俺、悪魔になりました!……でも契約先とか色々違うような?   作:ボストーク

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皆様、こんにちわ。
今回の内容は……R-15的(ちょいエロ)な表現が結構入ります(ヲイ
苦手な方はご注意ください。

ただ、書いてみたら思ったより糖分過剰(シュガー)な話になってしまったような?

しかし砂糖吐くだけじゃ終わらないのが、このシリーズでして……龍的に(笑)


追記:黒歌の一人称が原作と変わります。きっとロリ化(肉体退行)の影響かと(^^




第49話 ”絆の首輪ってなんですか?”

 

 

 

さて、世の中には思いも寄らない事態というのが多々ある。

例えば、仰向けの自分の腹の上に、少なくとも見た目は二桁に達していない半裸……というより全裸に近い、はぁはぁと息の荒い頬を上気させた発情状態の猫耳幼女に馬乗りされてるとかさ。

 

ああ、ちなみに”半裸というより全裸”に近いと表現できるのは、その幼女が着ていた黒いミニの着物を肌蹴(はだけ)させたせいで、まったく膨らみのない部分にある辛うじて肉眼で確認できる程度にツンと小生意気に起立する虫刺されのような胸の二つの突起や、あるいは止め処なく胎内から粘液をぬらぬらと溢れさせ、俺の腹を濡らす幼器(スジ)が丸見えになってるからだ。

ぶっちゃけ、隠すべき部分が一切隠れていない。

 

とりあえずこの幼女、”つけてない/はいてない”系キャラであるようだ。

微動だにしないだろうツイン・ポッチだけの上は不要ないかもしれないが、下は……ちょっとした加減や拍子で御開帳になるような?

 

 

 

うん。

わかってるさ。

俺、兵藤一誠は確実に混乱している。

もしかしたら現実逃避もしているのかもしれない。

そりゃそうだろう……

 

「黒歌の胎内(なか)に、ご主人様との”契り”を恵んでくださいにゃん♪」

 

今まで愛猫(ペット)として飼ってた黒い仔猫が、突然幼女にメタモルフォーゼしてこんな台詞言い出すなんて、一体誰が想像できるよ?

 

「黒歌、その首輪って……」

 

少しでも話を逸らそうとしたら……

 

「ご主人様との”絆”にゃん♪ ご主人様が毎年、クロカの誕生日……ご主人様と出会った日に買ってくれるものにゃん……」

 

黒歌は、猫モードでいつもつけてる表に黒歌の名が、裏には飼い主である俺の名が入ったメタルタグのついた赤い首輪を撫でた。

 

(あれ、絶対に人間サイズになったら首絞まると思うんだけど……)

 

何かの術でも使ったのだろうか?

というか、「”はだかくびわ”状態で猫耳幼女を何年も飼ってました」……字面にすると我ながら完全アウトだ。

お巡りさんを「こいつです」呼ばれる以前に、わざわざ向こうから来て頂けるレベルで犯罪臭クライマックスUCだ。

 

(いかんいかん)

 

やはり混乱してる。

思考がおかしな方向に流れてるぞ。

 

 

 

「嬉しかった……出会った日が誕生日だって言ってくれて」

 

 

 

まあ、そうなんだよな……

黒歌が言ったことは全部事実で、黒歌と出会った日を黒歌の誕生日に決めたのは他でもない俺だ。

 

「『出会ってくれて、ありがとう』って……『だから出会ったことを祝う日でいいだろう?』って……」

 

確かに言った。

はっきりと覚えている。

 

「それからずっと一緒だった……ご主人様はずっと一緒に居てくれたにゃん♪」

 

「そうだな……」

 

「あのね、ご主人さま。クロカはご主人様に拾ってもらえて、ご主人さまに新しい誕生日を貰ったときから……”()()()()()()()()()”に生まれ変わったんだよ?」

 

いかんな……

これはまずい。

 

「だから、ご主人さまにクロカをもらって欲しいにゃん♪」

 

 

 

***

 

 

 

進退ここに窮まる。

俺は賢者(りせい)的な意味で最後の拠り所を求め、セラフォルーお嬢様を見たが……

 

「なんでお嬢様まで脱いでるんですかぁっ!?」

 

うん。

思い切り人選を誤ったことを自覚した。

いやまあ、この部屋に居るのはセラフォルーお嬢様だけで他に選択肢はないけど。

 

「えっ? 私も混ぜて貰おうかなって☆ 私もイッセーちゃんのこと大好きだし☆」

 

「へっ……?」

 

きっと今の俺は酷く間抜けな顔をしてるだろう。

いやだって、セラフォルーお嬢様だよ……?

 

「そんなに意外かな?」

 

ピンクの魔女っ娘衣装(コス)を半脱ぎにして、いっそ乱れた服が裸よりも扇情的な姿で、

 

「これでも精一杯アピールしてきたつもりだったんだけどなぁ……」

 

ちょっと寂しそうに呟いた。

 

 

 

「いや、ちょっと待ってくださいって……そりゃあ嫌われてはいないとは思ってましたけど……」

 

「私がイッセーちゃんを好きだってこと、そんなに変?」

 

「変というか……想像すらしてませんでした」

 

しかしこの世の誰が、四大魔王の一角ともあろう方に恋焦がれられると思う?

人間世界で言えば、どこぞの国の皇族やら王族やらのプリンセスどころかクィーンに惚れられるようなもんだぞ?

