DRAGONBALL D(沈黙)   作:榛猫(筆休め中)

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前回までのあらすじじゃ…。

会議の最中、オーディンに稽古をつけてもらえることとなった一誠…。
だが、その為にはソーナとのゲームで全力を出しきらないとならないと言われてしまう。
オーディンに稽古をつけてもらうため一誠はゲームに燃える。

果たしてゲームの行方は如何に!


ついに開幕!リアスVSソーナ!勝つのはどちらだ!

sideイッセー

 

 

決戦当日。

 

ゲームが始まるまであと三時間ほど。

 

ゲームに出場するメンバーは各自、体を動かしたり、シミュレーションをしたり、リラックスするなりしている。

 

 

アーシアとギャスパーは雑談している。

あの二人はその方が緊張が和らぐだろう。

 

 

オラは、自分の部屋で修行中だ。

 

こういうときこそしっかり修行しておかねえとな!

 

ほんとは重力室が使えりゃ良かったんだけんど…。わがままも言ってらんねえもんな。

 

ゲームに集中出来るように少しでも体を暖めておかねえとな!

 

 

「49995…!49996…!49997…!」

 

 

せめて五万回は腕立て伏せをしておきてえな…!

 

 

コンコン

 

 

すると、部屋のドアがノックされる。

 

『……イッセー先輩、今良いですか?』

 

「ん?とっとっとっとっおわぁっ!痛ってててぇ…おー!痛ちちち…!ん?この声は小猫か? いいぞ」

 

 

『……失礼します』

 

 

【ガチャリ…】

 

 

オラが許可すると小猫はドアを開けて入ってくる。

そして、オラの側に寄ってきた。

 

「……大丈夫ですか……? さっき中で凄い音がしましたけど…。」

 

小猫が心配そうに問いかけてくる。

 

「あぁ、でえじょうふだ!ちっと腕立て伏せしててバランス崩しただけだかんな」

 

「……腕立てでバランスを崩すって…どんな体勢でやってたんですか?」

 

「う~ん……。どんな体勢ってこんな感じだな」

 

オラは片手の親指だけで逆立ちの要領で全体重を支えながら腕立て伏せをする

 

 

「……凄いバランス感覚ですね」

 

小猫ちゃんはそう言うと側にある椅子に座る。

それから、何も言わずにじっとオラを見てくる。

 

ん~…ただじっと見つめられてんのも落ち着かねえよな…。

 

オラは腕立て伏せを止め、小猫と向かい合う。

 

「どうしたんだ?小猫、オラに何かあるんか?」

 

「……えぇ、実は…。」

 

オラの問いに小猫はゆっくりと口を開いた。

 

 

 

「今回のゲームで私…猫又の力を使います」

 

 

 

「っ!…そうか」

 

小猫の言葉にオラは少し驚く。

 

小さく頷くと小猫は続ける。

 

「……このままでは私は皆のお役に立てないかもしれません。だから使おうと思います」

 

覚悟を決めた良い眼だ…。

これまで否定していた自分の力を受け入れる覚悟を決めたらしい…。

 

 

「……だから、その…私が猫又の力を使うところを見ていてくれますか?」

 

顔を赤くしながらそう言う小猫。

 

何でモジモジしてんのかわかんねえけど…。

 

保護欲っちゅうんか?そんな感じのなにかが掻き立てられっぞ!

 

「あぁ、見守っていてやるさ!おめえが頑張るとこしっかり見てやる。だけど、無理だけはすんなよ?」

 

「……はい!ありがとうございます」

 

それでこそ小猫だぞ!

 

んじゃ、ちっと復習だな。

 

 

「そうだ、小猫。おめえが気をどこまで使えるようになったかテストしてやる。 おめえがどこまで強くなったかオラに見せてくれ」

 

 

「……分かりました。修行の成果、お見せします…。」

 

そう言うと小猫は自身の気を掌に展開させた。

 

オラは黙ってそれを見守る…。

 

しばらく見ていると小猫は気の玉を消して自身の体を浮かせて見せた。

 

 

「……どうですか?」

 

オラは頷いて笑顔を浮かべる

 

 

「良く出来てたぞ!これならオラの必殺技の一つを教えてやっても良いかもしんねえな」

 

オラがそう言うと小猫は安心したように笑顔を浮かべた。

 

 

「良かったです…。でも、イッセー先輩の必殺技って?」

 

 

「それに関してはまた今度だ、今はゲームに集中しねえといざって時に力が出ねえかんな!」

 

オラの言葉に小猫は頷く、

 

 

「分かりました、それじゃまた今度教えてくださいね?」

 

 

「あぁ!任せとけ!さて、そんじゃ行くか」

 

そう言うとオラ達は部長達の所に戻るのだった。

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

 

ゲーム五分前…。

 

