DRAGONBALL D(沈黙)   作:榛猫(筆休め中)

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前回までのあらすじじゃ……。

突如現れた魔人ブウは、悪神ロキを吸収してしまう。

イッセーさ神菜帝 紫に変身して迎え撃つも。苦戦を強いられる。
イッセーの苦戦を見たグレモリー眷属たちは困惑を隠せない。
そんな中木場に起きる大ピンチ。
木場は魔人ブウに吸収されそうになるが、
すんでのところでヴァーリに助けられる

魔人ブウは二天龍をみて満足したのか、何処かへと転移してしまうのだった。


更なる強化!イッセー直伝フュージョンポーズ!

side三人称

 

魔人ブウが 消えた後、一誠達は兵藤家へと戻ってきていた。

 

ヴァーリチームやオーディン達も一緒だ。

 

現在、イッセーは魔人ブウについての話を皆にしていた。

 

 

「っていうんが魔人ブウの全部だ」

 

納得したように うんうんと頷く眷属とオーディン。

 

 

「なるほどのぅ。戦っている相手を無差別に吸収して自身の力に変え……」

 

 

「 驚異的な再生能力で、体を壊されてもその破片さえあればすぐに再生してしまう……」

 

 

「更に見たものを即座に模倣してしまう異様な再現力……」

 

 

「あぁ、おまけにアイツはあの頭の角みたいなとこからものを別のもんに変えれるおかしな光線を放つんだ。物から物だけじゃねえ、動物や虫、オラ達みてえな人間や悪魔だって例外じゃねえ…前ん時もそれですげえ数の人がお菓子に変えられて食われちまったんだ……」

 

イッセーが 話した内容に皆は黙り込んでしまう。

 

 

「…… そんな相手をどうやって倒すって言うのよ、 倒しようがないじゃない」

 

リアスがボソリとそんなことを呟く。

 

 

「 いや、 倒す方法は一つだけある」

 

イッセーが言った言葉にその場の全員がイッセーの方を見る。

 

それを聞いて木場が疑問を口にする。

 

 

「それは一体どういう方法なんだい?」

 

 

「 簡単だアイツが再生できないくれえでっけえ火力で消し飛ばしてやればいい」

 

 

「……イッセー先輩ならともかく私たちにそんな火力は……」

 

 

「あるじゃないか」

 

小猫がそう口にするのを遮るようにヴァーリが口を開く。

 

 

「 そこにいるリアス・グレモリーや兄であるサーゼクス・ルシファーは滅びの魔力を持っているのだろう?それを使えば肉片残さず消し飛ばすことは可能だと思うがな」

 

 

「でも、私にあの化物を倒せるほどの魔力なんて持ってないわ……」

 

 

「そんなの赤龍帝の譲渡の力を使えば幾らでもにあげられるにゃん♪」

 

黒歌の言葉に皆の顔に明るさが灯る。

 

 

「いや、 それは無理だ」

 

と、ここで唐突にイッセーから駄目だしが入る。

 

 

「どうしてだ?この方法なら確実に魔人ブウを倒すことが出来ると思うのだが……」

 

アザゼルが怪訝そうにイッセーに問いかける。

 

 

「 おめえ達もさっき見た通り、アイツは強えしスピードも段違いだ…。並の奴がアイツに挑めば一撃でやられちまう。部長は肉弾戦は得意じゃねえだろ?もし滅びの魔力をぶつける前にアイツに懐に入られちまったらそれで終わりだ」

 

 

「 た、確かににそうだけれど、じゃあどうやってアイツを倒すと言うの?」

 

 

「 そこはオラに考えがある」

 

イッセーはそう言うとヴァーリに近寄っていく。

 

 

「 ヴァーリ、今回の戦い。オラ一人じゃ勝てねえ、おめえの力貸してくれ」

 

その言葉にその場の全員が驚きを露にする。

 

まさかイッセーの口から助力の言葉が出るとは思っていなかったのだろう。

 

助力を受けたヴァーリ本人も少しの間信じられないものを見たような表情でイッセーを見ていたがすぐにいつもの顔に戻り、聞き返す。

 

 

「 まさか神龍帝からそんな言葉を聞くなんてね。それで、 力を貸すと言っても何をすればいい?」

 

 

「あぁ、フュージョンだ!」

 

イッセーが話した言葉に全員が首をかしげる。

 

 

「おい、イッセー…。フュージョンって言うと合体って意味だぞ?何をするつもりだ?」

 

アザゼルが皆の疑問を代表して聞く。

 

 

「あぁ、そうだ!オラとヴァーリで合体して一人の戦士になんだ!そうすりゃ多分。アイツを倒せると思う」

 

 

「……合体するってのは分かった。けどその方法はあるのか?」

 

 

「あぁ!オラが知ってっから問題ねえ!」

 

自信ありげに答えるイッセーを見て オーディンがほっほっほっと笑いながら言う。

 

 

「 ならば奴を倒す手段は決まったの儂らも会談の準備を進めるとしようかのぅ」

 

 

「あぁ!じっちゃんに危害加えさせねえ!」

 

 

