俺、悪魔になりました!……でも契約先とか色々違うような? 作:ボストーク
さて、今回のエピソードは……イッセーと今まで触れ合いが少なかったオカ研の面々との
アーシアの言動が妖しかったり、匙へのツッコミが厳しかったり色々ありますが、それは仕様ということで(^^
「よしよし♪」
「キュゥ~~♪」
アーシアの腕の中で、頬ずりしながら早速甘えまくる”
「んふふ~☆ イッセーがビビらせて、アーシアの胸に飛び込むなんて大したコンビネーションじゃない? それともマッチポンプ?」
「グレモリーお嬢様、勘弁してください」
なぜか面白そうに顔を覗きこんでくるグレモリーお嬢様に俺、兵藤一誠は苦笑するしかなかった。
***
どうやらアーシアは、あのチビ龍を使い魔にするらしい。
雷撃レベルは、頑丈な悪魔相手じゃせいぜいスタンガン程度……戦力として期待できるわけではないけど、『レーティングゲームで許可されたレベルで活動できる使い魔』としちゃあ、まあ上出来だろう。
ザトゥージのオッサンに言わせれば、
『本来、蒼雷龍には他種族の牡を敵視し攻撃するって厄介な習性があるんだが……まあ、悪さしたらクソガキが躾けたらいいんじゃねぇか? あの仔龍、どうやら”ハグレ”みてぇだしな』
『ハグレ?』
『文字通り親からはぐれちまった個体だ。龍ってのは幼体でもそれなりに力は在るし、頭もいいから今まで生き残ってたんだろうが……だけど、あの姉ちゃんへの懐き方を見てる限り、親離れしてる歳って風には見えねぇんだよなぁ』
『ふ~ん』
『差し詰め、あの姉ちゃんを親恋しさのあまり”
『ほっとけよ』
『まっ、あの姉ちゃんが
『おいおい。冗談だろ?』
***
まあ、アーシアのペット兼マスコットと割り切るなら、今のアレで十分だ。
本気で戦力として期待できるようになるのは、早くても数世紀先だろうけど。
オッサンの「アーシアが母親、俺が父親をやりゃあいい」って発言を聞きつけたときの妙にはしゃいだアーシアの反応が気にかかるといえば気にかかるけど……
「そうだ。あなたの名前は”ラッセー”にしましょう♪」
「きゅ?」
「”雷撃”に
「きゅい♪」
アーシア、その名づけ方はどうよ?
なんか「雷撃するイッセー」の短縮形みたいになってるぞ?
一応俺も雷撃、正確には電磁系の技とか使えるから、変に符号が一致するような?
いや、そうじゃない。それ以前に……
「ぱ、パパ?」
聞き捨てなら無いアーシアの発言に、俺はゾワゾワっと背中に何かが抜けるのを感じた……って、なんだ今の感覚は?
「ええ。だって……」
ウフフ。とアーシアは慈母のような笑みを浮かべて自分の下腹部を片手で撫でながら、
「だって
おかしいなぁ……なんかアーシアの翡翠色の瞳に妖しい光が見えるような?
「お、おう……って、ちょっと待て。それどういう意味だ?」
思わず気圧されて頷きそうになったけど、言ってる事が色々おかしいって!
「ドライグ様に言われました♪ だから、いつでもわたしの
本気でちょっと待て!
というかアーシア、何故にジリジリ距離を詰めて来る?
「ドライグ! 何がどうなってる!? 一体、アーシアに何を話したっ!?」
ドライグが毎晩、俺と同時に毎晩アーシアを夢で鍛えてるってのは知っていたが……
そんなことが可能なのか?と聞いたら、『二天龍と讃えられた俺を
本当に色々桁外れな存在だよ。
いや、それはともかく……
『事実を教えただけだが? 相棒の精は少々、
「まてっ!? そんな設定、聞いてないぞっ!?」
『言ってなかったからな。聞かれもしなかったし』
うぉい!?
普通、そんなこと仮にもドラゴンに聞かねーよ!
「一誠、貴方は精子まで
ソーナお嬢様、冷静かつ真面目に聞いてこないでください。
というか俺だってそんな仕様、初耳ですから!
「あはははははっ♪ イッセー、アナタって最高に愉快よ!」
「グレモリーお嬢様、流石に本人にとっては笑い事じゃないんですけど……」
というか目尻に涙を溜めるほど笑わなんでもいいのでは?
「楽しませてくれたお礼に、私のことは”リアス”でいいわよ? というか”グレモリーお嬢様”っていうのは、ちょっと止めて欲しいのよ……色々あってね」
およっ?
