いつもより1000文字くらい少ないです。
「間違ってる」「ここ説明を入れてほしい」「描写が足りない」「このキャラの雰囲気違う」「コイツはこんなこと言わないよ」等々がありましたら、修正しますので是非お知らせください!
重ね重ね遅くなってホントすみません!
p.s.
話数が同じものがあるという指摘を頂き、こちらでは修正したのですが、直っていないという報告を受けていますのでそこはもうスルーしちゃって下さい。
わかりづらいかもしれませんが、よろしくお願いします!
一護はラムに頼んだ本を受け取ると、与えられた自室にこもり、本を開く。
「………ま、予想はしてたけどな。何もわからねえ…。ここも字が違うのか…。ロキ達のところも文字が違かったから今更うろたえることじゃねえけど。どうすっかなぁ。」
一護は本を机の上に置くと、ベッドに寝転がる。
「字を習っても良いけど、それだといつまでかかるかわからねえし、出掛けて情報を集めるにしても、ここは結構街からは離れてる。そんで近くにあるのは村だけ…か。」
(死神化して遠くまで行っても良いけど体をそのままにするのも不安だしな。そうだ!)
一護は携帯を取り出し、登録されている番号に電話をかける。
prrrr prrrr
「ハイ、浦原です。どうか致したましたか?」
「死神化する時に体を放置するのは不安だからコンをこっちに送れねぇか?」
「コンさんをですか?まぁ、それは可能ですが…。コンさんでいいんスか?なんかそっちもそっちで不安な気がしますけど。」
「こっちの世界じゃ放置するほうが危険っぽいからよ。コンは馬鹿だけど逃げ足は速いからな。」
「なるほど…。わかりました。では早速今からコンさんのところに向かいます。一応ぬいぐるみの状態で送りますんで。」
「わかった。サンキューな。蒲原さん。」
携帯電話を切り、一護はそのまま部屋を出る。
「なんだ?隣の部屋が…。」
一護は違和感を感じ、その違和感の発生源である隣の部屋へ行き、扉を開ける。その瞬間に大量の本が一護に向かって飛んでくる。
「うおっ!!」
一護は体を逸らして本を躱す。
「なんだ!?」
一護は本の飛んできたほうへ視線を向けると、金髪ツインテールの幼女、ベアトリスがこちらに掌を向けた状態で佇んでいた。
「ん?さっきの人間じゃなかったのかしら。紛らわしいことをしないでほしいのよ。一人増えるだけでも鬱陶しいのに、なんで人間なんかを二人も受け入れたのかしら?」
「ったく、それが人にいきなり本を投げた奴の言葉かよ。」
「口を慎みなさい人間。人の部屋に勝手に上がり込んだ奴が何を言っているのかしら?」
「隣の部屋から突然気配がしたらそりゃ入るだろうが。つーかすげえなこの部屋。めちゃくちゃ本が有るじゃねえか。」
一護は膨大な本の数に驚きながら部屋の中へと入っていった。しかし、一歩目を踏み出した瞬間ベアトリスから魔法が放たれる。
「うおっと!何しやがる!?」
「ベティーは今さっきの人間のせいでかなり機嫌が悪いのかしら。早くここから出ていかないと次は強制的に追い出すかしら。」
(ったく、さっきの人間って明らかにスバルっぽいよな…。何やったんだよ…。)
「わかったって。出ていくから落ち着け。」
「なら早くするのかしら。」
一護はベアトリスに攻撃される前にそそくさと部屋を出て扉を閉めた。すると、その瞬間扉の向こうにあったはずの存在感が消えた。一護は再び扉を開けると、そこには自分与えられた部屋と同じ部屋があるだけだった。
「どういうことだ…?さっきの図書館みてえな場所はどこに行ったんだ…?」
一護は霊圧を探知するために目を閉じ集中する。
(…この階には霊圧は感じられねえ。一階にはレムとラム…それと食堂にロズワールがいるな…。エミリアとパック、それにスバルが見当たらねえな…外にいんのか?まぁそれは良いとして……いた!一階の一番端の部屋。そういうことか。あいつは部屋を移動させられんだな。)
