俺、悪魔になりました!……でも契約先とか色々違うような? 作:ボストーク
さて今回のエピソードは……久しぶりの日常パートです(^^
最近、急速に物騒かつキナ臭くなってきた一誠周辺ですが、今回は一休みと言ったところでしょうか?
とはいえ、今回から新キャラも登場するとかしないとか……
「う~ん……やっぱりどうやってイッセーさんに精を注いでもらうかが問題ですぅ」
「ていっ」
”ぺしっ”
「あうっ!?」
通学路、朝っぱらからさらっと不穏当な発言をかましてくれるアーシアに
「もう~」
ちょっと涙目になりながら、
「いきなり痛くされたら、濡れちゃいますよ?」
と徐にスカートをたくし上げるアーシア。
反射的に視線を向けて白の下着をしっかり確認してしまうあたり、俺も健全な男子高校生ということだろう。
本当に小さなシミができてたけど。
「はぁ~い! アーシア、さっそく朝からパンチラならぬパンモロして、兵藤を挑発? やるじゃん♪」
「ひゃう!」
と後ろからアーシアのささやかな乳をぐわしっと揉むというより握る、あるいはホールドすると表現したくなる雰囲気でグリップしたのは、
「出たな『妖怪”エロ眼鏡(♀)”』」
同級生の”
ちなみに『妖怪”エロ眼鏡(♂)”』は松田……いや元浜の方だったか?
とにかくどっちかだ。
すまない。”エロコンビの片割れがエロ眼鏡(♂)”と曖昧にしか覚えていない。
もう片方は『妖怪”エロ坊主”』だったはずだ。
「んふふ~♪ アーシアにまだお手つきしてないの? 毎晩縛って可愛がってるってのにさぁ?」
何故、それを知っている?
いや、当然アーシアから直接聞いてるんだろうけどさ……
アーシアに言わせると桐生は「クラスで出来た初めてのお友達」らしい。
右腕には乳揉みマッサージから脱出したアーシアが抱きついて塞がってるせいか、桐生は何を考えているのか左腕に絡んできて、
「いい加減、食べちゃいなって♪ アンタの性格的に性欲我慢してるってことはないと思うけど……順調に緊縛調教してるのに、ずっとお預け食らわせてるってどんだけSなのよ?って話だし」
「どどどど童貞ちゃうわっ!」
これお約束だよね?
「えっ? そうなの?」
「そうなんですかぁ……?」
桐生、お前はどうしてそこで真顔で聞いてくる?
それとアーシア、ど、どうしてそこでふくれっ面&涙目になるんだ!?
「いえ。童貞です」
圧力(主にアーシアの)に屈して真実を暴露した俺を笑ってくれ。
「やっぱねー。そういう匂いしたもん♪」
と何故か我が意を得たりとにんまり笑う桐生タソ。
「どういう匂いだよ?」
「童貞臭。具体的には、日本人の平均を大きく上回る立派な
「そんな具体的な匂いがあってたまるかっ!」
***
「まあ、アンタが童貞なのを確認できたのでよしとしますか」
「桐生、その話題まだ引っ張るのか?」
「いやだってさぁ~。『荒事にしか興味ありません』って武人然とした堅物のアンタが、エロに溺れて堕落してくのって見てみたいじゃん?」
「お前はどこの”
こ、コイツそんなしょーもないもんが見たいんかいっ!?
「あら? 兵藤、鋭いじゃん♪ えへへ~。実はアタシ、サキュバスだったりするんだよね~。驚いた?」
ニマニマ笑いかけてくる桐生だったが、
「意外性がなさ過ぎて逆につまらん」
嘘だろうけど、本当だったとしても当然過ぎて。
「あっそ」
「桐生がもし人間以外の何かだったら、サキュバス以外まずありえねーだろ?」
「一応、誉め言葉として受け取っておくわ」
いや、別に誉めてねーし。
というかどこをどう取ったら誉め言葉に聞こえるんだ?
かなりダイレクトに「お前はエロい」って言ったんだが……
「ふ~ん……でも、そんなにアタシってサキュバスっぽいんだぁ?」
「そのエロさから言ったら他に何があるんだよ?とむしろ俺は聞きたい」
というか……なんで嬉しそうなんだよ?
「知ってる? サキュバスにとって”エロい”ってのは最上の誉め言葉の一つなんだよ?」
確かになー。
エロくないサキュバスって、なんだか
「そっかそっか。それにしても奇遇だな? 実は俺は人間と悪魔と龍の
なんか「桐生=サキュバスっぽい」って話題は終わらせたほうがいい気がしてきた。
というわけで話題チェンジ。
「ほうほう。そりゃまた豪勢な
「キメラ言うな」
いや、つーかあれは印象が……なあ?
「んじゃあ、”
「そりゃ虎と狸と猿と蛇の合成品じゃねぇか!!」
あと声は
というか虎鶫って鳥自体がどんな声で鳴くのか知らない……というか姿さえ想像できないんだけど?