 

「最初はちょっと気になる男の子だったけど……気が付いたら目で追うようになってて、いつの間にかイッセーちゃんのことばかり考えるようになってたんだぁ……」

 

「……どうして、俺なんです?」

 

我ながらくだらない質問だと思う。

もしかして、男としては最低かもしれない。

でも、聞いてみたかった……

 

妻子持ちのサーゼクス様はともかく、アジュカ様をはじめ力も頭脳も容姿も……俺より遥かに優れた同族(あくま)は多く居る。

 

引き換えて俺は、ただドライグ……特徴と言えば”赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)”を宿しただけの元人間の転生悪魔、今は一介の下級悪魔に過ぎない。

ついでに言えばソーナお嬢様の眷属で、執事見習いだ。

 

正直言って、あらゆる部分で魔王を名乗る面々と比べて()()()存在だろう。

だから、セラフォルーお嬢様に惚れられる理由なんて欠片ほども思いつかない。

 

 

 

「悪魔も人も、好きになるのに理由なんていらないよ?」

 

セラフォルーお嬢様は、あられもない姿で優しく微笑んだ。

 

「それとも、誰かを好きになるのに理由がなくちゃいけないのかな……?」

 

 

 

***

 

 

 

『相棒、いい加減にしろ』

 

不意に走る左手の違和感。

言うまでもなく顕現したのはドライグだった。

 

『牝が相応の覚悟を持って迫ってきてるんだ。それを受け止めてやるのが牡の甲斐性ってもんじゃねぇのか?』

 

ドライグ?

 

『別に俺も全てを受け入れろなんて言う気はねぇさ。だが、”想い”って奴を受け止めて、それが受け入れられないならしっかり拒絶してやれと言ってるんだ。中途半端が一番牝を傷つけ、惑わせ、苦しめるもんだぜ?』

 

「まさか、お前にそう言われるなんてな……」

 

『こう見えても俺は、多くの人の相棒の中を渡り歩いてきたからな。愛憎ってのも一通り見てきたさ』

 

確かに、ドライグはそういう存在だったっけ……

 

『相棒、二匹の牝が覚悟を決めたんだ……半端も先延ばしも俺が許さん。決めろ。受け入れるのか、拒絶するのか』

 

 

 

「拒絶なんて、できるわけないだろう……」

 

そう。できるわけがないんだよ。

 

「二人に惹かれてる俺も確かに居るんだからさ……」

 

俺は心の中に蟠った物を吐露してしまう。

言葉に出すと、不思議なほどストンと納得できた。

 

「でもさ、ドライグ……俺だぞ? それにこれが恋愛感情なのかもわからないんだぞ?」

 

だって俺、そういう意味で誰かを好きになったこと、ないから……

それに俺、こう見えても童貞なんだぜ?

 

『それこそ下らんな。セラも言っていただろう? 好いた惚れたに理屈などいるものか』

 

「それに、もしこの想いが恋愛だとしても……だとしたらその想いを持ってるのは、」

 

”ついっ”

 

黒歌の小さな指が俺の唇に添えられ、言葉を封じられてしまう。

 

「知ってるにゃん」

 

「知ってるよー☆ でもね、イッセーちゃん……」

 

セラフォルーお嬢様はニッコリ笑い、

 

「私も黒歌ちゃんも『私たちだけに想いを向けて欲しい』なんて言ってない。イッセーちゃんの『想いを向ける中に私たちを入れて欲しい』って言ってるんだよ?」

 

「セラフォルーお嬢様……」

 

”むに”

 

あれ? 俺、なんでほっぺた引っ張られてんだ?

 

「こういう時は、”()()”って呼んで☆」

 

「ふぁい」

 

 

 

***

 

 

 

『相棒、まだグダグダ言うようなら、今回だけは俺が”力”を貸してやる。少々、風情に欠けるがな』

 

へっ? ドライグ……お前は何を言っている?

 

『Boost !!』

 

ちょっと待て!

 

『Boost!! Boost!! Boost!! これぐらいでいいな?』

 

いや、ドライグさん?

お前は一体何をしようとしている……?

 

『さあ、”目覚めの時間だ(アクセプト)”。相棒、お前はどうすればいいか……「牝の可愛がり方」を()()で覚えてるはずだ』

 

なっ!?

お前、なんで力を”()()”に向けて放ったぁーーーっ!?

 

 

 

”ぐらりっ”

 

その瞬間、意識を持っていかれそうになる。

前後左右上下の平衡感覚が根っこから揺さぶられたような感触だ。

そして、直後から来る頭に直接流し込まれるような情報の奔流……

 

(なんだ……これ……)

 

流し込まれという表現は間違いだ。

ドライグの放り込んだ力のせいで、内側から”()()()()()()()”ような記憶の渦……

 

(これは……俺の記憶か?)

 

だが、おかしい。

こんな記憶が俺にあるはずは無いんだ……だって、その”見覚えのない、この世にあるとは思えない空間”で濃厚に……そして退廃的(サディスティック)に淫欲に耽っていたのは、

 

(きりゅう……あいか……?)

 

見覚えのある……いつも馬鹿話で盛り上がるクラスメートを欲望の赴くままに嬲り、貪っていた俺の姿だった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




皆様、ご愛読ありがとうございました。
ロリ黒歌に、読者様の期待(?)を裏切らず、ちゃっかり便乗したセラフォルーお嬢様が活躍するエピソードは如何だったでしょうか?

まあ、基本的に何名かは対イッセー好感度カンストしてそうだったので、後は時間と順番の問題だった気も……
まあ、セラと黒歌は淑女同盟組んでたみたいですしね(笑

さてさて思いも寄らぬところで”意外な名前(桐生藍華)”が出てきましたが、これにも一応意味はあります。
多分、第二章ではなくEXで詳細は語られるかもしれませんが……桐生も割と原作乖離って意味では、出番は多くなくとも”重要人物(キーパーソン)”だったりします(^^

さて、果たして次回はどうなるのか?
ガチやモロはジャンル違いになってしまうので無いにしても……まさかのキンクリ発動?

それでは皆様、また次回にてお会いしましょう!




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