DRAGONBALL D(沈黙)   作:榛猫(筆休め中)

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前回までのあらすじじゃ...。

シトリー、グレモリー、魔龍聖の眷属達と共にパーティー会場へとやって来たイッセー

そこでライザー・フェニックスの妹であるレイヴェル・フェニックスと遭遇する。

お互いを紹介した後、レイヴェルはイッセーをお茶会に誘うとどこかへと去ってしまう...。

それを見ていたグレイフィアが爆弾発言をして...。

そして、急ぎ足で会場を出ていく小猫を見つけるイッセー

いったいどうなってしまうのか!



ついに激突!超サイヤ人3イッセーvsはぐれ悪魔黒歌&美猴!

sideイッセー

 

 

オラは今、小猫の後を追っている。

 

気を感じてっから見失うことはねえと思うけど...。

 

これはエレベーターを使って下に行ったんか?

 

オラがエレベータに乗り込みボタンを押そうとしたところで部長が入ってきた。

 

 

「部長?」

 

 

「イッセー、どうかしたの?そんな血相変えて」

 

部長が声をかけてきた。

 

 

「小猫をいきなり部屋を飛び出していったのを見たんだ。なんかを追うみてえに」

 

部長は少し考え込んでから口を開く。

 

 

「今はあまり大事にしたくないわ...。二人で小猫を探しましょう」

 

オラは静かに頷き下の階へと降りていった。

 

 

―――

 

 

気配を探り外に出ると少し遠くに小猫の気を感じた。

 

 

「部長、こっちだ」

 

 

「えぇ...。」

 

オラ達は小猫の気の感じる方に走り出した。

 

いったい何があったんだ?小猫の奴、あんな慌ててよ...。

 

オラは走りながら少し考える。

 

何かの気配を感じたか?でもオラには特に何も感じられなかったしな

 

まさかションベン...って訳もねえよな...。

 

そもそも外まで出なくともトイレがあんのに態々そんなことをする必要がねえ。

 

と、そんなことを考え込んでいる間に小猫に追いついた。

 

オラ達は気配を殺し、小猫の様子を見守る...。

 

小猫の見上げる先にはもう一人影があった。

 

気が小猫と似ている?っちゅうことはアイツが...。

 

それにほかの気も感じるぞ...この感じ、どこかで...。

 

 

『......ここに来た目的はなんですか?』

 

 

『白音、アンタを迎えに来たにゃ、前は逃げるのに必死で連れてってあげられなかったからね...。』

 

 

「...黒歌」

 

部長がボソリと呟く...。

 

やっぱそうだったか...。

 

 

「アイツが黒歌なんか...。」

 

 

「えぇ、 【SS級はぐれ悪魔『黒歌』】よ。そして...。」

 

 

「小猫の姉ちゃん、か...。」

 

部長は頷く。

 

すると、小猫のいる方から声が聞こえてきた。

 

 

「なあ、黒歌」

 

 

「なによ、美猴...。」

 

 

「そこに隠れている奴、ずっと無視する気か?俺っちや黒歌みたいに仙術知ってると、気の流れですぐ分かるんだよねぃ」

 

ありゃ、気づかれちまってたか...。

 

まあ隠れんのは性に合わねえしいいか。

 

オラ達は茂みから出て黒歌達の前に姿を現す。

 

 

「......っ!部長、イッセー先輩!」

 

 

「...よぉ、久しぶりだな美猴...。」

 

 

「なっ!?お前は神龍帝!一人だけじゃなかったのかよ...。」

 

オラの姿を見た途端に驚いた顔をする美猴...。

 

 

「なぁに?美猴、知り合いにゃ?」

 

 

「アイツが伝説の神龍の生まれ変わりだぜい、そしてついでに今代の赤龍帝でもある」

 

 

「へぇ、それじゃヴァーリを瀕死に追い込んだのって...。」

 

 

「オラがやった...。」

 

ふぅん...。とオラをじろじろと眺める黒歌。

 

 

「結構いい男じゃにゃい、ねえ神龍帝ちん、あなたも私と一緒に来ないかにゃ?」

 

 

『なっ...!?』

 

オラと黒歌以外の全員が驚いた顔をする。

 

 

「おいおい黒歌、何言ってるんだぜぃ?コイツはあのヴァーリを瀕死に追いやった奴だぞ?」

 

 

「いいじゃない、きっとオーフィスもヴァーリも喜んで受け入れてくれるにゃ。

私と同じ力を持っている白音。それに伝説の神龍帝なんだもの...。どうかにゃ?」

 

黒歌が妖艶な笑みを浮かべながら問うてくる。

 

横では部長と小猫が必死にオラに呼び掛けている。

 

 

「......イッセー先輩、止めてください...」

 

 

「イッセー行っては駄目よ。誘いに乗らないでちょうだい」

 

部長、小猫、心配すんなって...。

 

オラはニヤリと不敵に笑って答える。

 

 

「悪りいな。オラ、悪さする奴は一ッ番嫌えなんだ。だから、ここでおめえ達をぶっ倒す!」

 

