ISとか全然わかん無いでござます
ホンマに大変でござます
「おい黒崎。その腰に付けてる髑髏のようなアクセサリーは外せ」
「あ、はい、スミマセ…っ!? ちなみにこれの事デスか?」
「それ以外に何がある?ん、それはもしやISか?貴様ISを持っていたのか。ついて来い。」
(代行証が見えてるって事は霊的資質がかなりあるってことだよな…。参ったな。死神の状態でみつかんねぇ様にしねぇと)
千冬についていくと、研究室のような場所についた
「あら?織斑先生じゃないですか。どうしたんですか??」
「更識か、お前こそここで何をしてる。」
「虚ちゃんにちょっかい出してるだけですよ♪」
「やめてください会長。どうもこんにちは織斑先生」
「あぁ、これは丁度良い、こいつのこれを調べてくれ」
「これは?何やら奇怪な柄ですね。なるほど、これは待機状態のISですか…。貴方は黒崎一護さんですね。私は更識楯無お嬢様のお付き。布仏虚と言います。どうぞ宜しくお願いします。」
「あぁ、こちらこそよろしく頼む」
「それでコレを調べれば良いんですね?」
「あぁ、こいつは自分のISすら把握してないみたいだからな。頼む」
「わかりました。黒崎さん、こちら拝見しても?」
「あ、あぁ、俺からも頼む。」
(みんな見えてんのか!?、もしかしたらみんな霊的資質が高いのか?だとしたらこっちに沸いた虚はこの学園を襲うかも知れねぇな。なら虚の姿も見られる可能性があるって事か。本当に気を付けねぇとな。)
「ではお預かりします。」
そういって布仏は早速作業に取りかかった。
「お姉さん一護君がIS持ってるなんて初耳だなぁ?」
「いや、俺もアレがISって知らなかったんだよ。」
「ん?知らずに持ってたってこと?」
(やべっ、変に思われたか??クソッ!言い訳が思い浮かばねぇ!!)
「アハハハ…ハハ…。」
「まぁ、良いわ。その内話してくれるとお姉さん嬉しいなぁ?」
そう言って楯無は一護に腕を絡める
「わ、わかった!その内話すから!あんまりベタベタすんな!!」
「顔真っ赤にして照れちゃって、可愛い〜♪」
「クッ!」
「見かけによらず初心なのか貴様は」
ニヤニヤと笑いながら千冬は一護をからかう
「教師ならとめろよ!!」
「男としてその程度のことどうにかできなくてどうする?」
「うっ…。」
口では一護は勝てないようだ
「終わりました。」
すると虚が戻ってきた
「随分と早いんだな。」
「簡単に調べただけですので。」
「それで?布仏。結果は?」
「機体の名前は護一崎黒。武器は大きな日本刀。名前を斬魄刀そして、フルフェイスを覆う防具の仮面。仮面は出し入れ可能。正直絶対防御があるのであまり意味はないと思われます。」
「名前が一護君の名前の逆さま。それに日本刀だけの武装
それと顔を全部覆う意味の無い仮面って…。随分可笑しな機体なのね。」
(仮面だと!?それに名前。間違いない…。それに代行証に集中すれば微かに虚の霊圧が混じってる…。つまり、そん中にあいつがいるってことか…。)
「…君。…護君!。一護君!!!」
「うわっ!!な、なんだ?」
「なんだじゃないわよ。いきなりボーッとして。」
「わ、悪りぃ。」
「まぁ、いいでしょう。一護君それにあまり乗って無いんでしょう?お姉さんがレクチャーしてあげるわ。手取り足取り。うふふふ…。」
「い、いや遠慮しマス…。」
「馬鹿者。お前は来週試合だろう。そんな余裕ぶっていないで少しでも対策をたてておけ。」
「は、ハイ…。」
「なら早速行きましょうか。織斑先生、競技場の使用許可を。」
「分かった。私が手続きをしといてやる。」
「ありがとうございます。それじゃ虚ちゃん。行ってくるわね!」
