DRAGONBALL D(沈黙)   作:榛猫(筆休め中)

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前回までのあらすじじゃ...

授業参観を見学に来ていた四大魔王の一人、

セラフォルー・レヴィアタンに目をつけられた一誠...

セラフォルーの攻撃(意味深)をなんとか耐え抜き脱出するのだった。


解かれし封印!二人目の僧侶ギャスパー・ヴラディ!

sideイッセー

 

 

オッス!オライッセー!

 

今オラ達は旧校舎にあるある一室の前に来てんだ。

 

 

「ここか?部長のもう一人の眷属がいるってのは」

 

その扉には厳重な封印がされているらしい...

 

らしいってのは、オラが見てもよく分かんねえからだけどな!

 

 

「えぇ、その子の能力が強すぎるために私では扱いきれないと考えたお兄様の指示で、ここに封印しているの、普段は深夜に封印が解けて出られるようにしてあるのだけど…」

 

ん?それって封印してる意味あるんか?

 

 

 

普通、壁を隔てても気を感じっから分かるはずだよな?

 

何か特殊な術式なんか?

 

にしても、この僧侶そんなに強いんかな?

 

強いんならオラ手合わせしてみてえぞ!

 

 

「くーッ!ワクワクすんなぁ!いったいどんなやつなんかな?」

 

 

「私も少し楽しみです。私と同じ僧侶さん、まだあったことないですけど仲良くなれるでしょうか…」

 

そっか、アーシアと同じ僧侶なんだもんな、でもきっとでぇじょうぶ(大丈夫)さ!

 

 

「きっと仲良くなれっさ!部長が選んだ奴に悪い奴はいねえかんな!」

 

 

「そうですね!部長さんが選んだ人ですもの!大丈夫ですよね!」

 

 

「あまり、プレッシャーをかけないでほしいのだけど…でも、そろそろ開けるわ」

 

そう言って部長が扉の封印に手を翳すと、ガチャン!と音を立て封印が解かれた。

 

その後に部長は朱乃を連れ立って中に入っていく。すると...

 

 

「イヤァァァァァアアアアアアッ!!」

 

とんでもない絶叫が中から聞こえてきたんだ!

 

な、なんだ!?悲鳴?が聞こえたぞ?

 

 

これにはオラだけじゃねえ、アーシアやゼノヴィアまで驚いてっぞ。

 

 

 

『ごきげんよう。元気そうで良かったわ』

 

 

『な、な、何事なんですかぁぁぁ!?』

 

 

中から部長達のやり取りが聞こえてくる。

 

何事ですか、ってそれはこっちのセリフだと思うぞ...。

 

さすがに慌てすぎだろ...

 

 

『あらあら、封印が解けたのですよ? もうお外に出られるのです。さぁ、私達と一緒にここを出ましょう?』

 

いたわりを感じられる朱乃の声

 

 

『いやですぅぅぅ! ここがいいですぅぅぅ! お外怖いぃぃぃぃ!!』

 

ひゃ~!こりゃ重症だな...

 

いったいどんな奴なんだ?

 

オラ達は部屋の中に入っていく。

 

中は薄暗いが、可愛らしく装飾されていた。

 

ぬいぐるみとかもあったぞ。

 

おかしな点と言やあ部屋の隅にある棺桶だ。

 

なんで部屋に棺桶なんだ?

 

 

オラは部長達の方をみる。

 

そこにいたのは金髪と赤い相貌をした人形みたいな美少女だった。

 

見た目だけはな...

 

 

「なあ、部長、ソイツなんで女の格好なんかしてんだ?」

 

その言葉にアーシアとゼノヴィアが驚く。

 

 

「よく分かったわね、この子が男の子だって」

 

部長も若干驚いている。

 

ん?オラそんなに変なこと聞いたか?

 

 

「そりゃ、ソイツから感じる気が男のソレだかんな...すぐ分かったぞ」

 

 

「流石はイッセーくんですわね、この子がなぜこんな格好をしているのか...

