黒崎一護 異世界へ   作:妃宮千早

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千冬さんが一夏に呼び方を注意するのずっと忘れてた…。
すいません。

それではご覧下さい。


第8話

授業が始まり一護の元へ一夏とシャルルが小声で不満を言いながら近づいてくる。

 

「また一護だけ…ずるいだろう。」

 

「だったらお前も飛び降りればよかっただろ?」

 

「だって飛び降りた場所3階だよ?そんなこと出来るのなんて一護君ぐらいだよ。」

 

「君はやめてくれ。同世代の奴には誰にも呼ばれた事ないからむず痒くなっちまう。」

 

「わかったよ。それなら一護って呼ぶね。僕の事もシャルルで良いよ。それと織斑一夏君だよね?」

 

「あぁ、俺の事も一夏って読んでくれ。」

 

「うん、これからよろしく。一護、一夏。」

 

男3人の自己紹介が終わり、千冬が授業の説明に入る。

 

「今回はISの実戦訓練を行う。凰、オルコット。前へ出ろ。」

 

「「ハイ」」

 

(はぁ、面倒だなぁ〜)

 

(見世物になるようであまり気が進みませんわね)

 

面倒そうな顔をした2人が前へ出る。

 

「お前ら、少しはやる気を出せ。愛しの男子が見てるぞ?」

 

「「ハッ!」」

 

「やはりここはこのイギリス代表候補生である私。セシリア オルコットが格の違いを見せて差し上げましょう。」

 

「ま、私の実力を知ってもらう良い機会かもねぇ」

 

いきなり2人にやる気スイッチが入った。

 

「それで?鈴さんと戦えばよろしいのでしょうか?」

 

「私はそれでも構わないわ。返り討ちにしてあげる。」

 

気が高まってきている2人に千冬が声をかける。

 

「慌てるな馬鹿ども。対戦相手は…」

 

千冬の声を遮る悲鳴が聞こえる。

 

「うわああああぁぁぁぁ!!!!!!!」

 

上から聞こえる悲鳴を聞き一護が声を出す。

 

「チッ!あぶねぇ!!」

 

そういい落下物の下になり、完現術を見えないように使って衝撃を殺し、倒れこんだ。

 

ズドォン!!

 

衝撃音と共に砂煙がまう。煙が晴れると一護は山田先生の胸の下敷きになっていた。

 

「モガッ!ガガガ!!(なんだ?見えねぇ!!)」

 

「く、黒崎くん!!そんなに、動かれると…。」

 

千冬が真耶を片腕でどかし、重みの消えた一護は状態を起こして立ち上がった。しかしその瞬間

 

ピュン!ピュン!

 

一護の左右の耳のスレスレにレーザーが通った。

 

「え"っ!?」

 

ゆっくり振り返ると満面の笑みのセシリアがいた。

 

「ち、違います…。」

 

「何がですの?」

 

ジリジリとセシリアは一護に躙り寄り、一護後ずさる。そこで千冬の鶴の一声がかかる。

 

「まぁ、その辺にしておけ。」

 

真耶の首の根を掴みながらそういう。そして千冬が手を離し、千冬が仕切り直すように声を上げる。

 

「さて、お前達、さっさと始めろ」

 

すると困惑するように前に出た2人が声をあげる

 

「え、2対1ですか?」

 

「流石にそれは…。」

 

すると千冬は笑みを浮かべ、

 

「安心しろ、山田先生はそれでも代表候補だ。」

 

「「「えっ!!?」」」

 

その言葉に皆が一様に驚きの声をあげる。

 

「昔の事ですよ。それに、候補生止まりでしたし。」

 

まぁ、心配するな。それに今のお前たちなら絶対に負けるからな。」

 

すると2人はムッとした表情を浮かべた。

千冬が片腕をあげ、試合開始の合図を出す。

 

「それでは…始め!!」

 

すると3機は勢いよく空に飛んでいった。

 

「デュノア、山田先生が使っているISについて説明してみろ。」

 

「は、はい。山田先生の使っているISはラファールリヴァイブです。第二世代開発最盛期の機体ですが、そのスペックは初期第三世代にも劣らないものです。現在配備されている量産型の中では最後発でありながら、世界第三位のシェアを持ち、装備によって格闘、射撃、防御といった全タイプに切り替えが可能です。」

 

シャルルの説明が終わった頃、

 

「「う、キャーーーー!!!」」

 

二人が揃って墜落してきた。

 

「う…まさかこの私が…。」

 

「あんたねぇ、何面白いように回避先読まれてるわけ!?」

 

「鈴さんこそ!無駄にバカスカと撃つのがいけないのですわ!!」

 

「ぐぬぬぬ!!」

 

「ぎぎぎぎ!!」

 

その二人を無視して千冬が言葉を発する。

 

「これで教員の実力が理解できただろう。以後敬意を持って接しろ。次にグループになって実習を行う。リーダーは専用機がやれ。以上だ。」

 