「わかりました。お気を付けて。」
「平気平気。誰に言ってるの?私。学園最強だよ?」
「それでもです。危険な所は見受けられませんでしたが。なにやら得体の知れない機体でした。」
「わかったわ。それじゃあね。」
「はい。それでは重ね重ね言いますが気をつけてください。」
楯無は背を向けたまま手を振り歩いて行った。
競技場では楯無は先に専用機を装着し佇んでいた
「名前を呼べば良いんだよな…。」
<いや、その必要はねぇぜ。俺はお前だ集中すりゃ言葉なしに纏えるぜ>
代行証なから声が聞こえる
「その声は!?おい、お前何でそんな中にいんだ!どうやって入った!」
<あんまりカリカリすんなよ。別世界に来るなんてなかなか無い経験だろ?楽しくやろうぜ!別に危害を加えるわけじゃねぇ。これから試合だろ?力を貸すって言ってんだ。>
「自分から力を貸すなんて、どういう風の吹き回しだ?」
<俺が存在してる説明は長くなるから省くが、俺はもうあの時の無月で消えた存在だ。元の世界に戻れば俺は消える。そんな状態で、こんな緩い戦いしかない世界でテメェの体奪って何になる?俺はこの世界でのお前の生き様を見るだけだ。精々楽しませろよ!王よ。話したいときは代行証に集中して念じるように話しな。それなら周りに聞かれないよう話せる。機嫌がよけりゃ返事してやるよ。>
「ふ〜ん、全体白に所々に黒が入ってるのね。模様が少し和服に見えるわ。一護君、どう?自分の専用機の乗り心地は?」
「中々だな、初めて乗った時に比べりゃ若干軽いかもな」
「アレは打鉄。量産機だからそれは当然よ。」
「それもそうか。って、何で知ってんだ??」
「い、いや。織斑先生から聞いてたのよ。」
「そういうことか。」
「うんうんそういうこと(危なかった…。盗聴器を仕掛けてたなんて言ったら無駄に警戒させちゃうところだったわ)。
それじゃあこれからお姉さんと模擬戦しましょうか?好きに仕掛けてきて良いわよ」
「いきなり女にかかって行けるかよ。」
「ん?気にしなくて良いのよ?お姉さん強いから。」
「強い弱いは関係ねぇよ。ただ、女に先制攻撃ってのは嫌なんだよ。」
「そう。わかったわ。それならお姉さんから行ってあげるっ!!。」
楯無が真正面からランスで突く。一護はそれを見切り半歩体をズラしてギリギリで避ける。
「へぇ、真正面とは言え、初心者にはそんな簡単に避けられるものじゃないんだけどなぁ。どうやってそんな技術を身に付けたのかな??」
「別に、反射神経には自信があるだけだ」
「へぇ、なら少しだけスピードあげちゃおうかしら。」
先程の速度が嘘のように絶え間なく雨のようにランスが一護に向かって突きが繰り出される。それを一護は斬魄刀を構えず上体を上下左右に揺らしかわし続ける。
30秒ほどの交錯のあと。一護が斬魄刀の柄で楯無の腹部を突き、30mほど飛ばす
「グッ…。困っちゃうわね…。思ったより強いじゃない。
あぁ〜あ、お姉さんちょっとびっくりしちゃった。少しなめてたみたいね。」
「今のは完全に隙をついたと思ったんだけどな。片腕を滑り込ませて衝撃を緩和させたのか。やるじゃねぇか。全然本気じゃなかったみてぇだし。俺の方こそあんたの事なめてたみてぇだ。悪かったな。」
「いえ、大丈夫よ。それにしてもよくわかったわね。私が全力じゃないって。まぁいいわ。どうする続ける?」
「いや、それなりに動けることがわかったし…って、え?」
突然期待が光だし斬魄刀の形が変わった
「うっ、何だったんだ?って斬月じゃねぇか!!」
「嘘…第一次移行してなかったっていうの…? それに斬月って。その大剣のことを知ってるの?」
(やべぇ!またやっちまった!)
