黒崎一護 異世界へ   作:妃宮千早

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文字数5,000前後ってながすぎるかな?

あと私の文章台詞ばっかやね

もっと合間に文を挟むべきか…

悩むでござます

あとめっちゃ連投笑


第4話

一護は今全力の瞬歩で林を駆けている。

 

「おい!あとどれぐらいだ!!」

 

<あとざっと100mってとこだな…。おい、見えたぞ。>

 

「右よし!左よし!周りに人はいねぇな。 オラァッ!」

 

一護は剣圧で虚を攻撃し、断末魔をあげながら虚は粒子となり空中へ四散した。

 

<おいおい、霊圧なんざ飛ばす必要ねぇだろ。過剰攻撃ってやつだぜ、王よ。>

 

「最近ISばっかでストレス溜まってたからな。久し振りに少しだけ霊圧の具合を確かめたかったんだよ」

 

<まぁそりゃいいがな、技を使えば使うほど周りに見つかりやすくなるってことを覚えとけよ!まぁ、そうなった方が俺にとっちゃあ楽しめるだろうがな>

 

「わかってるっつの。」

 

 

 

 

 

 

「なにあれ…? ISを纏ってない状態であんな濃いエネルギーを放出するなんて。計測器にも反応はなし…。ってことは光化学迷彩を使ってるわけでもない…。でもあの包丁はさっきの試合で使っていたやつと同じ…。でもサイズが全く違う…。ふふ、あはは、あははははは!!! 面白い!面白いよ!!オレンジ頭君!!ISを作ったこの私。世界が天災と認めたこの私ですらわからない力!!うふふふふ…。

解剖したいなぁ〜…。いや、それだと勿体ないかなぁ…。

みたところ彼特有の力っぽいし…。拉致して言うこときかせちゃおっかなぁ。あぁこんなにも欲しいと思ったモノは初めてかも!!良い玩具見つけちゃった♪」

 

影が僅かに揺れ動く…

 

 

 

 

 

 

「おい!一護どこ行ってたんだよ!!」

 

「悪りぃ悪りぃちょっと腹の調子が悪くてよ。」

 

「そんな事より一護。先程のあの光の柱はなんなのだ?」

 

「あぁ、実はアレは単一仕様能力なんだ。」

 

「「「はぁ!!???」」」

 

「山田先生まで生徒と一緒にそんな声あげないでくれ。」

 

「で、ですが!黒崎君はつい最近乗り始めたばかりなんですよ!!?」

 

「俺とこの機体の相性は良いからな。それでじゃないか?」

 

「いいえ、それだけではありません」

 

「ヤッホー一護くん!」

 

「更識さんに布仏さん!それだけじゃないってどういうことっスか?」

 

「楯無って呼んでくれないと教えてあげなーい♪」

 

「静かにしてくださいお嬢様。はいそれだけではありません。」

 

「冷たいなぁ虚ちゃんは。ま、さっきの試合で虚ちゃんが一護君の専用機のバイタルを見てたら面白いことがわかっちゃったんだよねぇ」

 

「面白いこと?」

 

「そうだよ一夏君面白いこと。単一仕様能力って言うのはね。普通第二次移行してから発現するものなの、だけど一護君の機体はまだほんの少ししか乗ってないのに発現した。第二次移行すらしていないのに。それにもっと前からおかしい事が1つだけあったんだ。」

 

「おかしいこと?」

 

「一護君。第一次移行するのにその機体に何分くらい乗ってた?」

 

「一緒にやってたんだからわかるだろ。長く見積もって4分くらいだった気がするな」

 

「よ、4分ですか!?」

 

「そう。正確には乗ってから第一次移行するまで3分17秒。おかしいですよね山田先生」

 

「はい!!いくらなんでも早すぎます!!大抵は第一次移行に30分前後は掛かります早くても20分が限界です!それなのに約3分なんて…。私…どうにかなりそうです…。」

 

「その気持ちとてもよくわかります。私達の10倍近い速度で強くなってるのですから。でもそれだけじゃない。バイタルの中に同調率って欄があってそこを見てたらものすごい変化があったの。基本同調率の振れ幅は精々3%かなり大きい人でも5%は絶対に超えない。織斑先生のSランクで同調率の最大は90%を超えるくらい。それに比べたら一護の今回の最大値は72%だけど最小値は42%振れ幅は30%。」

 

「一護自身スゲェ身体能力持ってるけど、専用機の方も異常なんだな」

 

「うるせぇーよ」

 

「それだけじゃないわ。」

 

「まだあるんですか!?」

 

「ええ、これは異常と言うよりは少し変ってるだけなんだけど。一護君の同調率の上がり方と下がり方。」

 

「何かおかしかったのか?」

 

「はい、同調率が上がる時は常にまるで抑えつけられているのを無理やり上げるような感じでしたけど、下がるときも常にまるで川を下るように落ちていきました。」

 

「ふむ、それは確かにおかしいな。」

 

「それっておかしいのか?千冬姉。」

 

