DRAGONBALL D(沈黙)   作:榛猫(筆休め中)

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前回までのあらすじじゃ……。

修業の最中、運悪く朱乃とバラキエルの話し合いに巻き込まれてしまったイッセー。
そこでイッセーは朱乃の母親が亡くなっていることを知る。

「あの時、母様を見殺しにしたあなたと違ってね……」

はたしてどうなる!?


北の襲撃者!その名は悪神ロキ!

sideイッセー

 

オッス!オライッセー!

 

あん時(朱乃の件)から数日経ったぞ。

 

それまでにあったことを簡単に説明してくな!

 

まず、ニンジンドラゴンのヒーローショー?ってのをやったんだ(あの時は演技と手加減がてえへんだったぞ……)

 

それから、木場達に稽古をつけながら戦術の話をしたりしたな…(その後におっちゃんが来て変な玩具を見せびらかしてきたな……)

 

そんときに滅龍(ジェノサイド・ルイン・ドライブ)とは別の進化を探ってみろって言われたぞ。

 

ってなことがあって今オラ達はじっちゃんの馬車?で夜の空を飛んでんだ。

 

因みにグレイフィアとミリキャスは家で留守番中だ。子供は起きてていい時間じゃねえかんな

 

 

「日本のヤマトナデシコはいいのぉ。ゲイシャガール最高じゃ」

 

そんなことを言いながらじっちゃんが『ほっほっほっ』と笑っている。

 

 

「じっちゃん、そろそろまたオラに修業つけてくれよ?こがれじゃ腕が鈍っちまうしさ」

 

 

「お主に修業なんぞつけたら儂の命がいくつあっても足りんわ……儂は美女と遊んでおる方が楽しいんじゃ」

 

えぇ……なら、せめて修業させてくれよ……こんなんじゃ本当に腕が鈍っちまうよ……。

 

最近はずっとこんな感じだ、じっちゃんの都合で日本各地を連れ回されてる……。

 

護衛って面倒なんだな…。これじゃ修業出来ねえぞ……

 

あまりにじっちゃんが自由過ぎて眷属の皆も疲れて顔をしてんじゃねえか……

 

 

「オーディンさま!もうすぐ日本の神々との会談なのですから、旅行気分はそろそろお納めください。このままでは、帰国したときに他の方々から怒られます」

 

 

「まったく、おまえは遊び心の分からない女じゃな。もう少しリラックスしたらどうじゃ?そんなだから男の一人もできんのじゃよ」

 

 

「か、か、彼氏がいないのは関係ないでしょう!す、好きで独り身やっているわけじゃないんですからぁぁぁっ!」

 

また始まったぞ……ロスヴァイセの奴、こうなると長ぇんだよな…………ッ!!

 

二人のやりとりに呆れていたオラはでけえ気を感じ取った。

 

 

【ガックンッ!ヒヒィィィィィィンッ!】

 

直後、馬車が大きく揺れ、急停止した。

 

 

「な、何事ですか!?まさかテロ!?」

 

 

「分からん!だが、こう言うときは大抵ろくでもない事が起こるもんだ!」

 

おっちゃんとロスヴァイセが警戒を始めてのを見て、オラは馬車降り外に出ていく。

 

外に出てみるとバラキエルを中心にゼノヴィアとイリナがそれぞれ展開して、戦闘態勢になっていた。

 

武空術を使い浮遊し先程のでかい気の感じた方を見る。

 

そこにいたのは若い目付きの悪い男が浮遊していた。

 

じっちゃんと最初に会った時に着ていたローブと似てる。

 

でも、コイツから感じる気の質……じっちゃんやビルスさま、ウイスさんや全ちゃんと同じもんだ…。

 

つまり、コイツは神ってことらしいな……。

 

オラが警戒していると、男はマントを勢い良く広げると口の端を吊り上げて高らかに喋りだした。

 

 

「はっじめまして、諸君!我こそは北欧の悪神!ロキだ!」

 

悪神?聞いたことねえぞ、破壊神でも界王神と天使?っての以外よく知らねえし……

 

オラが首をかしげている最中、周りでは他の奴等が驚いた顔をしていた。

 

 

「これはロキ殿。こんなところで奇遇ですな。何か用ですかな?この馬車には北欧の主神オーディン殿が乗られている。それを周知の上での行動だろうか?」

 

おっちゃんが馬車から出てきてロキとかいう奴に問いかける。

 

おっちゃんの問いにロキは腕を組んで話し出す。

 

 

「いやなに、我らが主神殿が、我らが神話体系を抜け出て、我ら以外の神話体系に接触していくのが耐え難い苦痛でね。我慢できずに邪魔をしに来たのだ」

 

なんか昔のベジータみてえなやつだな。地球に来た頃のアイツもこんな感じだったっけか?

