大志「……はぁ~あ。今更ながら、凄く不安だよ。もし、姉ちゃんがお兄さんにフラれたらって思うと……。」

 

そんな溜息をつきながら、弟と妹を見守っている時でした。

 

?「こんにちは。」

 

大志「えっ?……っ!」

 

突然、俺の目の前に凄く綺麗なお姉さんが立っていて、俺に挨拶してきました。

 

大志「あっ、は、はい!こんにちはッス!」

 

その綺麗さに思わずビックリしてしまいましたが、俺も挨拶をします。少しキョドっちゃったッスけど。

 

?「隣に座ってもいいかしら?」

 

大志「い、いいッスよ!どうぞ!」

 

その綺麗なお姉さんは、俺の隣に座りました。暫くの間は、その人との会話はありませんでした。

 

川崎弟「へへーん!ここまでおいでー!」

 

京華「むー!まてー!」

 

大志「2人ともケンカにならないようになー!!」

 

京華達が鬼ごっこをしていて2人に注意していた時、そのお姉さんが俺に声をかけてきたッス。

 

?「あの子達のお兄さんなの?」

 

大志「えっ?はい、そうッス。」

 

?「そっか。随分可愛らしい弟さんと妹さんね。娘の幼い頃を思い出すわ。」

 

大志「娘?お姉さん、娘さんがいるんですか?」

 

由比ヶ浜母「そうよ。結衣って言う娘がいるの。君より少し歳上ぐらいかな?」

 

大志「えっ……えええええええええ!?」

 

マ、マジッスか……!?凄く若く見えるのに、俺より歳上の娘さんがいるなんて……。

 

って、あれ?俺より歳上で、名前が結衣?何処かで聞いたような……?

 

由比ヶ浜母「偉いね、弟さんと妹さんの面倒をちゃんと見てるなんて。3人兄妹のお兄ちゃんなんでしょ?」

 

大志「いや、もう1人姉ちゃんの4人姉弟なんですよ。いつもは姉ちゃんが面倒見てるんですけど、旅行に行っちゃって、代わりに面倒を見てるんです。」

 

由比ヶ浜母「あら、そうなの?私も娘が旅行に行ってるのよ。昨日から春休みに入ってね。」

 

大志「へー、そうなんですね。」

 

そんな感じで、俺とお姉さんが世間話に花を咲かせていました。そして、それと同時に

 

ドン

 

??「あっ……!」

 

京華「きゃっ!」

 

川崎弟「あっ、けーちゃん!だいじょうぶ!?」

 

京華「うん!だいじょうぶ!ごめんなさい、おねーさん!」

 

川崎弟「ごめんなさい!」

 

雪ノ下母「いいえ、こちらこそごめんなさい。大丈夫ですか?」

 

京華達が、着物姿の素敵なお姉さんとぶつかって、謝っていたのでした。




以上、第13話でした。

2日目になり、旅行は新たなる展開を向かえます。

そして、千葉では旅行参加者の家族達が……w

また次回、お会いしましょう!

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