7月は試験に向けて勉強していたため手を付けることができず、8月の前半は7月にしなかったバイトをたくさんしていたため、遅れました
急ぎで書いたため、文章がおかしいかもしれません。ほぼ勢いで書きました。
「このキャラの口調が変」「このキャラこんなこと言わないよ」「誤字がある」など、違和感を感じたら是非教えてください!
直しますので!
「買うもんは買えた……けど迷った。」
一護は言われた品を買ったが、帰り道で迷い、袋片手に道を彷徨っていた。
「あのギンが屋敷に居てくれりゃあ霊圧で大体の場所がわかったんだけどな…。あぁー…。」
一護は頭を掻きながら辺りをキョロキョロと見回す。すると、そんな一護の様子を見かけてか、二人の人が一護に話し掛けてくる。
「おい、そこのお前。どうかしたのか?」
一護は声のする方向へ振り向くと、片方は軍服のようなモノを身に纏った長髪の女性が立っていた。
「あぁ、えっと。ここら辺にあるデッカイ豪邸に行きたいんだけど、ちょっと道に迷っちまったみてえでな。悪いんだけど教えてもらってもいいか?」
「デッカイ豪邸…。心当たりがいくつかあるが、そこの館の主の名前はなんだ?」
「プリシラって奴なんだけど分かるか?」
「プリシラ…。ということは…君はもしかして王選の関係者か?」
「いや、特に関係者ってわけじゃねえ。プリシラの部下の知り合いってだけだ。」
「…それはもしや、イチマル・ギンと言うやつではないか?」
「…そうだけど、アンタは?」
「申し遅れた。私はクルシュ・カルステンと言う。」
「俺は黒崎一護だ。」
「あぁ、それではイチゴ君。いきなりで悪いが、君は私をイチマル・ギンに会わせることは可能か?」
突然のクルシュの言葉に一護は首をかしげる。
「まぁ、やろうと思えば出来るかもしれねえけど、なんでだ?」
「少し彼には借りがあってな。どうしても礼を言いたい。頼む。」
「礼ねぇ…まぁ、言うだけ言ってみるけどよ。」
「ありがとう。それで君はプリシラの元に行きたいんだったな。ここからは少し遠い。案内しよう。」
「本当か!?悪いな、手間取らせちまって。」
「構わない。それに私もそちらの方面で用事があるんだ。連れがもう少しで来る。少し待ってもらう事になるが良いか?」
「あぁ、かまわねぇ。別に急いではないからな。」
クルシュと共に待つこと数分。一護とクルシュの元に白い制服のようなものを着た獣人が近づいてくる。
「お待たせして申し訳ありません。」
「構わない。私が少し早く着いただけだ。まだ時間には余裕がある。」
「んー?そっちの人は誰かにゃ?」
「彼は黒崎一護という。市丸ギンの部下らしくてな。彼に会えないものかと交渉していたんだ。」
「へぇ…。」
「アンタは?」
「これは申し遅れました。私はフェリックス・アーガイル。クルシュ様の騎士にゃ。よろしくね、イチゴきゅん。」
「あ、あぁ、よろしく頼むぜ。」
二人の自己紹介が終わると、クルシュが声をかける。
「さて、それでは案内をしよう。」
三人はプリシラ邸に向かって歩き始めた。
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「ってことがあってよ。つーわけで、クルシュって奴と会ってやってくれよ。」
数日後、屋敷に帰ってきたギンに一護がそう言うと、ギンは溜息をついた。
「ハァ…。クルシュちゃんってゆーたら王選候補の人やないの。全く君は…。まぁええわ。どちらにせよ。明日王選メンバーが集まる機会がある。その時用が有ればあっちから話しかけてくるから、そこは気にせんでええ。」
「つーことは明日エミリア達も王都に来るのか?」
「王線に参加する気があるのなら、の話やけどなぁ。エミリアちゃんと仲良えんやったら、君、明日来うへん方がええで。嫌な思いしたないんやったら。」
「あ?どう意味だよ?」
「そう言えば嫉妬の魔女の容姿の説明してなかったわ。銀髪のハーフエルフ。エミリアちゃんと全く同じ。」
「ふざけんな!エミリアはそんなやつじゃねえよ!会って間もねえけど、それだけは断言できる!」
「僕も大して何も思わへんけど、それは僕と君がこの世界の人間やないからや。」
「っ。」
「嫉妬の魔女って存在は人間の天敵や。頭では違うと知っていても、深層心理に刻まれた根源的な恐怖は消えへん。確かに君ならこの世界で生まれていても、差別なくエミリアちゃんと接することができたかもしれへん。けと、それは君が強いからや。藍染隊長の霊圧に絶望したときの君を君は忘れたらアカン。」
ギンはそう言うと一護に背を向け去っていった。
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翌朝になり、一護が部屋から出ると廊下にギンが立っていた。
「なんだよ?そんなとこに立って。」
「君が起きるん待ってたんや。これから王選メンバーが集まる。僕ん調べによると候補はエミリアちゃん、クルシュちゃん、そしてプリシラちゃんの他に二人おる。一人はアナスタシアちゃん、もう一人はフェルトちゃん。別に名前は覚えんでもええ、ただ、フェルトちゃんの騎士になったのは剣聖や。」