「あぁ、同調とは分かり易く言えば機体と心を合わせるというとだ。つまり同調率の変化とは心の変動に等しい。似たよう変動はあるかもしれんがそれが常に一定というのはないはずだ。そこから考えられるのはある程度絞られるだろう。心が無いか、機体にリミッターを掛けているか…。まぁ、当然考えられるのは後者だろう。ということは黒崎。もしや貴様の機体既に第二次移行が済んでいるな?」

 

<正解だ。ハッ! なかなか頭が切れるじゃねぇか>

 

「お、おい。テメェ何勝手に…。」

 

「今のはなんですか?」

 

「私の気のせいでなければ直接頭に響いてきたような気がしたが…。」

 

<黒崎一護の専用機だ。まぁ俺をそこら辺のポンコツ共と一緒にし無いでほしいモンだがなぁ!>

 

「ず、随分と口の悪い機体だな。」

 

「ISには意思があるとは聞いているが、話せるなんて初耳だぞ」

<だから言ってんだろ?そこら辺のポンコツどもと一緒にすんなってなぁ!>

 

「ならどうして喋れるか教えてくれ無いかしら?」

 

<断る。態々言う理由がねぇ。>

 

「頭が固いのね。」

 

<ハッ!何とでも言え。今回はそこのつり目の嬢ちゃんが中々な考察をしたから出てきてやっただけだ。それ以外を喋る必要はねぇ。>

 

ガシッ!!

 

「イデデデデデ!!!!俺じゃ、俺じゃねぇ!!!!」

 

千冬はありったけの力で一護へアイアンクローをした。

 

「誰が嬢ちゃんだ!」

 

「ぬおおおおぉぉぉぉーー!!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「い、イテェ……。」

 

「ちゃんと躾ておけ」

 

「ハイ……。」

 

「それで、どうしても言ってくれませんか?」

 

<お付きの嬢ちゃんかアンタの俺の扱い方は中々だったぜ。

だが、それでも言えねぇなぁ。ま、気が向いたらいつか言ってやるよ。>

 

「クソッ!勝手に出てきて勝手に引っこみやがった!」

 

「一護君はわからない?」

 

「これに関してはさっぱりだ。なんでこいつがいるのかとか、なんで俺がこれに乗れるのかとか全然わからねぇ」

 

「なら一護! あの光線はなんなんだよ!」

 

「落ち着けよ一夏、アレはエネルギーを斬月の中に収束させて一気に放つって技だ。名前は月牙天衝。」

 

「天を衝く牙か中々良い名前ではないか」

 

「サンキューな、箒。ってあ!!千冬さん!」

 

「なんだ?」

 

「セシリアはどこにいんだ!?」

 

「私が一応保健室へ連れて行ってやったが…。」

 

「悪りぃ!助かるぜ。それじゃあ話はこれぐらいにして様子見てくるわ!」

 

「わかった!それじゃあな一護」

 

「あぁ!」

 

そう言って一護は走って行った。

 

「じゃあなじゃないわ馬鹿者!」

 

バキッ!

 

「グハッ!」

 

「二回戦はどうする気だ??」

 

「あ…。」

 

「全く仕方ない。黒崎一護の試合放棄で織斑一夏の不戦勝。よって織斑一夏をクラス代表に任命する。」

 

「そ、そんなぁ〜〜!!」

 

 

 

 

 

コン コン

 

「?はい、どうぞ」

 

「失礼しますっと」

 

「黒崎さんっ!? っ!!」

 

「おいおい、あんまし無理すんなよ。横になってて良いぜ。」

 

「いえ、これくらい大丈夫ですわ。まずは謝罪をさせてください。今までの数々の非礼をお詫び申し上げますわ。」

 

「頭上げてくれよ。別に俺はなんとも思ってねぇからよ。謝罪よりも挨拶の方がききたいぜ。これからよろしくってな。」

 

「っ、はい!これからよろしくお願いしますね!一護さん!」

 

セシリアは手を差し出し頬っぺたを赤くして花が咲くような笑顔をしている。一護は少し照れながらその手を握る。

 

「あぁ、よろしくな。セシリア。」

 

「では部屋へ戻りましょうか。」

 

満面の笑みを一護へ向ける。

 

「せ、セシリアさん??ま、まだ寝ていた方がい、良いんじゃないでショウカ??」

 

「もう治療は終わっていますの。ですので後は横になって休むだけですわ。かといってここにいつまでもいるわけにはいか無いので、どうかエスコートして頂けますか?」

 

と、小悪魔のような笑みを浮かべ一護をからかう。

 

「クッ、わ、わかった!さっさと行こうぜ。」

 

「ですが、私は今生憎立てませんの。背負って下さいますか?」

 

「せ、背負う…。わかった!わかったからそんな目で見るな!」

 

「うふふふ、申し訳ありません。からかいすぎてしまいましたわ。ではお願いいたします。」

 

「あぁ、 よいしょっと。ん、軽すぎねぇか?ちゃんと飯食ってんのかよ?」

 

「そ、そうですか?健康に気を遣っていますので、大丈夫だと思いますが。」

 

「確かに肌も健康的で良い色してるし、確かに心配は無さそうだな。」

 

「背中には痣が出来てしまいましたけどね、」

 

