黒崎一護 異世界へ   作:妃宮千早

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第34話

一護はアマゾン姉妹とアイズそしてレフィーヤと共に買い物に行くために街中を歩いていた。

 

「はぁー…。別に服なんてなんて死覇装で良いのによ…。」

 

「駄目だよー!デートに行く時どうするの!?それで行くわけ!?」

 

「デートなんてしねぇだろ。」

 

「うわぁ!今美少女3人に囲まれて男としては最高のシチュエーションなのに何その態度!!枯れてるよ!!」

 

「うるせぇよ。大体、自分で自分のことを美少女とかいう奴は信用なんねぇよ!」

 

「なんですってぇ〜!!」

 

「止めなさい二人とも。目立ってるわよ。」

 

「あの、一護さんは装備の替えとか買わないんですか?」

 

「確かに、アンタは大剣以外は使わないの?」

 

「あぁ、使わねぇな。」

 

「なら大剣の予備は?」

 

「いや、別に必要ないぜ。」

 

「壊れたらどうするの?」

 

「壊れてもこれは直るんだよ。」

 

「なにそれ!?ずるい!!私も欲しい!!」

 

「俺の斬月はやらねぇぞ?」

 

「えー!!」

 

「えー、じゃねぇ!人の武器せがむやつがあるか!」

 

「あ、あの、それじゃあ防具は?」

 

「それも良いや。」

 

「まぁ、確かに、アイズの攻撃が当たらないんじゃ必要ないかもねぇ。」

 

ティオナがそう言うと、一護の前を歩いていたアイズはピクリと反応し、振り向く。

 

「今日は大剣を使って手合わせして欲しい。」

 

「お、おう…。」

 

一護はアイズの剣幕に押されて了承してしまった。

その後買い物では、一護は着せ替え人形にされてクタクタに疲れてしまった。

 

「あ"あ"ー…。疲れた…。」

 

「す、すみません。私もつい調子に乗ってしまいました…。」

 

「大丈夫だって!レフィーヤ。一護の軟弱!」

 

「うるせぇ!テメェらがおかしいんだよ!」

 

「そんなんじゃ、女性に愛想尽かされるわよ?」

 

「だから、そんな相手いねぇっての!」

 

「…居ないんだ。」

 

「当たり前だ!俺ここに来たばっかなんだぜ?」

 

「前に住んでたところにはいなかったの?」

 

「いないな。つかそんな話しはどうでもいいだろ。」

 

一護達はホームの前まで来るとそこにはベルが中を覗いていた。

 

「どうしたんだろ?あの子。」

 

「不審者にしては可愛らしい子ね。」

 

「あ、あの子。」

 

「アイズさん知ってるんですか?」

 

「ベルじゃねぇか。」

 

一護の声がベルに届きベルがこちらにやってくる。

 

「あ、一護さnナアアアァァァ!!!!!!」

 

一度は振り向きこちらへ走って来たベルだったがアイズを視野に入れた瞬間に走って去ってしまった。

 

「「「「……。」」」」

 

「何やってんだあいつ…。」

 

女性陣は唖然とし、一護は手を額にやった。

 

「連れ戻してくるわ。」

 

「ん、行ってらっしゃい。」

 

一護は走ってベルを追いかけ人目が無くなった瞬間に完現術を使い、ベルの前に移動した。

 

「うわっ!!い、一護さん!!」

 

「何逃げてんだよお前。」

 

「だ、だってアイズさんが…。」

 

ベルが顔を赤くし、モジモジし始める。鈍い一護でもその顔を見て悟ってしまった。

 

「アイズ?もしかして惚れたか?」

 

「ヒィ〜!!!」

 

「おい、落ち着けって。」

 

「す、すみません…。」

 

「あんな戦闘狂のどこが良いんだ?」

 

「び、美人じゃないですか…。」

 

「面食いか!ったく。おい、ベル。ちょっとロキ・ファミリアに寄ってけよ。」

 

「えぇー!!無理ですよ!!」

 

「ほら、あん時のミノタウロスのお礼言えば会話出来るだろ?」

 

「あ、そうか!そう言えばお礼言ってなかった…。行きましょう!一護さん。」

 

「あぁ。」

 

一護とベルはロキ・ファミリアに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お邪魔します…。」

 

ベルはビクビクしながらホームへ入る。それを椅子に座っていたティオナとティオネそしてアイズが見た。

「あー、さっきの子だ。」

 

「す、すみません。」

 

「いや…いい。」

 

「あ、あの、アイズさん。」

 

「なに?」

 

「あの、ミノタウロスに襲われていた時に助けてくれてありがとうございました!!」

 

「アレは、私たちが逃がしたミノタウロスだから…。こっちこそごめん。怖い思いさせちゃって。」

 

「いえいえ!僕が弱いのがいけないんです!」

 

「いや、私たちが…。」

 

「いえ!僕が…。」

 

「いつまでやってんだよてめぇら。」

 

「「はっ!」」

 

一護の声に2人はハッとして元に戻った。

 

「それで、ここに来たってことは、もしかしてダンジョンに行くのか?」

 

「あ、はい!もし良かったらどうかな、と思いまして。」

 

