ハイスクール・フリート 世界に翼が舞い降りた 作:アジアの大提督
横須賀女子海洋学校と日本航空学校は合同演習を終えて、横須賀へ向けて帰投してる途中ブルーマーメイド統合管制艦から艦隊の近くで漁船が転覆事故を起こして海に3名ほど投げ出せられ行方不明になる事故が発生した。
悠一郎「この海域は確か黒潮が流れてるよな」
赤城航海長「はい、この海域は黒潮が流れていまして海流が特に速い海流でもあってこの時期のこの海域は注意深く航行せよとブルーマーメイドから言われるぐらいです」
赤城艦長「それに1月のこの時期の気温ですから海に投げ出せられたとなるならかなり危ないですね」
悠一郎「それに日没まであと3時間半だ」
悠一郎が腕時計を見て、更に顔が厳しくなる。
悠一郎「この艦隊の駆逐艦を先行させても捜索しても救助しても間に合わなか分からないな…武蔵の艦長へ通信開いてくれ」
赤城艦長「分かりました」
悠一郎がそう言うと赤城艦長は受話器を取り、武蔵へ連絡をとる。
赤城艦長「連絡が繋がったのでどうぞ」
悠一郎が赤城艦長から受話器を受け取る。
悠一郎「日本航空学校航空主任教官の佐藤だ。そちらも状況を確認できるよな?」
知名「はい、こちらでも海域の確認もできてます。急いで駆逐艦を先行させて救助に向かわせます」
悠一郎「いや、駆逐艦を先行させて捜索しては遅い。だから今から進路を風上にして、航空機の発艦させてくれ」
知名「航空機の発艦ですか?」
悠一郎「そうだ。駆逐艦より速くて広い海域を捜索することが可能だ。こちらで必ず行方不明者を見つけるから駆逐艦に捜索させずすぐに救助できるようにさせてくれ」
知名「わかりました今から艦隊の進路を風上にします。でも今から急に発艦できますか?」
悠一郎「大丈夫だ。俺らはいつでも5分で飛べるにしてるからな」
悠一郎はそう言い切る。
知名「わかりました。捜索の方を任せました」
悠一郎「りょーかい」
そう言って受話器を置く。
赤城艦長「発艦ですか?」
悠一郎「あぁ、そうだ。じきに指示が来る。俺は下の航空管制室で指揮をとるからな」
赤城艦長「わかりました」
悠一郎は艦橋の下にある航空管制室に向かい、格納庫と搭乗員待機室に放送を流す。
悠一郎「スクランブルだ! 全飛行隊発艦準備せよ!」
放送を聞いた日本航空学校の生徒はスクランブルって言葉を聞くなりすぐに飛行準備にかかる。
悠一郎「航空整備科員は零戦に油槽を装着してS-1にはサバイバルキットを装備してM-1には赤外線捜索カメラを装備せよ!」
航空整備科員『了解!』
急いでパイロットは飛行準備を整える。
悠一郎「飛行準備が完了したパイロットと搭乗員は飛行指示場に集合せよ!」
悠一郎は続いて艦橋と甲板を繋ぐドアの近くにある飛行指示場に行くとそこにはもう何人が集合しており、1分後には全員集合しており、加賀の方のパイロットと搭乗員には無線で悠一郎が指示をする。
悠一郎「状況はこうだ。ボード書いてあるこの海域で漁船の転覆事故が発生し、転覆した際に船員3名ほどが海に投げ出せられて行方不明になっている。そしてこの場所は海流が速い上にこの気温だ。言ってる意味分かるな?」
パイロットと搭乗員『はい!』
悠一郎「駆逐艦とブルーマーメイドの艦艇の捜索では間に合わないから必ず我々で行方不明者を発見して、救助を迅速にさせるために必ず見つけろ!」
パイロットと搭乗員『了解!』
悠一郎「よし! ではまず陣形をいう。捜索は主に零戦を先行させて後から赤外線捜索カメラでM-1が捜索を行う。S-1は零戦とS-1ほどの距離の捜索はしなくていいから発見の報告があり次第サバイバルキットを投下できるようにしとく。そして捜索は各機が一定の横間隔を開けて捜索せよ。以上!」
悠一郎が黒板に陣形を書いていき、捜索の指示をして行く。
そして艦隊は進路を風上に全力航行し始めて、赤城と加賀の甲板では装備した航空機が発艦待機しており、S-1とM-1にはパイロットと航空整備科員の搭乗員が乗って待機してた。