「う、悪りぃ。全力でやっちまったんだ。本当に悪かった。」

 

「いえ、謝らないでくださいまし!私嬉しかったんです。

あの一閃で、あの光で、私の世界を変えて下さったような気がして……。私の父はこの女尊男卑の世界に変わってから、いつも母親に媚びへつらっていました。ですから、私は勝手だと思いつつも、父を軽蔑しました。悔しかったのです。自分の父親がこういうものなのかと思うのが。そこからはあっという間でした。同じような態度をとる男性ばかり。そんな態度を見るとどんどん父を思い出して悔しい想いが何度でも蘇ってきてしまい…。ですが貴方が私を変えてくださいました…。救ってくださいました。お前が悟るのはまだ早いと、まだまだ先があるんだと。そう教えてくださったように感じました。あの光の奔流に呑まれ気を失う寸前に、薄っすらと見えたあの幻想的な光の中で落下している私を抱きとめてくれた貴方を、私はきっと、生涯忘れる事はありません…。」

 

「助けになれて良かったぜ…。あんまし上手く言えねぇんだけどよ。なんとなくそんな気がしてた。試合してる時にそんな風に感じた。闘ってるときはさ、何か相手の気持ちが流れ込むような気がするんだ。全部が分かるとは言わねぇけど。こいつは俺を認めてんのか見下してるのか。この戦いを望んでるのか望んでねぇのか。セシリアからは、自分を超えて見せてくれ。そう言われてる気がした。だから、オメェに勝ちてぇと思った。お前の世界はまだ広がってるんだって示したかった。」

 

「っ! ありがとう……ござい…ます……。」

 

そうして今まで気高く誇り高くあろうとした女が、自分を救ってくれた男の背中で泣いた。

 

 

 

 

 

ガチャッ

 

セシリアを背負いながら器用にドアを開け、泣き疲れて寝てしまった彼女をベッドにそっと寝かした。

目元が赤くなってしまっているが、とても安心した寝顔をしている。

 

<おい一護>

 

「なんだ?」

 

<あんまりこっちの人間と仲良くすんのはやめろ。お前は器用な人付き合いなんざ出来るタイプじゃねぇだろ、最後に傷付くのは他ならぬお前だぜ。他ならぬお前が良いっていうなら別に構わねぇがなぁ>

 

「確かにすぐに別れが来る。だけどよ、セシリアみてぇな奴に対しては手助けしてやりてぇって思うんだよ。」

 

<ハッ!まぁいい、好きにしな>

 

「あぁ、心配してくれてサンキューな斬月。さて、シャワー浴びて夕飯食って早めに寝るか。セシリアはそん時起こせば良いよな…。よし、さっさと入るか。

 

ガチャ ギィ バタン

 

寝ていた筈の彼女が起き上がる。

 

「すぐに別れが来る。とはどういうことでしょうか…? それに、斬月…。確か一護さんの持っていた大剣の名前…。大剣に話しかけていた?? 今の段階じゃまだ何もわかりませんわ…。とりあえず私もシャワーを浴びたかったのですけれど。気絶していたので仕方ありませんわね。一護さんが出るのを待ちましょうか…………。確か去年の水着が入っていたはず……………。」

 

 

 

 

 

 

ジャーーーー

 

シャワーの音がバスルームに響く。

 

ガタッガタガタ

 

「ん?物音。セシリアが起きたのか?なら早く出ねぇとな。」

 

コン コン

 

「ん、悪りぃセシリア。すぐ出るから少し待っててくんねぇか?」

 

「いいえ、大丈夫ですわ。私も入りますので。」

 

「は、入る!? ちょ、待て待て待て待て待て!!何考えてんだオメェは!!」

 

「あと5秒で入りますね。5…4…3……」

 

「ちょ、まっ!!」

 

一護は急いで腰にタオルを巻き座る。

 

「1…0」

 

ガチャ

 

「お、お前…間に合わなかったらどうすんだ……。」

 

げっそりとした感じで一護が質問する

 

「それは簡単ですわ。私の悲鳴がこの寮に響き渡るだけですので。」

 

「お前はそれだけでも俺は完全にアウトじゃねぇか…。」

 

「うふふ、冗談ですわ。お背中をお流しいたしますわ。」

 

「ま、待て待て駄目だろそりゃ!」

 

「大丈夫です。今日の御礼ですから。受け取ってくださいまし。」

 

「うっ。わ、わかった。」

 

セシリアは石鹸を泡立て一護の背中を擦る。

 

「御加減はいかがでしょうか?」

 

「あぁ、大丈夫だ。ちょうど良い。」

 

それは良かったですわ。」

 

ゴシゴシ ゴシゴシ

 

「一護さん…。」

 

「ん、どうした?」

 

「先程のもうすぐ別れがくる、とはどういう意味でしょうか…?」

 

「っ!? 起きてたのか?」

 

「はい…。」

 

「悪い、詳しくは言えねぇんだ…。ただ別れるときはきちんと挨拶する。だから安心してくれ。」

 

「わ、私は…」

 

「ん?どうした?」

 

「いえ……。」

 

離れたくない、とは言えなかった。


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