「期待しておるよ。さて、それじゃあ儂達はもう行くとするか」

 

そう言うと オーディンは立ち上がり、ロスヴァイセと共に部屋を出て行ってしまった。

 

 

オーディンが部屋を出て行くのを見送ったグレモリー眷属とヴァーリチームはそのまま各自で好きな事をやりはじめるのだった。

 

sideout

 

 

 

sideヴァーリ

 

 

オーディンが出ていたのを見送り、俺は本を読んでいた。

 

すると俺に近づいてくる人影が一人いた。兵藤一誠だ。

 

 

「なあ、ヴァーリ」

 

 

「なんだ?兵藤一誠」

 

 

「今からフュージョンの練習をしてえんだけどいいか?」

 

フュージョンか…。確か合体して一人の戦士になると言うものだったか。

 

 

「あぁ、別に構わないよ」

 

 

「 サンキュー!そんじゃオラが始めに見本を見せっから後でやってみっぞ!木場!ちっと手え貸してくれ!」

 

なんだ?聖魔剣使いなんか呼んで何をする気だ?

 

 

「え?分かった」

 

 

「まずオラが手本を見せっからそれをオラの横で真似してくれ」

 

 

「了解したよ」

 

聖魔剣使いの了承を聞いた兵藤一誠は、不思議な動作を説明しながらやり始めた。

 

 

「まず二人がある程度の距離を置いて立つ!」

 

そう言うと聖魔剣使いは兵藤一誠から少し距離を置いた。

 

それを確認して兵藤一誠は両腕を右側に伸ばした。

 

 

「そしてこうする!腕の角度に気を付けろ!」

 

そう言いながらがに股になりながら横に数歩、カニ歩きのように動きながら両腕を上に振りながら反対側に動かしていく。

 

 

「フュー!……腕を反対にしながら二人が近づく!こん時動かす足は三歩分だ!」

 

隣では聖魔剣使いが無言でそれを真似している。その顔はとても恥ずかしそうだ……。

 

 

「ジョン!」

 

しかし、兵藤一誠は恥ずかしい顔ひとつせず、今度は腕をまた反対側に伸ばし、左足を曲げると腕とは逆方向に膝を向ける。

 

 

「足の角度に気を付けろ!そして……こうする!」

 

 

「ハッ!」

 

叫びながら先程畳んだ右足を地面に置き、左足をピンと伸ばして片腕を右耳の上に、もう片方を左耳の下に添えるような形で腕をつきだしているその指は何故か人差し指だけが伸びているというおかしなもの……。

 

 

「こうして二人の指を合わせんだ!またまた足の角度に気を付けろ!」

 

話す兵藤一誠は真剣そのものだが、隣の聖魔剣使いは恥ずかしさからか顔を真っ赤にしている。

 

俺を含む部屋の殆どが唖然とするなか。美猴と黒歌だけは後ろを向き肩を震わせていた。

 

俺はあれをやらなければいけないのか……?

 

あのポーズをとっている自分を想像して俺は頭を抱えたくなるのだった……。

 

 

 

sideout

 

 

 

sideイッセー

 

 

 

「よし、そんじゃやってみっぞ!木場、手伝ってくれてありがとな!」

 

 

「いや、いいよ……力になれたみたいでなによりさ……」

 

ははは……と力なく笑う木場。どうかしたんか?

 

 

見ると部屋にいる全員が顔を引き吊らせている。

 

美猴と黒歌の二人を除いて……。

 

あのいつも冷静なグレイフィアでさえ顔を引き吊らせて笑っていた。

 

 

「?どうしたんだ?おめえ達」

 

 

「いえ…そのね?イッセー…あれは本当にやらなければいけないものなの?」

 

部長がそんなことを聞いてくる。

 

 

「あぁ、そうだ!あれをしなきゃフュージョンは完成しねえんだからさ」

 

 

「そ、そう……」

 

それだけ言うと部長はそそくさと離れていく。

 

一体なんだってんだ?

 

 

「まあいいか、んじゃ、ヴァーリ練習すっからおめえもやってくれ!」

 

 

「……分かった」

 

顔を青くしながら立ち上がりオラの横に移動するヴァーリ。

 

 

「やり方はさっき説明した通りだ、んじゃ、いくぞ!」

 

ヴァーリと共にフュージョンポーズを取っていく。

 

 

「「フュー…ジョン!ハッ!」」

 

 

【カッッ!!】

 

ポーズをとり終え、オラ達の指がくっつくと光が部屋に溢れだした。

 

 

「なっ!なにっ!?」

 

光が収まるとそこに立っていたのは……。

 

 

『ふぅ、どうやら失敗しちまった見てエだな……』

 

デブくなったイッセーともヴァーリともつかぬ少年が立っているのだった。




オッス!オラ悟空!

ついに会談の日だ!

オーディンのじっちゃんはオラ達がぜってえ守ってやっぞ!
いくぞ!ヴァーリ!フュー…ジョン!ハッ!

『さあ、始めようか……魔人ブウ』

次回!DRAGONBALL D!

ついに決戦!合体戦士VS魔悪神ブウ!

ぜってえ見てくれよな!

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