「ふぅー。この世界も変な奴らが多いな。つーか、屋敷のわりに人の数が少なすぎねえか?それに、さっきのベアトリスってやつ…。霊圧の感じが全然違う。パックと少し似てるような気がするな。それに、ここにいる奴の一人一人の霊圧の感じが違う。レムとラムも、普通の人間とは少し違う感じがするし、エミリアもロズワールもそうだ。スバルは普通と同じだけど、なにか変な物が纏わり付いてるし、まともな奴はいねえのかよ。」
一護はそう呟くと、部屋の中へと戻った。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
その夜、一護はラムに連れられてロズワールの元へと参じた。
「用があるって聞いたけど、ようやく仕事か?」
一護は席に着くと同時にロズワールに話しかけた。
「その通りだぁーよ。今日この近くにある村から魔物が出たって知らせがあったんだよねぇ。それで、レムに調べてもらったところ、どうやら厄介な魔物が付近に住み着いてるらしいだぁーね。そこで、明日村まで用事のあるエミリア様とスバルくんの護衛をお願いしたいんだよねぇ。」
「厄介な魔物って、どんな奴なんだよ?」
「どうやら胸に穴の開いてる魔物らしい。中々の強さで、レムも追い返すので精一杯らしくてねぇ。」
「! わかった。任せてくれ。」
その後、一護はロズワールから依頼の詳細を聞いた後、自室に戻った。
(胸に穴のある魔物……。たぶん虚のことだよな…。だとしたらやべぇな。明日まで待ってる場合じゃねぇ。早くしねぇと村の人が襲われちまう可能性だってある。)
「仕方ねぇな。」
一護はそう呟くと、腰に下げている代行証を手に持った。するとその瞬間、部屋の真ん中に突然何かが落ちてきた。
「くそ!!あの下駄帽子!何しやがんだ!」
部屋に現れたのは、先ほど蒲原が送ると言っていたコンだった。
「コン!ナイスタイミングだ!」
「って、一護じゃねぇか!何やってたんだよ!?」
「細かい話はあとでするから、今はとりあえず俺の体を見ててくれ!」
一護は有無を言わさずにコンの口に手を突っ込み、玉を取り出すと、それを自分の口に放り込んだ。すると、一護は死神化し、コンは、突然のことに呆然としている。
「それじゃあ、悪さするんじゃねぇぞ!」
一護はそれだけ言うと窓から飛び出していった。
「お~い……。」
コンはどうしていいかわからず、とりあえず部屋から出て探検し始めた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「チッ、ここでもまた虚かよ!どこにいんだ!?」
一護は報告にあった胸に穴の空いた魔物を探しに行く。しかし、霊圧はどこからも感じられず、辺りを周回する。
「いねぇな…。霊圧を消せる虛なのか?」
一護は飛び回るのをやめ、大きな木の枝にとまる。
一護は遠くを見回し、霊圧近くではなく、視覚で探すが、結局1時間ほど探しても魔物の姿一つ見つけることができなかった。
一護は仕方なく屋敷に戻ると、出入り口にレムが待っていた。
「ん?どうしたんだよ?こんな夜中に外に出て…っ!?」
一護がレムに話しかけに行こうとすると、その手に血が付着していることに気付く。
「…まさか、お前。」
「せっかく逃げられたのに、戻ってくるなんて何を考えているんですか?まぁ、その方が都合がいいですが。貴方を殺した後、すぐにもう一人も殺さないといけませんので、速やかに死んでください。そういえば、恰好が変わっていますね。やっぱり、近くに武器を隠していたんですか。」
(…そういうことか。あの血は俺の体のってことだな。逃げられたって言ってたからコンは生きてんだろ。近くには感じられねえけど。)
「おい、なんでこんなことしてんだ?ロズワールの命令か?」