それはね?この子、女装趣味があるのですわ」

 

へぇ、女装趣味か!ん?じょそう?除草…助走…女装…

 

 

「いぃっ!?コイツ女の服着るんが好きなんか!?男なのによ」

 

 

「だって…女の子の服の方が可愛いんだもん…」

 

 

「いやだもんて…おめえ可愛い物が好きなんか?部屋までこんな女っぽくしてよ」

 

オラは辺りを見回す。どう見ても女の部屋だよな?

 

チチやブルマでもこんな部屋してなかった気がすっぞ。

 

パンとかブラに関しちゃ分かんねえけどよ...

 

 

「だ、だって可愛いほうが落ち着くし…」

 

 

「落ち着くっておめえ...」

 

男としてはそれはどうかと思うぞ?ベジータの奴が見たら怒りそうだな~

 

部長が女装男子の頭を撫でながら言う。

 

「この子の名前はギャスパー・ヴラディ。

私のもう一人の僧侶よ。そして、元人間と吸血鬼のハーフなの」

 

「吸血鬼?ってことはヴァンパイアなんか!?おめえ!」

 

 

その時、ギャスパーの口から小さな牙が見えた。

 

 

「ギャスパー。お願いだから、私達と一緒に外へ出ましょう?ね?」

 

部長が小さな子供をなだめるように言うが、ギャスパーは激しく首を横に振る。

 

 

「いやですぅぅぅ!」

 

そこまで嫌なもんか?

 

なんでだ?

 

朱乃に続き、部長まで拒否するって、よく分かんねえ奴だなぁ...

 

あーぁ...見てみろよ

 

部長たちも困った表情をしてっぞ...。

 

「ん~…なぁ、ギャスパー、外に出るのがそんなに怖いんか?」

 

 

「は、はいぃぃぃ...。え、えっと、あなた達は?」

 

 

「そういや、自己紹介がまだだったな!オッス!オラ兵藤一誠!

部長の兵士でサイヤ人だ。よろしくな!」

 

「僧侶のアーシア・アルジェントです。よろしくお願いします」

 

「騎士のゼノヴィアだ」

 

アーシアとゼノヴィアもオラに続いて自己紹介をする。

 

 

「よ、よろしくお願いしますぅ...あのぉ...サイヤ人ってなんですか?」

 

あぁ、そっか、こいつはサイヤ人のこと知らねえんだもんな。

 

 

「えっとな?サイヤ人ってのは・・・」

 

それからできるだけわかりやすくオラはサイヤ人について説明した。

 

 

「っちゅう訳だ、分かったか?」

 

 

「はい、なんとなくは...。でも凄いですね、死にかけから復活するたびに強くなれるなんて...それに変身なんて...羨ましいですぅ...」

 

 

「おめえだって努力すりゃ強くなれっさ」

 

 

「そんな訳ないですぅ...」

 

あっちゃぁ...こりゃぁ相当重症だぞ。

 

ま、ともかく自己紹介は終わったな!

 

 

「それで、さっきの話の続きだけんど、そんなに外が怖いんか?」

 

 

「お外怖いですぅぅぅ!! 僕はずっとここにいたいですぅぅ!!」

 

 

コイツ...どんだけ外が嫌いなんだ?

 

いや、この怖がり方はおかしいんじゃねえか?

 

過去に何かあったか?

 

 

まぁ、何にしたって、ギャスパーを外に連れ出してみないと始まらねえもんな

 

ちっとばっか強引にいくか!