「ラインハルトか、それがどうかしたのかよ?」
「剣聖が王選候補者の騎士になったっちゅうことは、王国の騎士と言うより、ラインハルト個人として動けるようになることが増えるってことや。それが問題や。騎士であるなら、何かの指令が下りなければ動くことはできへん。せやけど、今回の王選ではラインハルトの意志で動くことが増える。難儀なもんや。」
「なぁ、気になったんだけどよ。アンタがプリシラに従う理由がイマイチわかんねえんだけど。アンタなら自分一人で目的を果たせるんじゃねえのか?」
「さて、それはどうやろか。それよりも、君。今日の集まりはプリシラちゃんについて行ってな。」
「はぁ?クルシュと会う約束はどうすんだよ?」
「僕はすることあるからよろしゅう。ほな。」
ギンはそれだけ言うと、瞬歩でどこかに立ち去って行った。
「ったく。仕方ねえ。」
一護は溜息をつきながらプリシラのいる場所に向かった。廊下を歩いていると向かいからアルがやって来て一護に話しかけた。
「おう、目つきの悪い兄さんじゃねえか。
「アンタは確かアルだったな。」
「アイツは一緒じゃねえのか?」
「用事があるっつってどっか行っちまったぜ。」
「おいおいおい……聞いてねえぜ全くよ。」
「代わりに俺が行けって言われてたんだけど、どうすりゃいい?」
「お?行ってくれるか兄弟。悪いな。本当はアイツが今日騎士として出る予定だったんだが、居ないんじゃしょうがない。一応姫さんに報告してくるから外に出れる準備はしておいてくれや。」
アルはそう言うとプレシアの元に向かっていった。
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「はぁ…。ったく、プリシラはどこに行ったんだよ!」
一護は一人王都の町を彷徨い歩いていた。
「アルの奴も面倒なの押し付けやがって。」
一護はアルに頼まれ、プリシラに付き添っていたが、少し目を離した隙に姿を消してしまった。
「ん?あれは…エミリアか?」
一護はプリシラを探していると視線の先で辺りを見渡しているエミリアを発見した。一護はエミリアの元に歩いていき、話しかける。
「おい、どうかしたのか?」
「え?あ、い、一護!?どうしてここに?いきなり居なくなって心配したんだからね!」
「あぁ、悪かった。それよりもお前こそ何してんだよ?王選メンバーはもう行かなきゃなんねぇんだろ?」
「うん、スバルに来ないように言ってたら遅くなっちゃった。一護はこれからどうするの?」
「あぁ…俺は…。」
「何をしている凡骨。職務を放棄して女と戯れるとは思い上がったな。」
エミリアの返答に困っていると後ろから突然プリシラから話しかけられた。
「テメェ!そりゃこっちの台詞だっつの!勝手にフラフラしやがって、さらわれても知らねえぞ。」
「貴様、前にも言ったであろう。この世は妾の都合のいいようにできておる。二度言わぬとわからぬとは愚かな奴よな。」
「はぁ…。良いから行くぞ。もう時間も結構ギリギリだしよ。」
「ふん。して凡骨。何故その女と一緒にいる。」
プリシラは見下したようにエミリアに視線を向ける。エミリアは居心地悪そうに視線を地面へと向ける。
「なぜって…こいつとは知り合いなんだよ。」
「悪趣味なことよな。妾は先に行く。お前は好きにしておれ。」
プリシラはそれだけ言うとさっさと先に行ってしまった。
「ったく。とっとと先に行きやがって。エミリアは行かねえのか?」
「私もすぐに行くよ。さっきまでロズワールを待ったけど、何か用があるみたいで。ロズワールとは現地で会う予定なの。」
「お前王様の候補者なんだろ?プリシラもだけど、お前らもう少し危機感持ったほうが良いんじゃねえか?」
「ねぇ、一護。さっきの人とは知り合いだったの?」
「ロズワールのところの屋敷を出た後に知り合いに会ってさ。そのままそいつのところに世話になってんだよ。今回はその知り合いが留守にしてっからその代りだ。」
「そういうことね。突然言っちゃうんだもの。今度からは気を付けてね。」
「あぁ、わりい。」
「それじゃあ行きましょう。」
一護はエミリアと共に王選メンバーの集まる場所へと向かう。
「でけぇ…虚宮みてえだ…。」
大きな建物の中に入り、廊下を進むと他と比べて大きな扉が目に入る。その扉の両脇に立っている騎士が扉を開け中に入ると大勢の白い制服を纏った騎士たちが並んだいた。
「一護はあの白い制服を着た人たちのところに行ったほうがいいわ。」
「あぁ。」
一護は言われた通りに騎士たちの元に並びに行くと知り合いを見つけそこに向かって歩いていく。
「よぉ、ラインハルトじゃねえか。」
「やぁ、一護。元気そうだね。」
「まぁな。そういえば…ん?」
突然ドアが開きそこからプリシラが入ってくる。
「あ?なんで俺よりも後に来るんだよ?」
すると、プリシラの後ろからスバルが続いて入ってくる。
(スバルは来ないんじゃなかったのか?)