グレモリー本邸の地下にゲーム場へ移動する専用の魔法陣が存在する。

 

オラ達はその魔法陣の上に集まり、もうすぐ始まるゲーム場への移動に備えていた。

 

オラは以前にも着ていた道着を身につけている。

 

アーシアとゼノヴィア以外は駒王学園の夏の制服姿だ。

 

アーシアはシスター服、ゼノヴィアは出会った頃に着ていたあのボンテージっぽい戦闘服だ。

 

二人ともそちらの方が気合いが入るらしい。

 

爺ちゃん、婆ちゃん、ミリキャス、アザゼルのおっちゃんが魔法陣の外から声をかける。

 

「リアス、カカロット…。頑張りなさい」

 

 

「次期当主として、そしてサーゼクスの息子として恥じぬ戦いをしなさい。眷属の皆さんもですよ?」

 

 

「がんばって、リアス姉様!イッセー兄様!」

 

 

「まぁ、俺が教えられることは教えた。あとは気張れや」

 

 

「あぁ!んじゃ、行ってくっぞ!」

 

すると、魔法陣が輝きだす。

移動する準備が出来たみてえだ。

 

そして光はオラ達を完全に包み、オラ達は転移していった。

 

ついにゲームが始まんだな!オラ、ワクワクしてきたぞ!

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

 

 

 

到着したのは、テーブルだらけの場所だった。

 

周囲を見渡すと、どうやらフードコートみてえだ、テーブル周辺にファストフードの店が連なっている。

 

ここは見覚えがあんな…。

 

 

「駆王学園近くのデパートが舞台とは、予想してなかったわ」

 

オラの隣に来ていた部長が話す。

 

ゲームの舞台はオラ達が前に行ったこともあるデパートだった。

 

そのとき店内アナウンスが聞こえてきた。

 

 

『皆さま、このたびはグレモリー家、シトリー家の「レーティングゲーム」の審判役を担うことになりました、ルシファー眷属『女王』のグレイフィアでございます』

 

アナウンスはフェニックス戦のときとおなじくグレイフィアらしい…。

 

 

『我が主、サーゼクス・ルシファー様の名のもと、ご両家の戦いを見守らせていただきます。どうぞ、よろしくお願い致します。さっそくですが、今回のバトルフィールドはリアス様とソーナ様の通われる学舎「駒王学園」の近隣に存在するデパートをゲームフィールドとして異空間にご用意しました』

 

ゲーム会場が見知った場所でもそうでなくてもオラには関係ねえけどな!

 

だけど、それはソーナ達の方は違えんだろうな…。

 

アイツは頭が良い…。何を使ってくるか分からねえ…。

 

 

『両陣営、転移された先が「本陣」でございます。リアス様の本陣が二階の東側、ソーナ様の「本陣」は一回西側でございます。「兵士」の方は「プロモーション」をする際、相手の「本陣」まで赴いてください』

 

なるほどな、まあプロモーションはしてもいいけんど使うことあるんかな?

 

ま、そんときはそんときか!

 

 

『今回のゲームでは特別ルールがございます。各陣営に資料が送られていますので、ご確認ください。回復品である「フェニックスの涙」は各陣営に一つずつ支給されます。なお、作戦時間は30分。それまでは両チームも接触は禁止となります。――――それでは、作戦時間です』

 

アナウンス後、すぐに作戦会議を開かれた。時間は三十分。

 

どんな作戦にするんか部長の腕の見せどころだな!

 

「今回のゲームは屋内戦を想定したもののようね。・・・・・今回の特別ルールは『バトルフィールドとなるデパートを破壊しつくさないこと』……つまり、派手な戦闘は行うなってことね」

 

部長が送られてきたルールの紙を見ながら言う。

 

 

「なるほど、私や副部長、それにイッセーにとっては不利な戦場だな。範囲の広い攻撃ができない」

 

ゼノヴィアの言うとおりだ。

 

朱乃の広範囲に及ぶ雷やゼノヴィアの聖剣による聖なる斬戟波動も使えない。

 

オラの場合は大技が放てないって所か…。

 

二人の攻撃は強力な分、周囲への影響も大きい。

 

今回のゲームでは自身の持ち味を活かせないことになる。

 

「あらあら、困りましたわね。大質量による攻撃戦をほぼ封じられたようなものですわ」

 

朱乃が困り顔で頬に手を当てていた。

 

木場がため息を吐きながら口を開く。

 

 

「ギャスパーくんの眼も効果を望めませんね。店内では隠れられる場所が多すぎる。商品もそのまま模されるでしょうし、視線を遮る物が溢れています。闇討ちされる可能性もあります。……困りましたね。これは僕らの特性上、不利な戦場です。派手な戦いができるのがリアス・グレモリー眷属の強みですから、丸々封じられる」