巣山「教官、加賀から航空管制からで発艦準備完了の報告があります」
悠一郎「よし、発艦せよ!」
巣山「航空隊発艦せよ!」
巣山がいうと赤城から零戦を先頭に各機が発艦して行く。
巣山「全飛行隊発艦準備完了しました!」
悠一郎「よし、捜索する海域に向かってくれ」
全飛行隊『了解!』
発艦した全飛行隊は捜索海域に向かった。
悠一郎「頼んだぞ」
そして各機は捜索海域に到着して散開して捜索を始める。
坂井「我々第一飛行隊は現場海域方向を捜索を始める。第二飛行隊は北西方向、第三飛行隊は北方向、第四飛行隊は北東方向でM-1の第七飛行と第八飛行隊は開く拡散して俺たちの間の捜索を頼む!」
西澤「第二飛行隊了解!」
岩本「第三飛行隊了解!」
笹井「第四飛行隊長了解です!」
零戦の全四飛行隊の飛行隊長が坂井の指示通り方向転換始める。
村田「第七飛行隊村田了解!」
友永「第八飛行隊了解!」
続いて零戦の後方からM-1の飛行隊長が坂井の指示を聞くなり、散開する。
捜索を開始して1時間が経ち未だ報告が悠一郎の元に入らない。
悠一郎「日没まであと1時間半…まだか」
悠一郎は頻繁に腕時計を見て、足を揺らす。
巣山「一応駆逐艦がもうすぐ現場海域に着く模様です」
悠一郎「早く発見してくれ」
第八飛行隊友永隊
友永「どうだ! 赤外線に何か反応あるか?」
搭乗員「ありません! 西日が海面で反射して目視でも見にくいです!!」
友永「しょうがない捜索範囲が狭くなるが低空に飛ぶ!」
友永はM-1を海面から5メートルぐらいの低空で飛行する。
搭乗員「西日の反射がマシになりました!」
友永「よし、頼んだ!」
友永が低空で飛行してるとある事に気付く。
友永「おい! 10時の方向に何か見えないか? 西日の反射と波で見にくいが」
搭乗員「赤外線カメラをフォーカスします!」
後部座席に座る搭乗員は機内から機体下部に装備してる赤外線捜索カメラを操作し、友永が言う方向に向ける。
搭乗員「これは…! 熱源反応あり! 反応数は2〜3人です!」
友永「要救助者か! これから目視での確認を行う!」
友永が進路を変えて目視での確認を行いに行く。
友永「発見! 要救助者発見!」
友永が乗る機体から海面で友永の機体に向かって大きく手を振る2人の男性が見えたが1人がぐったりとしてた。
友永「発見連絡を入れて近くの支援機を呼べ!」
搭乗員「了解! 友永機から赤城管制へ! 要救助者発見! 要救助者発見! 場所は……です! 近くの支援機の支援を要請します!」
連絡はすぐに管制にいる悠一郎の元に入った。
悠一郎「よく発見した! ただちに現場海域に着いた駆逐艦に向かわせるから貴機はそのまま監視任務につけ! 近くの支援機は…江草! 任せたぞ!」
搭乗員「友永機了解!」
江草「こちら江草機ただちに現場海域にて要救助者の支援を行います」
友永機がそのまま要救助者の監視任務につき、近くを飛行してた江草のS-1が支援を行う。
悠一郎「巣山、現場近くの駆逐艦なんだ!」
巣山「現場近くの駆逐艦は…秋霜です!」
悠一郎「あいつらなら平気だな。よし友永機と江草機以外はそのまま学校への帰投を命じてくれ」
巣山「了解」
発見海域
江草「江草機現着。これより要救助者へのサバイバルキット投下するため一度低空で位置を確認する」
江草機は高度を下げ、要救助者の場所を確認する。
江草「場所確認、再度突入してピンポイントでサバイバルキットを投下する」
江草機は一度高度を上げて、それから反転して要救助者の場所へ向かって飛ぶ。
江草「サバイバルキット投下!」
江草はサバイバルキット投下ボタンを押すと機体内に装備してたサバイバルキットを投下し、ピンポイントで要救助者の近くに投下させる。
宇田「救難用ビーコン反応確認しました!」
岬「リンちゃん急いで! 」
知床「了解!」
