魔法戦士リリカルなのは 1st memory 作:黒衣の戦士
雨が降り続いている中を目のハイライトが消えた一人の少年が傘もささずに歩き続けている。
「ここはどこだ?・・・僕は誰だ・・・」
と一言つぶやくと少年は再び歩き続ける。
そして、翠屋という店の前で少年は倒れる。
「くっ、体が重い・・・目・・・前が・・・らに・・・」
そこで少年の意識は闇に沈む。
すこしして店を閉めようと男性が店の中から出てきた。
男性は店の前で倒れている少年をみつけ声をかける。
「あのー、大丈夫ですか?」
「・・・・・・」
「どうやら気を失ってるみたいだな、見たところなのはと同い年くらいか、でもこのままじゃ風邪をひくし一応家に連れて行こう。」
男性は少年を抱えると店を閉め、家に帰った。
・・・二日後・・・
「うーーん・・・・」
少年が目を覚ますとそこは、普通の家の天井があり自分は布団に寝ていた。
「ここは?・・・えーと、たしか僕は倒れて・・・だめだ思い出せない。」
少年があれこれ議論していると、とある人物が部屋の中に入ってきた。
「おっ気がついたか、よかったよかった。」
「どこか、まだ具合の悪いところはない?」
と聞かれた。
「とりあえず大丈夫ですが、ここはどこですか?」
「ここは高町家、きみは俺が経営している、翠屋の前で倒れているのを見つけて家に連れてきたんだ。」
「そうなんですか・・・ありがとうございます。」
「君、ここに運ばれて2日間も眠りっぱなしで心配していたんだよ。」
「えっ!!・・・二日もここで眠ってたんですか?」
「ああ、もうぐっすりと」
「本当にすみません」
少年は申し訳なさそうに答えた
「そういえばまだ君の名前聞いてなかったよね。私は高町桃子。」
「俺は、高町士朗、君の倒れていた店のマスターをしている。君の名前は?」
「僕の名前は・・・ん?思い出せない」
答えると同時に三人がいる部屋に女性が現れた。
「おとーさん、おかーさん朝ごはんできたよ・・・ってその子起きたの、はじめまして私は高町美由希っていいます、君の名前は?」
「えーと、僕は記憶喪失みたいで何もかも全く覚えて無いんです。」
「あ・・・そうなんだ」
部屋にいる全員が暗くなる・・・士朗はなんとかひきつる笑顔で、
「じゃあ、記憶が戻るまで、ここで暮らす?」
少年は驚いた、見ず知らずの自分を助けてもらい、しかも記憶が戻るまでここで暮らせるということに
「いいんですか?本当に迷惑かけるかもしれないし」
「私は別にいいわよ。」
「私もいいよ。」
早くもOKと返事が来た。
「じゃあ、後はなのはと恭也に返事を聞くだけだな、一応二人に説明してくるから、一息ついたら下の居間に来てくれるかな。」
少年は静かにうなずくと全員が部屋を出て行った。