 

「大丈夫だって。オラ達もいるし、心配ねえって」

 

オラがギャスパーの肩に手を置いたその時だった。

 

 

 

――――次の瞬間、この部屋の時間が止まった。

 

 

周囲は時間が止まったようにモノクロの風景となり、オラ以外の時間が完全に停止させられた。

 

 

「な、なんだ?時間が...止まってる?」

 

 

「ヒィィィィ!!何で動けてるんですかぁぁぁ!?」

 

その声に振り返ると、近くの段ボールに身を隠しているギャスパーがいた。

 

 

「いや、なんでって聞かれてもよぉ...」

 

そう言いながらオラは小猫の前にしゃがみこみツンツン突いてみる。

 

 

「うっひゃあ!?すっげえなあ!乳まで綺麗に固まってるぞ!」

 

 

「いやあの...本当に何してるんですかぁ?」

 

尚も動かない小猫の胸を触っていると不意に感触が変わった。

 

【フニュッ】

 

ん?フニュ?おっかしいなあ...さっきまでカチンカチンだったのによ。

 

再度突いてみる。

 

【フニュッ】

 

 

「フニャァッ!?」

 

ん?今度は声が聞こえてきたぞ?

 

ん?声?まさか・・・

 

オラが顔を上げると、そこには顔を真っ赤にさせた小猫がオラを睨みつけていた。

 

 

「・・・悪りい」

 

 

「......死んでください」

 

その一言の直後!剛速球の拳が飛んできた。

 

オラはそれを即座に躱す。

 

 

「おわぁっ!悪かったって!ちょっと確認してただけだろ?」

 

 

「......それで私の胸を触るなんて...万死に値します。」

 

 

「・・・イッセーくん、流石にやりすぎじゃない?」

 

木場の呆れ声を聞きながらもオラは小猫の拳を躱していく。

 

そして、そんな攻防はその後、三十分ほど続いた。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

「ほら、走れ! 逃げなければデュランダルの餌食になるぞ!」

 

 

「ひぃぃぃぃぃぃ! デュランダルを振り回しながら追いかけてこないでぇぇぇぇ! 一狩りされちゃうぅぅぅ!!ハントされるぅぅぅ!!」

 

夕方に差しかかった時間帯、旧校舎の前でギャスパーがデュランダルを振り回すゼノヴィアに追い回されていた。

 

 

「ゼノヴィアさん、生き生きしてますね」

 

 

「アーシアもそう思うか?」

 

 

「はい、ゼノヴィアさんの目がいつもより輝いてます」

 

だよなぁ、やっぱ張り切ってんだよなゼノヴィアの奴。

 

ストレスでも溜まってたんかな?今度組み手でもして発散させてやっか

 

 

「...やめてください、変態先輩と組み手なんかしたら命がいくつあっても足りません」

 

 

「ひっでえなぁ...というか、まだ怒ってんのか?もう勘弁してくれよ...」

 

小猫はぷいっとオラの方を向こうとはせずに答える。

 

 

「許しません...『触りたければ言ってくれれば触らせてあげるのに...』」

 

 

「ん?なんか今言ったか?」

 

 

「いいえ、なにも...」

 

 

「??...そっか」

 

オラはまたギャスパーの方を見る。

 

 

「そういえば、ギャスパーは吸血鬼なんだろ? 日光に当たっても大丈夫なんか?」

 

オラのこの疑問に小猫ちゃんが答えてくれた。

 

「ギャー君はデイウォーカーと呼ばれる特殊な吸血鬼なので、日の光に当たっても行動は出来ます」

 

「へぇ~」

 

吸血鬼にも色々いるって訳だ。

 

 

おっと、ついにギャスパーがダウンしたみてえだ。

 

 

「うぅ~。もうダメですぅ~! もう動けないですぅぅ!」

 

地面に座り込むギャスパー。

 

見た目通りの軟弱ぶりだな。

 

 

「ギャー君、大丈夫?」

 

 

「うぅ、小猫ちゃん・・・」

 

 

「...ニンニク食べれば元気になれる」

 

 

「に、ニンニクぅぅぅ!?」

 

お!ギャスパーが逃げ出したぞ。

 

まだまだいけそうじゃねえか!よーし!んじゃオラも!