サバイバルキットには救難用のビーコンが付いており、秋霜はそれを頼りに発見海域に向かう。
野間「要救助者発見!」
野間が見張り台から友永が見つけた要救助者を発見する。
岬「サトちゃん! スキッパーで救助に向かって!」
勝田「了解ぞな!」
岬が言うと事前にスキッパーで待機してた勝田が青木と和住を乗せて救助に向かう。
そして
青木「救助完了したっす」
岬「よかった〜急いで艦内で検査をするから戻ってきて」
青木「了解っす」
勝田と青木と和住が乗ったスキッパーに要救助者3名が乗せられて秋霜艦内に着くとすぐに鏑木によって検査が始まる。
岬「どう美波さん?」
岬とましろが医務室まで行って様子を伺う。
鏑木「他の2人は大丈夫だが、1人がかなり弱っていて重度に近い状態の低体温症になってるかもしれない」
ましろ「そんな! なんとかならないのか?」
鏑木「艦内の医療設備じゃ無理だ。本土の医療設備を使わなければ」
ましろ「本土って横須賀まであと2時間はかかるが…」
鏑木「それでは間に合わない可能性が高い…最低でもあと1時間で本土の医療設備で治療しなければ」
岬「そんな…」
ましろ「艦長とりあえず報告をしましょう」
岬「そうだね…つぐちゃん武蔵と赤城へ報告して」
八木「了解です」
岬が医務室の伝声管から通信室の八木へ伝え、武蔵と赤城へ報告する。
そして報告が入った赤城の航空管制では
悠一郎「マジかよ…救助できたのにこんな状態じゃ」
巣山「どうやっても秋霜は横須賀まで二時間はかかります。我々の航空隊でなんとかなりませんかね? 」
悠一郎「航空機…そうかM-1の雷撃シートは1人だけの輸送用設備がある! それを使えばすぐに飛行場まで行けて医療設備の整ってる国防陸軍の基地で処置ができる! 巣山艦隊に一番近いM-1機はいるか?」
巣山「はい、一番近いのは村田機です」
悠一郎「すぐに村田機を赤城へ戻してくれ、秋霜と赤城は合流するように俺が伝えるから頼んだぞ」
巣山「分かりました」
悠一郎はすぐに赤城艦長と知名に連絡を取り、赤城は秋霜と合流すぐに合流するを許可されて、赤城と秋霜はすぐに新たな合流地点に向かう。
そして合流地点に着くと、すぐに赤城から内火艇が降ろされて秋霜から鏑木と急患を乗せて赤城へ乗艦する。
その頃赤城甲板では連絡を受けて赤城へ帰投してきた村田機が発艦準備をしてた。
そして急患をM-1の雷撃シートに入れる。
整備員「耐震固定具装着よし! 雷撃シートの扉を閉めます!」
急患はM-1の雷撃シートに入れられ閉められて輸送準備ができた。
悠一郎「村田、時間がないから慎重かつ急いでくれ」
村田「分かりました。あとあの女の子はどうするんですか?」
村田が指を指す方向には鏑木がいた。
悠一郎「さすがに急患だから万が一に備えておかないとな」
村田「でもM-1は二人乗りですよ。一体どうやって乗せるんですか?」
悠一郎「んー後部座席の搭乗員の膝の上に乗っけていけると思うぞ」
村田「あっ、行けますね」
完全に鏑木の身長の大きさだからできる事だった。
悠一郎「事が決まったらならばすぐに発艦するぞ!」
村田「分かりました!」
そう言うと村田はすぐにコックピットに乗り込み、後部座席では搭乗員が座ってから鏑木が搭乗員の膝の上に座る。
鏑木「しばらくだか膝を借りるぞ」
村田機搭乗員「あ、あぁ(なんか故郷の妹を思い出すな)」
村田「発艦します!」
そして村田は急患を乗せて発艦する。
悠一郎「頼んだぞ村田」
そして一時間後 赤城管制に報告が入る。
巣山「報告が入りました。 先ほどの急患患者は無事に国防陸軍の医務室に輸送し、無事に一命を取り留めたとのことです!」
悠一郎「よし! よくやってくれた!」
この事は新聞になり、学生が転覆事故の行方不明者の捜索をし、発見救助した上に航空機が重病の急患を輸送し、一命を取り留めた事が話題となり、ますます航空機の未来性を開いた一件となった。