一護は疑問に思いエミリアを見ると、エミリアの顔が強張っているのが見えた。
(スバルがエミリアの言いつけを守らなかったってことか。)
「はぁ…。プリシラもなにやってんだよ…。どうせ面白がって入れたんだろうな。」
スバルはエミリアに叱られたあと、こちらに向かってきて話しかけてくる。
「オッス!元気そうだな一護!!コンってお前が送ってくれたんだな!いやぁ、目つき悪い顔して結構優しいじゃないの。」
「目つきに関してはお前に言われたくねえけどな。それよりも良いのかよ?」
一護はチラリと目線をエミリアにやる。
「それに関してはエミリアたんに言われたんだから勘弁してちょ!それよりも、一護は今何してんの?ここにいるって事はもしかして王選の関係者だったり??」
スバルが一護に話しかけていると、ラインハルトが間に入る。
「スバル。そろそろ始まるから静かにした方がいいよ。」
「オッス!ラインハルト。相変わらずキラキラオーラが眩しいなお前は!」
「相変わらずそうで何よりだよ。さて、並ぼうか。」
ラインハルトの声にならい一護とスバルは列に並ぶ。
「皆様方、お揃いになられましたようですね。これより賢人会の方々が入場されます。」
頑健な騎士がそう言いながら入ってくると、その後ろに続くようにして数人の老人たちが入ってくる。
「僕らの世界で言うなら、四十六室みたいなもんやね。」
一護の背後から突然声がする。
「いきなり後ろから話しかけんじゃねぇよ。ギン」
「ええやないの。」
一護が小さくため息をつくと、ある一人がギンと一護に近づいてくる。
「あっれー?イチゴきゅんなんでこんなところに居るのー?」
「お前は、フェリックスじゃねえか。今来たのか。お、そうだ、こいつが市丸ギンだ。」
フェリックスはギンを見ると、耳がピクリと動き表情を硬くしてギンに向き合う。
「私はフェリックス・アーガイルと申します。我が主、クルシュ・カルステンからお礼の言葉を預かっています。」
「そない硬くならんでもええ。あれは偶然おっただけやから気にせんでもええよ。」
ギンとフェリックスが話していると、前に立っている騎士が声を上げる。
「賢人会の皆様。候補者の皆様方、揃いましてございます。僭越ながら近衛騎士団長の自分が、議事の進行を務めさせていただきます。」
騎士の声を聴き、その場の空気が引き締まる。
「ようやく王選って奴が始まるのか。でも、一人足りないよな?ラインハルトのところの奴。」
一護が疑問の声にギンが答える。
「今回の集まりは恐らくそれの報告が主な目的やと思うで。」
「候補者が増えるたびにそんなことやんのかよ。つか王選の候補者ってどういう基準で決まってるんだよ?」
「徽章や。候補者と認められると、王選候補者の徽章が光る。そして、今回の候補者の人数は5人。つまり、今日この日をもって王選が始まる。」
「ふぅーん。」
一護は興味なさそうに前の候補者4人を見る。
「つーか訊くの遅れたけどよ。アンタここ来るまで何してたんだよ。おかげで来る予定じゃなかった俺が手伝う羽目になっただろ。」
「魔女教について少しな。」
「何か情報でもつかんだのかよ?」
「そうやね。」
「もったいぶらずに教えろよ。」
「その内、嫌と言うほどわかることになるから心配いらんよ。」
「なんだよそれ…。」
一護が胡散臭そうにギンを見ると、騎士団長が声を大きく張り上げる。
「騎士ラインハルト・ヴァン・アストレア。ここに。」
名を呼ばれたラインハルトは返事をして中央に出る。そして騎士団長から報告するように促されると、観衆の視線を背負いながら賢人会に向き合う。
「名誉ある賢人会の皆さま。近衛騎士であるこのラインハルト・ヴァン・アストレアが任務完了の報告をさせていただきます。」
「ふむ、では皆に聞こえるように。」
賢人会の一人の指示を受けラインハルトは皆の方を向く。
「竜の巫女、王の候補者…最後の五人目、見つかりましてございます。」
ラインハルトの言葉を聞き、一護とギン以外の皆の表情が変化する。
「…なぁ、ギン。お前このことどうやって調べたんだよ。」
「秘密や。」
「……。」
一護はげんなりとした顔で深くため息をついた。