オラはそう言って構えを取る。

 

 

「そう、じゃあ...」

 

黒歌がニヤリと笑む。

 

 

「殺すにゃん♪」

 

直後、オラは辺りの空気に違和感を覚えて辺りを見回す

 

 

「な、なんだ!?」

 

 

「この森ぜぇ~んぶ結界で覆って外界から遮断したにゃん♪」

 

 

「仕方ねえ、あんまし相手にしたくはねえけどやってやるか、いくぜぃ!神龍帝!」

 

美猴が棍を構えて突っ込んでくる。

 

オラは攻撃を躱し距離を取る。

 

あの棍、あれは恐らく...。

 

 

「よっと!部長、小猫おめえ達は下がっててくれあとはオラがなんとかする!」

 

しかし部長も小猫も下がろうとしなかった。

 

 

「イッセー、私も戦うわ。いつまでもあなたに守られっぱなしは嫌なの」

 

 

「......ダメです!二人ともやめてください...

姉様の力は私が一番よく知っています。姉様の力は最上級悪魔に匹敵するもの。

いくらイッセー先輩でも幻術と仙術に長ける姉様を捉えきれるとは思えません。

姉様だけでも勝つことは難しいのに、あの男の人も同時に相手にするなんて......」

 

全く、オラも舐められたもんだな...。

 

 

「部長も小猫も何言ってんだ?オラはあの神龍の生まれ変わりだぞ?こいつら二人くらい相手すんのは朝飯前だぞ」

 

こいつらから感じる気の量...。

 

オラが生前戦ってきたやつらで例えんなら敵だった頃のベジータくれえか…。

 

 

「でも...!」

 

 

「早く行け!ぶっ飛ばされてえか!」

 

 

「逃がすと思うにゃん?」

 

するとオラ達の周りに黒い霧が発生し始めた。

 

 

「な、なんだ!?」

 

 

【ドサッドサッ!!】

 

後ろで何か音がしたと思った直後だった...。

 

 

「ぁぁ...!」

 

 

「こ、これは...!」

 

振り返ると、部長と小猫が膝をついていた。

 

ど、どうなってんだ!?

 

 

「悪魔や妖怪なら効果抜群なのに...どうやらドラゴンには効かないみたいね...それともアンタが神龍の生まれ変わりだからかしらにゃ?」

 

 

「おめえ!部長たちに何をした!」

 

オラは黒歌をさっきのこもった眼付きで睨みつける。

 

 

「毒を弱めたから短時間では死なないにゃじっくりたっぷり痛ぶってから殺してあげるにゃん♪」

 

そう言うと黒歌は後ろの二人に向けて魔力球のようなものを放った。

 

部長と小猫は毒で動けねえ...。

 

オラは二人の前に立ちはだかり魔力球を喰らう。

 

 

「ぐあぁぁぁぁぁっ!!...くっ...!」

 

 

「へえ、てっきり先に私を倒しに来るかと思ったけど。これならイケそうね。美猴」

 

 

「はいはいっと、んじゃ神龍帝おめえがどこまで耐えられるかテストしてやるぜぃ!精々頑張って耐えてくれよ!」

 

美猴はそう言うと流れるような連打連撃でオラを打ち据えていく。

 

 

「うぐぁ!ぐぁっ!ぐぁぁぁぁぁっ!!」

 

 

「イッセー!!」

 

 

「イッセー先輩!!」

 

 

「去って、仕上げはこれだぜぃ!伸びろ如意棒!」

 

美猴がそう叫ぶと棍が勢い良く伸びてオラに迫ってきた。

 

 

ッ!これだッ!!

 

オラは伸びてきた如意棒を受け止める。

 

 

「なっ!?如意棒を止めただと!」

 

 

「へ...ヘヘヘッ...!なにも如意棒使えんのはおめえだけじゃねえんだぜ?

戻れ如意棒!!」

 

すると、如意棒が美猴の手から離れオラの元に戻ってくる。

 

 

「なっ!嘘だろおい!」

 

へへっ...懐かしいなぁ...

 

 

「いくぞ!如意棒スピン!!」

 

オラは如意棒を上に掲げて持つとプロペラの様に高速回転させる。

 

すると、オラを中心に突風が吹き荒れ始める。

 

 

「な、なんにゃ!?」

 

 

「アイツ!俺っちの如意棒で何しやがる!」

 

驚いている二人を他所にオラは如意棒を回し続ける。

 

少しして辺りを見回すと、毒霧は吹き飛ばされていた。

 

しかし二人はいまだ膝を突いたまま...。

 

 

「はぁっ..はぁっ..太陽拳!」

 

 

『なっ!?』

 

オラは太陽拳を発動させて二人の眼をつぶす。

 

今のうちに!

