俺、悪魔になりました!……でも契約先とか色々違うような? 作:ボストーク
今回のエピソードは……(作者的にも)お待ちかねのスライム回です!(キリッ
ようやく原作っぽい「ドタバタ+ちょいエロ」の雰囲気が出たかなぁ~と(^^
そして、主に誰かが思い切り精神的に消耗したり、あるいは微妙に原作との分岐点になってたりして……龍的な意味で。
基本、R-15な回なので、お嫌いな方は閲覧注意です。
「何この
自称使い魔マスターのザトゥージのオッサンに率いられ、生徒会選抜メンバー四名+オカ研部員で森を歩いていたら、頭上から緑色のスライムっぽい何かが降ってきました。
最初は一匹だったのに、今は大量に……
「ドライグ」
『ああ。出よ”ブルトガング・レナトゥス”』
俺は”
無論、左手の”赤龍帝の籠手”は顕現させたままで、燃費のわりには高威力の五指爪剣”
右手の魔術的な処理がなされた鋭刃と左手の
スライム系の敵なら刀剣の攻撃がきかないとか強酸性で金属が溶かされるとか厄介な性質がありそうだが、幸いそういうこともなさそうだ。
だが、その代わり……
”じゅわ~”
「きゃっ!?」
「や~ん」
「は、破廉恥な!?」
「流石にこれは」
「あらあら、まあまあ」
「えっちです」
「どうしてこうなったぁーーーっ!?」
なんで!?
どうして!?
「オッサン、どうして女の子の服だけ溶かされるんだよっ!?」
「どうしてって……”この森”のスライムはそういう生物だからな」
やっぱり、見たまんまスライムかいっ!?
つか、どういう生物だよ!?
というかオッサン、顔にスライム張り付かせたまま何平然と立ってんだっ!?
ああ、ツッコミが追いつかない!
「慌てるなクソガキ。このスライムは”女の子の服だけ溶かす”って面倒な性質を持つ、『森の厄介者』だけどな……突き詰めてしまえばそれだけの存在だ。別に毒とかも無いし、これといった実害もないんだぜ?」
「あるよ! 俺のMP値的な何かに実害が!! ダイレクトに!!」
俺だって健全な男子高校生なんだぞっ!?
「というかなんだそのイカレた設定はっ!? このエロスライム、絶対どっかの頭のネジが緩みまくった科学者が遺伝子改良とかして作った趣味の産物だろっ!?」
「さあな」
***
「一誠、なんとかしなさい」
「はいっ! ソーナお嬢様! ってちょっと!?」
「? 何を慌ててるのです?」
「そ、ソーナお嬢様、お胸が……お胸が……」
そう……ソーナお嬢様は、”
『これが上級悪魔の風格です』と言わんばかりに威風堂々と……
本来、目を覆うべきとこなんだけど生憎と俺は戦闘中だ。
俺に視線……自分の胸に気付いたお嬢様は、
「ああ。この童女のような小さな胸がどうかしましたか? 貴方の大きな掌にすっぽり納まるようなミニサイズの胸で動揺するなんて、貴方らしくないですね?」
「か、隠してくださいって! すっごく目のやり場に……」
するとソーナお嬢様、ニッコリ微笑んで……
「もしかして一誠は、女性の胸は小さいほうが好みなのですか?」
「んがっ!?」
ちょ、そういう問題を語ってる場合じゃ……
「イッセーさん、わたしのも見てください! ほ、ほら、こんなにちっちゃいですよ!」
アーシア、そこでスライムにまとわりつかれながら胸を強調するなって!
そして、さらに無い胸を張るのは……
「一誠先輩、小ささと平たさなら自信があります」
なんで小猫ちゃんまでっ!?
***
このままじゃ埒が明かない……というか俺のSAN値が持たない!
「祐斗、匙、手伝え! 一気にスライムを女の子たちから引き剥がすぞっ!!」
男の服なら溶かさないはずだし、俺の精神もヤローのセミヌードくらいならダメージにならん。
しかし……
「ぬぉぉぉーーーっ!? 離れろぉーーーっ! 部長と副部長のたゆんたゆんやぷるんぷるんが見えないじゃねぇかっ!!」
「くっ! 不覚を取った……!」
二人とも顔面に張り付いたスライムで、視界を塞がれてたりして……
「あーもうっ! 匙はともかく祐斗! お前はホントに不覚を取りすぎだっ!!」
「ご、ごめん。一誠君」
「反省してるならいい。動くなよ?」
「うん」
”シュオン!”
”ぱらっ”
真横一文字に切り裂かれたスライムが、祐斗の顔からはらりと落ちた。
もちろん祐斗の丹精な顔には掠り傷一つ付けちゃいない。
ううっ。でも”ブルトガング・レナトゥス”、ごめんよ!
せっかくの業物なのに、初陣がこんな卑猥な生物の撫で斬りなんて……
”いいの。気にしないで? マスター”
幻聴?
俺、疲れてるのかな……?