「いっが~い。兵藤ってけっこう
いや、
「その台詞、そっくり返すよ。桐生こそよく妖怪の名前とか普通に出てくるな?」
「えっ? だってアタシ、東方とか好きだし。Winに移植された初期の……紅魔館辺りの奴とか特に」
「??? ごめん。桐生、お前が何を言ってるのかわからないや」
「ん? まあいいけどねー。というかそっち系好きならオカ研とか入らないの?」
「君は生徒会の人間に何を言ってるのかな?」
まあ、あそこはなんとなく近づきたくないって気がするんだよね。
いや、ホント特に理由はないけど……
「生徒会入ったのだってつい最近じゃん? それにアンタって木場と仲良かったっしょ? アイツもオカ研だし誘われたりしなかったの?」
「ああ。そういうこと……生憎、そんな話はなかったな。というか祐斗がオカ研だってこと、つい最近まで気にも留めてませんでしたが……何か?」
「アンタ……実はオカ研にぜんっぜん興味ないっしょ?」
フフ……何を今更。
「自慢じゃないが全くないぞ。というかなんでお前がオカ研ネタにそこまで食いつくのか疑問なくらいだ」
「あのね~。オカ研って言ったら”二大おねーさま”を筆頭に、学園有名人の巣窟でしょうが?」
いや、溜息を突かれてもリアクションに困るのはむしろ俺だって。
「なんだ? その”二大おねーさま”って?」
「……そこからかい」
***
というわけで、俺は右手にアーシア左手に桐生をぶら下げたまま登校したってわけだ。
そういや、下駄箱で一端離れたけど、
「うりゃっ♪ 再合体じゃ!」
「むぅ~。例え”
とまた再び引っ付かれてしまった。
ん? 師匠?
そうか……そういうことか。
「最近、妙にアーシアの言動がエロいと思ったら……」
そう考えるまでもなかったな。
「犯人はお前かっ!?」
「やん♪」
「あ、アイカさんを怒らないであげてくださぁい」
まあ、三人で教室に入るとヤロー共から睨まれてしまった。特に元浜と松田は血の涙を流していたが……そんなに羨ましいか?
アーシアはともかく片方は桐生だぞ?
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さて、時は放課後。
場所は生徒会室。
今日も今日とて俺はシトリー家の
もちろん、アーシアも一緒だ。
一緒だが……
「やはりここはイッセーさんと
「会長、一考の余地はありますね?」
アーシア、お前は何をソーナお嬢様に談判してるんだ?
それと椿姫先輩、安易に同意しないでください。
「問題はロングが基本のブリティシュ・スタイルと、スカート丈は膝上で我が校の制服に近いフレンチ・スタイルのどっちを採用するかですね? 無論、我が家には両方ありますが……」
ちなみにブリティッシュ・スタイルは特にメイド服を指す場合、”ヴィクトリアンメイド”とも言われる。これは19世紀、英国ヴィクトリア朝華やかかりし頃に一気に世に広まったかららしい。
ところでソーナお嬢様、真面目に答えなくてもいいのでは?
というかアーシアの生徒会でのメイド服着用は決定ですか? そうですか……
「んー……兵藤、アーシアってやっぱりキャラ的にフレンチの方が似合うと思わん? 名前もフランス系っぽいし」
「由良、お前もかい」
それとフレンチ・スタイルって、別にフランスの女中が着てるメイド服のことじゃないからな?
***
「さて一誠」
「はい。会長」
「レヴィアタン様から聞きましたが、貴方の使い魔はほぼ確定のようですね? 訳ありとは聞いてますが」
「はい。その件に関して、少々冥界に行くことになると思いますが……」
うむ。
どうやらサーゼクス様とセラフォルーお嬢様は、『黒歌の正体とそれにまつわる一件』の詳細は伝えてないみたいだな……
確かにソーナお嬢様が積極的に関わる案件じゃないし、正しい判断だと思う。
「本来、こちらが二人であれば”使い魔の森”へ行く優先権をかけてオカ研と勝負でもしようかと思ってましたが……」
「? どういう意味です?」
「”使い魔の森”で質の良い使い魔を入手しようと思ったら、
「なるほど」
お嬢様の話を聞く限り、なんだか職人
「ですが今回は生徒会からアーシア1名、オカ研からも1名の計2名ですので一度に引き受けてもらえそうです」
「そりゃよかった」
ただでさえ厄介ごとが加速度的に増えてゆく日常、面倒なことは少ないに限る。
「今回は合同ということで、人目に付きにくいオカ研部室から森に
確かに
その点、旧校舎にあるオカ研部室なら部員以外は滅多に近づかないだろうから最適だ。
「一誠、何を自分は関係ないみたいな顔をしてるんです? 今回は貴方も”使い魔の森”に同行するんですよ?」
「へっ?」
するとソーナお嬢様は小さく微笑み、
「これも後学のため。いい機会ですから珍しい経験を積むといいでしょう」
皆様、ご愛読ありがとうございました。
妖怪”エロ眼鏡(♀)”こと桐生藍華初登場の回は如何だったでしょうか?
実は
でも、イッセーへの好感度は原作よりやや高めのような……?
それとどうやら、今回は”使い魔の森”で使い魔ゲット人員は、アーシアと匙の二名だけなので生徒会&オカ研の合同で行うことになり、テニス&ドッヂボールイベントはオミットされたようです(^^
次回はまだ生徒会とオカ研の顔合わせイベント……というかフリードとのエンカウント&アーシアとの再会イベントで一応、イッセーは単独で顔をあわせてるんですが。
後はポケモ……いえいえ使い魔マスターの登場か?
それでは皆様、また次回にてお会いしましょう!
もしご感想や評価をいただけると、とても嬉しいです。