クウガとアギトと龍騎と剣(ブレイド)が幻想入り 東方仮面英雄伝 平成仮面ライダー×東方 作:名無しのライダー
パチュリー達を助けた仮面ライダー龍騎こと、城戸真司はというと………
ゲルニュート10匹に手間取っていた。
紅魔館 大図書館 東側
「何匹いるんだよ!お前ら!」
龍騎は、目の前で連携しながら攻撃をしてくるミラーモンスター、ゲルニュートに苦戦していた
このミラーモンスターは、単独で戦うとそこまで強くは無いのだが、十字手裏剣にロープ型の粘液という、遠距離戦法を使ってくるため多数を相手にするのは苦戦を強いられる。
「ならこっちも遠距離だ!」
龍騎はベルトのバックルからカードを取り出す
『ストライクベント』
龍騎の右手に契約モンスターと似た龍の顔が現れる。
「ハァッ!」
その右手、ドラグクローの口から火球が放たれ、目の前に居るゲルニュート達が爆散していく。半分近くが爆散して行った
「よしっ!一気に終わらせる!」
ドラグクローから昇龍突破を放ち、ゲルニュートを半分近く爆散させた龍騎は、バックルからカードを取り出す。
『ソードベント』
左手にドラグセイバーを装備した龍騎は、遠距離からゲルニュートが放ってきた、十字手裏剣を昇龍突破で対処しつつ、ゲルニュートとの距離を詰めていく。
途中、ロープ型の粘液が龍騎を捕まえようと飛んで来たが、ドラグセイバーで切断し前に進んで行く。
「お前と戦うのは初めてじゃないからな…!」
ゲルニュートに近づい龍騎は、ドラグセイバーでゲルニュートを突き刺す
剣で突き刺されたゲルニュートはそのまま爆散し、その場から消えた
「……まだいるよな……出てこい!」
自分のいた世界で、仮面ライダーとして戦いきった龍騎は、敵の気配に敏感になっていた。
スッ
本棚の影から隠れていたゲルニュートが姿を現すが……
「……ん?……えっ……え?」
出てきたのはヤゴ型のミラーモンスター「シアゴースト」だった
しかし龍騎が動揺した原因は他にもある。目の前にいたゲルニュートがシアゴーストになったのだ
「何で?…てかよく見たらさっきストライクベントで倒し損ねた敵……みんなヤゴ型のミラーモンスターになってる……」
「「ウヘェ……ウェ……ウヘ……」」
「とにかく…戦わないと!」
龍騎はストライクベントで応戦するも、シアゴーストは素早い動きで火球を避けていく
そして……ヤゴ型のミラーモンスターは脱皮し、また姿を変えトンボ型のミラーモンスターに変わった
「また変わった!」
(……進化したコイツが、俺の世界と同じ能力を持っているのなかなり不味い……)
龍騎が焦っている理由、それはこのミラーモンスターの特性にある
シアゴーストは進化すると、他のミラーモンスターと違い、ミラーワールドから現実世界に出ても、現実世界の影響を受けない様に進化する
そして、このシアゴーストの進化した「レイドラグーン」という存在こそが過去に、龍騎として、戦いを止めるために戦った城戸真司を
────殺した存在だったからだ
紅魔館 大図書館 西側
「どうする?…… パチュリー?……小悪魔?」
「どうするって……戦うしか無いでしょ」
「でも…怖いです…」
大図書館の西側で、魔理沙とパチュリーと小悪魔が話し合う、上には2mを超える大きな青い体、尖った槍を持った妖怪がその3人を見つめていた。
「アイツ…何で動かないんだ?」
魔理沙が疑問に思う。
「推測だけど、警戒してるんじゃない?それと、2人とも動かないで、アイツ見かけ以上にとても早かったから…」
パチュリーが冷静に状況を見極める。
「今できる最善の事はあの妖怪を私たちを出来るだけ遠ざける事……スキを突かれたら一気に距離を詰められるわ」
そうパチュリーが言うと、魔理沙は腕を組み何かを考え始めた後、何かを思いついた様だ。
「なぁ…パチュリー、小悪魔、そう考えると今のこの状況って……私たちが使える『アレ』が最大の武器じゃ無いか?」
「『アレ』って何よあの妖怪を近づけさせない方法が……」
パチュリーはそこで魔理沙の言っていることを理解した。
「パチュリー様?『アレ』って何ですか?」
小悪魔は一人だけ分かっていないことに孤独感を感じたのかパチュリーから聞くことにした。
「────弾幕ごっこよ」
魔理沙が、思いついた案は敵の進路を弾幕で塞いで、東側にいる龍騎が来るまでの時間稼ぎをしようという事だ
「そうと決まれば行くぜ!ヘンテコ鹿妖怪!」
魔符『スターダストレヴァリエ』
星型の弾幕が魔理沙を囲むかのように周りに現れギガゼールに向かっていく
ギガゼールは素早い速度でその弾幕の隙間を見つけ、突破したのだが、パチュリーと小悪魔の追撃が待っていた。
水符『プリンセスウンディネ』
パチュリーも魔理沙に続き、弾幕を張っていく
2人の弾幕は一斉にギガゼールを囲み、攻撃の対象に向かっていく
ギガゼールは弾幕の隙間を縫うように素早く避けていく。
「私たち幻想郷の住人は、未知なる妖怪に警戒してたけが、それはお前らが弾幕ごっこを無視した戦い方だったからだ!」
魔理沙がギガゼールを見ながら言う
「鏡の中に逃げられ無いならしっかり弾幕から逃げ切って貰うわよ?弾幕ごっこの始まりよ」
パチュリーも続けて言う
「ほらほら〜、当たったら痛いぜ…………………ん?」
魔理沙はふと後ろを見る、すると青色のトンボ型モンスターと龍騎の姿が見えた。しかし、龍騎はミラーモンスターの攻撃を受け続けていた。
「城戸のやつどうしたんだぜ?前みたいにでっかいドラゴン出して倒せば……っ!」
魔理沙は少しだけ、嫌な予感がした
「そうか……アイツ!」
魔理沙は龍騎の方へ八卦炉を構え走り出した。途中、パチュリーの声が聞こえたが、彼女の耳には入らない。
(アイツ、自分の技も出せない状況になってでも戦うつもりだったのか……)
複数のミラーモンスターが龍騎に向かって尖った腕を突き刺そうとした時、魔理沙はスペルカード宣言をする
「マスター……スパーク!!」
龍騎の後ろから最大出力のマスタースパークが放出される、複数のミラーモンスターはその場で散った
「やったな!城戸!」
龍騎は魔理沙の方を向き、礼を言おうとしたが魔理沙の後ろからギガゼールが近づいてきた
龍騎は戦闘態勢に入るが、ミラーモンスターの制限時間が来てしまったギガゼールは、魔理沙の後ろで消滅した
「もう少しで私に届きそうだったな……」
龍騎は変身を解き、魔理沙に向かって歩いて行く
「大丈夫だった…?魔理沙さん…?」
「あぁ…一時はどうなると思ったけどな…………」
「無茶はやめてね…命は一つしか無いんだから…」
「それはお互い様だろ?」
変身を解いた城戸と、魔理沙は話しながらパチュリーの方へと歩き出した
「おーい!大丈夫だった……っ!?」
真っ先に異変に気づいたのは魔理沙だ
パチュリーの近くで小悪魔が脇腹を抱えながら悶えている
対するパチュリーは涙目で小悪魔の顔を見つめている
────小悪魔の抱えた手は血で真っ赤に染まっていた