 

 

「ギャスパー!オラの攻撃躱してみろ!ダダダダだ!」

 

 

「ひぃぃぃぃ!!そんな危ないもの撃ってこないでぇぇ!!」

 

オラの気弾を紙一重で躱していくギャスパー

 

するとそこに。

 

 

「おー、やってんな?オカ研ってか何やってんだよ兵藤!」

 

匙がやってきた。

 

オラは気弾を放ちながら声をかける。

 

 

「オッス!匙!見ての通り特訓だ!」

 

 

「特訓て...女子相手に三体一がかりでか?」

 

 

「ん?いや違えぞ?こいつこんな格好してっけど立派な男だ!」

 

 

 

 

それを聞き、匙は地に両手を着き、ガックリと項垂れる。

 

心底落胆しているようだ。

 

「ウソだろ・・・・そんなの詐欺じゃねぇか・・・・つーか、引きこもりが女装って・・・・誰に見せるんだよ!」

 

女装って見せるもんなんか?知らなかったぞ。

 

そんなことがありまたしばらく続けていると。

 

 

「へー魔王眷属の悪魔の皆さん方はここで集まってお遊戯をしてるわけか」

 

ん?この声はたしか・・・

 

声のした方へ向くと、そこにはアザゼルのおっちゃんがいた。

 

 

「オッス!アザゼルのおっちゃん!」

 

 

「よう!久しぶりだな赤龍帝、あの時の夜以来か?」

 

 

『アザゼル!?』

 

オラ以外のみんなが一斉に臨戦態勢に入る。

 

 

「やめとけ、お前たちじゃ俺には敵わんさ...そこの赤龍帝なら話は別だがな」

 

 

「へへへっ!なんなら試してみっか?」

 

オラは気弾を止め、構えを取る。

 

 

「いや、遠慮しておくさ。今日は散歩ついでにあの聖魔剣使いを見に来ただけなんでね、でも姿が見えないようだが?」

 

 

「木場の奴なら今いねえぞ?部長と出かけちまってるかんな」

 

そう言うとおっちゃんは少し肩を落とした。

 

 

「そうか、そいつは残念だ。それはそうとお前…」

 

 

「ヒィィッ...!」

 

そう言うとおっちゃんはギャスパーの方を見る。

 

 

「『停止世界の邪眼』か。 そいつは使いこなせないと害悪になる代物だ。神器の補助具で不足している要素を補えばいいと思うが……そういや、悪魔は神器の研究が進んでいなかったな。五感から発動する神器は、持ち主のキャパシティが足りないと自然に動きだして危険極まりない」

 

その次に匙を見て言う。

 

 

 

「そっちのお前は『黒い龍脈』の所有者か?」

 

目を付けられたと思った匙が身構える。

 

どうしても戦闘態勢を取ってしまう辺り、アザゼルさんへの恐怖心があるのだろう。

 

おっちゃん、別に悪い奴じゃねんだけどな。

 

その辺りはしょうがねえか。

 

 

「丁度良い。そのヴァンパイアの神器を練習させるならおまえさんが適役だ。ヴァンパイアにラインを接続して余分なパワーを吸い取りつつ発動させれば、暴走も少なく済むだろうさ」

 

へぇ!あいつの神器は力を吸い取れるんか。

 

 

「だが、神器上達の一番の近道は赤龍帝を宿した者の血を飲む事だ。ヴァンパイアなんだし、一度やってみるといい」

 

 

それだけ言うとおっちゃんは帰っていったのだった。

 

 

 




オッス!オラ悟空!

参ったなあ...ギャスパーの奴、また引きこもっちまって出てこねえぞ...

仕方ねえ!ここはオラがなんとかするしかねえか!

待ってろギャスパー!おめえのその閉ざされた気持ちオラがブチ壊してやっかんな!

次回!ドラゴンボールD!

閉ざした心をぶち壊せ!一誠全力の心龍拳!

ぜってえみてくれよな!

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