千冬が指示を伝え終えるとクラスの女子が一護とシャルルそして一夏に集まる。

 

「ねぇ織斑君、わからないところ教えてぇ。」

 

「デュノア君の操縦技術が知りたいなぁ。」

 

「一護君、手とり足取りレクチャーしてよぇ。」

 

それぞれに人が集まり指導が始まったのだが、

 

「「「「「「第一印象から決めてました!よろしくお願いします!!」」」」」」

 

「「「え、えぇ…。」」」

 

三人が困惑の声をだした。

 

 

 

 

 

 

 

 

昼時になり

一護、一夏、シャルル、箒、セシリア、鈴音の六人が屋上に集まった。その中で箒が恨めしそうな声を出す。

 

「どういうことだ……?」

 

一護が頭に?を浮かべながら返答する。

 

「何がだ?」

 

「いや、なんでもない……。」

 

箒がセシリアと鈴音にガンを飛ばし、鈴音は睨み返し、セシリアは不満そうな顔を一護に向けていた。

 

「どうしたんだよセシリア。」

 

「いいえ、二人で食べましょうと誘って了承して頂けたと思って楽しみにしていたら、人が大勢いて驚いているだけですわ。」

 

「悪かったよ。」

 

一護はセシリアの苦言を苦笑いで言葉を返していた。

 

シャルルは心配そうに一夏と一護に声をかけた。

 

「え~と、本当に僕がいてよかったのかな…?」

 

「良いって良いって、みんなで一緒に食うほうが美味いだろ?」

 

「まぁ…良いんじゃねぇか?今更だしよ。」

 

一夏は鈍感っぷりを前面に出して、一護は呆れた顔をして仕方なさそうに言葉を返した。

 

「ありがとう、二人とも優しいね。」

 

一護と一夏はピタリと動きを止め、お互い顔を寄せ小声で話す。

 

(おい、本当にこいつ男なのかよ!?)

 

(俺も今一瞬思った。)

 

その二人をみて女性陣が突っ込む

 

「何照れてんのよアンタ達。」

 

「一護さん…もしや…。」

 

「一夏…貴様…。」

 

「「ご、誤解だぁ!!」」

 

一応皆が落ち着きを取り戻し、それぞれ弁当箱を開ける。

 

パカッ

 

「お、鈴。それ酢豚じゃんか!」

 

「そうよ!アンタ前に食べたいって言ってたじゃない?だから作ってきてあげたのよ。」

 

すると一護が関心する。

 

「へぇ~、随分と上手いんだな。」

 

「なに?あんたも食べたいの?」

 

鈴音はドヤ顔で聞き返す。するとセシリアが咳払いをする。

 

「ん、んん!一護さん私も今朝たまたま早く起きて一護さんに料理を作りしましたのよ?」

 

「そうなのか!?サンキューな!つーことだ。悪いな鈴、また今度食わせてくれよ。」

 

「わかった、いいわよ。」

 

「にしても、サンドイッチか、普段はあんまり食わねぇから見る機会もそんなにねぇけど、よくできてるじゃねぇか。」

 

「はい♪どうぞ召し上がってください!」

 

「それじゃあ、もらうぜ。パクッ!」

 

「どうですか!?」

 

「お、おう…スゲェ井上だ…。」

 

「い、井上??」

 

「いやぁ、何つうか、スゲェ美味そうだったぜ!」

 

「本当ですか!?どんどん召し上がってください!!」

 

「え”!?あぁ、いや、あの…。お!!!?箒の随分美味そうじゃねぇか!」

 

セシリアに会心の一撃を食らった一護は話題をそらすために一夏と箒に話題を投げた。

 

「確かに、箒。食ってみてもいいか?」

 

「あぁ、構わないぞ。」

 

「そんじゃあ、パクッ。ん~、美味ぇな!スゲェな箒!!」

 

「へぇ~やるじゃねぇか。」

 

一夏と一護から関心される箒、それを見てセシリアと鈴音が嫉妬の目を向けた。

そして昼食が終わると一護立ちは千冬に呼び止められた。

 

「一夏、黒崎、デュノアかラウラの部屋割りだが、使える部屋がなく二人のどちらかにそれぞれ組み込むことになった。今ここでどちらかを決めろ。」

 

「俺たちがかよ?」

 

「そうだ。」

 

「どうする一護?」

 

「ジャンケンで勝った方が決めれば良いんじゃねぇか?」

 

「そうだな。それじゃあ」

 

「「ジャンケン ポン」」

 

結果は一護が勝った

 

「俺の勝ちか、なら…。ボーデ………………。ラウラがこっちの部屋で。」

 

「分からなかったのか…。けど良いのか一護?まぁ、俺は勝ったらシャルルを選ぼうと思ってたからいいんだけどさ。」

 

「オメェとラウラは一緒にするとアレだろ?」

 

「サンキュー一護。」

 

「では、デュノア、今日からお前は1249だ。ラウラには私から言っておく。」

 

