食戟のソーマ 十席番外 第零席に座る者   作:北方守護

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オリキャラと紀ノ国先輩との関係が明かされます。


第7話 過去を聞いて……

武昭は寧々を家に入れるとコーヒーを入れて来た。

 

「はい、シズ姉 砂糖とミルクは好みで入れてね」

 

「うん、ありがとう あっ君……うん、美味しい」

 

「それよりも………シズ姉が、ここにいたなんて思わなかったよ」

 

「それは私の方だよ。最初あっ君を見た時に、凄い驚いたんだから……

それで、あっ君は遠月に来るまでは、どうしてたのか教えて欲しいんだけど」

 

「俺の事か………シズ姉なら知ってると思うけど………

シズ姉が転校してから1年後、火事が起きて父さんが亡くなったんだ………

それで その時に母さんだけでも助けようとしたんだけど……」

 

「ダメ……だったんだね………」

 

「いや、助ける事は出来たけど煙を吸ってて植物人間になったんだ………

それから俺は学校に行くと、これでいじめられたんだ…」

武昭が服を脱ぐと身体の所々に火傷の跡が合った。

 

「酷い……あっ君は辛い思いをしたのに………」

寧々は怒りから自分の制服の裾を握り締めていた。

 

「けど、それでも暫くは耐えれたよ………“あの事”があるまでわね………」

 

「あっ君………あの事って何……なの?」

 

「簡単だよ………それから2年後9歳の時に容体が急変して母さんが亡くなったんだ」

 

「嘘………あの優しかったおばさんが………」

 

「それから俺は学校に行く事を辞めて日本中を歩き回ったよ……」

 

「あっ君……それは……何でかな?………

(多分、これを聞いたら私は後悔するかもしれない………

けど、聞かなかったら、これから先あっ君を見る事が出来なくなる………)」

 

「簡単だよ……俺は死ぬ場所を探してたんだ……父さんも母さんもいない………

誰も俺を受け入れない……こんな世界にいても意味が無いと気付いたんだ………

だから、俺は旅先で見つけた場所に合った崖から飛び降りたんだ………

そして、俺は身体が冷たくなっていくのを感じたよ………

このままなら楽になれるってね………」

 

「待って、なら、なんであっ君は今、ここに居るの?」

 

「俺が目を覚ましたら助けてくれた人が居て、その人に事情を話したら保護者になってくれたんだ

それから俺が遠月に通う事になったんだ」

 

「そうだったんだ………けど、あっ君と再会出来て、物凄く嬉しかったよ」

 

「うん……ありがとうシズ姉………少しだけ、こうしてて良いかな?」

 

「良いよ、私はあっ君のお姉ちゃんなんだから………」

武昭は寧々に抱き着いたが寧々はそれを受け入れて優しく抱き返した。

 

(あっ君………大丈夫だよ、これからは私がそばにいてあげるから………)

寧々は武昭を抱き締めながらある決意をしていた。

 

その後、時間も遅かったので寧々は空き部屋を借りて泊まる事になった。

 




はい、今回はここまでにしました。

前話を書いた時に感想でシズ姉の由来に聞かれましたので

活動報告に書いておきました。

これからもよろしくお願いします。

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