家名を嫌がるってことは、名門貴族にありがちな家柄や家督にまつわる”
「まあ……確かに今は特にそうでしょうね」
ん? ソーナお嬢様は何か事情を知ってる……?
あっ、目線で訴えられた。わかりました。
「では、以後は”リアス様”でよろしいですか?」
妥協できるのはここいらだろう。
名前呼びするなら”お嬢様”とはつけたくない。”グレモリー家のお嬢様”という意味ならともかく……俺にだって”コダワリ”くらいある。
「ええ。お願いね」
「んふふ。兵藤君、ちょっといいかしら?」
「あっ、はい。姫島先輩、なんでしょう?」
なんか唐突にオカ研の副部長、黒髪が美しい”
この人とまともに喋ったのもしかして初めて?
「
「? 別に構いませんが……”朱乃様”、でいいですか?」
”ぶるっ”
あれ、なんか姫島先輩の体が一瞬震えたような……
「朱乃様……朱乃様……朱乃様……いいっ!」
はあっ!?
「兵藤君、いえイッセー君!」
”がしっ!”
ちょ!? 姫島先輩、両肩を押さえつけて迫らないでください! というか顔を赤らめて息を荒くした顔を近づけないでって!
「いいこと? これから先ずっと、私のことは”朱乃様”と呼ぶのよ? いいわね?」
「か、かしこまりました朱乃様! わかりましたから、そんなに
なんか唐突に貞操の危機がMAXレベルっ!?
***
「てい」
”ぱこん”
「あうっ!?」
危機一髪(?)のところで飛んできた魔力の塊が、姫島先輩の後頭部に衝突し、
「いたた……一体何が?」
涙目になって、ついでに正気に戻る姫島先輩……よ、よかった!
「朱乃、少しは自嘲……じゃなかった。自重しなさい。イッセーは”
「うふふ♪ そうでしたわね?」
「あげませんよ?」
うう……ソーナお嬢様の釘刺しが心に沁みます。
「ちょっと知らないドアが開きそうになっただけですわ♪」
「嘘おっしゃい。朱乃のそのドア、いっつも年中無休で全力全開の全壊じゃない?」
オカ研怖っ!?
”ぽん”
唐突に肩に手が置かれ、振り向けば匙が居て……
「兵藤……」
「なんだよ?」
なんだその哀れむような目線は?
「種無しでも強く生きろよ!」
「種無しちゃうわっ!!」
”ゴスッ!”
「ほぎょっ!?」
イイ笑顔でサムズアップした匙のボディにキツめのブローを叩き込んだ俺は、悪くないと思う。
というかむしろ、籠手を展開したままの左手じゃなくて咄嗟に右手を使った俺を誉めて欲しい。
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まあ、色々と悶着は合ったけど、使い魔探しの道中はまだ続いていた。
というのも……
「いててっ……兵藤、もうちょっと手加減しちくれよー」
腹を押さえた匙の使い魔が見つかってないからだ。
ちなみにアーシアに
「十分してるよ。左手使わなかったろ? ちなみにラッセーに放たなかったエネルギー、まだ”
実はこの”
俺の成長に伴い増える
無論、これもドライグに言わせれば俺の成長に伴い「質的/量的進化や変化」を起こすらしいのだけど……今のところは、『籠手の展開時にのみエネルギーを溜める、戦闘用の”一時的エネルギー貯蔵コンデンサー”』という解釈が正しそうだ。
言うならば、【機動騎士ダンガムF91】に出てきた”
「俺を殺す気かっ!?」
「
今、歩いてるのは森の中……なんだ? この妙な気配は?
殺気? 違う。もっと異質な……
「? 一誠、どうかしたのですか?」
振り返るソーナお嬢様の肩に……
”ぼとっ”
「えっ?」
今度は、なんか緑色のスライムっぽいのが落ちてきたあっ!?
皆様、ご愛読ありがとうございました。
朱乃おねーたまに初めて会話が付いたエピソードは如何だったでしょうか?
最初から何やらかっ飛ばしてましたが(汗
ラッセー君の立ち位置は、マスコットやアーシアのペットって認識でもいいんですが、アーシア的には「イッセーさんとの愛の結晶(擬似)ですぅ♪」って感じでしょうか?(白目
そしてドライグ、あっさりバラしやがりました(^^
しかも何気に聞き耳立ててた
ただ、イッセーが「ほぼ龍」であることは現時点では非公開のつもりなようです。
いや、色々な意味で”賢龍”ですから。
さて、次回は”使い魔の森”のラストイベントのようですが……絶対、原作どおりにはいかないだろうなぁ~と(えっ?
それでは皆様、また次回にてお会いしましょう!
ご感想や評価などをいただければ、とても嬉しいです。