そうして千冬は去っていった。

 

 

 

 

 

放課後になり、一夏たちが自主練習をすることになり、一人を除き、皆が競技場に集まった。

 

「あれ?一護はどうしたんだ?」

 

「用事があると言って何処かへ行ってしまいましたわ。」

 

「なるほどね…。」

 

一護が虚退治に出かけたということを一夏と鈴音は悟った。

 

「そっかぁ、残念だね。」

 

「まぁ仕方ないさ、それじゃあ早速はじめるか!」

 

そして箒、セシリア、鈴音の三人から指導を受けるのだが…

 

「全然わからぁーーん!!!!!!」

 

大雑把過ぎたり、適当過ぎたり、細かすぎたり。三人の言うことが一夏は理解できなかった。その時シャルルが一夏に声をかける。

 

「一夏、模擬戦しようよ。一夏の白式を見てみたいな。

 

「おう!いいぜ!!」

 

そして2人へ中央へ移動し、向き合う。

 

「じゃあ行くよ。一夏」

 

そして二人は空を飛んでいった。

 

結果は一夏がシャルルの射撃に一方的にやられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

<おい、一護…。>

 

「……。なんだ…。」

 

<わかってると思うが。>

 

「あぁ、わかってる…。クソッ!!!!」

 

<落ち着け、一護。後であの浦原の野郎だけには報告したほうがいい。」

 

「あぁ…。」

 

うつむく一護の周りは血の海だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

学園に戻る最中一護は学園から何かが打ち上がったのを発見した。

 

「なんだ?」

 

<大方誰かが模擬戦でもしてるんだろう。チンタラしねぇでとっとと戻れ。>

 

「うるせぇ、そういや一夏たちから放課後練習しようって誘われてたな。急いでもどるか。」

 

そう言い、一護は大きく跳躍した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一護が学園に戻ると日が傾いていた。

 

「もう、練習はしてねぇか…。仕方ねぇ、って一夏じゃねか。」

 

「お、一護!大丈夫だったか?」

 

「あぁ、心配ねぇよ。」

 

会話をしていた二人の耳に女の声が聞こえた。

 

「答えてください教官!!なぜこんなところで…。」

 

「「ん?」」

 

二人が茂みの向こう側へ目を向けると、千冬とラウラが話していた。

 

「何度も言わせるな。私には役目がある。それだけだ。」

 

「こんな極東の地で一体何の役目があるというのですか!!?…お願いです。我がドイツで再びご指導を!!ここでは貴方の能力が活かされません!!」

 

「あん?」

 

「だいたいこの学園の生徒は教官が教えるに足る人間ではありません!!危機感が薄く、ISをファッションか何かと勘違いしている。そのような者たちに教官が時間を割かれるなど…」

 

「そこまでにしておけよ?小娘。少し見ぬ間に随分と偉くなったもんだ。自分が特別だと思っているのか?」

 

「わ、わたしは…」

 

「寮へ戻れ、私は忙しい。」

 

そう言うとラウラは千冬の横を通り過ぎその場を走り去った。そして千冬がこちらに背を向けたまま言葉を発する。

 

「そこの男共!、盗み聞きか…揃いも揃って変態なのか?」

 

「な、なんでそうなるんだよ千冬姉!!」

 

「くだらんことをしてないで、練習でもしておけ。このままでは初戦敗退だぞ?」

 

「わ、わかってるって!」

 

「そうか、ならいい。」

 

そうして千冬は歩き出す。

 

「待ってくれ千冬さん。」

 

「なんだ?黒崎。」

 

「悪いんだけど後で時間くんねぇか?」

 

「分かった、後で前に使った部屋に来い。」

 

「わかった。それじゃあ一夏、部屋に戻んぞ。」

 

そして男二人で沈黙しながら歩いてる時、一夏が口を開いた。

 

「一護はきかないのか?」

 

「何がだ?」

 

「いや、俺に何かがあったって気づいてるだろ?」

 

「……。」

 

「それなのに何も聞かないからさ。」

 

「…それで何か悩んでるっていうのは何となくな。だけどよ、人間聞かれたくないことの1つや2つあるだろ?俺は俺だし、おめぇはおめぇだ。結局のところの解決方法は自分で納得する方法しかねぇ、おめぇにとって常にやり方は三つある、正しいやり方、間違ったやり方、てめぇのやり方、だ。おめぇのやりたいようにやってみろ。誰かに相談するもよし、自分で背負い込むのもよし、ただ、俺にはいつでも相談してくれて良いぜ。」

 

そういって一護は先に帰って行った。

 

「サンキュー、一護。」

 

 

 

 

 

prrrr prrrr

 

「っ、浦原さんか?実は………なんだけどよ。…あぁ、今日会った虚は……でよ。あぁ…。すまねぇ……。あぁ、また何かわかったら連絡する。」

 

一護は木に寄りかかり、そのまま腰を下ろして俯いた。

 

「クソッ……。」

 

力なくそう呟くのだった。


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