 

おっちゃんはそれを聞いてがらりと口調を変えて言う。

 

 

「堂々と言ってくれるじゃねえか、ロキ」

 

口調からしてかなり怒ってんなおっちゃん。

 

おっちゃんはオラと違って平和好きだからこういう奴が大っ嫌いらしい。

 

 

「ふははは、これは 堕天使の総督殿。本来、 貴殿や悪魔たちと 会いたくはなかったのだが 致し方あるまい。___オーディン共々我が粛清を受けるがいい」

 

 

「 お前が他の神話体系に接触するのはいいってのか?矛盾しているな」

 

 

 

「 他の神話体系を滅ぼすのならばよいのだ。 和平をするのが納得出来ないのだよ。 我々の領域に土足で踏み込み、そこへ聖書を広げたのがそちらの神話なのだから」

 

 

「…… それを俺に言われてもな。その辺はミカエルか、死んだ聖書の神に言ってくれ」

 

おっちゃんが めんどくさそうにそう返す。

 

 

「 どちらにしても主神オーディン自らが極東の神々と和議をするのが問題だ。これでは我らが迎えるべき 神々の黄昏(ラグナロク)が成就できないではないか。__ユグドラシルの情報と交換条件で得たいものは何なのだ」

 

 

「 一つ聞く! お前のこの行動は禍の団(カオス・ブリゲード)と繋がっているのか? ってそれを律儀に答える悪神様でもないか」

 

コイツも禍の団なんか?なら、オラがぶっ倒してもいいんだよな?

 

その問いにロキは面白くなさそうに答える。

 

 

「 愚者たるテロリストと我が想いを一緒にされるとは不快極まりないところだ。__己の意志でここに参上している。そこにオーフィスの意志はない」

 

 

「……禍の団( カオス・ ブリゲード) じゃねえのかだがこれはこれで厄介な問題だ。なるほど、爺さん。これが北が抱える問題点か」

 

 

おっちゃんが馬車のほうに顔を向けると、 じっちゃんがロスヴァイセを引き連れて馬車から出てきていた。

 

 

「 ふむ。どうにもの、頭の固い者がまだいるのが現状じゃ。こういう風に自ら出向く阿呆まで登場するのでな」

 

 

「 じっちゃん、コイツ倒しちまってもいいんか?」

 

オラはじっちゃんにそう問いかける。

 

じっちゃんや仲間に手ぇ出すんならオラだって容赦しねえぞ!

 

 

「うむ、お主ならあやつを倒せるじゃろうしお願いするとしようかの」

 

よし!じっちゃんの許可はもらったぞ!後はあいつはぶっ倒すだけだ!

 

 

 

「 ロキ様!これは越権行為です!主神に牙を剥くなどと!言うされることではありません!しかるべき公正な場で異を唱えるべきです!」

 

隣ではロスヴァイセがロキに物申している。

 

しかしロキは気にした風もなく返す。

 

 

「 一介の戦乙女ごときが馬鹿邪魔をしないでくれたまえオーディンに聞いているのだまだこのような北欧神話を超えたおこないを続けるつもりなのか?そして、そこの猿は私に挑むだと?ふざけるな!貴様のような猿が私に敵うはずがないだろう」

 

 

「 それはどうかな?猿が神に 勝てねえなんて誰が決めたんだ?やってみなくちゃ分かんねえぞ?」

 

オラの言葉にロキはイラついたように返してくる。

 

 

「 ならばやってみるがいい、我に挑んだことを死んで後悔することだ!」

 

不意にオラを悪寒が襲う。凄まじい敵意がロキからオラに向けて放たれる。

 

 

「 じっちゃん、それにみんなもここは離れていてくれ。後はオラがなんとかする」

 

オラの言葉を聞いて、皆はすぐさま後ろに下がっていく。

 

 

「 安心しろ、お前達もすぐにコイツの後を追わせてやる」

 

 

「そう簡単にはやられねえさ。ハアァァッッ!」

 

オラは超サイヤ人青(スーパーサイヤ人ブルー)に変身する。

 

 

「ドライグ!いくぞっっ!」

 

 

『応!相棒!久し振りに暴れてやろう』

 

 

「『神菜帝 紫(サイヤエンペラー・アメシスト)!!』」

 

『God Saiya Emperor‼』

 

オラを紫のオーラが覆う。

 

 

「ほう、その姿…。貴様が噂に名高い神龍帝か」

 

 

「ああ、そうだ!」

 

ロキは面白そうに笑う。

 

 

「これはいい!まさかここで伝説の龍と相見えようとはな。我も本気を出さざるを得ないな。面白い、出でよ!我が愛しき息子よッッ!」

 

何をするつもりだ……?

 

ロキの叫びに1拍空けて__ 宙に歪みが生じる。

 

 

【ヌゥゥゥッ】

 

空間の歪みから姿を現したのは。灰色の狼だった。

 

狼はオラをジッと睨み付けている。

 

 

『……相棒、奴は危険だ。できれば回避した方がいい』

 

なんだ?アイツそんなにヤバイ奴なんか?