「わかった。そんじゃあ行こうぜ。」

 

「えぇ〜!!荷物置いてお昼ご飯を外で食べようと思ったのに!」

 

「お前らだけで行けよ。」

 

するもアイズが手を挙げて話す。

 

「あ…なら私もダンジョンに…。」

 

「オメェはフィンに今日はダンジョンに行くの止められてんだろ。」

 

「クッ…。」

 

「それじゃあ行ってくる。」

 

「分かったわ、遅くならないようにしなさい。」

 

「俺は子供か。」

 

一護はベルと共にダンジョンへと向かって行った。

2人がダンジョンへ入ろうとしたとき、後ろから声がかかる。

 

「ベルくん?」

 

「あ!エイナさん!!こんにちは。」

 

「うん。こんにちは。それで、こちらの人は?」

 

「僕とパーティを組んでくれる一護さんです。」

 

「黒崎一護だ。あんたは?」

 

「私はベルくんのアドバイザーのエイナ・チュールです。宜しくね。」

 

「あぁ、こっちこそよろしく。」

 

「えーと、貴方は冒険者になって間もなかったりする?」

 

「あぁ、そうだけどよ。」

 

「やっぱり、防具はちゃんと着けた方が良いのよ?」

 

「別に要らねぇさ。」

 

「そんなこと言って…。死んでからじゃ遅いのよ?」

 

「大丈夫だって、ミノタウロスより強い奴がいるところにまではいかねぇからよ。」

 

「当たり前です!!冒険者になりたてなのにミノタウロスなんて倒せるわけないでしょ!!」

 

「あの、エイナさん。一護さんは前に話したミノタウロスから助けてくれた人です。」

 

「前にって…。ベルくんが血塗れで町中を歩いた時のこと?」

 

「はい。」

 

「どういうこと…?もう…最近そういうのが流行ってるのかしら?」

 

「流行ってるって?」

 

「前に全身真っ白で防具も着けてない人がとんでもない量の魔石を持ってきてね…。その人初心者だったみたいだから、危ないことはしないように注意したのよ。そしたら、問題ないってそのまま帰っちゃってね。」

 

(ウルキオラ…。何やってんだ…。)

 

「へぇ、凄いですね。」

 

「ベルくんは真似しちゃ駄目だよ?」

 

「わかってますって。」

 

「うん、よろしい。それじゃあ呼び止めてごめんなさい。頑張ってね。」

 

「はい!!」

 

「あぁ。」

 

一護とベルはダンジョンへ潜った。2人は出現するモンスターをつぎつぎと倒す。

 

「中々やるじゃねぇか、ベル。」

 

「いえ、一護さんのお陰です。すっごくやりやすいです!」

 

「そうか、よし、ベル。右の二体を頼む。こっちの四体は任せとけ。」

 

「はい!!」

 

二人はその調子でモンスターを狩っていった。

 

「やったぁ!魔石がこんなに沢山。って一護さん!魔石拾わないんですか?」

 

「ん?あぁ、別に要らねぇからやるよ。」

 

「本当ですか!?やったぁ!!コレで神様に美味しいものを食べさせてあげられる!」

 

ベルは嬉々と魔石を拾っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日はありがとうございました!」

 

「いや、別に良いって。またな、ベル。」

 

「はい!」

 

こうして一護はベルと別れ、完現術を使って空へ飛び上がる。

 

「何してんだよ。ウルキオラ。」

 

一護の視線の先にはウルキオラがいた。

 

「お前は霊圧知覚を苦手にしていた筈だが?」

 

「こんだけ近付かれたら気付くに決まってんだろ。それで、何の用だ?」

 

「貴様に用などない。」

 

「なら何でここに居るんだよ。」

 

「言う必要はない。」

 

「そうかよ…。お前冒険者になったんだってな。意外だったぜ。お前は神様から恩恵なんて受け取らねぇと思ってたけどよ。」

 

「俺にも目的ができた。それだけのことだ。」

 

ウルキオラは響転を使ってその場から姿を消した。

 

「目的だと…?」

 

一護はウルキオラの目的という言葉を不審に思いながらホームへ戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おかえり、一護。」

 

「おかえりなさい。」

 

「…おかえり。」

 

一護が帰ると、ティオネ、ティオナ、アイズが共同スペースで座っていた。

 

「ん?お前らずっとそこに居たのかよ。」

 

「んなわけないでしょ!あたし達もさっき帰ったのよ!」

 

「昼飯食うのにこんなに遅くなったのかよ。」

 

「女の子は喫茶店で何時間も時間を潰せる生き物なのよ。」

 

「恐ろしいな…。」

 

一護はそれに付き合わされていたと思うと、背筋に冷たい汗が流れた。

 

「あ、その態度ムカつく!!」

 

「なんでだよ。」

 

「あたし達とお茶できるなんて、世の中の男共からしたら憧れてもいいくらいなんだよ?それをベルって子とのダンジョンを優先するなんて…。まさかホモ…」

 

「んなわけあるか!いい加減にぶっ飛ばすぞテメェ!」

 

「一護が怒ったー!!」

 