「いえ、あの方は関係ありません。私がこうしたほうが良いと思ったからそうしているだけです。」
「それはどうしてだ?」
「スバル君は悪臭はしますが、大して強くないのはわかります。ただ、貴方は違います。普段のしぐさで何となく感じられていましたが、先ほどの私から逃げたときに見せた姿が消えるほどの高速移動といい、今感じるこの威圧感。脅威になり得ると今改めて判断しました。貴方が私たちに害をなす可能性は高くありません…ただ、もし今の状況で裏切られた場合、私では太刀打ちできません。ですから…この屋敷を出て行ってくれませんか?」
(コンのやつ本気で逃げたのかよ…。にしても、屋敷を出てけか。ま、飯食わせてもらっただけでもありがたいんだけどな。)
「…わかった。俺もお前とは戦いたくねえしな。言われた通り出て行く。けど、スバルを問答無用で殺すのは止めろ。ちゃんと判断してから行動しろ。俺はあいつの事を大して知ってるわけでもねえけどな。今日あいつ手を抜いて家事をしてるようには見えなかったぜ。」
「……。」
「ま、これを守れるなら、俺は黙ってこっから出ていく。もちろんスバルが悪い奴なら倒すのは仕方ねけどな。」
「…私がこの場で約束だけして殺すかもしれませんよ?」
「お前はそんなことしねえよ。見てれば分かる。」
「……わかりました。スバル君を殺すのは保留にします。」
「よし、なら俺は行くわ。飯、うまかったぜ。」
一護はレムにそういうと、屋敷に背を向け、大きく飛び上がった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
一護はコンの霊圧を辿ってそこに向かった。
「一護おおおおぉぉぉぉ!!!」
「うるせえ。」
一護は飛んできたコンの頭を鷲掴みにする。
「おい、お前には少し頼みてえことがある。」
「あん?何だよ。」
「お前、あの屋敷に居ろ。」
「はああああぁぁぁぁぁ!!!???お前ふざけてんのか!?俺はあのちっこい青髪のねぇーちゃんに殺されかけたんだぞ!?いくら可愛くても殺してくるようなねぇーちゃんは願い下げだぜ!」
「頼む。スバルって奴の様子が気になんでよ。レムも約束したから大丈夫だとは思うけど、ラムやロズワールがどうするか判断つかねえ。お前が守ってやってくれ。」
「~~~~!!野郎の護衛なんて真っ平だぜ!俺は生きることに誇りを抱いてるナイスなガイだぜ!それを護衛だt」
「銀髪の可愛い女がいるぜ(ボソ)」
「一護!俺に任せろ!!」
「………お前プライドないのな。」
コンを説得した後、一護は瞬歩でぬいぐるみを取り、そこにコンをぶち込んだ。
「頼んだぜコン。俺はこれから王都って場所に行くから、スバルには色々アドバイスしてやってくれ。」
「ったく、ならまともな体寄こせってんだ。良いからとっとと行っちまいな!」
コンをスバルの部屋に放り込んだ後、一護は瞬歩を使って王都に疾走して行った。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「そして、またこの街にやってきたわけだが…。正直どうすっかな…。伝手なし、金なし。打つ手なしだぞこりゃ…。」
一護は再び王都にやってきたが、することが無く、空腹を訴える腹をさすりながら街を歩く。
「あぁ〜…。そういや、ラインハルトってこの街に住んでたりしねえかな。住み込みバイトとか頼めれば良いんだけどよ。」
一護はラインハルトの霊圧を探るために目を閉じて集中する。
(ラインハルトの霊圧は相当だったからな。すぐに見つかるだろ。)
一護は集中を深め、片っ端から霊圧を判別していく。
(…違う。違う。違う。………見つかんねえな。どこだ?やっぱりエミリアみたいにあの日偶々王都に来てただけか? っ!?デケェ!なんだこの霊圧は!それにこの感じ…。)
「まさか、この霊圧は…。行ってみるか。」
一護は感じた霊圧の元へ全速力で駆けていった。