「い、いや…。俺がよくやってるゲームに出てくる刀でよ! お気に入りだったんだ!!」
(言ってて悲しくなるな…。)
「ふ〜ん。それの使い方研究する?手伝うわよ?」
「いや、大丈夫だこいつの使い方はよく知ってるからよ」
「そう、わかったわ。時間としてはとても短いけどまぁ良いでしょう」
「それじゃあ付き合ってくれてありがとな」
「いいえ。良いのよ。またレクチャーしてあげるわ♪」
試合当日。
「おい、一護どうしよう!俺全然IS乗れなかった!!」
「全然って…。お前何してたんだよ…。」
「ち、違うんだ!!箒が!箒が!!」
「一夏!!貴様!私のせいにするつもりか!!元はと言えばお前が腑抜けた太刀筋をみせるからそれを叩き直してやっただけだろう!!」
「まぁ、2人とも落ち着けよ。今更嘆いたって仕方ねぇだろ。腹くくれよ一夏。」
「それもそうだけどさぁ〜。ヤベェよ〜。舞台上で発表するのに紙を忘れてアドリブしなきゃならない状況に追い込まれたくらいヤベェよ〜。」
「それで?その腑抜けた太刀筋は直ったのか?」
「剣道は奥が深い。3年のブランクをこんな少しで直るはずもあるまい。所詮は付け焼き刃だ。しかし一夏には幸か不幸か才能がある。闘いの中ですごい勢いで伸びていた。とはいっても小学時代の方が上手かった様なレベルだが。」
「頭で考えてりゃ勝手に動くような感じだからな。意外となんとかなるもんだぜ。」
「本当か!?なら何とか頑張ればイケるかもな!!」
「まぁ、相手は代表候補生だからな。そう簡単にはいかねぇだろうがよ」
「グググ…。くそ〜あんだけ喧嘩売られたんだ!負けてたまるか!」
「おいおい。お前はシードだろ。それともなんだ?俺はお前の中じゃ既に負けてんのか?」
「わ、悪い。そういうつもりじゃないんだ。」
「ハハハ、まぁ、構わねぇよ。おっと、そろそろ時間か。
行ってくるぜ。」
「おう!頑張れよ一護!!」
「男子たるものそう簡単に負けるなよ」
「あぁ!サンキューな一夏、箒。」
そう言い一護はゲートへ向かっていった
「黒崎。あの模擬戦以来乗っていないと聞いてるがもしや諦めたのか?」
「いや、俺は諦めたりなんかしねぇさ、勝算はある。」
「ほう、相手は代表候補生だ。大きく出たな。」
「まぁ、見ててくれよ。それでわかるさ。」
「確かにその通りだ。精々足掻けよ。」
「おう!」
「来ましたわね一護さん。貴方の覚悟、ここで見せてもらいますわ!」
「あぁ、見せてやる。行くぜ。」
「私とブルー ティアーズの奏でる円舞曲で踊り明かしましょう!!」
「悪りぃな。ダンスはした事ねぇんだ。」
「構いませんわ。私がエスコートして差し上げます。」
そう言いセシリアはスターライトmkIIlで雨が降り注ぐように一護へとレーザーが発射される。
「クッ!!」
一護はすぐに回避し、ジグザグに避け続ける。
「お上手ですわ一護さん!」
「そうかよ、クソッ!近付けねぇ…。」
「それでは全力をお出ししましょう。行きなさい!ブルー ティアーズ!!」
すると小型機が3機一護の周りへ飛んで行きミサイルを放つ。
「遠隔操作してんのか!」
ミサイルをかわしセシリア射撃をかわして前へ出るが─
ドカンッ!!