 

ドライグに問いかけているとおっちゃんの叫び声が聞こえてきた。

 

 

「 イッセー、距離を置け!ソイツに手を出すなっ!」

 

おっちゃんもか?そんなに危ない奴なんか?ただの狼にしか見えねえけどな……

 

 

「我が息子は我が開発した魔物の中でトップクラス最悪の部類だ。何せ、 こいつの牙はどの神でも殺せるって代物なのでね。上級悪魔でも伝説のドラゴンでも余裕で致命傷を与えられる」

 

へぇ、面白えじゃねえか…。なら、ちっと試してみっか!

 

 

「おい、おめえなんでも殺せんだろ?なら、オラを殺してみろよ?ほれ、おしりぺんぺーん!」

 

オラは思い付く限りの挑発を咬ましてみる。

 

 

「オオオオオオオオオオオオオオォォォォォォオオオオオオオンッッ!」

 

狼が挑発に乗ったのか見事で透き通るような美声の遠吠えをする。

 

 

【ヒュンッ】

 

次の瞬間、狼は超高速でオラに向かって突っ込んできた。

 

オラは瞬時にそれを躱わし、狼の頭に肘打ちを思いきり打ち込む。

 

 

「ギャンッ!」

 

頭を思いっきり殴られ地面に叩き付けられる狼。

 

オラは近くにしゃがみこむと殺気を込めて奴に問いかけた。

 

 

「……まだやっか?」

 

そうすると、狼はサッと立ち直すと犬で言うおすわりの体勢になりオラの顔をペロペロと舐めだした。

 

 

「な、なんだよ……もうやらねえってことでいいんか?」

 

「ワンッ」

 

舐めるのを止め、犬のように鳴く狼。

 

 

「分かった、じゃあおめえも向こうで大人しくしててくれ。皆にも手をだすんじゃねえぞ?」

 

 

「ワンッ!」

 

分かったと言うかのように一鳴きすると、狼は皆のほうに歩いていった。

 

オラはロキに向き直り、話す。

 

 

「おめえの息子はこっちに来ちまったぞ…まだやっか?」

 

 

「くっ…!神喰狼(フェンリル)め、こんな猿ごときに寝返りおって!良かろう!我が直々にお前を殺してくれる!」

 

そう言ってロキは超巨大な光の槍のようなものを展開させるとオラめがけて投げつけてくる。

 

 

「我が一撃に耐えられるものなら耐えてみよ!神龍帝!」

 

飛んでくる極大の光槍、オラはそれを片腕で真正面から殴り壊す。

 

 

「なっ!馬鹿な!我が一撃を素手で破壊するだと!?」

 

 

「今度はこっちから行くぞ!」

 

オラは瞬時にロキとの距離を積めていく。

 

 

「くっ…!猿風情が調子に乗るな!」

 

向かってくるオラに今度は魔術攻撃を撃ってくるがオラには一つも当たらない。

 

瞬く間に距離を積め、ロキの腹部に全力の蹴りを叩き込む。

 

 

「だりゃああああぁぁぁっっ!」

 

 

【ドゴンッ‼】

 

 

「ぐぅっ……かはっ……ッ!」

 

腹を抑えて蹲るロキを持ち上げると全力のアッパーを叩き込む。

 

 

「でりゃああああぁぁぁっっ!」

 

【バガンッ‼】

 

 

「ぐっがあぁあぁぁああッッ!!」

 

勢い良く空に打ち上げられるロキの背後に回り込み、今度はその背中に全力のアームハンマーを叩き込む。

 

 

「だああぁぁぁッ!!」

 

 

【ガギィッッ!!】

 

 

「ぬがあああぁぁぁっ!!」

 

勢い良く地面に叩き付けられるロキ。

 

オラは腕に気を溜めエネルギー波を打ち込む。

 

 

「ハアァァァァァッッ!!」

 

【ズガガガーンッッ!!】

 

 

「があああぁぁぁぁぁぁっ……!グ……ゾ……!何故……我が……あんな猿ごときにぃ……ッッ!」

 

もう攻撃を受けたロキは最早死に体だった。

 

コイツはもう戦えねえ、もう終わりだな。

 

オラがそう思った時だった。

 

 

【ギュオオオオォォォォオオオオンッ‼】

 

動けないロキをピンクの物体が呑み込んだのだ!

 

 

「な、なんだ!?くっ…離せぇ……!!」

 

オラは驚いて動けない、その間にピンクの物体はロキを呑み込みその形を人形へと変えていく。

 

そして完全に形を整えたそれはオラのとても見覚えのある奴だった。

 

 

 

 

 

 

「……ニヒィ♪」

 

ソイツは邪悪な笑みを浮かべてオラを見ているのだった。




オッス!オラ悟空!

な、なんでだ!?なんでアイツがここにいんだ?

アイツは前にオラ達で倒したはずだ!

しかもコイツ!ロキを吸収しやがったからかなり強くなってっぞ!

どうしたらいいんだ……!!

次回!DORAGON BALL D!

蘇る悪夢!神龍帝大ピンチ!

ぜってえ見てくれよな!

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