「全く、少しくらい静かにしなさい…。」

 

「お前の妹をどうにかしろよ。そしたら静かになるぜ。」

 

「ねぇ、一護…手合わせ。」

 

「お前はそれ以外に俺と話すことねぇのかよ!?」

 

「え?……ジャガ丸くんは何味が好き?」

 

「口下手な合コンか!!もういい…。取り敢えず支度して鍛錬場に来いよ。」

 

「ん、わかった。」

 

一護は一足先に鍛錬場へ行き、アイズは支度をしに行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勝負が終え一護は自室に戻って行った。

 

 

「また負けたね。アイズ。」

 

「………。」

 

「ほら、怒らないの。」

 

「…怒ってない……。ねぇティオネ。どうして私勝てないの?」

 

「簡単な話よ。彼の反射神経と動体視力がずば抜けてる。並の上級の冒険者ですら見えないアイズの剣先をしっかりと見てるように感じた。つまりは単純に体のスペックの差。でも、剣の腕はわからないわ。やってることはひたすらアイズの攻撃をいなして、躱して鈍ったところを攻撃するだけだから、上手いかどうかもわからない。」

 

「ホント、デタラメだなぁ……。Level1なのに…。」

 

「私の力量が足りないってこと…?」

 

「端的に言えばそういうことね。」

 

「ティオナさん!そんなことありません!!アイズさんはとっても強いですよ!!」

 

「でもー、一護はさらに強いよねぇ。」

 

「えぇ、そうね。恩恵も貰わずにあそこまで強くなるなんて異常よ。何か秘密があるのかもね。」

 

ティオナたちは立ち上がり、部屋へと戻って行った。

 

「秘密……。」

 

アイズも一護が前に言っていた心構えを思い出しながら、部屋へと戻って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一護は少し遅い時間に起き、死覇装に着替えて斬月を背負って下に行くと、ロキとアイズが出掛けようとしていた。

 

「ん?どっかでかけんのか?」

 

「怪物祭にアイズたんとデートや!」

 

「なんだそれ?」

 

「知らんのか?闘技場でダンジョンから連れ帰ったモンスターを調教すんねん。露店とかもいっぱい出るんやで。」

 

「祭りか…。」

 

「…一護は行く?」

 

「なぁ!!アイズたん!?」

 

「そうだな…。ベルも誘ってみるか…。」

 

「ベルくん?」

 

「あぁ〜、ドチビのとこの子供やな。いつの間に仲良うなってんねん。」

 

「豊饒の女主人で飯食った時にいたぜ。」

 

「ホンマいつの間に話してんねん…。まぁええわ、ほなウチとアイズたんは先に行くで〜。」

 

「あぁ、それじゃあな。」

 

ロキとアイズはそのままホームを出て行った。一護もベルのところに行こうとして、重大な事に気がついた。

 

「俺、ベルどこに住んでるか知らねぇじゃん…。しょうがねぇ…豊穣の女主人なら誰か知ってるか?確かシルがベル話してたような気がするし、営業時間外だけど誰かいんだろ、行ってみるか。」

 

一護はこうして豊饒の女主人へ向かった。店に到着すると丁度緑の髪のエルフが店から出てきた。

 

「なぁ、アンタ。ちょっといいか?」

 

「はい、なんでしょう? 貴方は…黒崎さん。」

 

「ん?名前知ってるのか??」

 

「はい、ロキ・ファミリアの方々と一緒に来店なさった方ですね。シルから聞いています。私はリューといいます。」

 

「あぁ、よろしくな。それてシルって今いるか?」

 

「いえ、今はいませんが。」

 

「そうか…参ったな。」

 

「何かシルに用が?」

 

「いや、ベルの所のホームの場所を知ってたら教えて欲しかったんだけどよ。」

 

「クラネルさんのですか?」

 

「あぁ、今日祭りがあるらしいから誘うと思ったんだけど、あいつの住んでるところ知らねぇからよ。」

 

「なるほど、そういうことでしたか。クラネルさんなら既に祭りに向かわれましたよ。」

 

「え?そうなのか?」

 

「はい、シルも祭りに行っているのですが、財布を忘れてしまって、それを届けるよう頼みましたから。」

 

「なるほど、そういうことか。結構デカイ祭りだから会えねぇかもな。今日はダンジョンに行くか…。」

 

すると、店の中から女店主がやってきた。

 

「ちょっとリュー、使いを頼めるかい?材料がちょいと足りなくなりそうでね。ん?なんだ男といるのかい?なら好都合だ。アンタ!少しリューを手伝ってやってくれ。はい、これに必要なもん書いてあるから、それじゃあ頼んだよ!!」

 

女店主は一護にお使いの紙と金の入った袋を握らせ、店の中へ戻って行った。

 

「あ、え、ちょ……。はぁ…仕方ねえか。」

 

「…すみません。別に手伝っていただかなくても…」

 

「この量だぜ…?」

 

一護はズラッと材料の名前が並んだ紙を見せる。

 

「……二回往復すれば…。」

 

「手伝うって…。」

 

「すみません…。」

 

こうして二人は買い物へと出かけて行った。

 

 


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