「っ!?なんだ?」
一護の背に衝撃がはしる。セシリアはその隙に一斉に射撃を行う。
「どうです?私のブルーティアーズは。とても良い機体でしょう?」
「誘導弾だったのか…。」
「織斑先生…。黒崎君ってISに殆ど乗っていないんですよね?なのに自然に瞬時加速などのテクニックを乱発して使うってありえるんでしょうか?」
「あり得るからこそ、この試合なのだろうさ。山田君。」
「スゲェ…。あんなに動けるもんなのか…。」
「私もここまでとは…。」
「何を驚いている?お前ら。」
「「千冬姉(さん)」」
バシン!バシン!
「織斑先生と呼べ。」
「「す、すいません」」
「まぁいい、あんなものはまだ序の口だ。これから試合が動いてゆく。」
「一護は大丈夫なのかよ?」
「まぁ、黙って見ていろ。」
(とりあえずあの3機を落とさ無い限り接近できねぇ…。ならやる事は1つ!)
「あらこちらに馬鹿正直に突っ込んでは二の舞ですのよ?
行きなさいティアーズ!」
(少しくらいの被弾は覚悟の上だ。さっきのミサイルもギリギリで斬月の防御が間に合ったからエネルギーはたいして減ってねぇ。よし!)
一護が低空飛行でセシリアの方面に向かって行く。
「自ら逃げ場の少ない地上へ向かうとは。ついに自棄になりましたの!?もういいですわ。貴方の覚悟のそこは見えました。この円舞曲、終わりにして差し上げますわ!!」
セシリアからはレーザーの雨、ブルーティアーズからはミサイル。一護はその2つを受け地面に足をつける。砂煙が上がりセシリアは射撃をやめ空中で佇む。
「もう終わりですの?この程度だとしたらがっかりですわ!」
(よし、うまく砂けむりをはれた。これで存在がわかっても何をするかは分からないはず。あとは斬月の包帯を持って蛇尾丸みてぇにやれば2機は壊せるはずだ。)
<盛り上がってるところ悪いが、王よ。虚が出たぞ。>
(なんだと!?こんな時に!!)
<幸いといっちゃあなんだが出てきたのはゴミクズみてぇなもんだ。行けば一瞬で殺せる。が、俺らにとってはゴミでもここにいる人間共に比べりゃよっぽど上位種だ。こんなISなんて機械じゃ触れる事はできてもダメージなんて期待できねぇ。なまじ力があるだけ撤退の選択肢も取らずにじわじわと圧倒され心を折られてくしかねぇ。だから急げよ、王。ノロノロしてると誰かが死ぬぜ?>
「仕方ねぇ…。」
一護は斬月を一閃し、砂煙を四散させる。
「やっと出てきましたのね。さぁ、終わりにいたしましょう。」
その言葉と同時に3機あったブルーティアーズが倍の数、6機になる。
「ブルーティアーズは全部で6機ですわ!!これで…終わりです!!」
文字通り隙間のない連続射撃。
「悪りぃが。一瞬で終わらせてもらう。」
「えっ…?」
「月牙天衝」
静かに放ったその言葉。セシリアの耳に入った瞬間、試合場が青白い光の奔流に飲まれた。
「な、なんだよあれ!!」
「光の…柱…?」
「絶対防御があるとはいえアレはやり過ぎだな…。」
「何呑気な事を言ってるんですか!織斑先生!!! だ、大丈夫でしょうか?オルコットさんは…。」
セシリアは悲鳴も上げられず機体も解除され落下していく。
(あぁ、私…負けたのですね…。不思議ですわ…もっと、悔しいかと…思っ…て……。)
セシリアは意識を手放す寸前、オレンジの髪の青年が自分を抱えてくれるのをうすらぼんやり視界に入り、斬月が放った月牙天衝のエネルギーの粒子がその光景をとても幻想的に見せていた。
そしてセシリアはとても温かい気持ちのまま意識を失った。