***
「一誠君、ありがとう」
「礼はいい。匙とオッサンをどうにかしてやってくれ。ソーナお嬢様たちの方は俺が何とかする」
「わかった!」
と喜んで匙の顔からスライムを引っぺがそうとする祐斗……
いや、本当は俺が匙とオッサンを担当してもよかったんですけどね。
「一誠、早くなさい」
「イッセーさん、お願いします♪」
「じー」
最早、半裸から加速度的に全裸という状態に近づきつつあるお嬢様とアーシアと小猫ちゃんが半包囲するようにスタンバってたら、やらざるえないじゃないか!
(これで撤退したら後で何を言われるか……)
そして俺が”ブルトガング・レナトゥス”の切っ先をソーナお嬢様の柔肌に向けようとすると、
「お待ちなさい」
「えっ?」
「一誠、貴方は主である私に刃を向ける気ですか?」
ちょ、ソーナお嬢様!?
「いえ、その……ならばどうせよと?」
「貴方の右腕は、剣を握るためにあるのですか?」
いや、まさか……それって、
「まさか……直接、手で触って剥がせと?」
「それ以外にどう聞こえます?」
え、え~と……
「その……手で引き剥がすということは、直接肌に触れることになってしまいますよ? お胸とか、他の部分にも……」
「それがどうかしましたか?」
いや、そんな平然と返されてもですね、
「そうですよね♪ 女の子の肌はデリケートですから!」
アーシア!?
「同意です」
こ、小猫ちゃんまで!?
「一誠、早くしないと私達は三人とも全裸になってしまいますよ? 貴方がそれを望むなら、このまま躊躇してるなり視姦するなりしてればいいですが」
「や、やらせていただきます!」
えーい! ままよっ!
***
「ん……一誠、もっと思い切って手を深く入れてもいいですからぁ」
「ソーナお嬢様……わ、わかりました!」
”ふにっ”
「ひうっ……」
「あっ、すいません!」
「もっと……
「イッセーさぁん……もっと激しく揉んでくださぁい」
「アーシア、別に揉んでるんじゃなくて剥がしてるんだけど……」
「はぁはぁ……もっと
「いや、だから……」
”もみっ”
「ひゃぐうっ!?」
”びくぅ!”
「ちょっ!? アーシア!? あーもう。ホントに感じ易くなっちゃったなぁ……」
「あはぁ……♪」
「では、一誠先輩。よろしくお願いしますね?」
「あ、ああ」
”もみ、ふにゅ”
「あのー小猫ちゃん……つかぬ事を聞くけど」
「なんでしょう?」
「なんで俺の手の上に自分の手重ねてるの?」
「先輩の手……あったかいです」
”ぐいっ”
「萌えるけど! 確かに萌えるけど! 俺の手をどこに持っていこうとしてるのかなぁ!?」
「ぱんつもヌルヌルしてますから」
「いや、それ、スライムのヌルヌルじゃなくて……」
***
「ふ、ふふふ……萌え尽きたぜ」
ガシガシSAN値を削られた俺は、真っ白になりながら女性陣から離れた岩に腰掛けていた。
「お疲れさん。ドンマイ」
肩を叩いていったのは、リアス様と姫島先輩……じゃなかった。朱乃様のスライムを処理した匙で、
「あ、あの、一誠君……あんまり気にしないほうがいいよ?」
さんきゅ、祐斗……お前はずっと友達だよ。
また家に飯を食いに来いよな?
お前も椿姫先輩の相手、ありがとうな。
「まあ、若い頃には色々あらぁな!」
オッサン……殴っていいかな?
ともかく、スライム騒ぎは終わった。
終わったったら終わった。
「一誠、”
うっ……
様子を見に来たのはソーナお嬢様。
いや、その俺が女の子に合流できない理由ってのは、さ。
『相棒の漢の龍が、猛っちまったんだろ?』
ドライグ、お前なぁ~っ!!
「別に気にしてません。というより……」
ソーナお嬢様はレンズの奥で柔らかい、でも不思議な光を浮かべ……
「いっせーがそーなにもそんなふうにおっきくなってくれるなんて、うれしいよ☆」
「へっ?」
「あの……ソーナお嬢様?」
「鎮まったら合流してくださいね?」
パタパタと戻ってしまうソーナお嬢様……
え~と、
「なあ、ドライグ……」
『なんだ?』
「俺はまた幻聴を聞いたのか……?」
『さあな。だがな相棒……ソーナ・シトリーもセラフォルー・シトリーと同じく、”
皆様、ご愛読ありがとうございました。
アーシアの一人勝ちは許さないとばかりに、主のソーナとダークホースならぬホワイトキャットの小猫が奮闘する回は如何だったでしょうか?
今回のMVPは、実はスライムだったりして(^^
何気に”この世界”では女の子達の方が積極的な場合が多いような?
さらには、ソーナにも秘密がありそうだし……
”使い魔の森”イベントは今回で終了、次回からはまた違う展開になる予定です。
それでは皆様、また次回にてお会いしましょう!
ご感想や評価などいただければ、とても嬉しいです。