俺、悪魔になりました!……でも契約先とか色々違うような? 作:ボストーク
プロットがあるせいかサクサク書きあがってしまったので、本日二度目(日付的には三度目)のアップと相成りました。
いえ、ほんと日常パートがやたらと多いこのシリーズ、需要があればいいんですが……(汗
さて、今回のエピソードですが……チョイ短めの生徒会室の日常風景みたいな感じです。
実は少々天然なソーナとか、ツッコミ役の椿姫とか、そんなちょっと(キャラ的に)変わった面々がでてきますよ~。
さてさて、今日も今日とて生徒会。
俺、兵藤一誠はシトリー家の執事服を纏い業務に勤しんでいた。
「会長、お茶です。本日の紅茶はハロッズの”ブレンドNo14”になります」
「60点。まだ洗練されてません。とはいえ、茶葉の香りを殺さず淹れられるようになっただけ上達してると言っていいですね」
「お褒めの言葉、光栄です。以後も続けて精進します」
「一誠」
「はい」
「貴方が私が満足できる紅茶を淹れられる日を、楽しみにしてますね?」
「はいっ!」
ソーナ会長に給仕したり……
「兵藤君、弓道部と薙刀部の予算申請書を取ってもらえますか?」
「はい。合気道部はよろしいんですか?」
「ええ。残念ながら、合気道部は今年は地区予選で敗退してしまうでしょうから、遠征予算をプールする必要はないでしょう」
「了解です」
副会長の”
「う……さすがにちょっと疲れたかな?」
「お疲れ、由良。肩でも揉んでやろうか?」
「あっ、ホント? いいの?」
「ああ。別にそのくらいならかまわないけど」
「じゃあ、お願い♪」
「って、本当にこってるな~。肩、ガチガチじゃん? 悪魔なのに」
「悪魔でもこるものはこるって。大きくはないけど、それなりの重さが胸にくっついてるんだから」
「ふ~ん。女の子ってのは大変なんだな」
「そうだよ~。試しにこっちも揉んでみる?」
「えっ!?」
「「由良さん!」」
生徒会の仲間たちのフォローを入れたりとそれなりに充実した日々を送っていた。
***
さて、本日の生徒会も無事に終了。
会自体は解散となったけど、俺は会長と副会長にお茶に誘われていた。
もっとも、生徒会で開くささやかなお茶会だったが。
しかし、他では絶対ありえないサービスが付いてくる。
なんと、会長自らが淹れたお茶を振舞ってくれるのだ。
(やっぱり違うな~)
なんで同じ茶葉を使っているのに、こうも味が違うんだろうか?
果たしてこんなお茶を淹れられるようになるまであと何年かかるんだろうか……
いや、そもそも俺に淹れられるのか?
「心配しなくても大丈夫です。一誠は筋がいいですから」
「えっ? もしかして……顔に出てました?」
「兵藤君、美味しいお茶を飲んでるのにそんな難しい顔をしていたら、誰にでもわかりますよ?」
クスクス笑うのは既に大人の女性の魅力を醸し出してる副会長、椿姫先輩だった。
「ちゃんと『どうしたらお茶が美味しく淹れられるのか?』を淹れるたびにしっかり考えながら数をこなせば、必ず淹れられるようになります。何事も試行錯誤は決して無駄にならないものですから」
「はいっ!」
へへっ!
ちょっとでも会長、ソーナお嬢様に認められてるって感じるだけで嬉しいぜ!
「フフ。ソーナがここまで人を買うのも執着するのも珍しいですから、頑張ってくださいね?」
えっ? そうなの?
「椿姫」
「ところで一誠、明日は休日ですが……どう過ごすのですか?」
そう、俺が悪魔に転生したのは先週の休みだから、今週末が悪魔になって初めての休日となる。
「突然ですね?」
「いえ、どうにも貴方が休日、呑気に過ごす姿が上手く想像できなかったもので……興味本位です」
他の人にはそう見えるのかな?