 

部長が木場の言葉に首を横に振った。

 

「いえ、ギャスパーの眼は最初から使えないわ。こちらに規制が入ったの。『ギャスパー・ヴラディの神器使用を禁ずる』だそうよ。理由は単純明快。まだ完全に使いこなせないからね。眼による暴走でゲームの全てが台無しになったら困るという判断でしょう。しかもアザゼルが開発した神器封印メガネを装着とのことよ。―――本当、用意がいいわね」

 

ふと、ギャスパーを見てみると早速メガネをかけていた。

 

眼鏡姿も意外と似合うじゃねえかギャスパー。

 

それにしても短期決戦か…。コイツは一気に本陣まで瞬間移動で乗り込んで超サイヤ人3でソーナをぶっ倒すのが良いか?

 

いや、それだと他のメンバー達が活躍できなくて部長の評価が下がっちまうのか…。

 

いつものように立ち回れるのは木場と小猫だけになんのか。

 

「では、ギャスパー君には魔力とヴァンパイアの能力だけで戦うことになりますね」

 

木場の言葉に部長は頷く。

 

「そういうことね。修行で神器の扱いが向上したとはいえ、まだまだ使いこなしているというほどではないもの。暴走したら大変なことになるわ。・・・・・まぁ、これに関しては何となく予想はしていたから大した問題ではないわ。―――ギャスパー、イッセーから例の物は受け取ってる?」

 

「は、はい!ここに転移してすぐに渡されました」

 

「よろしい。いざという時にはそれを使ってもらうわ。お願いね、ギャスパー」

 

「はい! 僕、頑張りますぅ!」

 

ギャスパーが気合いの入った返事で答える。

 

ギャスパー…。強くなったな…。

出会った頃のギャスパーならこんな返事はしなかっただろうしな。

 

 

「今回のゲーム、私達にとってはかなり不利なものよ。でも、不利な状況下で敵を倒してこそ私達の評価は上がるわ」

 

部長が不敵な笑みを浮かべながら言う。

 

 

「あらあら、ずいぶんと燃えてますわね」

 

「当然よ。だけど、燃えているのは朱乃、あなたもでしょう?……いえ、私とあなただけじゃないわ。この場にいる全員が同じ気持ちのはずよ」

 

部長の言葉に全員が頷いた。

 

小猫も今までにないくらい気合いが入ってるみてえだ。

 

ゲームの前に約束したあれが要因か?

 

部長がポンッと手を叩く。

 

「おしゃべりするのはここまで。作戦会議を始めましょう。まずは戦場の把握からね。……ここが、デパートをそのまま再現しているとしたら、立体駐車場の車も再現されているのかしら? だとしたら、厄介ね」

 

その言葉を聞いて僕は進言する。

 

「部長、屋上と立体駐車場を見てきます。近くに階段がありますから、確認してきます」

 

「そうね。お願い、祐斗」

 

木場はその場を足早に後にして、屋上と立体駐車場へと向かった

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

木場が偵察に行ってから約10分後。

 

 

「ただいま戻りました」

 

 

「ごくろうさま。祐斗。さっそくだけど、どうだったか教えてくれる?」

 

 

「はい」

 

木場は細かく記されている地図に書き込みをしながら、車の配置など細かく報告していく。

 

 

「やはり車も再現されているわね。だけど、台数が思ったより少ないのは救いね。隠れるところも少ないし、ある程度の強力な攻撃もできるわ」

 

 

部長が地図を見ながらそう言う。

 

それを聞いて朱乃も意見を述べる。

 

 

「そうなると、立体駐車場から攻めるのは私とゼノヴィアちゃんが向いてますわね」

 

 

「そうね。朱乃とゼノヴィアには立体駐車場から侵攻してもらうわ。店内からはイッセーと小猫。ルール上、店内でも普段通りに立ち回れるのは祐斗と小猫の二人だけでしょうし」

 

部長はそう言うとギャスパー君に視線を移す。

 

 

「ギャスパーはコウモリに変化して、デパートの各所を飛んでちょうだい。序盤、あなたにはデパート内の様子を逐一知らせてもらうわよ」

 

 

「りょ、了解です!」

 

 

「期待してっぞ!ギャスパー!」

 

 

「はい!師匠!僕、頑張りますぅ!!」

 

 

それからも作戦会議は続き、細かい戦術を決めていった。

そして、作戦は決まった。

 

待ってろよ!匙!ソーナ!

 

オラ達の修行の成果見せてやる!




オッス!オラ悟空!

瞬間移動は使っちゃ駄目なんだよな…。
ん?!この気は…!
匙、なんだその姿…。

次回!ドラゴンボールD!

イッセーVS匙!サイヤ人の本領発揮だ!

ぜってえ見てくれよな!

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