 

オラはそっと二人を抱えると気を殺し、全速力で駆けだした。

 

 

 

ーーー

 

 

美猴達から逃れたオラ達は森の端、結界のあるところまで逃げていた。

 

 

「ここならあの二人もそう簡単には追って来らんねえ、オラは戻るけどおめえ達はここで休んでるんだ」

 

 

「でも、イッセーが戦うのに...。」

 

それでも部長は戦おうとする。

 

 

「下手に動いて毒が身体に回っちまったら元も子もねえ、今はゆっくり休んでてくれ」

 

 

「......イッセー先輩」

 

小猫が不安そうな顔で見つめてくる。

 

オラはそんな小猫の頭を撫でていった。

 

 

「心配すんな、オラは必ず戻ってくるおめえをアイツらなんかには渡さねえさ」

 

 

「......分かりました。絶対、帰ってきてくださいね...。」

 

 

「あぁ」

 

そう答えるとオラは美猴の気を探り瞬間移動した。

 

 

 

――――――

 

 

 

 

戻ってくると美猴達は少々驚いた顔をしていた。

 

 

「あ~らもどってきたの?態々殺されに戻ってくるなんて、神龍帝も馬鹿ね」

 

 

「おい!神龍帝!俺ッちの武器返しやがれ‼」

 

 

「あぁ、そら!」

 

オラは美猴に如意棒を投げ渡す。

 

 

「ずいぶんあっさり渡すのね、もう抵抗する気がなくなった?それとも、まだ何か手があるのかしら?」

 

 

「フッ...。こいつは消耗が激しいからあまり使いたくなかったんだがしょうがねえ、見せてやる!修行の成果を!ハアァァァァァァ.........」

 

オラは気を高め始める。

 

 

「な、何をする気にゃん!?」

 

 

「ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!」

 

次第に大地が揺れ始める。

 

 

「な、何が起こるっていうだぜぃ!?」

 

黒歌と美猴の声はもうオラの耳には聞こえていない。

 

やがて大地の揺れは大きなものとなり始める。

 

雷鳴が鳴り響き、大地は怒り狂ったように震える。

 

 

「ァァァァァァァァァァだぁぁぁぁッッ!!!」

 

オラは高めた気を一気に放出させた。

 

するとオラの身体が輝きだしたかと思うと眩い光で包まれた。

 

 

 

 

―――――

 

 

 

 

光が収まり姿を現したのは...。

 

 

「さあ、第二ラウンド始めようぜ...。」

 

超サイヤ人3に変身したオラがいた。

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

side三人称

 

 

イッセーの突然の変化に黒歌達は動揺を隠せない。

 

 

「な、なんにゃその恰好...それにその姿...。」

 

 

「い、いや、黒歌、それだけじゃないぜぃ...。こいつが今放ってる気の量、とんでもないことになってやがる...。ありゃ化けモンかよお前...」

 

 

「フッ...さあな、さて、時間もねえんだ...。早えとこカタぁつけさしてもらうぞ」

 

直後、イッセーの姿が掻き消える。

 

 

「?!ど、どこ行きやがった!」

 

慌てて辺りを見渡す美猴。

 

 

「こっちだウスノロ...。だりゃぁぁぁ!!」

 

いきなり背後に現れると美猴が振り向きざまに強烈な一撃を腹に叩き込んだ。

 

 

「ッ!!グボァッ!!」

 

腹を押さえてうずくまる美猴...。

 

 

「美猴!?チッ...!」

 

黒歌が幻影のこもった魔力弾を放つが届く直前にまたしてもイッセーの姿が掻き消える。

 

 

「二度も同じ手はくらわないにゃ!」

 

黒歌が全方位あらゆる攻撃を放つが当たるような気配はない...。

 

 

「なんでにゃ!なんで当たらないのよ!!」

 

最早口調すらもままならないほど焦っている黒歌はむやみやたらと魔力弾、仙術弾、気弾を打ち出す。

 

しかし、そんなむちゃくちゃな攻撃当たるわけもなく、目の前に現れたイッセーを前に黒歌は腰が抜けて何もできなくなってしまった...。

 

 

「ぁ...ぁ...ぁぁ...」

 

 

「.........」

 

腰が抜け喋ることもままならない黒歌をイッセーは黙って見つめる。

 

 

「......ぁ......」

 

 

【バタリッ...】

 

黒歌は気を失った。

 

 

イッセーは気絶した黒歌を抱え上げると近くで倒れている美猴のもとに運ぶと自身の気を少し分け与えてやる。

 

 

「...どうして助けたんだぃ?」

 

 

「これで帰るくらいの元気は出るはずだ...。これ以上やられたくなきゃさっさと帰れ!」

 

その言葉を聞いた美猴は血相を変えて黒歌を抱え上げると転移していったのだった。

 

その場に一人残されたイッセーは一人呟いていた。

 

 

 

 

 

 

「フンッ...雑魚が...」

 




オッス!オラ悟空!

遂にソーナたちとのゲーム前夜だ!

オラもみんなも負けねえようにしっかり特訓してきたんだ!

ソーナたちには悪りいけどここは勝ちに行かせてもらうぞ!


次回!ドラゴンボールD!

ゲーム直前!勝負に賭けるそれぞれの思い

ぜってえ見てくれよな!

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