「それ、私も興味在ります。具体的には兵藤君が街に繰り出し、女の子をナンパする……なんてシチュエーションは期待できそうもないですし」
また椿姫先輩にクスクス笑われてしまった。
「そんな無駄なことはしませんよ」
「無駄……ですか?」
何故かソーナお嬢様が興味を示したけど、
「無駄ですよ。きっと俺みたいな無骨者に懐いてくれる女の子なんていませんから。牝ってカテゴリーを含めても多分、黒歌くらいじゃないかな?」
「黒歌? 何者です?」
あれ? なんかソーナお嬢様のレンズの奥の瞳がスッと細くなったような……?
「飼い猫ですよ。小さな黒猫で……子供頃からずっと一緒だったんです」
本人……いや、本猫の自己申告だとどうも妖怪”猫又”らしいんだけど……とりあえずは明かす必要はないだろう。
「愛猫ですって。ソーナ、良かったですわね?」
「椿姫、いい加減にしなさい」
「はいはい」
いや、このやり取りって何?
「話は戻しますが、休日の予定を聞いていいですか?」
コホンと咳払いしてソーナお嬢様が話題を戻すけど、
「えーと……とりあえず久しぶりに友達と修行ですかね? ここのところ悪魔に転生したり生徒会に入ったりで、しばらくできなかったし」
「修行? 普通は、友達と
椿姫先輩に思い切り呆れられてしまったけど、
「いえ、俺もアイツも、一般的な遊びとはとんと疎いもので。体を動かすほうが性に合ってるんですよ」
だけど問題なのはむしろソーナお嬢様の方で、なぜか珍しくびっくりしたような顔で、
「一誠……」
「はい」
「貴方……友達いたのですか?」
地味に傷ついた……
「ソーナ! さすがにそれは……」
椿姫先輩がフォローを入れようとしてくれるけど、
「ハハハ。いいんですよ……確かにクラスには友達いないし」
笑い声に力がないのは勘弁してくれ。
「あっ、すいません。一誠に友達という言葉が妙に似合わなかったので」
お嬢様、傷口に塩を念入りに刷り込まないでください。
一誠君のライフは、もう0に近いです。
「……ソーナ、止めを刺してどうするんです?」
「えっ? いえ、一誠にはどちらかと言えば”孤高”ってイメージがあったので」
「そうですよ。どうせ俺はクラスでボッチの寂しい奴ですから」
いいじゃないですか。
某阿良々木先輩によれば、ボッチは人間強度が下がらないみたいですから。
「一誠……もしかして私は、貴方を傷つけてしまいましたか?」
申し訳なさそうなソーナお嬢様の顔……
いや、こんな顔をさせてしまったら、見習いとはいえ執事失格!
「いえ、大丈夫です! ご心配いただき、俺こそすみません!」
空元気でも元気のうちさ!
それに、
「今は別のクラスですが、1年のときに同じクラスだった友達がいますから」
うん。
共に戦いの腕を磨いた
具体的には高校卒業くらいまで。
「お友達の名前、聞いていいですか?」
「はい。もちろんです」
なんでそんな興味津々なのかわからないけど、
(まあ、お嬢様は学園の全生徒/全教師を把握してるって言うし)
「”ユート”……”
”カチャン”
えっ? 椿姫先輩がティーカップを落とした?
テーブルマナーに詳しい先輩が?
「木場祐斗……? グレモリー眷属の木場祐斗ですか?」
へっ?
皆様、ご愛読ありがとうございました。
実は、一誠と木場が一年のときからの友人だったことが判明したエピソードはいかがだったでしょうか?
”この世界”では「武に真摯」という共通項が在ったせいで、早々と意気投合したみたいですよ?
その馴れ初めは次回以降にて。
入れてて良かったボーイズラブ・タグ(笑
キャラ改変タグを入れてるからおっけーだとは思いますが……ソーナが地味に酷い(^^
そして、椿姫さんが愉快なキャラになってしまった罠。
更には「泥臭いイッセーが好み」とwikiにまで書かれてる由良ちゃんが何気に初登場だったり。
こんな生徒会面子と原作にはないシーンやエピソードが続きますが、果たして需要はあるのか?(ビクビク
次回は木場君登場かな?
それでは、また次回でお会いできることを期待して!
もしご感想、お気に入り登録、評価などなどがいただければとても嬉しいです。